久保田 通告に従い一般質問をいたします。
質問の第1は、環境に負荷の少ない循環型経済社会システムの構築についてです。私たちの社会が築いた大量生産、大量消費、大量廃棄の経済システムは、経済発展をもたらす半面、水俣病に代表されるような危機的な公害を経験するとともに、多種多様多量の廃棄物を産み出し、全国各地でゴミ問題をひきおこしました。今日、21世紀を目前として、環境問題は、私たちの暮らしからでるゴミを焼却処理することで発生するダイオキシン問題から次の世代に大きな影響を与える地球温暖化問題まで空間的にも、時間的にも大きく広がり、深刻化しています。
このような状況を解決するために、環境に負荷の少ない循環型経済社会システムの構築が求められています。環境への対応は経済的に縮小均衡へと導くものではなく、技術力や経済性の向上を通じて、最適生産・適量消費・最小廃棄の環境負荷の少ない持続的発展が可能な経済社会システムへの転換を可能にするものです。本県においても、平成10年、やまぐち環境創造プランが策定され、環境への負荷の少ない循環型社会の構築を目標として諸施策に取り組んでこられていますが、以下、5点おたずねいたします。
(1)環境産業の育成・支援によって、テクノポリス圏域の活性化を
久保田 第1点、 環境産業の育成・導入とテクノポリス計画についてです。
平成9年5月に閣議決定された「経済構造の変革と創造のための行動計画」では、今後成長が期待される産業分野として環境関連産業が取り上げられています。廃棄物処理・リサイクル、公害防止装置、環境分析装置、土壌浄化、水質浄化、都市緑化などの環境修復・創造など環境関連産業の範囲は広く、現状の雇用規模は約64万人、市場規模約15兆円であるところ、2010年には140万人程度、37兆円程度まで拡大すると予測されています。
本県でも、やまぐち未来デザイン21において、次世代産業の育成・導入として環境関連産業があげられ、宇部フェニックステクノポリス計画の下、その圏域4市4町における大学など研究機関の充実によって産・官・学・民の連携がなされ、環境関連、エネルギー関連技術の蓄積が図られてきました。このたび、テクノポリス法、頭脳立地法が廃止され、「新事業創出促進法」が施行されたことにより、今年度、「高度技術産業集積活性化計画」が策定されることになっていますが、テクノポリス計画および頭脳立地計画を発展的に引き継ぎ、これまで集積された産業を新事業創出の苗床として活用されることが求められています。
また、本県では、廃棄物ゼロをめざすゼロエミッション実証検討事業も進められており、今年度、行動計画の策定が予定されていますが、環境産業のポテンシャルのある周南地域と宇部テクノポリス圏域において、ゼロエミッションの高度技術を共通基盤としてこの二つの計画を組み立てることが可能ではないでしょうか。平成9年度から通産省と厚生省との連携事業で創設された「エコタウン事業」は、地域の環境調和型経済社会の形成を支援するものですが、北九州市、川崎市、岐阜県、長野県飯田市などすでに全国7地域でエコタウン事業が進められ、環境関連産業の活発な展開によって、地域経済の活性化に貢献しています。
そこで、本県においても、「高度技術産業集積活性化計画」の中核にゼロエミッションを目指す環境産業を位置付け、テクノポリス圏域と周南地域のネットワーク化による資源循環型生産システムを構築し、エコタウン事業の獲得を目指すべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
二井知事 「高度技術産業集積活性化計画」の策定に関しては、この計画は、新事業創出促進法の主旨に沿って、テクノポリス及び頭脳立地地域の産業や技術等の集積状況や地域の特性等を考慮し策定することにしている。 本県では、今後成長が期待される情報通信、医療・福祉、環境等の産業関連分野の育成を重点的に行っているが、当地域は、環境関連分野の研究開発・技術集積が進んでいることから、関係市町や山口ゼロエミッション推進協議会とも連携しながら、環境産業の育成も計画の柱の一つとしてこの計画づくりの中で検討していきたい。
また、テクノポリス圏域と周南地域とのネットワーク化によるエコタウン事業については、エコタウン事業はゼロエミッションとも密接に関係していることから、まず現在策定中の山口ゼロエミッションプランの中で、他の地域も含めて地域間の連携あるいは役割分担等のあり方やエコタウン事業の導入の可能性等について検討してまいりたい。
久保田(再質問) テクノポリス圏域における環境産業の蓄積とエコタウン事業についての認識はいかがか。
二井知事 環境産業の蓄積については、ゼロエミッション推進協議会との連携のもとに設置をされている「山口ゼロエミッションサロン」への参加企業の中で、環境技術を有する企業は47社あるが、このうち、テクノポリス・頭脳立地地域内では16社あり、また中小企業創造活動促進法に基づく環境関連の認定24件のうち、11件が同地域内のものである。こうしたことから、当地域には環境関連産業の集積が進んでいるというふうに考えている。
エコタウン事業については、新しい資源循環型の産業社会の形成を目指すゼロエミッション構想を地域開発の基本理念に据え、先進的な環境調和型まちづくりと民間活力を活用した環境産業の自立的発展の推進を目的として進められる事業であり、山口県における環境調和型の地域経済社会の形成に寄与するものと私も認識している。この事業の推進については、現在策定中の山口ゼロエミッションプランまた高度技術産業集積活性化計画との整合性をいかに図るかということ、あるいは地域におけるコンセンサスづくりをどう進めていくのかということ、また、環境産業としての将来性ということについても考えなければならないこと等々あるので、これらを含めて十分検討していきたい。
(2)ダイオキシンの徹底的削減を
久保田 第2点、 ダイオキシン類排出削減対策についてです。
このたび策定されました「山口県ダイオキシン類対策指針」は、国が3月に示したものより積極的内容となっており、ごみ焼却施設、産業廃棄物施設ともに、排ガスは、3年後の2002年度には平成8年度の排出量の90%削減、2008年度には95%削減することとしています。しかし、焼却灰などは、排ガスに比べて量的に多く、ダイオキシンが凝縮しているにもかかわらず、適正処理としての指針が明確ではありません。
また、小型焼却炉については、大型炉以上の濃度のダイオキシン類が排出されるといわれていますが、現在のところ、法的規制がないため、自治体が独自の条例や要綱を制定し、ダイオキシン類の排出規制をする動きがでています。埼玉県は条例を、北九州市など7市は要綱をつくっています。本県においても、住民に身近なところに多数設置されている小型焼却炉に対して法的に排出規制をすべきと考えます。このような問題意識から、焼却灰処理対策と小型焼却炉の排出規制について、ご所見をお伺いいたします。
村岡環境生活部長 ダイオキシン類排出削減対策に関して、県では本年6月「山口県ダイオキシン類対策指針」を策定し、ダイオキシン類対策の基本的な方向を示し、各分野での実施計画や施策の推進により、積極的な対策を講じて行く。
焼却灰等の処理対策について、市町村の設置する県内19の一般廃棄物焼却施設から排出される焼却灰等に含まれるダイオキシン総量は、平成9年度では年間約5グラムと推計され、その灰は市町村等の埋立処分場に処分されている。 今後は、山口県ごみ処理広域化計画に基づき、ごみの減量化・施設の集約化・RDF化施設や灰溶融施設の設置等を進め、灰に含まれるダイオキシン総量を平成14年度には84%、平成20年度には99%削減することとしている。
現在、山口ゼロエミッション実証検討事業において、企業、大学及び行政が連携を図り、焼却灰等のセメント工場での無害化処理やセメント原料化の検討を進めており、この成果を踏まえ、目標の早期達成に努めていきたい。
一方、産業廃棄物焼却施設については、焼却灰中のダイオキシン量等が把握されていないことから、国において現在その実態調査等を実施しているところであり、また、焼却灰等に含まれるダイオキシン類の排出抑制等が法制化される見込みであることから、これらの国の動向及び本県における環境調査等の状況を踏まえながら、適切に対応していきたい。
小型焼却炉のダイオキシン類排出規制については、環境庁の推計によると未規制の小型焼却炉から排出されるダイオキシン類の量は、排出量全体の1割程度と見積もられているが、県としてはダイオキシン類の排出総量を削減する観点から、分別収集の徹底によるごみの減量化とともに、小型焼却炉の使用中止を指導しており、既に県の設置する焼却炉の90%、市町村等の設置する焼却炉の50%が使用中止されている。
また、家庭用小型焼却炉等についても使用を中止し、市町村等のごみ焼却炉で、適切に処理するよう、広報紙等で啓発しているところ。ご指摘の小型焼却炉に関する条例や要綱による排出規制については、現在国において、小型焼却炉の規制措置等の法制化が検討されていることから、県としては、こうした国の動向や県内の大気・水質等の環境中のモニタリング結果等も見極めながら、本県における小型焼却炉の規制について検討していきたい。
(3)ゴミ減量化と自然循環のために、生ゴミ堆肥化のシステムづくりを
久保田 第3点、 生ゴミの堆肥化推進と農業利用のシステムづくりについてです。
本県におけるごみ総排出量は、平成8年度で64万トン、そのうち、47万4千トンが焼却処理されています。一人あたりの排出量も近年では増加傾向にあり、中国四国地域では一番多くなっている一方、リサイクル率は全国で下から10番目、中国四国地域では最下位となっています。ダイオキシン類の主たる排出源がごみ焼却施設からということをみましても、ごみの発生・排出抑制、リサイクルの推進は大変重要です。
特に、生ゴミは、レストラン、施設、学校給食などから大量に排出され、家庭においてもごみの約3割をしめています。生ごみの堆肥化は、高度技術を要せずに資源となり、農業や園芸に活かすことができます。近年では、消費者の健康・安全嗜好が高まる中、有機農業が広がっており、農林水産省も平成11年度から持続的農業総合対策を新たに実施し、堆肥などの有機性資源を活用した土づくりと化学肥料・農薬の節減を行う農業生産の支援を行います。本県においても、生ゴミ堆肥化と農業利用へのシステムづくりに取り組むべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
村岡環境生活部長 快適な生活環境の確保や省資源、省エネルギー等の観点から、ゴミの減量化・リサイクルは重要となっており、その中で、生ゴミを堆肥化し、循環させることは、循環型社会実現のための重要な課題の一つであると認識しており、農業分野において、生ゴミを堆肥資源の一つとして、有機栽培はもとより広く農業生産に利用することは意義あることと考えている。しかし、農業生産に使う堆肥としては、品質、特に肥料分が一定であること、重金属などの有害物質や不純物が含まれないこと、安価で安定して供給されること等が求められるなど、農業利用には解決すべき課題がある。したがって、県では、今後、生ゴミ堆肥の農業利用システムづくりに向けて、関係部局が連携して県内外のモデル的な取り組みを検証するとともに、実用化に向けた検討を進めていきたい。
(4)低公害車の普及推進と公共輸送機関の利用促進対策を
久保田 第4点、 エコ自動車社会の実現についてです。
川崎公害訴訟で示されたように、自動車排ガスによる大気汚染や健康への悪影響は、自動車中心社会を築いてきた山口県にも警鐘をならすものです。やまぐち環境創造プランでは、重点プロジェクトとして、エコ自動車社会の実現があげられており、今年度、低公害車導入計画を策定することになっていますが、広く県民への低公害車普及はどのようにされるのか、東京都は99年度、低公害車の自動車税を軽減する条例改正を行って、低公害車の普及を目指しています。自動車中心の交通体系に関しては、高齢化の進展や温暖化ガスの排出など様々な観点から問題提起されており、特に、近年では、ドイツのフライブルク市のようにヨーロッパの多くの都市で、自動車中心の交通政策から公共輸送機関への転換をはかり、きれいな空気と街の活性化に成功した例が注目されています。
わが国でも、都市の自動車交通の管理、環境定期の導入、さらに、建設省の軌道整備や運輸省の低床式車両への補助制度もつくられ、新しい交通体系への挑戦が始まっています。本県は、全国平均より10年も速いスピードで高齢化が進んでおり、2010年には65歳以上の高齢者が4人にひとりの割合になるといわれています。また、二酸化炭素の総排出量のうち自動車からのものは20%強をしめており、本県では、平成22年度までに二酸化炭素の排出量10%削減を目標にかかげています。このような問題意識から、本県が目指すエコ自動車社会とはどのようなものか、そして、その実現のための手法はどのようなものか、ご所見をお伺いいたします。
村岡環境生活部長 エコ自動車社会の実現について、県では、自動車排気ガス等の環境監視や、発生源対策、低公害車の普及、物流の効率化等の交通流対策、さらには道路構造・沿道対策を総合的に推進し、自動車社会と環境保全が両立した社会を「エコ自動車社会」と位置づけている。この実現のため、低公害車の普及については、今年度、「新エネルギー導入指針」の中で、「低公害車導入計画」を策定し、導入可能数量や普及方策等を示すこととしている。
公共交通機関の利用については、鉄道の増便やダイヤの改善、「コミュニティバス」・「共通バスカードシステム」の導入支援等により、鉄道やバスの利用の推進を図っているところ。
このほか、交通管制システムの高度化や貨物自動車の効率的運行、輸送方法の転換、道路沿道における植樹帯の整備、さらには、アイドリングストップやノーマイカーデー、自転車利用等を進めるための県民運動等の推進など、多方面にわたる諸施策について、実現可能なものから計画的に推進することにより、環境にやさしいエコ自動車社会の実現に努めていきたい。
(5)環境マネジメントシステムの認定取得に向けての基盤整備を
久保田 第5点、環境マネジメントシステム(ISO14001)の認証取得に向けての基盤整備についてです。
近年、企業や自治体において環境マネジメントシステム(ISO14001)の認証取得が活発化しており、平成11年度2月末現在、全国的には、すでに1735あまりの民間事業所などが認証取得し、本県でも25事業所が取得しています。また、埼玉県や大阪府など13自治体でも取得しています。本県では、平成13れに向けての基盤整備としては、昨年度から実施しているエコオフィス実年度に本庁における認証取得を目指すとしていますが、そ画のより積極的取り組みとともに評価と検証が必要です。環境マネジメントシステムは、環境負荷にかかわる工程を体系的に文書化し、定期的・客観的に評価するための手段として世界的に認知された規格であり、環境に配慮した事業活動をする上でのパスポートともみなされています。環境規制のように基準を守るのではなく、あくまで自ら目標を設定して、実施・検証していくものですから、エコオフィスの実践で積み上げられた実績が環境マネジメントシステムの目標設定に大きく影響するものと思われます。したがいまして、商品やサービスを購入する際に環境に与える影響のできるだけ少ないものを選んで優先的に購入するグリーン購入の積極的推進、白色度70の再生紙の利用、省エネ・省資源・ゴミ排出抑制・リサイクルなどの積極的推進とともにエコオフィス実践計画全体の評価・検証をすすめ、環境マネジメントシステム(ISO14001)の認証取得にむけての基盤整備とすべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
二井知事 ISO14001は、企業や自治体が環境に配慮した事業活動を自主的かつ継続的に推進するものであり、環境負荷の低減を図る上で有効なシステムであるため、県では、本庁において平成13年度までに認証を取得することとし、これを通じて、県の事務・事業における一層の環境配慮、県民や事業者等の環境保全活動の促進、さらに、企業の認証取得の促進や環境産業の育成等を推進するということにしている。
この認証取得に向けての基盤整備については、昨年度から「山口県庁エコオフィス実践プラン」に基づき,再生紙の使用促進・電気等の使用量の削減・グリーン購入の促進など、9事項を重点取り組み事項として掲げその推進に努めている。お示しがあった、ISO14001の目標設定は、エコオフィス実践プランにおける実績が基本となるので、本プランを一層積極的に推進し、この実績の評価・検証のうえに立って、ISO認証取得のための準備を進め、あわせて専門職員の養成と研修を行うとともに、ご質問の中にあったような、グリーン購入ネットワークや環境ISOなどに関する全国的なネットワークにも積極的に参加すし、ISO認証取得に向けての基盤づくりを進めることにする。
また、本庁に引き続き、「山口県産業技術センター」においても、事業者の取組支援のために、ISO認証取得の準備を進めているところである。今後、ISOに基づく環境配慮の取組を県全体に拡大をしていくために、企業や市町村等が参加した「環境ISO山口倶楽部」の設立をし、環境に関する情報の提供や講習会の開催等を連携・協働していきたいと考えている。
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久保田 質問の第2は、男女共同参画社会の実現についてです。
日本社会は、憲法に男女平等の理念がうたわれていながら、固定的役割分業意識に根ざした社会慣行や慣習が残り、実態として十分には男女平等が実現していませんでしたが、去る6月15日、「男女共同参画社会基本法」が成立しました。1975年の国際婦人年世界会議から国連を中心として進められてきた男女平等社会を築くための取り組みが、20世紀の終わりにようやく日本社会でも本格化してきました。この基本法の前文には、「男女共同参画社会の実現を21世紀のわが国社会を決定する最重要課題と位置付け、社会のあらゆる分野において、施策の推進を図っていくことが重要である」としています。本県でも、平成10年3月に策定されたやまぐち男女共同参画プランにもとづいて、各種施策が積極的に展開されていますが、以下、4点おたずねいたします。
(1)男女共同参画社会基本条例制定に向けての体制づくり
久保田 第1点、 男女共同参画社会基本条例制定に向けての体制づくりについてです。
男女共同参画社会基本法の成立を受けて、本県でも条例制定に向けての取り組みが進められるにあたり、取り組み体制の強化充実が求められます。まず、現在の「女性青少年課女性係」から「男女共同参画課」と名称変更するとともに、男女共同参画社会形成促進に関する諸施策の総合的計画的な推進を図っていくための機能強化をすること、これに伴い、山口県女性問題対策審議会を「山口県男女共同参画審議会」と改めることが不可欠と考えます。ご承知のこととは思いますが、国においては、すでに総理府男女共同参画室、また男女共同参画審議会となっています。さらに、条例制定において、盛り込むべき内容を検討するにあたっては、NGOなど県民の参画が図られるよう十分配慮するとともに、地域においてもきめ細やかに議論の場を設定するなど、条例制定を通じて地域に男女平等の理念を浸透させていくことが必要と考えますが、ご所見をお伺いいたします。
二井知事 取組み体制の強化充実について、男女共同参画社会の形成が、個性豊かで魅力ある県づくりに、極めて重要であるという認識の下に、諸施策を総合的、計画的に推進するために、昨年7月、男女共同参画を担当する大泉副知事を選任するとともに、本年度はさらに専任の部次長を配置する等、推進体制の充実強化に努めてきたところ。今後の課の名称変更も含めた機能強化については、この度の基本法の施行を受けての取組みの中で、どのような機能強化を図ったらいいのか、その方向付けを検討していきたい。女性問題対策審議会を男女共同参画審議会に改めることについては、御提言の趣旨を踏まえ、今後各方面の御意見もお伺いしながら、検討していきたい。
条例制定や盛り込むべき内容の検討に当たって、県民の参画を図ることなどについて、この度庁内に設置した「男女共同参画社会基本条例研究会」において、条例制定の必要性や、条例化に係る問題点等の検討を行っている。この研究会の取りまとめに当たっては、県下4ヵ所で開催する地域フォーラムや、推進キャラバンでの意見交換会等において、NGOなど県民の方々の参画を求め幅広く意見をお聞きし、併せてこれらの機会を通じて、男女共同参画社会についての理念の浸透を図っていきたいと考えている。
(2)審議会など委員への女性登用促進を
久保田 第2点、 審議会など委員への女性登用促進についてです。
やまぐち男女共同参画プランでは、政策・方針決定過程への女性の参画の拡大を重点目標とし、審議会などにおける女性委員の割合を2000年までに20%、2010年までに30%以上に増やすことを目標としています。そして、積極的取り組みの成果として、本年3月末現在、すでに19.1%に達していることを高く評価したいと思います。
しかしながら、男女共同参画社会の形成に向けての今日の社会的機運の盛り上がりをみますと、2010年までの30%は控えめな目標値であり、社会情勢の反映が十分とはいえないと考えます。社会構成の半分を占める女性の意見が政策・方針決定の場に十分反映されないということは、民主主義の根幹を問うことでもあります。東京都では、昨年4月現在、22.6%でしたが、2005年度末までに50%にすることを目標としています。本県においても、目標値は、50%と設定すべきと考えます。ご所見をお伺いいたします。
二井知事 審議会等における女性登用について、本県では、本年6月現在19.3%となっており、当面は、「やまぐち男女共同参画プラン」に掲げる「平成12年度末までに女性委員の割合を20%以上に増やす」という目標の早期達成に努めているところ。これまでの取組の中で既に平成22年度末の目標(30%)を達成している審議会等もあるが、法令等により、関係行政機関の長や専門分野の有識者が委員の要件とされている場合等もあり、実態として、女性登用が困難な審議会等も存在をしている。
そこでお示しの50%の目標値の設定について、県としては、今後、女性の登用状況や男女を取り巻く社会環境の変化を見ながら、必要に応じ検討していきたい。私としては、引き続き、女性自らの各分野への積極的な参画や、このための環境づくりを促進するとともに、委員構成の見直しや審議会等の委員にふさわしい人材の発掘等に努め、女性の登用に向けてなお一層努力をして参りたい。
(3)学校教育における男女平等教育の推進を
久保田 第3点、 学校教育における男女平等教育の推進についてです
やまぐち男女共同参画プランでは、人権尊重の視点に立った男女平等の推進を基本目標のひとつにかかげ、そのなかでも、男女平等意識の定着を図る教育・学習の推進を重点目標としています。そして、施策の基本方向としては、学校における男女平等教育の推進、人権尊重の視点にたった性教育の推進、教職員研修における男女平等意識の啓発、県立高校における実質的な男女共学化の推進、男女混合名簿の推進要請などが示されていますが、山口県教育ビジョンでは、男女共同参画については、成人教育として位置付けてあり、学校教育には明確化されていません。
本県の現状としては、入学募集は男女共学でも、入ればクラスは男女別といった県立高校もありますし、男女混合名簿の導入は、県立高校で8%、中学校で2%、小学校で15%と低迷しています。国の最重要課題として位置付けられた男女共同参画社会形成の取り組みにおいて、学校教育はかなめです。本県においては、学校教育における男女平等教育の推進をどのように位置付け、実行されようとしているかおうかがいいたします。
牛見教育長 今日の社会は、さまざまな分野におきまして男女が同じ条件で参画し共に貢献することのできる男女共同参画社会に移行しつつあり、このような社会の実現を目指すためには、学校教育における男女平等の教育の果たす役割は極めて重要になっていると認識している。
県教委では、昨年策定をした「山口県教育ビジョン」の中で、成人教育の一環として、男女共同参画社会に向けた意識啓発を基本計画の一つに掲げているが、学校教育においては、男女の平等などの人権尊重の精神はあくまでも教育の基本理念にかかわるものであるという認識から、男女平等の教育については、各教科・道徳・特別活動等あらゆる日常の教育活動を通じまして実施をしているところ。お示しの男女共学のクラス編成や男女混合名簿の導入については、各学校の実情に応じ各学校が主体的に判断しているが、県教委としては、男女平等の精神を踏まえ十分検討がなされるよう一層指導していく。
久保田(再質問) 男女平等教育は日常的に指導されているから「山口県教育ビジョン」に明記されなかったとのことだが、日常的に指導されていると思われる人権教育について、その推進を明記されている。男女平等社会を根付かせるためには、学校教育にこそ男女平等教育を明確に位置づける必要があったと考え、再度、御所見をお伺いする。
牛見教育長 実は、男女平等については、小学校・中学校・高等学校それぞれの学習指導要領を見ると、例えば高等学校の教科では、公民とか、家庭科とか、あるいは特別活動に男女相互の理解と協力といった項目があり、いわばその日常的な教育の中で行うようになっている訳で、特出しをしていない。しかし、現在のような、男女共同参画プラン等も作成をされた段階なので、私どもとしても、何らかの対応を考えていきたいと考えている。
(4)農山漁村の環境整備の促進を
久保田 第4点、 農山漁村の環境整備についてです。
わが国の農業就業人口の6割は、女性が占めており、本県においても98年の農業就業人口約5万9千人のうち女性は3万6千人で全体の61%近くを占めています。女性は、手作り特産グループの活動など農産加工への取り組みや地域の諸行事への参画などを通じて、地域の活性化に大きく貢献しています。しかし、女性が果たしている役割の重要性にもかかわらず、事業経営や地域における女性の貢献は、生産と生活が密接不可分であることや、地域に残る固定的な役割分担意識や慣習などから、それに見合った評価がなされておらず、女性の方針決定への参画も進んでいません。本県の農業委員は56市町村合計で1018人ですが、女性委員は、わずか5人といった状況です。
また、女性の果たしている役割に対する適正な評価と働きに応じた所得、報酬の確保や資産形成などを図る観点から、家族経営協定について一層の普及と内容の充実が求められます。さらに、生産技術・経営に関する能力を修得できる研修や訓練の機会を拡大する必要があると考えます。農林水産省が平成10年9月に行った調査によりますと、農村に暮らす女性の9割が、農村の現状を考えると「若い女性は農業農村を敬遠する」と答えています。
日本の農村が女性にとって魅力のないものになってしまったということで、大変残念であると、去る5月参議員の総務委員会において農林水産省の局長が答弁をされています。主たる担い手に見放されることは、活力を失い、将来を危うくすることです。女性たちの暮らしやすい働きやすい環境整備のために、方針決定への参画拡大、家族経営協定などによる経済的地位向上、技術・経営管理能力向上のための取り組みなどが急がれます。ご所見をお伺いいたします。
滝井農林部長 農山漁村の担い手については、女性の割合が高まっており、農山漁村で働き暮らす女性の役割が適正に評価され、社会参画できる環境の整備を進めることが重要であると認識している。
県としては、平成7年8月に策定した「農山漁村女性に関する中長期ビジョン」に基づき、機会あるごとに団体等に対する女性の参画拡大に関する要請活動を行ってきたほか、経済的地位の向上についても、適正な評価による労働報酬の確保や、新しいくらしのルールづくりなどの啓発に努めるとともに、技術・経営管理能力の向上に向け、学習機会の充実を図るなどの取組みも進めてきたところ。
農業委員については、現状を上回る女性委員が選任される見通しとなっており、文書による家族経営協定の締結が中国四国管内では最も多くなるなど、女性の参画や地位向上に、一定の成果が見られる。しかし、農山漁村における女性の役割の大きさに呼応し、さらなる女性参画の推進や地位向上等を図っていく必要があるので、「女性の参画意向調査」の結果を踏まえながら、女性登用の目標数値を定めるとともに、家族経営協定の波及・定着を図るためのモデル地域を設定するなどの活動を強化することとしている。今後とも、関係機関・団体等との連携を図り、女性が暮らしやすく働きやすい環境整備を、総合的に計画的に推進していく考えである。
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久保田 質問の第3は、魅力ある学校づくりについてです。
教育は、あらゆる社会システムの基盤であり、その役割は大きく重要なものです。政府は6大改革のひとつに位置付け、平成9年度に教育改革プログラムを策定しそれに基づき、諸施策をすすめています。これを受けて、本県では、平成10年3月、21世紀に向け、中長期的な視点にたって、本県教育の指針となる「山口県教育ビジョン」を策定され、「夢と智恵を育む教育の推進」を基本目標とし、各種施策の推進を図ってこられたことと思いますが、以下、4点おたずねいたします。
(1)教員の能力・資質向上について
久保田 第1点、 教員の能力・資質向上についてです。いじめ、不登校、学級崩壊など学校現場では、多くの課題がでており、その解決にむけて、学校・地域・家庭の連携が重視されていますが、なかでも、直接の担い手である教員の高い資質や能力が求められています。首相の諮問機関である青少年問題審議会がこのたび、だしました提言には、教員の能力向上のため、小中学校の教員の適職性を定期的に評価する制度の創設が示されています。
小中学校の教員に対し、数年ごとに能力と適職性に関する評価を行う公正なシステムをつくることの検討を求めています。本県では、最近、教員による不祥事があいついでいますが、多くの教員は、教育者としての使命感や情熱をもって指導をしておられ、特に、美術、音楽、スポーツなどに秀でた能力をもつ教員による指導で子供たちの能力がどのくらい活かされていくか、ということを私は保護者の立場から多くの事例をみております。本県の教育理念である個性や特性を重視する教育は、まずその指導者である教員自身も個性や特性が発揮されることが必要です。
教員の能力・資質向上のために、民間企業への研修制度や福岡大学のように教員対象の夜間大学院の設置などが進められていますが、本県でも教員の個性や創造性を伸ばし、能力・資質向上を図る研修制度のより一層の充実が求められていると考えますが、ご所見をおうかがいいたします。また、適職性評価制度に対する評価もおたずねいたします。
牛見教育長 学校教育を推進するにあたっては、豊かな人間性と教育者としての使命感、教育的な愛情など教師としての基本的な資質を高めることが極めて重要であるため、県教委としては、各種の研修を実施しており、体験的な研修の必要性から学校以外の社会へも視野を広げ、民間企業への研修や大学院への長期研修等の機会を設けているが、ご指摘のように、今後ともさらに、よき社会人としての研修や、社会体験などの体験的研修を多く取り入れながら、教員としての豊かで幅広い資質の向上を目指した総合的な研修の一層の充実に努め、教員の個性や創造性の伸長にも努めていく。 お示しの小中学校教員の適職性評価制度については、今後、青少年問題審議会の答申や国の検討状況等を注視していきたい。
(2)ティームティーチングのシステムづくりを
久保田 第2点、 テイーム・テイーチングのシステムづくりについてです。
テイーム・テイーチングは、ひとりひとりに応じた多様な教育を行うために、複数の教員がひとつのクラスをうけもち指導する方法で、文部省も推進しており、県の教育ビジョンにも個性を伸ばし学ぶ力を育てる学習活動の展開として示されています。昨年、福岡の公立中学校で実施されましたテイーム・テイーチングに関する実態調査では、生徒の習熟度や興味・関心などによってグループ指導ができるといったことで、学校にも生徒にも利点は多いとの結果が示されています。
先般、文部省が行った調査によれば、学校の授業がわかる子供たちの割合が、小学校では68%、中学校では44%、高校では37%であるとの報告がなされており、学年が進むにつれて授業が理解できない子供が増えている実態が明らかにされています。授業がわからないということは、学校に行くことの基本的目的を達成していないことであり、不登校やいじめなどにもつながる可能性が高いと言われています。
本県の教育ビジョンにも、個性を伸ばし学ぶ力を育てる学習活動の展開として、テイーム・テイーチングが明記されており、当分の間、学級人数の削減がなされない状況からも、国の配置基準だけのテイーム・テイーチングではなく、本県独自のテイーム・テイーチングのシステムづくりが必要と考え、提案をいたします。
すなわち、各学校各学年に一人程度のテイーム・テイーチングを設置する、指導者としては、正規の教員以外にも、臨時採用の教員ならびに退職教員など教育ボランテイアの導入などを考えます。優れた資質を持ち、生徒や保護者から信頼を得ている臨時採用の教員、また、教員退職後も地域活動に積極的参加されている方々など優れた人材を積極的に学校現場に送り込んでいくことが有効と考えます。このような本県独自のテイーム・テイーチングシステムを開発し、創設するべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
牛見教育長 複数の教員が協力をして学習指導に当たるティームティーチングは、子どもたち一人一人の能力適正に応じたきめ細やかな指導ができるため、高く評価をしている。
本県のティームティーチングに係る教員の配置については、平成5年の導入以来、国の定数改善計画に沿い年次的に増員をし、現在小・中学校で198名を配置している。これまで配置学校数の拡大など、指導方法の工夫・改善を積極的に図ってきた。県教委としては、現在国において検討されている次期定数改善計画策定の動向を注視しながら、今後とも国に対して、ティームティーチングの定数増を含めた教職員定数の改善について、都道府県教育長協議会等を通じて働きかけていきたい。
ご提案のような本県独自のティームティーチングのシステムの導入については、最近他県において非常勤講師を活用した事例も見られ、非常に思い切った取組みとして注目しているところではあるが、その効果なども参考にしながら、今後研究をして参りたいと考えている。
久保田 (再質問)国の改善計画以上の定数配置が難しいということだが、他県の例もあるように、非常勤講師等の活用によるティームティーチングシステムを県独自に実施するつもりはないか、教育長の所見を伺う。
牛見教育長 非常勤講師等を活用したティームティーチングについては、その効果とか、任用形態・配置などの運用上の問題点、更には財源的な問題点等も含めて、今後多面的に研究をしていきたい。
(3)中高一貫教育の推進を
久保田 第3点、 中高一貫教育の推進についてです。
本県では、昨年度から中高一貫教育実践研究事業が二つの高校と四つの中学校で実施されてきましたが、今年度新たに3校が加わり、3地域9校で研究が進められます。また、高校入試を経て中学校から高校へ進学するという現行制度内での中学校と高校の連携を促進するモデル校が、今春から設けられ実践研究もスタートしました。全国的には、本年度から学校教育法の改正で中高一貫校という制度が本格的に始まり、宮崎県、岡山市、三重県で開設されました。山口県教育ビジョンには、中学校と高等学校の接続を改善し、ゆとりある学校生活を送ることを可能にする中高一貫校の導入を図ることが示されていますが、今後、どのような方針で進められるのか、実績は十分ではないかもしれませんが、これまでの研究事業の評価とともにおたずねいたします。
牛見教育長 中高一貫教育については、県に「中高一貫教育研究会議」を設置し、下関地域と大島郡橘地域において実践協力校を設け、研究を進めてきた。 本年1月、この研究会議から、中間報告が提出をされたが、県教委としては、中高一貫教育の導入は、本県における魅力ある学校づくりを進める観点からも、極めて重要な取組みであると認識している。
報告では、特に下関地域において、「国際化への対応」をコンセプトとした一貫校設置についての具体的な提言がなされており、現在、この提言を踏まえ、下関第一高校を6年生の中等教育学校に移行する方向で鋭意検討を行っているところ。橘地域についても、地域の実情に即して、併設型または連携型の中高一貫教育をめざし、引き続き総合的に検討していくこととしている。
また、新たに玖珂・周東地域で3校の推進校を設け、合わせて3地域9校で実践研究を行うことにしているが、中高一貫校をはじめとした新しいタイプの学校の導入は、生徒の個性を伸長するための重要な取組みであるとの認識の上に立って、将来的には各通学区域内にバランスよく配置して参りたい。
(4)学校給食の安全性について
久保田 第4点、学校給食の安全性についてです。
学校給食は、年間170時間から190時間実施されており、教育の一環であるとともに、食文化としての位置付けも重要です。特に、最近では、飽食の時代と言われながらも、子供たちは給食によって栄養バランスを保っている、とのデータもあり、学校給食の担う役割は大きいと言えます。それだけに、学校給食の安全性の確保のために最大限の配慮が図られるべきであり、安全性や環境への影響について議論がなされている遺伝子組替え食品の使用や安全性の疑わしい化学的合成食品添加物の使用、環境ホルモンの溶出が指摘されているポリカーボネート製食器の使用を避けることが必要と考えますが、ご所見をお伺いいたします。
特に、給食食器については、有田焼きのようにいくつかの焼きものの産地で地場産業の新たな展開として開発されているように、本県でも、萩焼きによって強化磁器製の給食食器の開発を実験的に試みてはいかがでしょうか。あわせて、ご所見をお伺いいたします。
牛見教育長 遺伝子組み替え食品及び食品添加物については、現在、いずれも食品衛生上の安全性が確保されていると伺っている。ポリカーボネート製食器については、先般環境生活部において実施をされたビスフェノールAの溶出試験では、調査の対象とされたすべての食器について、食品衛生法の基準値を大幅に下回っていたことが確認されたところ。県教委としては、児童生徒の健康の保持増進が最も重要であると考えていることから、今後とも国の動向を注視しながら、慎重に対応して参りたい。
②給食食器の開発を
久保田 地場産業の新たな展開として、萩焼きによる強化磁器製の給食食器の開発を実験的に試みてはいかがか。県の所見を伺う。
前田商工労働部長 地場産業の新たな展開については、本県の活性化の観点から極めて重要であると認識し、技術開発補助など各般の施策を行っている。 お示しの萩焼きによる学校給食に利用可能な食器の開発については、萩焼きは磁器と違い陶器の特性から、給食食器として活用するには解決すべき問題がたくさんあるため、萩焼業界の意向をはじめ、陶磁器の専門家・学校給食関係者等に意見を聞いてみたい。
久保田 以上で第1質問を終わります。どうもありがとうございます。