(1)山口県男女共同参画推進条例の特色
久保田 質問の第1は、議案第3号男女共同参画推進条例についておたずねいたします。
国連は、1945年の国連憲章において、初の国際的合意として、男女の同権は基本的人権であることを宣言し、女性の地位向上のためのキャンペーン、国際女性年の指定、世界会議の開催など積極的な活動を展開してきました。世界の多くの地域で、女性が法的にも事実上もさまざまな困難に直面していたことから、女性の平等な権利を確保することは社会の安定と福祉の向上にとって重要なことでした。
日本においても、政府は国連の取組みに連動し、女性差別撤廃条約の批准や北京行動綱領などに基づき、国内の法制度を整えてきました。昨年6月には、男女共同参画社会基本法を制定し、男女共同参画社会の実現は、21世紀の我が国社会を決定する最重要課題と位置付けその促進を図ることを定めました。この半世紀以上にわたる歩みを振り返りますと、着実に前進してきたことは明かですが、一方で、女性に対する暴力は増加の一途をたどり、男女の賃金格差、雇用差別など課題は残されています。
このような中、本県では、都道府県としては全国3番目となる男女共同参画社会基本法に基づく条例が制定され、男女平等を基礎とし、男女が互いにその生き方を尊重し、共に喜びを分かち合うことのできる豊かで活力に満ちた山口県を目指す決意が示されたことを大変心強く思います。二井知事は、4年前、知事選挙に臨まれるにあたって「男女共同参画社会の実現」を公約のひとつとして掲げられましたが、実効性ある施策を総合的・計画的に推進するために条例制定に取り組まれたことに心から敬意を表するとともに、ニ井知事を初めとして、条例策定に関係されました方々のご労苦に深く感謝申し上げる次第です。
ニ井知事 久保田議員のご質問にお答えを申し上げます。
山口県男女共同参画推進条例に関する2点についてのお尋ねでありますが、まず、本県の課題と条例の特色についてお答えを申し上げます。
本県におきましては、全国に先駆けて「女性問題対策審議会」が設置をされるなど、女性団体等の活発な活動の中で、「男女共同参画」に関する県民の認識はかなり深まってまいりましたが、男女の固定的な役割分担意識がいまだ根強いとされていることなどから、国の基本法の制定を機に、条例制定に向けた気運が高まってまいりました。私は、こうした本県の課題や背景を踏まえ、本条例を制定し、男女共同参画を実践的に推進する必要があると考えております。
このため、条例では、男女共同参画に関する県民の皆様の理解を深めるため、一般的な普及啓発やその一環として「男女共同参画推進月間」における事業実施に加え、教育・学習の振興を図るとともに、地域の特性に応じてきめ細かく対応していくため、市町村の主体的な取り組みを促進するための措置を規定をいたしました。 また、県民アンケート結果や説明会での県民の皆様の要望等を踏まえ、セクシュアル・ハラスメント等の根絶、「生殖に関する自己決定の尊重及び健康への配慮」について、所要の規定の整備を行いますとともに、県民の皆様が男女共同参画に関する様々な事案について、安心して相談いただけるよう、「男女共同参画相談員」の新設や審議会の活用等による相談体制の整備充実を図ることといたしております。
(2)Eメール等を活用したパブリック・コメントについて
久保田 そこで、お尋ねいたします。条例策定にあたっては、本県の課題をどのように把握され、条例の特色とされたかお伺いいたします。また、条例第7条において、基本計画を策定する際は、県民の意見を反映することができるように適切な措置を講ずるものとされたことを高く評価するとともに、パブリックコメント手続きを導入することを提案いたします。これは、素案の段階で論点整理されたものをホームページに公開しEメールなどで意見募集するものです。すでに中央省庁や先進的自治体において導入されており、インターネット時代における住民参加による政策形成として、効果をあげています。パブリックコメント手続きの導入についてご所見をお伺いいたします。
ニ井知事 次に、基本計画の策定に当たっての、Eメール等を活用したパブリック・コメントについての御提案でありますが、基本計画は、本県の男女共同参画に関する施策の推進の根幹になるものでありますから、その策定に当たりましては、広く県民の皆様から様々なご意見をお聴きをし、計画の内容に反映をしていくことが必要であります。
御提案のEメール等によるパブリック・コメントの手続きは、意見聴取のための有効な手段の一つであり、活用を図る方向で検討してまいりたいと考えております。
今後とも、県民の皆様の御理解と御協力を得ながら、男女共同参画社会の実現に向け、全力で取り組んでいく考えであります。
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久保田 質問の第2は、青少年の健全育成についておたずねいたします。
青少年による凶悪で不可解な犯罪が頻発し、なんとかしなければとの思いに駆られる人は多く、地域社会の再生に向けて一段と関心が高まっています。次世代を担う青少年が健やかに成長することは、すべての人の願いです。山口県においても、少年人口が減少しているにもかかわらず、強盗、傷害、窃盗、覚せい剤、シンナーなどの薬物乱用など少年の検挙数・補導(人員)数は平成10年に過去最高となっている状況です。さらに、学校教育においては、不登校児童生徒が、平成10年度に過去最多となり、県内の高等学校中途退学率も増加傾向が続いています。
こうした状況の中、先般、21世紀初頭を展望した新しい指針である「やまぐち青少年プラン」が策定されました。ここでは、地域で青少年を育てることを基本理念として、「新たな地域青少年コミュニテイーづくり」が提唱されています。これは、従来からの行政、学校、民間団体などといったセクション単位で連携を考えるのではなく、地域単位で青少年の健全育成に参加するとされています。これまでの取組みにおいては、家庭、学校、地域、職場の連携の重要性が言われ、緊密な関係をもって対処することが掲げられていましたが、残念ながら、それが具体的に実効性ある方策として確立されてきたとは言えない現状があります。それだけに、この新しいプランがめざす「新たな地域青少年コミュニテイーづくり」へ向けて、県として実効性ある取り組みをどのようにされるのか、これまでの課題とともにお伺いいたします。
ニ井知事 次に、青少年の健全育成についてのお尋ねであります。
青少年の健全育成につきましては、この6月に策定・公表した「やまぐち青少年プラン」において、「地域青少年コミュニティづくり」を基本理念の一つに掲げ、青少年を地域社会で育むという視点に立って、全県的な取り組みを積極的に推進していくということにいたしております。
このコミュニティづくりの促進に当たりましては、従来、地域社会が、各般にわたる多様な活動の中で、青少年を育成してきたことに着目をするとともに、①地域住民の交流の減少に伴い、相互の人間関係が希薄となり、地域社会としての一体感が薄れてきていること、②青少年活動をコーディネートする人材や情報が不足していること等、最近の地域社会の現状に対応した諸施策を推進をしていく必要があると考えております。 このため、県といたしましては、「地域青少年コミュニティづくり」が県民の皆様の御理解と御協力を得て、県民運動として展開をされるよう、市町村や青少年育成市町村民会議の協力を得ながら、説明会の開催や各地域での出前講座を開設をすること等により、県民に広く普及啓発を図っていくことといたしております。また、各種研修会の開催等を通じ、コミュニティづくりの中心的役割を果たす人材の育成や、各分野における青少年活動の指導者等の養成に努めていくことにいたしております。
さらに、地域住民が一体となって行う「青少年にとっての有害環境の浄化運動」を、市町村や関係団体等と連携をしつつ、県内各地で展開することにより、地域社会としての一体感を醸成するなど、先駆的・実践的な取り組みを進め、「地域青少年コミュニティづくり」を県内全体に広げ、その定着を図っていきたいと考えております。 こうした青少年健全育成の取り組みは、何よりも、家庭・学校・地域との連携、そして、市町村・関係団体等の積極的な相互協力が重要でありますから、今後、一層これらの連携を密にして、県民の皆様の御協力をいただきながら、未来を担う青少年が活躍する社会の実現に向けて、鋭意、取り組んでいきたいと考えております。
(1)「心の教育」の推進について
久保田 また、青少年プランでは、学校における心の教育の推進を掲げ、集団生活を通じて社会性を育成する場としての学校の重要性を示しています。私は、半年ほど前から県内の小学校、中学校、県立高校の訪問活動をしていますが、授業を見せていただき、児童生徒、先生方との対話をしてくる中で、嘆かわしい教育現場の実情とともにすばらしい取組みにも数多く出会うことができました。この活動から私は、学校における心の教育の推進のために以下4項目の提案をし、県の取り組みを求めるものです。
牛見教育長 学校における「心の教育」の推進についての4点のお尋ねにお答えを申し上げます。
今日の変化の激しい社会にありまして、子供たちが自ら主体的に生きていくためには、子供たち一人一人に、生命を尊重する心、他者への思いやりや社会性、倫理観や正義感、美しいものや自然に感動する心など、豊かな人間性を育む「心の教育」の充実が極めて重要であると、このように考えております。
県教委といたしましては、このような観点に立ちまして、これまでも、「心の教育」を本県教育の重要な基盤として位置づけまして、様々な施策を推進しているところでございます。
(2)優れた芸術や文化にふれあう活動の推進
久保田 一つ目は、優れた芸術や文化にふれあう活動の推進についてです。 大都市に比べて地方都市は、文化にふれあう機会が少ないと一般的には言われていますが、幸いにも、本県では、県内各地に立派な文化施設が整備され、多様な文化活動が展開されています。しかし、子供達がこれらの文化施設で優れた文化に親しむ機会は、どのくらいあるでしょうか。子供の頃から優れた文化にふれあい、感性を育み高めていくこと心の教育にとって、極めて重要です。
これらの施設を子供達のためにも活かす方策として、たとえば、児童生徒たちが学校教育計画の中で、ルネッサながとで歌舞伎などの古典芸能を鑑賞する、秋吉台国際芸術村で音楽家などによる文化創造活動へ参加する、シンフォニア岩国でクラッシクコンサートを鑑賞することなどが考えられます。現在、学校の体育館や教室を使用して実施されている音楽鑑賞教室、移動芸術祭、舞台芸術ふれあい教室なども意義あるものですが、本格的な一流文化施設において、芸術文化を鑑賞することは、さらに多くのことを学べるものと考えます。やまぐち青少年プランには、学校における心の教育の推進として、優れた芸術や文化に触れ合う活動の推進が位置付けられています。その具体的効果的施策の実施のために、学校教育プログラムと連携して、県や市町村のもつ施設を青少年のために十分活用する必要があると考えますが、ご所見をお伺いいたします。
牛見教育長 ① さて、始めのお尋ねの優れた芸術や文化にふれあう活動の推進についてありますが、県教委といたしましては、これまでも、県内各地の学校や地域の施設などを会場にいたしまして、音楽や演劇の鑑賞教室を実施し、鑑賞のみならず、演奏者等とのふれあいを通して、芸術や文化を身近に感じ愛好する児童生徒の育成を図っているところでございます。
また、シンフォニア岩国において中学生を対象とした音楽鑑賞教室が開催される他、県立文化施設等におきましては、青少年が優れた芸術や文化にふれあう機会の提供がなされているところでございます。 今後とも、県や市町村の文化施設での芸術文化ふれあい活動が、児童生徒にとって参加しやすい体制となり、内容的にも一層充実するよう、関係機関にも働きかけてまいりたいとこのように考えております。
(3)自然体験宿泊研修の推進
久保田 二つ目は、自然体験宿泊研修の推進についてです。 自然体験宿泊研修は、小学校、中学校、高校において実施され、児童生徒が日常生活から離れて、豊かな自然環境の中での集団宿泊生活を通じて、人間的な触れ合いを深めるなど、通常の学校生活とは異なる豊かな体験をすることができます。今日、このような活動の重要性が再認識され、これまで以上の活動の充実が求められています。しかしながら、本県では、県立高等学校における集団宿泊指導の実施状況は、減少してきています。
これは、平成10年度を最後に県の補助金2400万円あまりが廃止されたため、平成11年度においては、全日制高校では、わずか14校、平成12年度は、10校といった実施状況です。これまでは、72校全てで実施されていたことを考えますと、大変残念なことです。また、小学校においては、約7割の学校が実施、中学校においては、約6割で実施といった状況が、ここ数年の動向です。小中学校は義務教育であり、「教育の機会均等」ということからしても、実施していない学校があることはいかがなものでしょうか。実施されない理由は、個々の学校の事情としていろいろあるかとは思いますが、児童生徒を中心に考えれば、切り捨てられるべきではないはずです。やまぐち青少年プランにおいても、自然体験の推進は明確に位置付けられています。山口県は、海あり山ありと多様な自然環境に恵まれています。これを存分に活用し、心身ともに健全な発育を促すプログラムを積極的に学校教育に位置付けるべきであり、そのための支援を県教委として担う責務があると考えますが、ご所見をお伺いいたします。
牛見教育長 ②次に、学校教育における自然体験活動の推進についてのお尋ねであります。 御指摘のとおり、自然の中での体験活動は、子供たちに、自然と対する畏敬の念を抱かせ、よりよい人間関係を醸成するとともに、豊かな人間性や社会性を育むなどの重要な意義がありますので、県教委といたしましては、各学校に積極的にこれに取り組むように指導しているところでございます。その結果、小・中学校におきましては、自然観察や調査、自然の中でのものづくり体験活動、また、高等学校におきましては、一日登山やスキー実習を取り入れた修学旅行など自然の中での活動が多く実施をされているところであります。
今後とも、新たに始まる「総合的な学習の時間」をはじめ、特別活動など様々な教育活動におきまして、各学校が実情に応じ、創意工夫を凝らした自然体験活動に主体的に取り組むよう指導してまいりたいと考えております。
(4)子供への暴力防止プログラム(CAP)の導入
久保田 三つ目、子供への暴力防止プログラム(CAP)の導入についてです。 これは、アメリカのオハイオ州で小学生がレイプされたことがきっかけとなり、1978年、コロンバスのレイプ救援センターで作られたもので、これまでの「してはいけません」式の危険防止教育とは異なり、子供自らに解決能力をつけさせようとするものです。子供たちに自分の大切さを教え、誰もが本来もっている力を引き出すプログラムで、子供対象のワークショップとおとな対象のワークショップのセットで行われます。小学生向けの50分間のワークショップでは、いじめ、誘拐、性暴力の3つの事例について寸劇によって自分を守る手段を具体的に教え、考えさせるものです。はっきり「嫌だ」と言ったり、逃げたり、信頼できる大人に話したりすることが問題解決につながることを、子供達に伝える取り組みです。
私は、先日、防府の小学校で行われた子供対象のワークショップを見させて頂きました。6年生の児童たちは、大変熱心に学び、寸劇に積極的に参加していました。終了後に書かれたアンケートを見ますと、とてもよくわかった、楽しかった、友達を助けなければいけないなどの感想が出されていました。先進地のアメリカでは、全米の3分の2の子供が学校でこのCAPプログラムを受け、このうち40%が習ったことを生かして被害を免れ、25%が友人を助けることができたという調査結果がだされています。近年、日本でも、急速に広まっており、授業に採用する学校も増えてきています。大阪府では、この事業を行う市町村に費用の半額補助を組んでいます。本県においても、子供達をとりまく環境は、決して良好とは言えず、子供自身がもつ問題解決能力を引き出すCAPプログラムを学校現場や教職員研修などで積極的に導入していく必要があると考えますが、ご所見をお伺いいたします。
牛見教育長 ③ 次に、子どもへの暴力防止プログラム、いわゆるキャップ(CAP)の導入についてのお尋ねでございます。 お示しのCAPは、寸劇などを取り入れながら、様々な暴力から自分自身の身を守る術を身に付けさせ、自分の心と体を大切にしようとする意識を育てるプログラムであると受け止めております。
社会全体のモラルの低下が叫ばれ、いじめや虐待など、子どもたちを取り巻く状況には厳しいものがありますことから、多くの学校では、平素から道徳や学級活動の時間におきまして、役割を決めて行うロールプレイングの手法を取り入れながら、子どもたち自身にいじめ等について考えさせ、人権尊重や思いやりの心を涵養しているところでございます。特に長期の休業前には、関係機関との連携を図りながら、実践的な指導をいたしまして児童生徒の被害防止にも努めているところであります。 県教委といたしましては、御指摘のプログラムも含めまして、児童生徒の被害防止のために、さらに、効果的な指導方法を研究してまいりたいと考えております。
(5)「朝の読書運動」の推進
久保田 四つ目は、「朝の読書運動」の推進です。 本年は、「こども読書年」ということで、読書に対する関心が一段と高まっています。特に、「学校で朝の10分間本を読む時間を設けたら、飛躍的に本好きの子供が増えた、いじめがなくなった」といった報告が、全国各地で紹介されています。これは、「朝の読書運動」と呼ばれるものですが、学校で毎朝始業前の10分間、生徒も教師も全員、自分がそれぞれ選んだ読みたい本を読むというものです。みんなでやる、毎日やる、好きな本でよい、ただ読むだけ、といったシンプルなものですが、もともとこの取り組みは、ある学校で、元気がない子供たちが増えてくる中、どうしたら子供たちを元気にできるのだろうか、と試行錯誤を繰り返すうちに、たまたま唯一効果があったのが「朝の読書」だったことから始められて、急速に広がってきています。すでに全国では1600校が実践し、本を読めない子が読めるようになった、集中力がつき言語能力が伸びる、豊かな心と人間関係が育つなど大きな効果をあげています。本県においても、こうした取り組みを県の実践モデル事業として幅広く紹介し、積極的に推進していくべきと考えますが、ご見解をお伺いいたします。
牛見教育長 ④ 次に、学校における読書への取り組みについてであります。
本県では、これまでも、朝の読書活動、地域のボランティアによる読み聞かせ、詩の朗読など、さまざまな読書活動の取り組みについて実践研究を進めておりまして、教育研修所における研修講座等におきまして、このような取り組みの具体的な実践例を紹介をいたしております。そういったことから、お示しの「朝の読書」活動に取り組んでいる学校の数は次第に増加をいたしているところであります。 今後とも,それぞれの学校の特色のある取り組みの中で、家庭や地域の協力を得ながら、読書に親しみ読書体験を深める取り組みを更に広げ、心豊かな児童生徒の育成に努めてまいりたいと考えております。
県教委といたしましては、子どもたちにとって「生きる力」の基盤となります、「心の教育」のなお一層の充実に向けまして、諸施策に積極的に取り組んでまいる考えでございます。
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(1)情報化推進の課題と今後の方向性
久保田 質問の第3は、中小企業の情報化の推進についておたずねいたします。
1999年度の国内総生産(GDP)が3年ぶりにプラス成長に転じた要因に、インターネットなど情報技術(IT)関連の投資の拡大があります。情報通信や電気メーカーだけでなく、様々な産業がネットを使った事業を手がけ始めており、IT投資に景気回復の牽引役の期待がかかっています。多様な商品やサービスを短期間に市場ニーズに組み合わせるという情報技術革命(IT革命)は、私たちの暮らしや地域社会のあり方を大きく変えようとしています。
1999年度の中小企業白書によりますと、すべての企業が情報技術(IT)革命について無関係ではいられなくなったとして積極的な対応を求めています。大企業のパソコン普及率が95%であるのに対して、中小企業は56%と低調ですが、電子メールの利用方法では、大企業が社内連絡用中心であるのに対して、中小企業では、主に他社との連絡やデータ交換に使用しており、ITの影響は大企業よりも中小企業のほうが大きいとも指摘されています。また、中小企業の70%以上が、使用している情報関連システムに何らかの不満をもっているという調査結果もだされています。
本県においても、平成10年に実施された中小企業の情報化進展度調査によりますと、大半の企業が情報化の重要性は十分認識しており、行政に対してセミナーや展示会の開催、制度融資、ソフトウエアアドバイザー制度の希望を多く持っています。一方で、情報機器を導入したものの、多額の投資に見合うだけの効果をあげていない状況もあります。こうした中、本県では、これまで県内中小企業の情報化推進のために様々な施策を進めてきましたが、情報革新のスピードは、非常に速く、情報関連施策が効果をあげているかは常に検証される必要があります。
ニ井知事 次に、中小企業の情報化の推進についての2点のお尋ねにお答えを申し上げます。
まず、情報化推進の課題と今後の方向性についてであります。 本県では、情報化の重要性に鑑み、これまで、中小企業の情報化に対する普及・啓発、設備貸与や融資制度等による支援と情報産業の育成・情報インフラの整備の両面から、各般の施策を展開をしております。 中でも、情報関連新産業創出支援事業により、情報ベンチャーの起業化や中小企業の情報化等を支援する民間新会社2社を立ち上げるなど、中小企業の情報化を進めるための様々な環境の整備を行ってまいりました。 しかしながら、お示しがありましたように、中小企業者が情報システム関連投資をその目的を明確にしないまま行い、結果的に逆に経営上の負担となる場合も生じております。
「情報化」は、それ自体が目的ではなく、むしろ企業が経営革新、技術開発、新たなビジネスへの展開といった諸課題に取り組む際の有効な手段となるものでありまして、情報技術の導入・活用に当たっては、的確なアドバイスを中小企業が受けることのできる環境づくりが重要であります。
こうしたことを踏まえ、本年度から新たに、やまぐち産業振興財団にプロジェクトマネージャーを設置をいたしますとともに、アドバイザー派遣制度を充実をし、経営革新等にかかる事業計画の内容を考慮する中で、情報技術の導入についても、的確なアドバイスをすることにいたしております。
さらに、新事業創出支援プラットフォームの連携支援機関である山口県ソフトウェアセンターにおいて、これまでのエスイーSE高度情報化処理技術者養成研修事業、レンタルオフィス事業、システム開発斡旋事業を充実強化するとともに、新たに、企業の情報化戦略を促進するための個別相談会等を開催するということにいたしております。
(2)「やまぐち情報スーパーネットワーク」の民間企業における利活用
久保田 官から民へ移管すべき事業もあるかと思われますし、自宅や小規模なオフィスで仕事をするSOHO、スモールオフィス・ホームオフィスが地方都市でも広がってきており、新たな施策の対象としても考えられます。そこでおたずねですが、中小企業の情報化の推進について、これまでの施策から浮き彫りにされた課題と今後の方向性をお伺いいたします。また、平成13年度に共用開始が予定されている行政の情報通信網「やまぐち情報スーパーネットワーク」の民間企業による利活用についてお伺いいたします。
ニ井知事 次に、「やまぐち情報スーパーネットワーク」の民間企業における利活用についてのお尋ねであります。
このネットワークは、公的ネットワークとして、公共情報システムや行政情報システムなどの運用を主眼に、整備を行っておりますが、県内産業の振興の観点から、民間企業にも、可能な限り幅広く開放していきたいと考えております。県といたしましては、先程申し上げましたとおり、アドバイザー派遣制度等を効果的に実施をしていくとともに、設備貸与や制度融資、さらには現在整備を進めております「やまぐち情報スーパーネットワーク」を利活用することにより、中小企業の情報化に向けた取り組みを積極的に支援をしてまいる考えであります。
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久保田 質問の第4は、環境にやさしい持続的農業の推進についてです。
21世紀における農業政策の基本指針となる「食料・農業・農村基本法」が成立・施行されて、農業の自然循環機能の維持増進が図られることとなりました。これを受けて、農業「環境3法」と呼ばれる環境と農業のより良い関係を築くための法律が成立いたしました。一つは、持続性の高い農業生産方式の導入を促進する法律である「持続農業法」。二つ目は、家畜排泄物の管理の適正化及び利用を促進する法律である「家畜排泄物法」。三つ目は、肥料取締法の一部を改正する法律です。
このように環境と調和した農業を持続的に推進する法令整備が行われたことで、今後、本県においても、農業分野における地球規模の環境問題への対応と農業と消費者・地域住民の連携強化による有機資源の循環利用システムの構築を具体化していく必要があると考えます。すなわち、消費者と農業者が共に参加して、良質堆肥が作られ、有機農作物が生産・販売されるリサイクルの仕組みです。
埼玉県では、農業分野における環境負荷の軽減をすすめるとともに、より安全・安心な農産物の供給を図るため、2010年までに農薬と化学肥料の使用量を50%削減することを目標にした「彩の国有機100倍運動」を平成9年度から取り組んでいます。埼玉県の畜産センターでは、良質な堆肥製造のための試験実施がなされ、また家庭や給食センターから回収された生ごみを良質堆肥として農業生産に利用、農産物は地元の農協直売所で販売するシステムとなっています。さらに、ホテルと農業者集団が協力してリサイクルに取り組み、生ゴミから良質な堆肥を作り農業生産に利用、生産した農作物はホテルの食材として利用といったことも進められています。 本県においても、新しい法制度にもとづく環境にやさしい持続的農業の取り組みが急がれると考えますがご所見をお伺いいたします。
ニ井知事 次に持続的農業の推進に関するお尋ねであります。
私も、農業の持続的発展を図るためには、自然循環機能を活かした環境にも優しい農業の推進が重要であると認識をいたしております。 このため、県では、堆肥センターの計画的な整備や堆肥散布システムの構築等により、生産の基本となる土づくりに積極的に取り組んできたところであり、その結果、野菜の減農薬栽培や良質米生産に取り組む産地が県下各地に生まれてきております。 このような中、お示しがありましたように、国は、「食料・農業・農村基本法」を制定をし、自然循環機能を活かした農業の持続的な発展の方向を明らかにしたところであります。
県といたしましても、本県の実情に即した推進方向を明かにするとともに、良質堆肥の安定供給に向けた耕畜連携による利用調整のシステム化を一層推進する必要があると考えております。 このため、生産者をはじめ、消費者、関係機関・団体を構成員とする協議会を設置をし、有機質資源の活用や化学肥料・農薬の削減の目標設定等を内容とする「持続的農業生産の基本方針」を今年度中に策定するということにいたしております。
また、堆肥センターごとに堆肥の成分分析を実施をし、品質の向上を図りますとともに、地域における作物別の利用量や使用時期等に応じて堆肥を安定的に供給する体制を整備をし、耕畜連携を強化するなど、持続性の高い農業生産の振興に取り組むということにいたしております。
なお、消費と生産を結ぶ循環システムの構築を視野に入れた食物残さの堆肥としての農業生産への活用には、肥料成分の均一性を保つことなど、解決すべき課題が残されておりますので、引き続き実用化に向け関係部局が連携をして、検討していくことにいたしております。
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久保田 質問の第5は、環境財団(仮称)創設と環境学習拠点施設整備についておたずねいたします。
先の国会において、循環型社会形成推進基本法をはじめとして、一連の法的整備が進められ、ようやく、大量生産・大量消費・大量埋め立て・焼却の社会システムから、再利用・循環利用を基礎に資源の過剰使用と廃棄物の発生を抑制する新しい循環型経済社会システムへの転換が図られようとしています。
こうした動きを受けて本県でも、新たな取組みが求められることとなりますが、今日の環境問題が、主として私たちの通常の事業活動や日常生活に起因していることからみても、いくら法制度が整っても、ひとりひとりの意識改革と具体的行動が伴わなければ十分な成果をあげることはできません。そのためには、環境学習、環境教育を積極的に進め、環境負荷の少ないライフスタイルの転換に向かう住民の活動やNPOなど民間団体の主体的取組みの活発化が求められます。
本県では、「山口県環境学習基本方針」を昨年3月に策定され、環境学習プログラムの作成や情報提供などの支援システム・ネットワーク作りなどのソフト施策とともに拠点施設整備などのハード施策を示されたところですが、やまぐち未来デザイン21第2次実行計画では、環境保全活動を促進する民間活動を支援する仮称環境財団の設立が提示されています。県民の主体的な環境保全活動は、県内各地に育ってきておりますが、情報や財源不足などの課題をもっており、環境財団の設立には大きな期待が寄せられます。
本県では、すでに文化振興財団や女性財団が設立され、それぞれの分野で民間活動を支援する効果的な事業を展開していることからも、環境財団についても、できるだけ早い時期に設立し、県民の環境保全活動を促進することが望まれますが、ご所見をお伺いいたします。また、環境学習の拠点施設について、今年度、調査研究に着手されますが、いつ頃を建設時期と考えられるのかお伺いいたします。
ニ井知事 次に環境財団(仮称)と環境学習拠点施設についてのお尋ねであります。
今日の環境問題は、廃棄物処理や地球温暖化問題等に見られますように、その原因の多くは、通常の事業活動や私たちの日常生活による環境への負荷の増大によるものであります。 この解決のためには、お示しがありましたとおり、私たち一人ひとりが自主的・積極的に環境を学び、理解し、環境に配慮した行動を一層進めることが必要であり、環境への負荷の少ない循環型社会の構築へ向けての環境学習を総合的に推進することが極めて重要であると考えております。
このため、環境学習プログラムの作成や、人材養成・情報提供など県民への支援システムを有する学習拠点施設の整備、また、環境保全活動の推進母体としての中核団体、いわゆるお示しの、仮称ではありますが環境財団の設立について、未来デザイン21や環境創造プランに主要プロジェクトとして位置付けており、デザイン21の第2次実行計画にも掲げているところであります。 この実現に向けましては、本年度、庁内関係課からなる「環境学習拠点施設の調査研究プロジェクトチーム」を設置し、拠点施設の機能・学習支援システム・他の施設等との連携、また、拠点施設の管理運営をも視野に入れた幅広い支援機能を有する組織としての環境財団の在り方などについて、調査研究に着手したばかりであります。
したがって、お尋ねのありました財団の早期設立や拠点施設の建設時期につきましては、現在、お示しできる状況には至っておりませんが、今後、さらに、調査研究を深め、また、多方面の方々の御意見をお聞きしながら、鋭意検討していきたいと考えております。
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久保田 質問の第6は、きらら博における廃棄物対策についておたずねいたします。
先般、北九州市は、来年開催される「北九州博覧祭」において、ごみゼロを目指す方針を発表されました。期間中に予想されるごみ約600トンをすべてリサイクルする試みであり、通産省認定の博覧祭でリサイクルによるゴミゼロに取り組むのは初めてということです。
では、同時期に開催される本県の「きらら博」では一体どのようにごみ対策に取り組まれるのか、昨年9月県議会においてお尋ねしたところ、環境配慮指針を策定して、それに基づいて具体的な対策を講じるとのご答弁でしたが、先般、発表された環境配慮指針の骨子では、廃棄物の発生・排出抑制、使用済み製品の再使用、廃棄物の徹底分別、廃棄物のリサイクルといった基本的なところは示されましたが、この基本をどのように具体的システムとさせるかが問われています。今日、廃棄物対策としては、まず優先されるべきは、発生抑制や再使用の取り組みであることから、きらら博においても、「ごみをださない」ことを基本とした上での分別リサイクルのシステムが重要です。
すなわち、プラスチックや紙などの使い捨て食器を使用禁止とし、容器に預かり金をかけ、容器返却後に金を返却するデポジット制度を導入すべきと考えます。これは、すでにドイツなどでごみを出さないシステムとして定着しています。本県では、先般、環境先進県をめざすべく、環境マネージメントシステムISO14001の認証取得に向けてキックオフ宣言をされたところでもあり、きらら博における廃棄物対策は、県の環境問題に対する姿勢を明かにする絶好の機会です。21世紀のリーデイングプロジェクトである「きらら博」で、このような取り組みが実施され、成果をあげることができれば、その後、県内に広く展開していくことが期待できます。ご所見をお伺いたします。
以上で、質問を終わります。どうもありがとうございます。
ニ井知事 次に、山口きらら博における廃棄物対策についてであります。
21世紀は、環境の世紀と言われております中で、新しい県づくりのリーデイングプロジェクトとして位置付けております山口きらら博におきましては、環境負荷の低減に向けた積極的な取り組みをしていくことが重要であると考えております。 このため、これまで実施をしてまいりました博覧会事業の環境影響評価を踏まえながら、「やまぐち環境創造プラン」に基づき、会場整備から運営、撤去に至る博覧会事業全般にわたる環境配慮指針の策定等を、現在進めております。
そこで、お尋ねの廃棄物対策についてでありますが、山口きらら博をゼロエミッション型博覧会とするための重要な取り組みでありますことから、その環境配慮指針の中で、廃棄物の減量化やリサイクルの徹底を図るための具体的な数値目標を設置をし、目標達成に向けた取り組みの方向を示すことといたしております。
また、この指針に沿った具体的な廃棄物減量化・リサイクル計画の策定も合わせて進めていくことにいたしております。 この計画等の策定に当たりましては、まず、廃棄物をできるだけ出さないということを基本にしながら、パビリオンなどの建築物等について、リサイクル素材の活用や博覧会後の再利用を視野に入れた整備に努めますほか、運営面でも、ご提案がありました使い捨て食器の使用制限やデポジット制度の導入、さらには、会場内で使用するバック・コップ等の持ち込みの促進など、廃棄物の減量化方策について、実現可能性を含め、種々検討をいたしております。また、排出される廃棄物につきましては、徹底した分別回収を行い、県内の産業技術等を活用した資源化、例えば、ゴミの堆肥化・化学肥料化など、現在、具体的なリサイクルシステムの構築に向け、関係機関等との協議調整を行っております。
今後、パビリオン出展者や営業参加者・一般来場者などすべての参加者の理解と協力を得ながら、可能な限りの取り組みを進め、山口きらら博が、本県の目指すごみゼロ社会づくりのモデル事業となりますように、努めて行く考えであります。
以上でございます。