(1)障害児に対する支援について
久保田 質問の第1は、障害者福祉についてです。
障害者基本法に基き、本県では、「やまぐち障害者福祉長期ビジョン」が策定され、その実施計画である「やまぐち障害者いきいきプラン」によって、諸施策がすすめられています。障害者の自立と社会参加を促進し、ニーズに応じた適切なサービスを提供するためには、保健・福祉・医療分野にとどまらず、教育、雇用、情報通信など幅広い分野の関連施策の連携が求められますが、まず、第1点、障害児に対する支援についてお尋ねいたします。
障害児を持つ家庭は、子育ての不安や介護の負担において多くの課題を抱えており、社会的支援が求められていますが、現状ではまだまだ十分な状況ではありません。特に、学齢期の障害児は、教育施策と福祉施策の狭間にあって、ブラックボックスの状態です。県内では、放課後児童クラブで障害児を受け入れているところがわずか23箇所あるだけです。一般の放課後児童対策事業が200箇所あまりで実施されていることからみますと、ケアを必要とする障害児の受け入れ体制が十分できているとは言えない状況です。適切な施設がないため、多くの障害児は放課後や長期休暇には、安全確保の観点から家庭内に閉じ込められがちです。
本県には、特殊教育諸学校が12箇所ありますが、現状は学童保育や長期休暇中の施設開放は行われておりません。障害児は、地域社会の中で、遊びを通して生き生きと成長する機会がほとんど与えられないまま閉ざされた生活を強いられる場合が少なくないのです。また、昼夜を問わず続く介護に心身ともに疲れきっている母親には、リフレッシュするための時間どころか、自分の病気治療のための通院もできない場合が多いのです。このような状況の中、一昨年、徳山市において障害児をもつ母親がノイローゼになり、発作的にマンションから我が子を突き落とすという悲惨な事件があったことは記憶に新しいところです。この事件は、障害児を持つ親にとって、他人事ではなく、まさに我が身の傷みそのものとして受け止められました。このような事件がニ度と起こらないように、具体的対策が急がれます。
障害児が放課後や春、夏、冬の長期休暇をもっと豊かに過ごせるように、かつ、障害児を持つ親がゆとりある生活を実現できるように、障害児の放課後対策の充実ならびに長期休暇中の障害児の居場所づくりが急がれますが、ご所見をお伺いいたします。
藤井健康福祉部長 障害者福祉に関する2点のお尋ねにお答えいたします。
まず、障害児に対する放課後や長期休暇中の支援についてであります。
障害児の福祉を進めるに当たっては、障害児ができる限り住み慣れた地域で、適切な療育等の機会が確保され、また、障害児を持つ家庭の不安や介護負担の軽減を図ることが、重要であると考えております。
このため、県といたしましては、昼間、仕事などで保護者の方がいない障害児の放課後対策等として、県単独の「放課後児童交流ふれあい推進事業」を実施し、児童クラブへの障害児の受け入れ支援をしているところであります。
また、障害児の日常生活訓練等を行います県単独の「デイ・ケア推進事業」や、保護者の疾病等により障害児を一時的に保護する「短期入所事業」を実施し、放課後や長期休暇中においても障害児を受け入れているところであります。
県といたしましては、今後とも、障害児や保護者のニーズを踏まえながら、市町村や教育・福祉関係機関との緊密な連携のもとに、これら事業を一層推進するとともに、地域の実情を踏まえ、障害児の放課後等の居場所などの条件づくりがなされるよう、市町村をきめ細かく指導・支援してまいりたいと考えております。
久保田(再質問) ニーズの把握を、障害児を中心にして、更にきめ細かくやってもらいたいと考えているが、所見をお尋ねする。
藤井健康福祉部長 福祉施策の推進にあたっての実態調査でございますけれども、推進にあたりましては、地域の実情やニーズを的確に把握して、これを進めていくことが非常に重要でございます。
今後とも、市町村、関係団体を始め、県民の方々からしっかり状況を聞き、意見を聞きながら、これを進めていくこととしております。
障害児に係る実態調査につきましては、来年度行うこととしておりますので、的確な把握に努めてまいります。
(2)音楽療法の導入・促進について
久保田 第2点、音楽療法の導入・促進についてお尋ねいたします。
近年、音楽療法という言葉がかなり聞かれるようになり、各地で広がってきています。臨床音楽療法協会では、その定義を「音楽の持つ生理的・心理的・社会的働きを心身の障害の回復、機能の維持改善、生活の質の向上に向けて、意図的・計画的に活用して行われる治療技法」としています。音楽には、人間の生理、心理行動を変えるほどの力があり、治療対象者の改善目標に応じてその機能を使い分けることで、効果的な治療が可能になります。そのため、音楽療法は、社会的コミュニケーション機能の向上や、感情表現およびその的確さを向上させると言われており、障害をもった人たちにとって満足度の高い経験となるかと思います。私も、実際に、発達障害の子供に対する音楽療法セッションに参加してみて、その有効性を確信いたしました。
岐阜県では、県民から痴呆症に対する音楽活用の提案がだされたことから、平成2年度に知事がオーストラリア視察の際、オーストラリアの音楽療法の現状を学び、その後、検討委員会の設置、オーストラリアの専門家を招いてのシンポジウムの開催、さらに、調査研究を重ねた上で、平成6年、県立の音楽療法の公的専門機関「岐阜県音楽療法研究所」を設立しました。現在、高齢者、障害者のみならず、不登校児や健康な人へも広げ、福祉施設、病院、公民館、養護学校、保健所などで活発に展開しています。滋賀県では、心身障害児および心身障害者に対して実施、大分県では、一般県民にリラクセーション講座として実施しています。
本県では、防府健康福祉センターが、昨年、山口県として音楽活用の方向づけをさぐるための調査を実施し、その実情をとりまとめています。また、県のモデル事業として大島郡の高齢者施設で音楽療法を導入しています。音楽療法の有効性から、今後、障害児および障害者に幅広く導入していくべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
藤井健康福祉部長 次に、音楽療法の導入促進についてのお尋ねであります。
音楽は、その持つ様々な効用により、心身の機能の発達を促すなどの効果が期待されますことから、県内の障害者施設等におきましても、楽器演奏やリズム体操等、音楽を活用した取り組みがなされており、一部の施設では専門家を招いてこれを行っているところであります。
県といたしましては、平成9年度、防府健康福祉センターにおきまして、モデル的に音楽活用について全国の先進事例の調査を実施し、その成果を県内の社会福祉施設等に提供するとともに、昨年度は、福祉や保健・医療関係者を対象とした、音楽活用推進セミナーを開催したところであります。
さらに、本年度は、大島郡内の高齢者施設において、モデル的に、専門家を講師に招き実技指導を行うとともに、その活用方法の調査・研究を進めております。
一方、国におきましても昨年度から、音楽療法に関し、専門性やその効用等につきまして、調査研究が進められているところであります。
県といたしましては、今後とも、国の調査研究の状況把握に努めながら、音楽の活用方法について引き続き調査・研究を進めますとともに、障害者施設等に対しましても、積極的な情報提供や職員の研修を行うなど、各施設で、それぞれの特性に応じた音楽活用の取り組みがなされるよう、支援してまいる考えであります。
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(1)金融対策や技術開発支援について
久保田 質問の第2は、中小企業の振興についてです。
日本経済にとって、全国の事業所数で98.9%、従業者数で77.6%を占める中小企業の活性化は、緊急の課題となっており、21世紀に向けた新たな発展の展望を開くために欠かすことができません。このたびの臨時国会では、中小企業国会とし、競争力ある中小・ベンチャー・創業支援のための様々な施策が審議されました。本県においても、中小企業は、事業所数で99.1%,従業者数で81.0%と全国の割合より高く、さらに、中小企業の中でも小規模事業者は、全事業所の73.3%と高い割合を占めています。
大蔵省山口財務事務所は、先般、「景気は底を打った」とする調査結果を発表しており、山口経済研究所も、業況は、回復過程に入ろうとしている、と指摘していますが、中小企業は長引く不況で体質がぜい弱化しており、慎重な見とおしが必要とされます。山口県中小企業景況調査によりますと、平成10年度の県内の中小企業の景況は、業況判断、売上、経常利益それぞれマイナス幅が縮小していますが、全国平均より悪い状況にあります。また、本県の農林水産業を除く全産業の開廃業率の推移を見ますと、近年では、開業率から廃業率を差し引いた増加率は全国と比較して低位に推移しています。
そこで、まず、第1点、県としては、様々な中小企業支援の金融対策や技術開発支援策などをすすめてきましたが、これまでの取り組みの実績と課題についておたずねいたします。また、本年度末までに策定する「新事業創出基本構想」にこれらをどのように活かしていくのかお伺いいたします。
前田商工労働部長 中小企業の振興と観光振興についてお答えを申し上げます。
まず、中小企業金融対策の実績と課題についてであります。
県中小企業制度融資につきましては、設備投資意欲の減退等による新規融資の実績の大幅な減少に伴いまして、10月末の融資残高は、対前年比で94%となります一方、県信用保証協会の保証債務残高は、昨年から実施しております特別保証制度によりまして、対前年比125%となっております。
こうした状況の中で、景気・雇用情勢や金融環境の変化に的確に対応するとともに、創業者やベンチャー企業をはじめとする中小企業の多様な資金ニーズに適合した、金融制度の充実が強く求められております。
県といたしましては、この度の国の「経済新生対策」との整合を図りながら、本県の実情も十分踏まえた、中小企業金融対策の充実に努めてまいりたいと考えております。
次に、中小企業技術開発支援策の実績と課題についてであります。
県におきましては、県内中小企業の技術開発力の強化のために、ハード面では、中小企業の総合的な技術支援拠点である産業技術センターを整備いたしましたし、ソフト面では、産学官の共同研究開発、技術移転、人材育成等に取り組んできており、それぞれに実績を上げてきたところであります。
今後は,中小企業の新製品開発、新産業の創出・新規事業への展開につながる創造的な技術開発を効果的かつタイムリーに支援していく考えであります。
次に,現在策定中の「新事業創出基本構想」にこれらをどのように活かしていくかについてであります。
新事業創出基本構想においては、こうした金融対策や技術開発支援策の課題を踏まえ、県産業技術開発機構と県中小企業振興公社の統合による新財団を中心にいたしまして、支援機関相互の連携体制である地域プラットフォームを構築いたしまして、窓口の一元化による効果的、効率的な支援に努めてまいりたいと考えております。
(2)産学官の連携推進について
久保田 第2点、産学官の連携推進についておたずねいたします。
日本の大学は、「学問の独立」「大学の自治」ということが強調され、社会から距離をおいてきた感がありますが、社会の中で最も優れた知性と情報が結集し、社会に新しい活力を与えるべき存在として期待は高まっています。本県でも、やまぐち未来デザイン21において、新産業の創出・新規事業展開の促進として、産学官の連携の推進が掲げられ推進されてきましたが、これまでの実績と課題をお伺いいたします。
アメリカ社会の活力の源と思われるベンチャービジネスは、資金提供する個人投資家の存在やベンチャーキャピタルの投資が活発であることが特徴ですが、もうひとつ指摘されていることは、大学が果たしている役割の大きさです。ベンチャー企業の中でもハイテク分野の企業が多く生まれる地域には、科学技術の核となる有力大学があります。アメリカのベンチャービジネスと大学の関係のひとつの事例をみますと、カリフォルニア工科大学では、毎月1回、夜、まだスタートして間もないベンチャー企業が事業拡大のための出資者を募る狙いから、広く自社の事業計画を発表する場として、アーリー・ステージ・プレゼンテーションという催しを開催しています。
これは、誰でも自由に参加でき、毎回200人から300人の聴衆が参加、熱気あふれるプレゼンテーションや議論がなされ、起業家と個人投資家や多様な聴衆との出会いが繰り広げられています。県においても、去る9月、産業技術センターにおいて、中小企業やベンチャー企業の新規事業や技術を県や市町村の公共機関に売り込むための「県産品活用プレゼンテーション」が開かれ、県内の25社が参加しています。今後、このような事業をさらに拡大し、公共機関の発注担当者向けだけではなく、民間事業者も参加し、ビジネスチャンスにつなげられる場としていくべきと考えます。産業技術センターを舞台にして、大学と企業と連携して、アーリー・ステージ・プレゼンテーションを開催してはいかがか、ご所見をお伺いいたします。
前田商工労働部長 次に,産学官の連携推進についてであります。
まず、産学官の連携のこれまでの実績と課題についてであります。
中小企業が、高度化、多様化する市場ニーズに的確に対応していくためには、大学や行政の持つ技術、情報などの経営資源を有効に活用するための産学官連携による取り組みが一層重要となってきております。
このため、産業技術センターにおける産学官の共同研究開発や、県産業技術開発機構における、シンポジュウム、研究会等を通じた産学官の交流促進事業等に積極的に取り組んできたところであります。
また、大学等でも、山口大学地域共同研究開発センター、徳山高専テクノ・アカデミアなど、産学官への共同研究開発への積極的な取り組みが行われております。
産学官連携では、産学官の橋渡しを行うコーディネート活動が最も重要でありますので、新事業創出基本構想による地域プラットホームの構築に合わせ、各支援機関等のコーディネート機能を強化してまいりたいと考えております。
次に、大学、企業と連携してのアーリー・ステージ・プレゼンテーションの開催についてであります。
本県では,これまでベンチャービジネス創出の一環として、起業家が自らのビジネスプランを機関投資家に対してプレゼンテーションするベンチャービジネス・オーディションを開催いたしております。
また、お示しのように、昨年からは,販路としての官公需と県内中小企業が出会う場として「県産品利活用プレゼンテーション」を産業技術センター等で開催をしておりますほか、商社等との商談会も実施をしております。
県といたしましては、起業家、中小企業にとってのチャンスである出会いの場を提供することが重要と考え、今後とも様々な場の設定に向けた施策の充実について、アーリー・ステージ・プレゼンテーション等を含め、いろいろな角度から前向きに検討して行きたいと考えております。
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(1)有機農産物等の生産普及と生産・認証制度の確立について
久保田 質問の第3は、農業問題についてです。
今日、地球規模で人口、食料、環境、エネルギー問題が深刻化する中、私たちの「くらしといのち」に係わる農業の見なおしが重要な課題となっています。このたび新たに制定された「食料・農業・農村基本法」は、食料の安定供給の確保、多面的機能の発揮、農業の持続的な発展、農村の振興を基本理念としており、今後、本県としても、この理念にのっとり、食料・農業・農村基本計画の策定が求められます。
そこでまず、第1点、有機農産物等の生産普及と生産・認証制度の確立についておたずねいたします。
近年の食生活の多様化、高度化や消費者の健康・安心・安全志向の高まりは、有機農作物の支持拡大となっています。新農業基本法の第32条においては、農薬、肥料の適性使用、地力の増進などにより環境と調和した農業生産を展開することが示されています。やまぐち未来デザイン21実行計画においては、活力に満ちた農林業の振興として、商品性の高い農林産物の生産として、有機農産物の生産技術の普及と定着、さらに消費者理解の促進が掲げられています。
しかし、有機食品について国レベルの統一的な検査認証制度がないことから不適切な「有機」表示が氾濫し、食品表示の充実強化の必要性が求められるようになり、ようやく農林物資の規格化および品質表示の適性化に関する法律の一部が改正されました。これによって、有機食品の検査認証・表示制度が創設されるため、生産または製造の方法について検査認証を受けたもののみに「有機」の表示がつけられることになります。宮城県のようにすでに県独自の有機農作物の認証制度をもっているところもある中、本県でも、国の動向に併せて、有機農産物等の生産普及と生産・認証システムの確立が必要と考えますが、今年度実施されている「有機農産物等生産・認証システム確立事業」を踏まえてご所見をお伺いたします。
滝井農林部長 農業問題に関する2点のお尋ねであります。
まず、有機農産物等の生産振興などに関するお尋ねでありますが、御案内のとおり、有機農産物等につきましては、健康、安全、安心といった消費者ニーズに対応し,また、農産物の付加価値を高め、農家の所得を確保する観点から、県としましては、これまで、栽培手引の作成や、これに基づいた栽培技術の指導などを通じ、有機農産物等の産地づくりへの支援を行ってきたところであります。
その結果、平生町、川上村など、地域独自の認証制度を持つ産地も生まれてきたところであります。
こうした中、有機農産物等に対する消費者ニーズが一層高まり、表示に対する混乱や生産基準の不統一といった問題が生じてきたことから、国は、有機農産物の認証や表示に係る基準を示すこととしたところであります。
こうした国の動きを受けまして、県におきましては、「有機農産物等生産認証システム確立事業」によりまして、有機農産物の認証のあり方などを検討してきたところでありますが、その中で、国の基準への対応も含めて本県独自の有機農産物等の評価方法の確立が課題となってまいりました。
このため、有機農産物等が消費者に適切に評価されるよう、生産、流通、消費の各分野の方々からの意見を聴きながら、国の基準も取り込んだ有機農産物等に係る本県独自の認証システムの確立に取り組んでいく考えであります。
こうした取り組みと併せまして、環境にやさしい持続的農業の普及・定着を進めていく中で、消費者ニーズに即した有機農産物等の生産振興に取り組んでいく考えであります。
(2)農村女性の起業活動支援について
久保田 第2点、農村女性の起業活動支援についておたずねいたします。
新農業基本法では、第26条において女性の参画促進として、女性の農業経営における役割を適性に評価するとともに、女性が自らの意思によって農業経営およびこれに関する活動に参画する機会を確保するための環境整備を推進するものとしています。また、去る11月16日に農林水産省が発表した「農山漁村男女共同参画推進指針」では、原則として、国が助成する農山漁村のすべての事業において、女性の参画を目標に掲げた事業を優先的に採択したり、事業を採択する際の実施要領の中にも女性の参画促進のための配慮を明記する、と決められました。
本県では、地域で活躍する生活改善実行グループの女性たちが、地域特性を生かした特産加工品の開発、地域性を生かした食文化の推進、自給物を活用した健康で豊かな食生活の推進、女性や高齢者にやさしい村づくり、若い世代の育成など幅広い課題に向かって取り組んでいます。このような活動は、農村の総合的振興となり、農業の健全な発展へとつながるものといえます。本県においては、農林水産省が平成6年度から実施している「農村女性グループ起業支援事業」のモデル地域として岩国市、錦町、宇部市など6地域で、地域産物を活用した加工品作りや朝市、食堂が展開されていますが、まず、これら農村女性による起業活動についての実績評価と課題把握についてお伺いいたします。
また、農業就業人口の6割を女性が占めている現状からみても、農村女性が活発な活動を展開することは、農業・農村振興にもつながることから、今後、さらに農村女性による起業活動の積極的支援が求められると考えますがご所見をお伺いいたします。
滝井農林部長 次に農村女性の起業活動支援についてのお尋ねであります。
農村女性グループによる、生活者意識をもととした、地域の農産物や食文化を活かした新たな加工品開発、また朝市の開設などの起業活動は、地域の農業・農村の活性化のために重要でありますことから、県といたしましては、これまで、加工施設や直売施設などを計画的に整備いたしますとともに、経営や商品開発に関するコンサルティング活動や、セミナーの開催、さらには、ルーラルフェスタや朝市サミットの開催等を通じまして、幅広く支援を行ってきたところであります。
この結果、現在、お示しの6カ所を含めた161のグループで、地域特産物を活用した新たな商品の開発や朝市での活発な販売などの多様な起業活動が展開されております。
これらの活動は、地域づくりや都市との交流活動に発展するなど、地域の活性化にも大きく貢献をしていると評価いたしております。
こうした中で、農村女性グループによる起業活動をさらに発展させますためには、経営管理能力の一層の向上や、開発した商品に対する流通・販売力の強化が、課題であると考えております。
このため、今後におきましては、経営能力の向上を図るため、「起業家への手引き」の作成や異業種交流会の開催等に取り組むとともに、流通・販売力の強化については、マーケティングセミナーの開催や、グループ相互の連携による販路の拡大、さらには都市部に向けた情報発信を行うなど、お示しの農山漁村男女共同参画推進指針等を踏まえまして、農村女性の起業活動を通じた社会参画を積極的に支援していきたいと考えております。
久保田(再質問) 男女共同参画基本法、食料・農業・農村基本法、農山漁村における男女共同参画の推進指針を受けた、男女共同参画社会実現に向けた新年度予算への取り組みへの知事の考えを伺います。
二井知事 今、お話がありましたように,国におきまして、男女共同参画基本法、そして、新農業基本法が成立をいたしておりますし、私としては,これらの2つの法律を踏まえながら、来年度予算編成の中でも、この男女共同参画関係の施策、また、農山村の女性の活動についての支援等については、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
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(1)コンベンションの誘致と県発のコンベンション創出について
久保田 質問の第4点、観光振興についてです。
近年、本県の観光客数は、低迷しており、平成10年は2,211万人で、前年に比べて7,7%の減少となっています。地域別にみますと、毛利関連施設を有する防府市などの減少が大きいですが、これは、NHKドラマ「毛利元就」が終わり、その宣伝効果が薄れたためと思われますが、かたや、地域特性を活かした「道の駅」が整備されたところは健闘しています。このような中、このたび、「観光交流県やまぐち」の創造を進めるために、「おいでませ山口ビジョン」が策定されました。観光は、県勢発展のための重要な産業としての役割を担っており、積極的取り組みが求められますが、そこで、まず第1点、コンベンションの推進についてお尋ねいたします。
「おいでませ山口ビジョン」では、山口県観光の課題の一つとしてコンベンションの推進が挙げられています。全国規模の会議や国際会議を開催することは、アフターコンベンションとして観光客誘致の経済効果のみならず、会議参加者の人的交流が図られるとともに、会議の企画・運営などにかかわることで人材育成もすすむものといえます。また、コンベンションの推進によって、海峡メッセ、シンフォニア岩国、秋吉台国際芸術村、セミナーパークなどの本県の大型施設の有効活用にもつなげることができます。
積極的なコンベンション誘致活動が求められますが、同時に、コンベンションの創出も必要と考えます。すなわち、全国規模あるいは、国際的なコンベンションを山口県発で、自ら作り出すのです。たとえば、鹿児島県・佐賀県・高知県・山口県の若者たちが集い、21世紀への展望を語る薩長土肥維新サミットを萩市で開催する、あるいは、東アジアの国々との交流会議を下関で開催する、国連から環境の表彰を受けた宇部市で環境国際会議を開催する、きらら博後、いのちをテーマに阿知須のドームで医療関係の国際会議を開催するなど、様々な企画が考えられます。
そのためには、学会、市民団体、スポーツ団体などから積極的に提案を求めるとともに、企画運営における支援を充実させていく必要があると考えます。したがいまして、県にコンベンション推進担当部署を設置し、県内の観光コンベンション協会との調整・連携を図りながら、積極的にコンベンションの誘致・創出に取り組むべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
二井知事 はじめに、観光振興についての2点のお尋ねのうち、コンベンションの推進についてお答えを申し上げます。
お示しがありましたように、全国規模の会議や国際会議、文化・スポーツイベントなどのいわゆるコンベンションは、人、物、情報の交流を通じて、地域の経済や文化の活性化に寄与するとともに、参加者の観光地への誘導を図ることにより観光振興に貢献するものでありますことから、その推進は重要な課題であると考えております。
このため、県におきましては、山口県国際総合センターをはじめとするコンベンション施設等の整備を行いますとともに、庁内各部がコンベンション誘致に努めてまいりましたし、また、各地域の観光コンベンション協会におきましても、コンベンション支援制度を創設をし、誘致を図ってきたところでございます。
お尋ねのコンベンション推進担当部署の設置による積極的な誘致・創出につきましては、先に策定をいたしました「おいでませ山口ビジョン」におきましても、コンベンション振興プロジェクトを重要課題の一つと掲げておりまして、特に、山口きらら博の開催に向けて、多数の全国大会等の誘致に努めております。
今後、関係機関・団体との連携を強化するなど、その推進体制を充実をさせながら、コンベンションの誘致・創出を通じた観光交流を積極的に推進をしていきたいと考えております。
(2)農林漁業と連携した体験・滞在型観光について
久保田 第2点、他産業と連携した体験・滞在型観光についておたずねいたします。
三方を海で囲まれ、美しく豊かな自然景観と温暖な気候風土、多彩な歴史文化に恵まれた山口県は、暮らしやすく、魅力あふれる土地柄です。このような特色は、山口県を訪れる観光客を魅了するものです。それは、平成10年8月調査の山口県における宿泊観光客アンケート調査でも現れていますが、山口県に期待するものとして、自然景観、史跡・文化財、温泉、郷土料理の順に高くなっています。県内の自然環境に恵まれた農山漁村地域では、コスモスやひまわりのフラワーロード、昆虫の森、自然遊歩道、湖畔公園、キャンプ場などが整備され、また、ダイビング、体験農業・漁業など自然の中で体を動かし、地域の人々と交流し、楽しむことができるような場づくりがすすめられています。
しかし、これらの多くは、個々に点在している状況にとどまっており、線としてつなぎ、面としていく必要があります。そのためには、グリーンツーリズム、ブルーツーリズム、エコツーリズムとして滞在・体験・観光のシステム化、ルート化をする必要があると考えます。受け入れる農山漁村側にとっても、地域資源を最大限活用し、心のふれあいなどの人的交流を重視することで、都市住民との交流がすすみ、美しく活力あるむらづくりへの意欲へつなげることができますし、ひいては、農業漁業の振興へと期待されます。
人々の価値観が「心の豊かさ」を求め、自然志向が高まる中、緑豊かな農山漁村地域においてゆとりある休暇への需要は今後、より一層増していくものと考えられます。また、近年の余暇時間の増加や観光ニーズの多様化などへの対応としても求められています。そこで、農林漁業資源を活用したグリーンツーリズムやブルーツーリズム、ならびに自然・歴史・文化資源を活用したエコツーリズムの本県における現状把握と今後の観光振興に向けた展開についておたずねいたします。
前田商工労働部長 次に、観光振興のうち他産業と連携をした体験・滞在型観光についてのお尋ねであります。
本県におきましては、道の駅・農林水産物直売所・市民農園等の交流基盤の整備や、「ルーラルフェスタ」、「県境朝市サミット」、農林漁業の体験イベント等が実施されているほか、自然公園を中心としてビジターセンターやキャンプ場などの整備を行うなど、グリーンツーリズムやブルーツーリズム、エコツーリズムへの取り組みを進めてまいりました。
こうした取り組みは、農山漁村地域の活性化や観光の振興の面からも重要なものでありますので、「おいでませ山口ビジョン」でも積極的に推進することにいたしております。
今後、大型キャンペーンにおいて、これらを組み込んだ新たな体験・滞在型の観光ルートを創出をいたしまして、全国に情報発信していくことにしており、庁内各部、市町村、関係団体と連携を密にして、これらツーリズムを活用した、魅力ある観光地づくりを積極的に推進していきたいと考えております。
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(1)基本的見解と今後の具体的推進計画について
久保田 質問の第5は、生涯学習の推進についてです。
社会環境の急速な変化の中、私たちの地域社会には、学校教育や環境、介護・福祉問題など課題が山積みされています。これらは、行政だけの処方策では抜本的な解決が難しく、住民自らが学習し、問題認識を深め、課題解決のために地域活動へ主体的に参加しようとすることによって初めて効果的な対処が可能となります。地域社会が課題を克服し、再生するためには、人づくりからであり、生涯学習によって、活力ある住民が育成され、地域にネットワーク化されることが必要です。生涯学習は、従来からの学校教育中心の教育体系から脱却し、学校卒業後も生涯を通じて必要な時に必要な学習を自分に適した方法で自発的に行い、自己実現がはかれるように学校や社会の学習・教育に係わるシステムを変えていこうとするものです。
そこで、まず、第1点、人づくりの重視を掲げられ、山口県生涯学習推進本部の本部長でいらっしゃるニ井知事に、生涯学習推進に対する基本的見解とともに今後の具体的推進計画についてお伺いします。
ニ井知事 生涯学習推進に対する基本的見解と今後の具体的推進計画についてお答えを申し上げます。
県では、これまで「山口県生涯学習プラン」に基づき、人々が「いつでも、どこでも、だれでも」自由に学ぶことができ、その成果が適切に評価されるような生涯学習社会の構築を目指して、諸施策を推進をして参りました。
しかしながら、御指摘がありましたように、時代の急激な変化と社会の成熟化の進展に伴い、県民のライフスタイルは今後ますます多様化し、生涯学習へのニーズはさらに高まるものと考えております。
こうした学習ニーズの増大に応じるには、県民一人一人が生涯にわたって自由に学ぶことができる環境づくりをさらに進め、すべての人が自己表現を図り、個性的にきらめくことができる、生涯学習社会を構築をしていかなければならないと考えております。
このため、本県では現在、県内に県域・広域・市町村域の学習圏を設定をし、相互の役割分担と連携の在り方を明確にして、生涯学習を総合的に振興する「生涯学習圏構想」の策定に取り組んでおりまして、平成12年度末を目途に鋭意作業を進めております。
今後、この構想に基づきまして、県民の学習活動の一層の充実を図るための諸施策の推進を、積極的に図って参りたいと考えております。
(2)小・中・高校・大学の.学校教育機能の開放について
久保田 第2点、平成7年に改定され、平成12年を目途に策定された「山口県生涯学習プラン」では、「小・中・高校・大学などの学校教育機能の開放」が掲げられ、取り組みがすすめられてきました。学校には、ハード、ソフト両面にわたって、専門的な教育機能が集積・充実されています。これらの教育機能を地域住民にどのように開放されてきたか、また、今後、ますます増大してくる県民の学習ニーズにこたえるためにどのように充実強化されようとするのかお伺いいたします。
牛見教育長 生涯学習の推進について、3点のお尋ねにお答えを申し上げます。
まず、学校教育機能の開放についてお尋ねであります。
県では、「山口県生涯学習推進プラン」の中で、学校教育機能の開放促進を揚げまして、これに基づき、「高等学校開放講座」、あるいは県立大学との連携・協力による「やまぐち県民カレッジ」の開講、市町村立小・中学校における「教室開放促進モデル事業」の他、公立学校体育施設の開放等、地域住民との交流や学習機会の拡充を図って参りました。
県教委といたしましては、今後ますます増大すると考えられます県民の学習ニーズに応えるために、市町村や各学校と連携を図りながら、学校教育機能の開放促進に努めますとともに、生涯学習圏構想の中におきましても、今後の具体的な施策の方向を検討していくことといたしております。
(3)山口養護学校の施設開放について
久保田(再質問) 山口養護学校の施設開放について県教委の基本的な考え方を問う。
牛見教育長 養護学校の施設の開放について、特に山口養護学校の施設の開放についてのご質問でございます。この山口養護学校の施設の開放につきましては、ご指摘がございましたように地域の拠点校として、整備を進めているものでございます。
お示しのように、社会の変化に伴いまして、障害のある児童生徒やその保護者のニーズも多様化をいたしております。
そういったことから、施設の管理運営という面で様々な課題はありますが、できる限り地域への開放に取り組んで参りたいと考えております。
久保田(再々質問) 山口養護学校だけでなく、県内にある特殊教育施設等についても、同じように地域に開かれ、地域との積極的な交流、特殊教育の拠点校として、積極的に位置付けを明確にしていくことが必要ではないのか。
牛見教育長 養護学校の開放等についての再度の御質問でございますが、県下12校の養護学校がございます。そういった学校につきましても、山口養護学校と同様にできる限りその地元への開放について考えていきたい、このように考えております。
以上でございます。
(4)生涯学習推進の拠点整備について
久保田 第3点、平成10年3月に策定された「山口県教育ビジョン」では、今後の生涯学習の基盤整備について、生涯学習総合支援センター(仮称)を全県域に開かれた生涯学習推進の拠点として整備充実することを検討するとされていますが、本県の生涯学習推進のために全国に先駆けて設置された現在の「山口県生涯教育センター」の機能充実と併せて、今後どのように進めていかれるのかご所見をお伺いいたします。
牛見教育長 次に、「生涯学習総合支援センター」の整備充実と、山口県生涯教育センターの機能充実についてのお尋ねでございます。
県では現在、生涯学習圏構想に基づきまして、県民の皆様の多様な学習活動を促進するため、情報提供や学習相談・学習拠点等の機能を有する「生涯学習総合支援システム」の構築に努め、このシステムの中核機関として「県生涯学習総合支援センター」の整備について検討することといたしております。
御質問の現生涯教育センターの機能充実につきましては、この「県生涯学習総合支援センター」の整備の在り方を検討する中で、具体的に研究をして参りたいと考えております。
(5)生涯学習の情報化整備について
久保田 第4点、知事は、本県の高度情報化の推進を今後、重点的・戦略的に取り組むべきものとして、平成10年6月、「山口県総合情報化ビジョン」を策定され、やまぐち情報スーパーネットワークの構築を推進されています。これまでの本県の生涯学習情報提供システムである「かがやきネットやまぐち」は、この情報化戦略の中でどのように位置付けられるのか、本県の生涯学習圏構想におけるマルチメデイアを活用した生涯学習情報提供システムの整備・充実についてお尋ねいたします。
牛見教育長 次に、生涯学習情報提供システムについてのお尋ねでございます。
生涯学習情報提供システム「かがやきネットやまぐち」につきましては、平成6年1月から稼動をはじめまして、だれもが気軽に生涯学習情報を取り出せるよう整備をいたしているところでございます。
一方、現在、本県におきましては『山口県総合情報化ビジョン』に基づいた高速・大容量の情報通信網である「やまぐち情報スーパーネットワーク」の整備が進められております。
県教委といたしましては、この新しい通信網の整備にあわせまして、生涯学習に関する各種の情報を総合的・体系的に提供するため、マルチメディアに対応できるシステムの整備充実について、生涯学習圏構想の中で検討することといたしております。