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山口県議会議員(1999年~2009年4月)として県議会での質問です

分類

会期

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  • 1999年06月

2000年03月議会

[目次]

  • 1.教育改革について
  • 2.子どもに対する犯罪防止対策について
  • 3.地方分権の推進について
  • 4.循環型社会の構築について
  • 5.山口宇部空港の交流拠点としての活用について
  • 6.情報化時代における商業振興について

1.教育改革について

(1)魅力ある学校づくり

久保田  通告に従い一般質問をいたします。
 質問の第1は、教育改革についてです。
 学級崩壊、いじめ、不登校、暴力、学力低下など、我が国の教育は、危機的状況にあり、教育問題に対する関心は高まり、改革が進められています。しかし、学校を取り巻く状況は決して改善されておらず、ますます悪化しているといえます。昨年8月文部省が発表した調査結果によりますと、公立小中学校の校内暴力は2万9千685件、前年比25.7%増、不登校の小中学生は12万7千694人、前年比21.1%増、本県においても、公立の小中高校の校内暴力は、695件、不登校の小中学生は1382人と過去最多、最悪となっています。
 こうした中、本県の新年度教育委員会予算は、県予算総額の17.8%にあたる1千5百86億円あまりであり、対前年比マイナス0.2%です。児童生徒数の減少などに伴い、教職員の減員によって給与費が0.4%の4億4千2百万円あまりの減額となるとはいえ、施策的経費も、5.3%の1億3千6百万円あまりの減額となっています。厳しい財政状況の中、対前年比マイナスは、やむをえないことかもしれませんが、本県の抱える深刻な教育課題に対して万全の対策がとられ、課題解決にむかうことができるのでしょうか。
 そこで、第1点、魅力ある学校づくりについておたずねいたします。
 学級崩壊やいじめ・不登校、暴力行為などに対して、これまで学校のカウンセリング機能の向上が進められ、子供の悩みや考えを十分に受け止めることや、家庭教育に悩む保護者のための相談など大切な役割を果たしてきました。そして、今後もさらに充実したカウンセリング機能が期待されるところです。
 学校は、子供たちにとって、1日の生活の大半を過ごす場であり、少子化が進み、近所での遊び仲間の輪が作れない中、多くの友達と遊び、交流する唯一の場となっているといえます。学校は、楽しい場であること、これが基本でなければなりません。子供が学習意欲や興味をもてる授業、野外における開放感あふれる体験学習、温かくぬくもりのある食器で友達や先生と楽しく食べる給食などが、学校生活を豊かにし魅力あふれるものにすると思います。そのためには、教員の教科指導力はいうに及ばず、教員自身が個性や創造性に富み、人間的魅力を充分持っていることや地域の人材が活用された民間講師やチームテイーチング制度の充実が求められると考えます。
 そこで、お尋ねですが、学級崩壊・不登校・いじめなどへの対策とともに魅力ある学校づくりについて、これまでの施策の効果や現場での浸透度の検証を踏まえて、新年度の取り組みをお伺いいたします。

牛見教育長  魅力ある学校づくりについてのお尋ねであります。
 ご指摘のように、学校は子どもにとって楽しい場であり、生活することや学ぶことの喜びや充実感が味わえる魅力あるものでなければならないと認識をいたしております。
 このため、県教委といたしましては、これまで多様な体験学習の充実や地域の素材を活用した教育活動、また、ティームティーチングの拡充などに取り組むとともに、教職員の研修を充実させ、分かりやすく楽しい授業を目指して、学習指導の工夫改善を図るように努めてまいりました。
 これらの取り組み等によりまして、各学校におきましては、指導方法や指導体制に工夫がなされ、地域の人材や自然、文化財等を取り入れた子どもにとって魅力ある授業が数多く展開されるようになっているところであります。
 また、子どもの問題行動等への対応につきましても、「いじめ問題総合対策事業」や精神科医等をスーパーバイザーとして活用するなどの諸施策を推進いたしておりまして、その結果、平成10年度における、いじめや暴力行為の発生件数は、前年度に比べ減少するなど、徐々に成果を上げつつあります。
 しかしながら、ご指摘のように、不登校児童生徒の増加や、新たな課題として、いわゆる「学級崩壊」など、学校現場は依然憂慮すべき状況にあります。
 このため、新年度におきましては、新たに県単独で小学校1年生の多人数学級に補助教員を配置する「楽しい学び舎づくり推進事業」に取り組むほか、生徒指導上の問題への対応やティームティーチングによる指導方法の工夫改善のために、引き続き相当数の教員を特別に配置することにいたしております。
 また、このほかにも、教育相談体制の充実強化を図る「教育相談連携推進事業」や魅力のある多様な学習活動を支援する「学校サポートバンク設置事業」を新たに設置するなど、様々な教育課題に対応すべく、積極的・重点的な施策展開を図ることといたしております。
 今後、教育委員会といたしましては、これらの施策を積極的に推進し、より一層子ども一人一人に応じたきめ細かな指導体制を整備し、学校生活が魅力あるものとなるよう努めてまいりたいと考えております。

久保田  「楽しい学び舎づくり推進事業」は小学校の第1学年の36人以上の学級に教員を配置するとあるが、学校の状況により、学校長の判断で年次途中に他学年に配置するなど、柔軟な運用を含めて導入を検討してはどうか。教育長のご所見をお伺いします。

牛見教育長  まず、「楽しい学び舎づくり推進事業」でございますが、この柔軟対応というお話でございます。これはあくまでも小学校1年生を対象とした、いわゆる学級崩壊等の未然防止対策でございます。
 じつは、文部省のほうで実際に学級崩壊が起こった場合に、これへの対応をする、いわゆるベテラン教員、教員のOBでございますが、それを活用する事業もございます。そういった事業も活用しながら、実際にそういった問題が起こった場合には、必要な教員の配置をしてまいりたい、このように考えております。

久保田  学級崩壊等の問題は未然防止が必要といわれていおり、家庭教育の充実、幼児教育の重要性に力点がおかれるのは当然である。その中で、「幼児教育総合推進事業」の12年度から14年度の2年間、4市町村、4百万円というのは消極的すぎるのではないか。モデル事業ではなく、県内一斉に、早急に取り組むべき課題ではないか。教育長のご所見をお伺いします。

牛見教育長  幼児教育について、4か所、4市町村のモデル事業であるが一斉に、というお話でございますが、じつは、ご承知と思いますけれども、幼稚園、保育所それぞれ所管が違いまして、なかなか交流もございません。従って、幼稚園と保育所の共同研究というのは、現在あまり進んでおりません。
 まず、モデル的な事業として取り組み、それを県下に広げていくと、そういった方向がいいのではないかというふうに考え、このようなモデル的な事業としたところでございます。ご理解をいただきますようにお願いをいたします。


(2)学校評議員制度の導入

久保田  第2点、学校評議員制度の導入についておたずねいたします。
 文部省は、公立学校の運営で、本年4月から校長が地域住民らに助言を求める「学校評議員」制度をスタートさせます。学校評議員は、教育に関心の高い保護者や地域住民を校長が推薦し、教育委員会が委嘱することとなっており、校長の求めに応じて、学校の運営に関する幅広いテーマについて意見を述べるものとされ、総合学習に協力してくれる人材捜しへの助言や、学校と地域が連携するボランテイア活動のあり方などで期待されています。
 評議員の意見に拘束力がどこまで有るか、と言った問題はありますが、地域住民の学校への関心を高め、参画を促進させるものとして活用すべき制度と考えます。滋賀県では、すでに県立学校すべてにそれぞれ5人の学校評議員を置く方針を決定するなど各地で準備が始まっています。本県では、平成10年度、教育委員会から、職員が教育改革先進地であるニュージーランドを視察し、学校評議員制度の検討をされていることからも、早急に導入すべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

牛見教育長  次に、学校評議員制度についてのお尋ねであります。
 学校評議員制度は、学校が保護者や地域住民等の意向を把握・反映してその協力を得るとともに、学校運営の状況等を周知することで、より一層地域に開かれた学校づくりを推進しようとするものであり、県教委といたしましても、その役割の重要性や意義を十分認識いたしております。
 県教委は、既に県立高等学校の校長に、学校評議員制度の趣旨の周知を図るとともに、本年4月から導入できるよう、学校管理規則の改正等の条件整備を進めているところであり、各学校の実情を踏まえ、早期導入に努めて参りたいと考えております。
 なお、小中学校につきましては、各市町村教育委員会が判断をされるところでありますが、県教委といたしましても、その趣旨を周知するとともに、設置について、必要に応じ助言等を行って参りたいと考えております。

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2.子どもに対する犯罪防止対策について

久保田  質問の第2は、子供に対する犯罪防止対策についてです。
 昨年12月、京都市の小学校校庭で小学2年生の男の子が殺害されるという痛ましい事件がありました。また、去る1月、新潟県で下校途中に連れ去られた小学4年生の女の子が、9年あまりの監禁生活ののち保護されました。さらに、和歌山県の中学校では、突然、教室に入ってきた男が中学1年生の少年の首を切りつけるといった事件がありました。
 このように、最近、子どもを対象とした凶悪な犯罪が多発しており、現代の社会状況からすれば、残念ながら、このような事件がいつでもどこでも起こりうると推察されるだけに、対策が急がれます。本県でも、通学中の児童などに対する「声かけ事案」が発生しており、凶悪事件に発展する恐れもあり、子供に対する犯罪防止対策が重要となっています。
 このような事態を受けて、文部省は、今年1月、各都道府県教育委員会に対して、学校の安全管理徹底のために点検すべき39項目をあげた通達をだし、学校現場に不審者の侵入を防ぐことなどの犯罪防止対策のための検討項目を示しています。また、警察庁は、先月、住民が被害に遭いやすい道路や公園、集合住宅から「死角」をなくすための防犯基準を新たに設けるなど犯罪防止に配慮した「安全・安心まちづくり推進要綱」を制定しています。
 それによりますと、都道府県警は、自治体や地域住民、建築業界との連携強化やそれぞれの地域での防犯上の問題点をチェックし、早急な対策を講じることとされています。さらに、自治体の都市計画や再開発計画に防犯の観点を反映させることなどが盛り込まれています。
 具体的には、通学路や公園などに一定の間隔で非常ベルを設置する、人の顔が分かる明るさの街路灯の設置をする、ことなどが示されています。本県でもこうした動きを受けて、安全な地域づくりに向けて、今後、より一層の施策の充実が求められます。たとえば、通学路の安全確保や学校現場での取り組み、地域住民の防犯意識の高揚やパトロールなど地域警察活動による犯罪予防、防犯に配慮したまちづくりとして、道路や建物といったハードでの対策、また、防犯ブザーや防犯ネットなどの防犯機器類についての情報提供も重要と考えます。新年度の取り組みをもとに、ご所見をお伺いいたします。

山浦警察本部長  児童生徒の安全確保についてのお尋ねにお答えを申し上げます。
 通学路及び学校内における児童生徒の安全確保につきましては、これまで各市町村教育委員会や各学校に対しまして、「家庭・地域、関係機関との連携強化」等、状況に応じた適切な対応が図られるよう指導いたしております。
 これらを踏まえ、各学校では、教職員・保護者等による登下校時の安全指導、通学路の安全点検、緊急時の集団登下校等、地域の実態に応じた具体的な対策を講じてきておりますが、今回、文部省から学校周辺等における不審者に関する情報等の把握体制や、緊急時に備えた危機管理体制の確立等を柱とした39の点検項目が示されましたことから、改めて、各市町村教育委員会や各学校に対し、通学路や学校内における安全確保について、更なるきめ細かなチェックを行うよう指示を行ったところであります。
 今後におきましては、当該点検結果に基づきまして、各市町村教育委員会に対し、必要な助言・指導を行うなど、学校の安全確保に万全を期して参りたいと考えております。
 子どもに対する犯罪防止対策について、お答えいたします。
 議員ご指摘のように、昨年末から全国各地において、子ども被害の悲惨な事件が発生しております。 本県においても、昨年中、子どもに対するいわゆる「声かけ事案」等、警察が事件に発展するおそれがあるものとして認知・把握したものは27件ありました。
 こうしたことから、県警察といたしましては、子どもの安全を確保して、県民の不安を解消するため、昨年から「こどもセーフティ推進事業」として、子どもに対する犯罪防止対策に強力に取り組んでいるところであります。 この事業は、地域住民の方々に防犯意識を高めていただき、見通しの悪い道路、公園等をの危険箇所や不審者情報の通報など、子どもの安全を地域住民の多くの方々の目で見守り、被害の未然防止を図ろうとするものであります。
 具体的には、
 ○ 県下に、1,400人あまりの「こどもセーフティ連絡員」を委嘱し、1万5千箇所あまりの「こども110番の家」と連携した地域における子どもの安全を見守る体制づくり
 ○ 防犯ブザー1,500個を各警察署に備え付け、声かけ事案等が発生した地域の 子どもや単独での登下校に不安を抱く子どもに貸し出す事業
 ○ 地域住民に対する子どもの安全にかかる各種情報等の積極的な提供等を行うものであります。 
 また、先月、警察庁が発表いたしました「安全・安心のまちづくり推進要網」についてでありますが、この目指しておりますところは、道路、公園等の公共施設や住民の構造、設備、配置等について犯罪防止に配慮した環境設計を行い、犯罪被害に遭いにくいまちづくりを推進して、子どもを含めた地域住民が安全に、安心して暮らせる地域社会を構築しようとするものであります。
 県警察といたしましては、今後、この要綱に基づき対策を進めてまいりますが、「安全・安心まちづくり」は、各種社会インフラの整備を伴うものでありますし、また、住民が日常利用する空間における安全対策であることから、警察のみで推進できるものではなく、各自治体の関係部局、防犯協会、地域のボランティア、住民の方々と問題意識を共有して、御理解をいただいた上で推進していくべきものと考えておりますので、御支援のほどをよろしくお願いいたします。

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3.地方分権の推進について

(1)分権時代を担う職員の意識改革の推進

久保田  質問の第3は、地方分権の推進についておたずねいたします。
 日本国憲法第92条は「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める」と基本原則をうたっているにもかかわらず、これまでは、「地方自治の本旨」とは程遠い実態がありました。しかし、地方分権一括法が成立し、本年4月から施行されることとなり、機関委任事務制度が廃止されるなど、いよいよ地方自治の新たなステージにはいります。
 本県においても、すでに昨年12月、地方分権推進プログラムが策定され、「市町村や県民との新たなパートナーシップによる分権型社会の創造」が掲げられ、「国の縦割り行政から脱し、自治体間競争を勝ち抜くための政策形成機能の充実に努めることや分権が県民の目に見え、具体的に行政サービスの向上に結びつくよう取り組んでいく」ことが示されたところです。そこには、夢と希望にあふれるすばらしい内容が盛り込まれており、まさに新たな地方分権時代の始まりを感じさせるものです。しかしながら、実際に施策として実行していくためには、相当な意識改革を持って望まなければならず、前例踏襲主義や他の都道府県の動向を重視する横並び主義、あるいは、国の方針に頼る指示待ち族ではとても対応できるものではないと思われます。
 そこで、まず第1点、分権時代を担う職員の意識改革の推進についておたずねいたします。
 本県では、すでに平成11年3月に「山口県人材育成基本方針」を策定され、新しい時代に求められる職員像として、「主体的に業務を執行できる自律型人材」「優れた経営感覚やチャレンジ精神をもつ人材」「良好なパートナーシップを築くことのできる人材」と意欲的な目標が示されています。このような能力をもった職員あっての地方分権であり、県民の信頼と期待に応えることができるものと思われます。
 では、そのような人材をどのようにしたら確保・育成ができるのでしょうか。本県の人材育成基本方針では、職員の多様な能力を養成する職員研修の充実、人を育てる環境づくりの推進、人材育成と連携した人事管理が示されていますが、職員研修の充実のためには、研修プログラムのさらなる工夫が必要ではないかと考えます。
 平成10年の自治研修所一般研修の受講者500人のアンケートによりますと、研修を受けたことで、仕事ぶりや取り組み方が「変わった」と積極的に評価している者は、わずか7%であり、「どちらかといえば変わった」と答えている職員を含めても50%。階層別にみると、課長級、課長補佐級および主任事務の職員では約40%とさらに低くなっています。また、過去3年間一度も受講していないものが40%もいたといった状況です。
 この調査では、研修効果を高めるためのポイントとして、「研修科目を受講者の希望により選択できるようにする」、「県庁以外の講師を招く」、といったところが最も多く示されています。長崎県では、地方分権や行政に対する県民意識の高まりなどから、政策立案能力やコスト感覚などの向上が求められ、従来通りの研修では、対応しきれなくなったとして、2000年度から職員研修を民間の専門機関に委託することとし、本年3月末で県の自治研修所を廃止することを決定しています。
 本県でも、分権時代の人材育成のために、NPOから講師を招くことや、ただ座って講義を聴く座学ばかりではなく体験学習やフィールドワーク、あるいは、ワークショップ方式などのプログラムの工夫が求められるとともに、民間の専門機関への委託も検討すべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。。

谷総務部長  職員の意識改革についてのお尋ねについてお答えします。
 お示しのように、新しい地方分権の時代を迎える中で、時代の要請に応え、県民に期待される県政を推進するためには、その担い手である職員の意識改革と能力開発を図ることが重要でありますことから、昨年の3月「山口県人材育成基本方針」を定め、長期的かつ総合的な観点で、分権の時代にふさわしい人材の育成に取り組むこととしたところです。
 このため、平成11年度から、自治研修所におきましては、研修プログラムの大幅な見直しを行い、
 ①問題発見能力や解決能力等の向上を図る、グループ研究形式の「政策形成セミナー」をはじめ、
 ②民間企業の経営感覚の習得や異業種との交流を図る「民間企業交流セミナー」、
 ③体験実習や街角インタビューなどの「フィールドワーク研修」、
 ④民間の専門家を職場に派遣して接遇力の向上を図る実践的な「職場くるみ接遇研修」など多様な研修を導入し、研修内容の充実と高度化に努めているところです。 
 また、これらの見直しに合わせ、民間有識者やコンサルタントなどの外部講師の起用を積極的に進めており、研修総時間数に占める外部講師の割合は、7割を超えている状況であります。
 今後とも、研修プログラムや講師の選定、研修手法などについて、見直しや検討を行いながら、時代に即応した研修となるよう、その充実に努めますとともに、職員一人一人の意識改革と自主的・主体的な能力開発を推進し、職員の人材育成に取り組んでいきたいと考えております。


(2)NPO、ボランティア団体等への委託の推進

久保田  第2点、NPO、ボランティア団体等への委託の推進についておたずねいたします。
 今日、私たちの社会は、高度に発達した企業セクターと行政セクターによって支えられていますが、多様化する社会問題やニーズへの対応、より質の高い地域社会の暮らしが求められる中、これらの二つのセクターだけで対応することは困難となり、新たな公共サービスを担う民間非営利団体の活動が必要とされるようになっています。
 本県の分権推進プログラムにおいても、第三の分権として、官から民への分権の推進が掲げられ、行政がこれまで主として担ってきた分野を含めて、非営利目的の業務について、NPO、ボランティア団体などによる民営化や委託を推進することとしています。その例としては、イベントの実施、文化施設における催事などの企画・運営、保険福祉サービスの実施、各種の専門調査業務などが示され、具体化を検討するとしていますが、早急に実施されるべきと考えます。
 県内には、市民の自由な発想や目的意識による多様な活動が育っており、これらを社会の中でいかに活かしていくかが問われていると思います。NPOは、行政の下請けではなく、また、単に企業や行政の補完的役割を担うものでもありません。市民の視点にたち、目標を持ち、その実現のために活動をします。
 コスト意識が高く、機動力、アイデアなど豊富に蓄積されたものを持ち、地域の人材や資源をフル回転させる力をもっています。地方分権が実行段階に入った今、官と民の役割分担の見直しを行い、民間に委ねられる分野は、NPO、ボランティア団体などに積極的に委ね、行政のリスム化を図ると共に、市民活力をいかすべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

二井知事  NPO、ボランティア団体等への委託についてのお尋ねでございます。
 地方分権の推進のためには、県民の皆様にも、分権の担い手として参加をしていただき、行政と連携・協働して、自らの地域づくりを進めることが重要であり、NPO等の民間団体を対象とした業務の委託を積極的に進めていきたいと考えております。
 県としては、こうした観点から、本年度、先導的事業として、NPO法の研修事業を委託したところであり、新年度におきましては、新たに、県民活動交流サロン開催事業や文化財の情報化関連事業等の委託実施を検討しております。 さらに、こうした取り組みを加速化するため、新年度におきましては、業務の委託や事業の共催などについて、NPO等民間団体と行政とが協働関係を築くための基本的事項を定めたガイドブックを作成するということにいたしております。 
 今後とも、県民の皆様の自主的・主体的な活動を支援する中核施設として、先に設置をした「やまぐち県民活動支援センター」を拠点とし、NPO等民間団体と行政との連携・協働に向けたシステムづくりに努め、分権時代にふさわしい県づくりに取り組んでいきたいと考えております。

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4.循環型社会の構築について

(1)ゼロエミッション計画とエコタウン事業

久保田  質問の第4は、循環型社会の構築についてです。
 戦後の日本社会は、大量生産・大量消費の効率的な経済システムを短期間に作り上げたことで発展してきました。しかし、その結果、大量の廃棄物が発生し、自治体も廃棄物処理に多くの税金を投入しなければならなくなっています。私たちの豊かで便利な生活を支えるために、次から次へと新たな製品が開発され、構造も成分も複雑であるだけでなく、有害物質を含むものも多くなっており、自治体の清掃部局の手に負いかねるものが増加しています。
 ペットボトルのように、エネルギーやコストをかけてリサイクルされても経済上の支援策なしでは、再利用用途に限界があり、結局ゴミに戻ってしまうことも多くあります。これまでの大量生産して大量消費し、そして、大量廃棄して大量焼却や埋め立てをするという一方通行のシステムはもはや立ち行かなくなっており、循環を基調とする経済システムの構築が急がれます。国においても、ようやくこういった深刻な事態への対策の必要性が認識され、本年を「循環型社会元年」と位置付け、「循環型社会基本法」案を発表し、循環型社会形成のための法整備を進めようとしています。本県においても、新年度予算では、厳しい財政事情の中、11年度よりさらに、循環型社会の構築に向けて積極的な施策が組まれていることを高く評価したく思います。
 そこで、第一点、ゼロエミッション計画とエコタウン事業についておたずねいたします。本県でも、ようやく国のエコタウン事業の承認に向けて基本構想策定に着手されますことに大きな期待を寄せたいと思いますが、対象地域の選定にあたっては、現在示されている公害防止計画地域である岩国、周南、下関・宇部からとのことですが、どのような基準でどこが主導権をもって進めるのか、まず、お伺いいたします。
 エコタウン事業は、中核となる技術とその事業ベースでの採算性が基本とされることから、環境産業の地域基盤の確立が重要となります。そして、地域特性を踏まえた個性ある環境調和型まちづくりを進めるためには、地域の主体的な取り組み姿勢が鍵となります。現在、山口ゼロエミッション実証検討事業においては、周南地区の「焼却灰」リサイクルと宇部地域の「廃プラスチック」リサイクルの実証検討が進められ、環境関連技術などの現状分析とともに、ゼロエミッション行動促進計画の策定が予定されていますが、エコタウン事業とはどのような連携がなされ、環境調和型まちづくりを推進されるのか、本県でこれまで進められてきた環境産業の育成・支援の検討経緯を踏まえて、ご所見をお伺いいたします。

村岡環境生活部長 ゼロエミッション計画とエコタウン事業についてのお尋ねにお答えします。
 まず、エコタウン事業の対象地域の選定基準等についてですが、お示しのように、エコタウン事業の承認のためには中核となるリサイクル関連施設の整備や事業採算性を基本とした環境産業基盤の確立等が必要であります。 
 県としては、セメント、化学等の主要な素材型産業が集積し、今後、新たなリサイクル技術の開発や環境関連産業の立地が期待できる公害防止計画地域を対象に瀬戸内沿岸工業地帯を一体的に捉え、この地域において、関係市町村、企業、学識経験者等による推進委員会を設置して、事業参画への意向を十分に踏まえたうえで検討を進め、エコタウン事業構想となる環境と調和したまちづくり基本構想を策定することとしております。 次に、ゼロエミッションプランとエコタウン事業との連携についてのお尋ねであります。
 お示しのように、来年度「山口ゼロエミッションプラン」を策定し、県下全域においてゼロエミッションを進めることとしておりますが、この「ゼロエミッション」を着実に推進するためには、本県の産業が保有している技術や設備等を活かした環境産業の振興を通じた地域振興や、地域の特性を踏まえた廃棄物の発生抑制、再利用、リサイクルの推進が極めて重要であることから、国のエコタウン事業の地域承認を受け、環境関連産業の育成・集積を一層進めていく考えであります。
 このため、来年度、ゼロエミッション実証検討事業による焼却灰等の実証試験の成果等を反映させながら、地域の特性等に応じた環境と調和したまちづくり基本構想を策定し、エコタウン事業が目指す環境調和型まちづくりを進め、本地域を資源化・リサイクル拠点として、県下全域にわたるゼロエミッションを効果的に推進していく考えでございます。


(2)環境犯罪対策

久保田  第2点、環境犯罪対策についてお伺いいたします。
 香川県豊島に代表されるように、近年、全国各地で産業廃棄物不適正処理の問題が起きており、住民の不安が高まっています。先月には、和歌山県の産業廃棄物中間処理場で、焼却炉そばの土壌などから高濃度のダイオキシン類が検出され、焼却施設の撤去などを業者に求める措置命令がだされています。
 本県でも昨年10月に小野田市の山陽自動車道予定地から環境基準を大幅に超える猛毒のシアン化合物やダイオキシンなどが検出されています。ここでは約10年ほど前から、野焼きのばいじんや悪臭に対する住民からの苦情があったにもかかわらず、法的な不備もあり、行政の対応が遅れるといった残念な事例となりました。廃棄物の不適正な処理による環境汚染は、ダイオキシン類など有害物質を発生させ、人の健康や生活環境への悪影響が心配されるとともに、汚染された土壌などを撤去するためには、時間とコストがかかります。
 香川県豊島は、約50万トンにのぼる廃棄物の不法投棄の摘発から9年が経過して、今なお原状回復はしていません。このようなことから、産業廃棄物の不法投棄や野焼きなどの不適正処理に対して、取り締まりの強化が求められますが、現実には、こうした行為は、休日や夜間といった役所が休みの時間に行われることが多く、住民からの苦情などの情報提供が保健所や市役所に出来ない状況にあるかと思います。
 この現状に対して、24時間体制がしかれている警察の役割は大きく、効果的な取り締まりが期待されます。また、環境行政の新年度事業では、不法投棄対策としてホットラインの設置や、廃棄物処理法の対象となる施設の立ち入り検査し、指導強化する、ことなどが計画されており、こうした環境行政の積極的取り組みに期待するとともに、警察との連携強化がより一層求められます。
 そこで、おたずねですが、環境行政部局などとの連携は具体的にどのようにされ、環境犯罪への総合的取り組みをすすめられるのかお伺いいたします。

山浦警察本部長  「環境犯罪対策」における環境行政部局との連携及び環境犯罪への取り組みについてのご質問にお答えいたします。 県民の環境保全意識の高まりの中にあって、産業廃棄物不法投棄等の環境犯罪は依然として後を絶たず、手口は一層悪質・巧妙化している状況にあります。 県警察におきましては、従来から環境犯罪の防止は、県民の健康にかかわる重要な課題と捉え、厳しい姿勢で臨んでおります。
 昨年は、宇部・小野田地区における産業廃棄物の不法投棄で、産業廃棄物業者等2人を逮捕するなど、前年に比べ9件8人増の76件75人を検挙しております。 県警察といたしましては、平成12年度の新たな環境犯罪対策事業として、警察本部に環境犯罪に関する相談窓口を設置して、広く県民の方々からの情報提供に対応することとしております。 
 また、宇部・小野田地区を環境犯罪取締り重点地区に指定して、環境犯罪に関心のあるボランティアの方々を環境犯罪情報連絡員に委嘱し、関係者による合同パトロールや関係機関との連絡協議会を開催するなど、早期の情報入手に努めることとしております。
 一方、環境犯罪による環境汚染の防止のためには、関係行政部局との連携を強化して、関連情報の入手に努め、環境破壊の拡大防止と排出事業者責任の追及などを行うことが重要であると考えております。 このため、昨年3月から警察官1名を環境生活部廃棄物対策室に派遣し、緊密な情報交換を行うとともに、個別検討会や合同監視を行っているところであります。
 なお、環境生活部では、新年度には、各健康福祉センターに廃棄物等の相談電話を設けるなどの「不法投棄ホットライン事業」を推進すると承知しておりますが、警察としても積極的に協力し、環境行政部局と緊密に連携して、情報の共有化を図り、迅速な事件検挙につなげて参りたいと考えております。

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5.山口宇部空港の交流拠点としての活用について

久保田  質問の第5は、山口宇部空港の交流拠点としての活用についておたずねいたします。
 山口宇部空港では、新ターミナルビルが今月末に共用開始となります。総工費34億円かけ、広さは現在の約2.2倍となり、滑走路も215億円かけて2000メートルから2500メートルに延長し、来年3月末の共用開始の予定になっています。
 新交流時代にふさわしい空港玄関口として、利用者増加を見込んでの施設整備が進められる中、2月施行の改正航空法で、国内航空運賃が完全自由化されるとともに、路線への参入・撤退を制限する「需給調整規制」も廃止となるため、航空各社の競争激化による不採算路線の見なおしが強まることが予想されます。
 特に各航空会社の福岡発便の値下げの影響は、近隣空港への影響が懸念されます。飛行機利用者の低迷の上に、交流拠点としても利用者が乏しい状況ということになりますと、莫大な投資が無駄になるばかりでなく、山口県の伸びゆく未来にかげりがでます。当空港のエントランスゾーン整備計画では、空港を単に乗り降りだけの機能空間とするのではなく、人と出合い、情報を交換し、楽しい時間を過ごす広がりのある交流空間として整備すること、また、地域住民からの要望以上の整備効果を発揮させることで、より充実した地域社会との共生の仕組みを創るとして、エアロシティーへの発展を掲げています。
 また、当空港は、きらら博開催となれば、重要な表玄関となるだけに、飛行機からシャトルバスへの単なる乗り換え所にとどまらないような交流拠点としての整備は重要です。そのためには、空港の前に鉄道の駅がありながら利用が困難であるなど当空港の弱点といわれる交通アクセスの悪さの改善や現ターミナルビルの今後の活用など含めて、新ターミナルビルを中心とする広域玄関口として、空の交流結節点にふさわしい空港づくりが求められています。現ターミナルビルの活用計画とともに、山口宇部空港を交流拠点としてどのように活用していくのかご所見をお伺いいたします。

二井知事  次に、山口宇部空港についての2点のお尋ねでございます。
 まず、現ターミナルビルの活用計画についてでありますが、将来の国際空港化を踏まえ、当面は国際チャーター便に対応できる機能を確保するとともに、県民の交流の場となるよう県政情報等の提供コーナーや各種イベントに対応できるスペースを整備するほか、一部は空港関係機関の事務室とするなど、多目的かつ有効に活用することにいたしておりまして、今後、地元宇部市等関係機関と協議をしながら、具体的な利用計画を取りまとめることにいたしております。
 次に、空港の交流拠点としての活用についてであります。 交流拠点として、多くの人に利用され、賑わいのある空港にするためには、その機能を拡充・強化する必要があります。 このため、県としては、当面、最近、着実に利用者が増加をしております東京線の6便化に取り組むほか、大型機の導入や新規路線の開設、ダブルトラック化、空港の国際化の実現に鋭意努めていきますとともに、空港利用の拡大を図るために、山陽自動車道宇部下関線の整備促進をはじめとする空港アクセスの充実に取り組んできております。
 また、当空港を、交流拠点として活用するため、ターミナルビルの前面に、山口県の玄関にふさわしい、景観に配慮したシンボルとなる空間の整備を進めておりますほか、イベントの開催など多目的な使用が可能な中央交流広場や運動広場、さらには、散歩や休憩のできる緑地などを高齢者や身体障害者の方々などにも配慮したバリアフリー化を図りながら、整備することにいたしております。 こうした交流機関を整備するとともに、先程申し上げた現ターミナルビルの活用も併せ、飛行機の利用者だけでなく、地域住民をはじめ広く県民にも親しまれる交流拠点として、活用してまいりたいと考えております。

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6.情報化時代における商業振興について

久保田  質問の第6は、情報化時代における商業振興についておたずねいたします。
 今日、世界は、マルチメデイア関連技術に支えられて、大変なスピードで高度情報化時代へ進んでおり、インターネットに代表されるコンピューターネットワークによる情報収集・発信は不可欠となっています。高度情報化の進展は、情報伝達のあり方を変えるだけでなく、人々の暮らしを変え、社会のシステムも変えてしまうほどの勢いがあり、大都市と地方都市との地域格差をなくし、経済活性化への役割をはたすものと期待されています。
 こうした時代では、商業活性化においても、情報化への対応は重要となっており、積極的な取り組みによって、集客力や経営能率の向上につながる可能性があると同時に、対応に遅れることは、致命的になることもあります。国においても、通産省が電子商取引普及促進の事業費補助金制度を創設し支援をしています。平成11年度の補助対象事業8件の中には、帯広市の「十勝特産品ショッピングモール」構築事業や、愛媛バーチャルモール構築事業、舞鶴市の多機能汎用ICカードシステムなどが採択されています。
 また、全国各地の事例をみますと、仙台市では、商店街の情報化機器の導入に対して助成、高知県では、バーチャルコミュニテイ交流・流通システムを開発、佐賀市では、多機能カードシステムとして商店街のポイント、駐車場のポイントを、クレジットカード、銀行カード、プリペイドカードとひとつにしたカードシステムを構築、といったように、先進的取り組みが進められています。本県では、平成13年度の運用開始をめざしてやまぐち情報スーパーネット識の高まりが期待されることからも、商業振興においてもより積極的先進的取り組みにチャレンジする時期ではないでしょうか。
 また、高齢化の進展が著しい本県では、高齢社会の在宅ショッピングの可能性も考えられます。インターネットの簡易端末を使って、日常の買い物を通信で注文し、地元商店街とタイアップして配達をするといったインターネットバーチャルモール自動配達システムのようなものも検討に値するのではないでしょうか。情報化時代の商業振興についてご所見をお伺いいたします。

前田商工労働部長  情報化時代における商業振興についてのお尋ねにお答えをいたします。
 小売商業の情報化の進展に対応するため、県では、「山口県小売商業振興ビジョン」の中で、消費者との情報受発信の拡充や商店街等の情報システム化を促進することにし、インターネットなどによる情報受発信や高齢者や障害者にも優しい御用聞きシステムの構築あるいは商店街カードシステムの整備等を推進することにしております。 
 このため、これまでも「中小小売商業カード化支援事業」や「中心市街地等商店街リノベーション事業」等により、商店街での広域・多機能カードシステムや商店街ポイントカードシステムなど、情報化による小売商業の振興を積極的に推進してきたところであります。
 新年度も、徳山商工会議所で「商店街等活性化先進事業」の導入により、商店街全体におけるバーチャルモールやファックスネットを活用した一括受発注集荷・配送センターの構築による「御用聞きサービス事業」を行うなど、情報化に対応した取り組みを行うことにいたしております。 県といたしましては、今後とも、国のいろいろな制度をも活用しながら、市町村、商工団体とよく連携を取りまして、情報化を通じた小売商業の振興に積極的に取り組んでまいる考えであります。

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