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山口県議会議員(1999年~2009年4月)として県議会での質問です

分類

会期

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  • 2000年03月
  • 1999年12月
  • 1999年06月

2002年03月議会

[目次]

  • 1.行政改革について
  • 2.教育問題について
  • 3.子育て支援について
  • 4.森林バイオマスエネルギーの活用と地球温暖化防止について
  • 5.地震防災対策について

1.行政改革について

久保田  質問の第1は、行政改革についてです。

(1)公共施設の利便性の向上について

久保田  第1点、公共施設の利便性の向上についてお尋ねいたします。
 現在策定中の「山口県新行革指針」案では、県の公共施設について、より一層県民が利用しやすい施設となるよう様々な角度から見直し、県民に身近な行政サービスの改善・向上に積極的に取り組むこととされ、時間外の利用など利用条件の見なおし・改善が示されております。県の施設には、かねがね県民が利用しにくいと指摘されていたものがいくつかあり、早急に各施設の点検をし、14年度中には、県民の立場にたった利用しやすい施設となるよう利用条件などの見なおし、改善を図るべきと考えます。
 たとえば、山口県産業技術センターです。当センターの試験研究機器の開放と研修室・会議室・多目的ホールの使用は、月曜日から金曜日の9時から5時までだけで、祝日、休日、平日夜間の利用は全くできません。センターでは、デジタルビデオ編集システムやカラーインクジェッタープリンタ、騒音計など最新の研究機器125台が県民に開放されています。定員40人から50人の研修室・会議室、200人が収容できる多目的ホールは、いずれもマルチメディア対応のプレゼンテーションが可能です。また、情報センターでは、産業技術関連の書籍や新聞、雑誌が充実しており、ゆったりした閲覧スペースとともに、インターネット接続のコンピュータも配置されています。駐車場も広く、利便性の高い施設が、土日も利用できるようになれば、総合的学習への活用や学校週休二日の地域での受け皿としても、有効利用できるのではないかと思います。職員の交代勤務制度の導入などを検討し、コスト増を押さえつつ利用促進を図るといった効率的な管理運営方法を見出して、県民に開かれた産業技術センターにして頂きたいと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

上府商工労働部長  公共施設の利便性の向上についてのお尋ねにお答えいたします。
 中小企業の総合的技術支援拠点である産業技術センターでは、県民に開かれたセンターを目指して、これまでも、開放試験研究機器の拡充整備や多目的ホールなどの施設開放を積極的に図ってきたところでございます。
 現在策定中の新たな行政改革の指針においては、公共施設の利便性の向上についての方向性が示され、14年度には具体的な検討に入ることとしております。
 このため、産業技術センターにおきましても、お示しのように、コスト増の要因となります人的体制整備、設備管理、光熱費等の管理運営面での解決すべき諸課題もありますことから、段階的な利用時間の拡大などについて、中小企業者や一般県民のニーズを踏まえながら検討して参ります。

久保田(再質問)  14年度の新規事業である「新事業創造支援センター基本計画策定事業」は、貸研究室やインキュベーター機能を有する施設を整備するための基本計画の策定を行う事業と理解しているが、貸研究室やインキュベーター機能は24時間開放型になり、また、当該施設の利用者は産業技術センターからの技術支援を受けると考えられることから、この基本計画を検討するに当たって、隣接する産業技術センターも同様の体制が取られるよう積極的に検討していただきたいが、ご所見を伺う。

上府商工労働部長  平成14年度の新規事業であります「新事業創造支援センター基本計画策定事業」の中でも、産業技術センターの休日開放等を併せて検討して欲しいという主旨のお尋ねにお答えをします。
 他県での例をお示しになりましたけれども、現在、休日に試験研究機器を開放しておりますのは、宮城、長崎、宮崎の3県であります。いずれも、安全面に問題のない機器を、操作に習熟している企業に対して、事前の予約を条件に開放しております。また、お示しがありましたけれども、会議室等の休日開放については、宮城県だけが実施しております。
 これから整備をしようとしております、宇部新都市の産業技術センターの隣接地で整備予定の、先ほど申しました「新事業創造支援センター」につきましては、そのメリット、特徴が、現在の産業技術センターの隣接地であるということがございますし、そうした主旨を踏まえながら、先ほど申し上げましたように、休日等の開放の検討に当たりましては、管理運営面での諸課題等を検討しながら、解決に向けた検討を進め、県民のニーズも併せ、踏まえて、進めていきたいという風に考えております。


(2)県民利用型公共施設の使用料減免措置制度について

久保田  第2点、県民利用型公共施設の使用料減免措置制度についてお伺いいたします。
 この行革指針案には、財政健全化に向けた具体的取組のひとつとして、使用料・手数料の見なおしが掲げられ、住民負担の公平確保と受益者負担の原則にたって、適性な料金設定に努めること、社会経済情勢の変化に応じた減免制度の見なおしを進めるとされています。
 地方自治法にもとづく山口県使用料・手数料条例では、第4条に減免制度について、「知事は、生活保護法による保護を受けている者、公益上特に必要があると認める者その他特別の理由があると認める者に対しては、使用料または手数料を減免することができる」と定められています。この条例や個別条例に基づく使用料・利用料を減額する制度についてですが、県民に親しまれている4施設、維新百年記念公園スポーツ文化センター、県民文化ホールいわくに、ルネッサながと、国際総合センターを比較してみますと、共通しているものはなく、各施設で少しずつ異なっており、県の主催共催行事が半額となるのは1施設のみ、児童・生徒・学生が半額となるのは3施設で、障害者が半額となるのは1施設のみ、文化の振興を目的とする公共的団体が半額となるのは2施設、体育と文化の振興を目的とする公共的団体が半額となるのは1施設のみ、国際総合センターについては、減額は全くなされていません。県民文化ホールいわくにとルネッサながとは、利用料金制を採用しており、文化団体が営利や宣伝を目的としない文化活動に使用する場合、半額としています。
 これらの施設において実際に運用されている減額制度の基本的考え方についてお伺いするとともに、体育の振興を目的とする公共的団体や文化の振興を目的とする公共的団体を減額の対象団体とされている施設については、それらの団体についてどのような判断基準をもって、減額をされているかお伺いいたします。
 今日、県民活動は多種多様に広がっており、既存の大きな団体に所属しなければ活動ができないといったこともなく、自由に仲間づくりやグループづくりをしています。小さなサークルでスポーツや文化活動をする人々も多く、あるいは、いきいきとした地域づくりをしようと街づくり、村づくりが各地で活発化していますし、環境、福祉、教育などの分野でNPO法人や草の根NPOで、行政とのパートナーシップを結び、公共政策を担う例もあります。また、個人が集まって実行委員会方式での大きな大会を企画・運営するようなこともあります。このような県民活動の活力がきらら博の成功を導いたのではないでしょうか。そして、このパワーをさらにアップさせ、元気な山口県をつくっていこうというのが、2月県議会に上程されている県民活動促進条例です。このように、今日の県民活動の実態からみても、行政が県民活動を区別して、優劣をつけたと思われるような制度は望ましくないし、公平性を欠くものとなりはしないでしょうか。
 きらら博は、県民が皆等しく参加できて、県民平等の哲学が貫かれていました。このきらら博の哲学を継承するならば、県有施設の使用は、県民皆平等であるとすべきではないでしょうか。優遇すべきならすべての県民に優遇料金となるように使用料金の見なおしをすべきではないでしょうか。これは財政の問題でもありますが、県民活動に対する根本的な哲学が問われていると思います。ご所見をお伺いいたします。
 また、私は、このような考えから、このたび提案されている議案第22号山口県立スポーツ交流公園条例で示されている使用料の減額についてもお尋ねいたします。ここでも使用料金額が半額とされる団体として、体育の振興を目的とする公共的団体と文化の振興を目的とする公共的団体とされていますが、私は、この施設の設置目的が、県民のスポーツ活動及び交流を促進するためとされ、多目的という名称をもつドームもあることからみても、また、きらら博の理念との整合性からみても、優遇される団体として体育と文化に限定されるべきではないと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

藤井総務部長  最初に、使用料についての3点のお尋ねのうち、既存の施設に係る減額制度の考え方等と、全ての県民に優遇料金を適用してはどうか、の2点のお尋ねにお答えいたします。
 県立施設の使用料につきましては、受益者負担の原則に基づきまして、施設の運営等に係る経費について、利用者に負担を求めているものであります。
 したがいまして、利用者による応分の負担が原則でありますが、それぞれの施設の設置目的に応じまして、施設の利用促進等を図るために、特例的に半額にしているところであります。
 まず、「維新百年記念公園スポーツ文化センター」など、4施設につきまして、実際に運用しております制度の基本的な考え方と、適用団体の判断基準についてであります。
 まず、「維新百年記念公園スポーツ文化センター」につきましては、半額を適用している基本的な考え方として、この施設はスポーツ・文化の振興を目的とした施設でありますことから、体育の振興を目的とする公共的団体がアマチュアスポーツに使用する場合、文化の振興を目的とする公共的団体が営利又は宣伝を目的としない文化活動に使用する場合、また、障害者がスポーツ・文化活動に使用する場合、そして県や市町村が主催又は共催で、同様に使用する場合等に、半額にしております。
 また、その適用につきましては、公共的団体を、幅広く対象としているところであります。
 次に、「県民文化ホールいわくに」と「ルネッサながと」につきましては、各々の施設が文化・学習活動、そして芸術・文化活動の促進を目的とした施設でありますから、文化の振興等を目的とする公共的団体が文化レベルの向上等に資する文化活動に使用する場合等に、半額としておりまして、県域レベル又は広域レベル等の公共的団体に適用しております。
 併せてまして、これら以上の3つの施設につきましては、児童・生徒・学生が使用する場合においても、使用料を半額にしておりまして、「国際総合センター」につきましては、児童・生徒が海峡ゆめタワーを利用する場合には、半額にしております。
 次に、2点目の、全ての県民に優遇料金を適用してはどうか、とのお尋ねでございますけれども、ただ今、お答えいたしましたように、施設の使用料は、受益者負担の原則に基づき、利用者に応分の負担を求めているものでありますので、全ての県民に適用することは、考えていないところであります。

瀧井企画振興部長  私からは、きららスポーツ交流公園の使用料減免についてのお尋ねにお答えいたします。  
 きららスポーツ交流公園は、県民の様々なスポーツ活動や幅広い交流の場となる新たなスポーツ交流拠点として整備をいたしたものです。
 多目的ドーム、サッカー・ラグビー場等の使用料につきましては、県民の誰もが気軽に利用できる使用料金とし、利用者や利用目的、利用形態等に応じた料金区分を設けるなどの工夫をいたしますとともに、施設の設置目的や機能が活かされた利用促進が図られるよう、体育・文化の振興を目的とする公共的団体が、アマチュアスポーツに使用する場合及び営利若しくは宣伝を目的としない文化活動に使用する場合には、使用料金を半額とすることとしているところであります。
 これらの施設につきましては、本年7月27日からオープンすることといたしておりますが、具体的な運営に当たりましては、幅広く県民に利用していただく観点から、お示しのありました体育・文化の振興を目的とする公共的団体以外の団体の利用につきましても、その利用目的等がスポーツ交流公園の設置目的に適合し、公共性が認められる場合には、使用料の減免について個別具体的に判断し、適切に対応したいと考えております。

久保田(再質問)  減額制度は、それぞれ施設で違っている。現状のこの制度を維持するのであれば、その根拠、対象団体を明記して、県民に分かるような情報提供、あるいは説明責任を果たしていただきたい。
 ただ、私としては、新しく出来るスポーツ交流公園では、体育と文化に限定せず、「多目的ドーム」という名にふさわしく、県民皆同じ条件で使えるようにしていただきたい。そうでないと利用料金に差が出る。
 是非、それらについてのご見解を再度お伺いしたい。

二井知事  先程、総務部長が答弁をいたしましたように、県立施設につきましては、受益者負担の原則に基づき、利用者に応分の負担を求めることが基本であります。したがいまして、減免につきましては、施設の設置目的や政策的な配慮の必要性等を十分検討し、限定して適用していくものであると考えております。
 しかしながら、ご指摘のありましたように、減免について、施設間で整合性が必ずしもとれていないとか、あるいは判断基準が明確でないとかいうこともありますので、今後減免制度のあり方、内容等について、改めて検討してみたいと考えております。

久保田(要望)  宣伝または営利等を目的としないアマチュアスポーツ又は文化活動団体の場合、ドームの例で見ますと、午前9時から午後10時まで使いますと7万9,500円です。これら文化活動・アマチュアスポーツで公共的団体が利用するということになれば、更に半額にするということです。しかし、文化とアマチュアスポーツ以外の宣伝または営利等を目的としないものは、同じ時間で15万9,000円となり、大きな差が出ることになります。
 受益者負担ということは当然だとは思いますが、公平感のある減額制度であってほしい、また、そのことをわかりやすく、きちっと表示していただきたいというふうに思います。

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2.教育問題について

久保田  質問の第2は、教育問題についてお伺いいたします。

(1)学力向上について

久保田  第1点、 学力向上についてです。
 いよいよ来月から学校5日制と新学習指導要領が実施されますが、文部科学省は新学習指導要領を、臨時教育審議会(臨教審)以来の「ゆとり教育」路線の総仕上げと位置付けています。教科書を使わず、「興味、関心、意欲を重視し、自ら考える力を養う」とする総合的学習の時間を小学校で100時間以上加えます。今の子供達に欠けている社会性や創造性などを養うことは必要ですが、それによって読み書き、算数などの時間を減らしていいのか、学力が落ち込む恐れはないのでしょうか。新学習指導要領によって、たとえば、算数は、小学校6年間の授業数でこれまでの1,011時間から869時間へと、14%にあたる142時間が減らされます。数学は、中学校3年間でこれまでの385時間から315時間へと18%にあたる70時間が減らされます。これにともなって、算数・数学の学習内容の削減は、30%以上にも及んでいます。
 文部科学省は、各方面から学力低下への懸念が噴出する中、先般、「確かな学力の向上のための2002アピール、「学びのすすめ」を発表しましたが、それによりますと、新指導要領に示す各教科の内容は、最低基準であり、児童生徒の理解の程度に違いがあることを踏まえ、木目細かな指導で基礎・基本や自ら学び自ら考える力を身につけること、十分理解している児童生徒に対しては、発展的な学習に取り組ませ、さらに力を伸ばしていくことが求められるとしています。また、各学校が自己点検・自己評価を通じて、その成果の検証を適切に行い、さらなる教育課程や指導方法の改善の工夫を行っていくことも不可欠としています。
 このように、これまでの授業のありかたが大きく変わることになりますが、各学校において、学力低下を食い止め、学力向上を図るためにどのような対策を進められるのかお伺いいたします。
 また、県立高校における学力低下の問題は生じていないか、県教委ではどのような実態把握をされているのか、指導方法やカリキュラムを見直し、より一層の学力向上の取り組みを進める必要はないか、お伺いいたします。

牛見教育長  教育に関する数点のお尋ねにお答え申し上げます。
 ①まず、新しい学習指導要領に関する学力についてのお尋ねでございます。
 本年4月から完全学校週5日制の下、全面的に実施されます新学習指導要領におきましては、指導内容や授業時間が削減をされ、ゆとりの中で子どもたち一人一人に基礎的・基本的な内容を身に付けさせることはもとより、学ぶ意欲や思考力、さらには表現力などを含めた確かな学力を育むことが求められております。
 こうした学力の確実な定着・向上を図るためには、教育活動を見直し、改善を積極的に進めていくことが極めて重要であると認識をいたしております。
 そのため、県教委におきましては、算数・数学や理科、英語など理解に差が付きやすい教科においてきめ細かな指導をするために、本年度は小・中学校に310人の加配教員を配置をいたしまして、複数の教師が協力して指導するティーム・ティーチングや、興味・関心や習熟度に応じたグループ別の指導など、指導方法の工夫・改善を進めてきたところであり、来年度以降も積極的に取り組むことにいたしております。
 また、今年度、学力向上の対策について研究するため学力向上プロジェクト委員会を設置をいたしまして、県下のすべての公立小・中学校の教員を対象として学力や指導の在り方についてアンケート調査を行い、子どもの理解の状況に応じた授業改善及び評価のポイントを指導資料としてまとめているところであり、近く各学校に配布をすることといたしております。
 来年度は、学力向上プロジェクト委員会の研究をさらに深めるために「学力向上総合推進事業」をスタートさせまして、本県独自の学力調査を実施するとともに、より実践的な指導事例集を作成し、各学校の指導方法の改善を図っていきたいと考えております。
 また、国の新規事業であります「学力向上フロンティア事業」にも積極的に取り組みまして、一人一人にきめ細かな指導の一層の充実を図るという観点から、発展的な学習や補充的な学習などの実践研究を進めて参ることにいたしております。
 今後、このような諸施策を通じまして、本県の子どもの確かな学力の定着・向上のために、子どもの実態を踏まえ、創意工夫を生かしたきめ細かな教育活動が進むよう指導して参りたいと考えております。
 ②次に、高等学校における学力向上についてのお尋ねであります。
 まず、学力低下の問題や実態把握についてであります。
 高等学校における生徒の学習状況や学力の実態等の把握は、各学校において教師が日々の教育活動の中で的確にとらえ、それを指導に生かすことが基本であると考えております。また、高等学校は、学科やコース等の違いによりまして生徒の学習する内容が異なるために、県下全体の学力についての公的な調査は実施をいたしておりませんが、一つの指標として、文部科学省が実施した学校基本調査をみますと、平成13年3月に卒業した本県の高校生の大学等への現役進学率は、41.1%で全国平均を若干下回っており、逆に、就職率につきましては、本県は24.9%と全国平均を上回っているという現状がございます。
 この進学率や就職率などは、生徒の進路状況を反映したものであって直接に学力に結びつくものではないことから、学力の問題について一概に判断することはできませんが、県教委としても、こうした本県の状況を踏まえながら、進路面での生徒の自己実現を支援するため、一人一人の生徒に確かな学力を身に付けさせることが大切であると認識をいたしております。
 次に、指導方法やカリキュラムについてであります。
 現在、各学校においては、2学期制や65分授業などによる授業時間の確保や習熟度別授業の実施など、創意工夫を生かした特色ある教育を展開するための工夫改善が行われているところでありますが、平成15年度から学年進行で実施をされる新学習指導要領においては、一層弾力的な教育課程の編成が可能となっております。このため、平成12・13年度に教育庁内に「学校問題検討協議会」を設けまして、弾力的な時間割の編成や学校独自の科目の設定など特色ある教育課程について検討してきたところであります。
 県教委といたしましては、今後とも、さまざまな機会をとらえて、その成果を県内の高等学校に広めるとともに、協議会における成果を踏まえ、学力向上のための教科指導等の在り方について研究を進めてまいりたいと考えております。

久保田(再質問)  ①新学習指導要領の内容を個々の学習段階に応じてきめ細かく指導されるのか、少人数指導は現在の加配の人数で全て対応ができるのか。
 ②学力向上プロジェクト委員会は14年度4月に間に合うようにやっていくべきではなかったか。
 ③高等学校では、学力把握を的確にし、進路に合ったプログラムが必要ではないか。

牛見教育長  私の方から学力問題についての再質問にお答えします。数点ございましたが、まず、学習指導要領が最低基準であるということになったために、その指導要領だけを理解させてしまって、後で、その理解が進んだ者に対する対応がないとか、あるいは、理解ができない者に対する補充的な指導がないとか、そういったことのないようにということでございましたが、私どももそういった点につきましては、十分配慮しながら教育を進めたいと思っております。
 加配の人数310名でございますが、これから5か年計画で来年度が2年目でございますが、文科省の方も教員数の改善をしておりますので、それにしたがいまして、この加配の人数を順次増やしていきたい、そして、できるだけきめの細かい指導ができるよう、少人数指導ができるような体制をさらに整備をしていきたいと思っております。同時に、また、先ほどもおっしゃいましたように、保護者の皆様方、不安に思っておられると思うんです。そういったことにつきましても、各学校を通じまして十分な説明責任を果たすように指導して参りたいと考えております。
 それから、学力向上プロジェクト委員会でございますが、やや対応が遅れたのではないかというお話でございましたが、私どもとしましては、大急ぎで現在対応中であるという状況でございます。実は、文科省の見解が昨年の1月頃に最低基準というものが明らかになりました。それから、すぐこのプロジェクト委員会を立ち上げたわけでございますが、現在大急ぎでそういった対応をしておるという状況にあります。子供たちが新しい体制に早く馴染むように、私どもも一生懸命頑張りたいと思っております。
 それから、高等学校における学力の問題です。これにつきましては、様々な見方があるわけでございますが、先ほど申しました現役進学率の数字にいたしましても、それがどんな意味をもっているかということをもう少し研究していく必要があるだろうと思いますし、先ほどおっしゃいました外部の機関が統計をとったものにつきましても、参考として当然頭に入れながら、本県の高校生の学力水準がどのあたりにあるのか、どういう対応が必要なのか、というようなことにつきましてはこれから十分検討して参りたい、このように考えております。


(2)不登校対策について

久保田  第2点、不登校対策についてです。
 小中学校における不登校児童・生徒の数は一向に減少せず、すでに全国で13万人を超えています。本県においても、すでに1,500人以上にのぼっており、増加傾向にあります。不登校児童・生徒のいくつかの事例を検証してみますと、友人関係、教師との関係など人間関係のつまづきから不登校になったものの、長期化するうちに、不登校の本来の原因も不明瞭になり、むしろ、学力への不安が高まり、ますます学校に行きづらくなっているといった事例が少なからずあります。適応指導教室にもなじまず、行き場がなく悶々としている子供達がいると思います。
 本県では、不登校問題対策として、早期発見、早期対応や学校復帰への支援の方策を検討する協議会を設置していますが、そこでの研究成果とそれを具体的にどのように施策に活かし、問題解決につなげようとするのかお伺いいたします。
 新年度事業でも、いじめ、不登校など深刻化・多様化する問題行動への効果的な対応を図るために生徒指導体制の充実に予算増額されていることを評価するものですが、心理面のサポートだけでなく、学力のサポート体制も充実させる必要があるのではないかと考えます。自信をもてる教科をひとつでももつことで、学校復帰の糸口を見つけられる場合もあると思います。また、義務教育課程にある児童・生徒が必要最低限の学力も身につけないまま学校を卒業していく現状を放置するわけにも行かないと思います。
 そこで提案ですが、たとえば、不登校児童・生徒の家にこのための専任教員などを派遣し、心理面への配慮をしつつ、本人が興味をもてる学科の勉強のサポートをするホームスクール制度や、教育ボランテイアたちによる学習指導の機会が地域に設置されることも必要ではないかと考えますが、ご所見をお伺いたします。
 また、本県では13年度の新規事業として、臨床心理学などを学ぶ大学院生などを「スクールライフサポーター」として高等学校に配置し、教育相談体制の充実を図ってこられましたが、その配置校からの聞き取り調査結果をみますと、年齢が近く相談しやすいことから、生徒のストレス緩和が図れ、不登校傾向の改善につながっている、教員や保護者にも安心感を与えていることなど大きな成果があがっていることがわかります。この制度を小中学校の不登校児童・生徒に対しても広げ、学校への配置にとどまらず、家庭訪問し、心理だけでなく、学力のフォローも合わせてできるようにしてはいかがかと思いますが、ご所見をお伺いいたします。

牛見教育長  次に、不登校対策に対する3点のお尋ねにお答えします。
 ①まず、不登校に関する協議会の成果と今後の取組みについてであります。
 本県におきましては、不登校対策として、不登校問題ケース検討協議会とスクーリングサポート協議会を開催をしております。
 まず、不登校問題ケース検討協議会では、各教育事務所において、専門家の助言を得ながら個々の深刻な事例について検討しており、それを基に学校で対応した結果、対象とした事例の内、半数近くの不登校児童生徒に、学校復帰もしくは好ましい変化が現れております。この協議会で得られた研究成果を、教育相談専門指導主事が、各学校を巡回訪問する際に指導に生かしているところであります。
 また、スクーリングサポート協議会では、適応指導教室相互の情報交換を密にするとともに、不登校児童生徒の自立を促す適応指導の在り方等についての研究協議を行っておりまして、児童生徒の学校復帰を目指した効果的なカリキュラムづくりのノウハウを共有するなどの成果が得られております。
 これらの協議会の研究成果から、不登校児童生徒の学校復帰に向けた、学校、家庭と関係機関との連携や、不登校の未然防止に向けて、児童生徒の友達や教員との望ましい人間関係づくりを進める力を育てることが、最も重要であると認識を深めたところであります。来年度については、関係機関との連携の在り方や人間関係づくりのための手法にかかわる教員研修を充実したいと考えております。
 ②次に、不登校児童生徒に対する学習支援についてでございます。
 現在、学校においては、学級担任等が家庭訪問をし、本人の希望に合わせて学習の指導を行っており、また、適応指導教室におきましても、教科指導等を組織的、計画的に行っております。
 お示しのようなホームスクール制度につきましては、様々な検討課題がありますことから当面の対応は困難であると考えておりますが、現在、適応指導教室が未設置のいくつかの市町におきましては、補完的な措置として、公民館等を利用して学習指導の機会を提供しているところであり、今後は、適応指導教室の増設を働きかけるとともに、これらの補完する取組みを広めてまいりたいと考えております。
 ③次に、スクールライフサポーターについてでございます。
 お示しの高等学校生徒指導支援事業は、教育相談体制の充実を目的に、臨床心理学を学ぶ大学院生などを配置するモデル事業として実施をいたしております。
 この制度を小・中学校へ適用することについてでありますが、本県におきましては、不登校対策としてスクールカウンセラーを課題のある中学校へ配置することを、最優先に進めているところであり、その増員によりまして課題解決に努めてまいりたいと考えております。
 県教委といたしましても、不登校児童生徒に対する学習支援を重要課題と認識をしており、それぞれの児童生徒の置かれている状況や心情に十分配慮しながら、学校及び適応指導教室における学習支援を、より一層充実させるよう努めてまいりたいと考えております。

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3.子育て支援について

久保田  質問の第3は、子育て支援についてお伺いいたします。

(1)家庭教育について

久保田  第1点、家庭教育についてです。
 子供が育つ上で最も重要な社会環境である家庭は、1960年代前後から変化し始め、日本の家庭の教育力が著しく低下していると言われて久しいですが、近年では、家庭内で、しかも実の母親から子供への虐待が増加しています。本県でも、児童虐待相談処理件数は平成10年度が49件、11年度が101件、12年度が139件となっており、虐待者は実の母親が最も多く、次いで実の父親となっています。女性は子供を産めば、母性愛に満ちた母親になり、子育てを喜びとし、子供を愛するものという世の中一般に言われる母性観と、母親たちの実態との乖離が大きくなっているように思います。
 1993年の東京女性財団の「子供を愛せない母親に関する研究」の全国約6,000人の母親を対象とした調査では、8割の母親が「子供を可愛く思えないことがある」と回答しており、その母親たちが子供を可愛く思えない時にどうしているかという質問に「いらいらして、手をあげてしまう」が55.1%、「あんたなんか嫌い、と言ってしまう」が31.2%という回答です。この調査結果では、母親自身に時間的、精神的余裕がないこと、母親自身も大人になりきっていない、それは父親も同様で、母親とともに手を携えて親になっていくプロセスを踏めない実態が浮き彫りにされています。
 子供達の健やかな成長を阻害するのは、身体的・精神的虐待行為だけではなく、食生活の乱れといった日々の暮らしそのものが、心身の発育に悪影響をもたらしているとされています。発育段階に即した子供の食生活指導や外遊び・自然体験活動の重要性の認識、テレビやゲームとのつきあいかたなど、親が、家庭で日常的に心がけるべきことを学ぶ機会を作っていく必要があります。たとえば、妊娠期間の検診や乳幼児検診の時を利用しての講座開設、子育て支援者や団体からの情報提供と実践活動、行政が関与するイベントなどにおいても子供を遊ばせるだけのものではなく、親が学び、育つようなプログラムを積極的にいれていくことなどが考えられるのではないでしょうか。
 子育てをする親の孤独や絶望を救い、家庭が子供の心身ともに健やかな成長を育むための教育力をもつためには、親に対する支援プログラムのより一層の充実が必要です。児童虐待防止の施策においては、未然防止のための家庭支援を強化し、母子保健や社会教育施策とより緊密に連携したあらゆる角度からの家庭教育支援の取組が必要と考えますが、ご所見をお伺いいたします。

牛見教育長  次に、子育て支援に関して、家庭教育支援の取組みについてのお尋ねであります。
 家庭は、子どもの健やかな成長にとって、最も重要な場であり、子育てにおける親の責任は極めて大きいものがあります。
 しかしながら、最近の家庭におきましては、親としての自信の喪失や育児不安の広がり、更には最愛であるはずの我が子への虐待の急増等、見過ごすことができない状況も見受けられております。
 このような中、今日におきましては、特に、親の子育てに対する自覚と責任を促し、親が親として身につけるべきことを学ぶ機会を提供していくことが極めて重要であるということはお示しのとおりでございます。
 このため、県教委といたしましては、市町村との連携のもと、今年度から、初めての試みとして、乳幼児健診や就学時健診等、その対象となる子どもを持つ全ての親が集まる機会を活用した「子育て講座」を県内239か所で実施し、多くの保護者に学習機会を提供しているところであります。
 来年度は、新たに、「妊娠期の子育て講座」と「思春期の子育て講座」を加え、県内およそ350か所で子育て講座を開催し、子どもの発達段階に応じた親の学習機会の拡充を図ることといたしております。
 また、家庭の教育力の向上を図るためには、地域社会全体の取組みが大切でありますことから、来年度は特に、地域で活動をしている子育て支援グループ等を活用して、家庭教育における父親の果たす役割に視点をあてたフォーラムなどを、県内7教育事務所管内において実施をすることといたしております。
 今後とも、関係部局はもとより、市町村や関係機関・団体、グループ等との連携を図りながら、一人一人の親が、家庭を見つめ直し、それぞれ自信を持って子育てに取組んでいけるよう、家庭の教育力の更なる充実に努めてまいりたいと考えております。

佐久間健康福祉部長  子育て支援に関する2点のお尋ねにお答えします。まず、児童虐待防止に向けた家庭支援についてであります。
 お示しのとおり、近年、児童虐待の相談件数が増加しており、その未然防止のためには、子育て家庭の育児に対する負担感や不安を解消することが重要な課題となっております。
 このため、県におきましては、地域において保健士、母子保健推進員、児童委員等のネットワークにより、子育てに不安のある保護者等へのきめ細かな支援を行いますとともに、保育所の子育て支援センターの拡充、子育てサークルへの支援、家庭教育に関する電話相談など、子育て家庭への相談支援体制を拡充してまいりました。
 来年度におきましては、よりきめ細かなネットワークの整備を進めるため、これまでの母子保健推進員などに加え、新たに、小・中学校の教員や人権擁護委員などの協力を得て、地域において虐待問題の啓発などを行う虐待防止地域サポーターを大幅に増やして配置することとしております。
 また、市町村保健センターや学校などと連携して、児童虐待の未然防止等について幅広く検討する協議会を設置し、家庭を支援するためのマニュアルを作成するなど、家庭支援システムの整備を図ってまいります。
 今後とも、市町村や母子保健関係者等との連携を密にしながら、児童虐待の未然防止に向けた家庭支援のための取組を強化してまいりたいと考えております。


(2)学童保育について

久保田  第2点、学童保育についてお尋ねいたします。
 今日では、女性労働力が全労働力人口の40%にまで達しており、子どもができてもずっと職業を続けるといった考え方の女性が,増加してきており、特に最近の厳しい経済状況にあって、母親が働くことを余儀なくされている例も見うけられ、仕事と育児の両立支援の充実が急がれます。
 本県の「やまぐち子どもきららプラン21」においても子育てと就業などとの両立支援は基本的施策として位置付けられています。中でも、放課後児童の健全育成の促進を図る、児童クラブ、いわゆる学童保育の整備は基本となるもののひとつです。私は、これまでにも本会議や厚生委員会において、学童保育の現状と課題として、待機児童の解消、施設整備、指導者の確保、障害児の受け入れなどをとりあげ、施策のさらなる充実強化を求めてきましたが、いよいよ学校が来月から週休二日になることで、土曜日も出勤する親の学童保育への期待がより高まるものと考えられますことから、土曜日の開設について、県としてはどのような方針と対策をもってのぞまれるのか、お伺いいたします。また、待機児童をなくすとともに、対象年齢の見直しや指導内容もより豊かなものにしていくための人的・財政的サポートをするとともに、1年契約の非常勤職員という不安定な身分である指導者の雇用条件の改善も急がれますが、御所見をお伺いいたします。

佐久間健康福祉部長  次に、学童保育についてのお尋ねであります。
 学童保育、いわゆる児童クラブは、児童の健全育成や仕事と子育ての両立支援の観点から、極めて重要であると考えており、平成16年度末までに、268か所の設置を目標に掲げ、その促進に努めているところであります。
 お尋ねの、土曜日の開設につきましては、全ての児童クラブにおいて、実施されることが望ましいと考えておりますことから、県としては、これまでも、土曜日の開設を進めてまいりましたが、来年度から、学校週5日制の完全実施に対応して、土曜日の児童クラブの開設の促進に向け、新たに、財政的支援を行うこととしております。
 次に、待機児童の解消に向けましては、これまでも増設により対応してまいりましたが、今後とも、教育委員会等と連携して、学校の余裕教室等公的施設の活用をも図りながら、引き続き必要な地域に児童クラブが設置されるよう努めてまいります。
 また、様々な知識・技能を持った高齢者・主婦等をボランティアとして活用して機能強化を図るなど、指導内容の充実に努めてきたところでございますが、来年度は、新たに、児童クラブに小学校6年生までの児童を受け入れ、さまざまな年齢の子どもたちが、遊びなどを通じて、活発な交流を行うことを支援する事業を創設いたしますとともに、障害児を受け入れる全ての児童クラブにおいて、介護員等を配置できるよう、サポート体制の充実を図ることとしております。
 なお、指導員の処遇につきましては、児童クラブが多様な人材を活用し、運営形態も様々でありますことから、実情を把握した上で、実施主体である市町村に対し、必要に応じて助言指導を行ってまいりたいと考えています。

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4.森林バイオマスエネルギーの活用と地球温暖化防止について

久保田  質問の4は、森林バイオマスエネルギーの活用と地球温暖化防止についてお伺いいたします。
 本県では、平成13年度、間伐材や竹林などの未利用森林資源の有効活用を図り、新たな「資源循環型」地域産業の創出を目指して、森林バイオマス資源活用推進事業をスタートさせ、その活用可能性調査が実施されているところです。そこで3点についてお尋ねいたします。

(1)建設発生木材の活用

久保田  第1点、建設発生木材の活用です。
 本県の建設発生木材は5万トンの発生量でリサイクル率は23%となっており、なかなかリサイクルが進んでいません。国が定めた「建設リサイクル推進計画97」では、目標値を定めて取り組み強化を図るとともに、将来的には最終処分量をゼロとすることを目指しています。森林バイオマスエネルギーの資源として、間伐材や竹材だけでなく、製材工場からでる樹皮や端材を含めて、建設発生木材などの検討は進められているのでしょうか。素材としての品質の問題はあると思いますが、これらの資源利用は、環境先進県を標榜し、ゼロエミッションを進める本県の方針にも合致するものと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

二井知事  私からは、森林バイオマスエネルギーの活用と地球温暖化防止に関するお尋ねにお答えをいたします。
 近年、二酸化炭素の排出の削減と「循環型社会」の構築が強く求められております。環境に優しい森林バイオマスエネルギーの活用は重要な課題であると考えております。
 そこで、まず、森林バイオマスエネルギーとしての活用資源についてでありますが、間伐材や竹材等の未利用森林資源に加え、お示しの建築発生木材につきましても、現在、研究機関、関係団体、行政機関からなる「森林バイオマス活用検討委員会」において、活用の可能性について調査・研究を進めております。建築発生木材は、「山口ゼロエミッションプラン」において、循環利用を進める有用な資源として位置づけておりますことから、検討委員会での調査結果を踏まえ、今後、バイオマスエネルギーとしての具体的な活用方策について検討していく考えであります。


(2)地球温暖化防止について

久保田  第2点、地球温暖化防止です。
 森林を伐採し、エネルギー利用のために燃焼して、たとえバイオマスが炭酸ガスとして放出されたとしても、森林が持続的に成長する限り、大気中の炭酸ガスを光合成により固定化するので、大気中の炭酸ガスの正味の濃度変化はないという特性をバイオマスはもっています。したがって、森林を伐採するだけで、再植林を行わなければ、この特性は発揮されないことになりますから、あくまでも伐採と植林をセットで行うという適性な森林管理が前提となりますが、森林バイオマスエネルギーの活用による、二酸化炭素排出削減の効果と地球温暖化防止策としての位置付けをお伺いいたします。

二井知事  次に、森林バイオマスエネルギーの活用による二酸化炭素排出削減の効果と地球温暖化防止策としての位置付けについてであります。
 お示しがありましたように、森林バイオマスエネルギーの活用は、石油、石炭等の化石燃料の消費の抑制により、二酸化炭素の排出量を削減する一方で、伐採と植林のバランスが取れ、適正に管理された森林は、二酸化炭素を吸収するという重要な機能を有していると認識をいたしております。
 これらの機能は、国の「地球温暖化対策推進大綱」におきましても地球温暖化防止のための重要な対策として位置付けられております。
 本県におきましても、今後、森林バイオマスエネルギーの活用を積極的に推進をしていく考えであります。


(3)ストーブ開発について

久保田  第3点、ストーブ開発です。
 現在、国産ストーブでは、石油ストーブなみの手軽さと安全性で、なおかつ木のぬくもりを感じることができるペレットストーブは製造されておらず、高価な輸入品しかありません。全国的には、秋田県で、地元民間企業が県の技術開発支援を受けて、国産ペレットストーブ開発に取り組んでいる事例もありますが、本県においても、現在、火力発電施設で石炭に混入させて燃やすシステムづくりや中山間地域エネルギー供給システムとともに、小規模分散型熱供給システムの構築が検討されていますが、森林バイオマスエネルギーを県民が暮らしの中で直接的に使えるものとしては、薪ストーブの開発が期待されます。ストーブの燃焼効率を高めたり、あるいは、薪投入の手間を軽減するなど利便性のアップを図るならば薪利用は最もローコストで導入しやすいエネルギー利用となります。山口県産業技術センターや大学、地元民間企業などとの連携によって、資源循環型の新産業創出として、あるいは、山村地域の活性化や雇用創出として積極的な取組が求められると考えますが、ご所見をお伺いいたします。

二井知事  次に、県民が暮らしの中で直接使えるものとしての森林バイオマスエネルギーの活用についてであります。
 ご提案のありました家庭用ストーブをはじめ、温室用ボイラーなど、小規模な民生分野での利用は、今後、森林バイオマスエネルギーの活用が期待できる分野であると考えております。
 このため、先ほどお示しをしました活用検討委員会に大学や民間企業等を含めた研究会を設け、新たな地域産業の創出や雇用の確保を視野に入れ、資源や市場の調査、採算性、技術開発など幅広い視点からの可能性調査を実施するということにいたしております。
 今後とも、森林バイオマスエネルギーの活用に向けた取り組みを展開をし、山口型の「循環型社会づくり」を推進をしていく考えであります。

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5.地震防災対策について

久保田  質問の第5は、地震防災対策についてです。
 本県の地域防災計画によりますと、歴史地震によって想定される地震は、過去の活動歴から「マグネチュード6程度、震源の深さ15キロメートル程度の直下型地震が県内全域どこでも起こりうる」「マグネチュード7クラス、震源の深さ40から50キロメートル、すなわち芸予地震クラスの地震が安芸灘から周防灘、さらに豊後水道にかけておこりうるといった分析がなされています。実際、震度5強の地震が、昨年、県東部地域中心に発生しています。災害は忘れた頃にやってくる、と言われますが、地震などの自然災害は防ぐことはできませんが、災害発生時の関係機関や住民の速やかな適切な対応によって、被害を軽くすることは可能です。そして、そのためには、災害に強い都市・農山漁村構造を作るという視点が、公共土木事業において重要であり、また、自主防災思想の普及啓発や住民・企業などによる自主防災組織の育成が必要です。財政状況が厳しく、公共土木事業が削減される中にあっても、県民の生命・財産を守り、暮らしの安心を確保する災害に強いまちづくりをしていくことは行政の責務です。
 国は、阪神淡路大震災の教訓から地震防災対策特別措置法を制定し、都道府県では平成8年度を初年度とし、5ヵ年にわたる地震防災緊急事業計画の策定がなされました。現在、平成17年度を目標年とする第2期の緊急事業5ヵ年計画が策定されているところです。そこで、以下3点お尋ねいたします。

(1)老朽住宅密集対策について

久保田  第1点、老朽住宅密集地区対策についてです。
 老朽木造住宅が密集する市街地は、地震発生時の家屋の倒壊の危険や延焼火災の危険性が高い区域であるため、土地区画整理事業、住宅地区改良事業、市街地再開発事業などの実施によって、面的整備が進められ、老朽住宅密集地区の解消が図られてきました。しかし、まだまだ当該地区の解消がすべて図られた状況ではないと思いますが、県内の当該地区の実態把握と平成12年度までの第1期計画での進捗状況、ならびに、新たな計画の整備目標についてお伺いいたします。

西本土木建築部長  第2次地震防災緊急事業5箇年計画に関するお尋ねのうち、3点についてお答えいたします。
 まず、老朽住宅密集地区についてですが、戦前から古い市街地などにおいて、都市基盤が未整備で住宅等が密集している地区が、県内にも点在しております。
 これらの地区については、現在、国において全国的調査が行われているところであり、本県においても、この調査を通じて詳細な実態把握に努めてまいりたいと考えております。 次に、平成12年度までの、第1次5箇年計画の進捗状況ですが、5箇年計画には、市町村の地域防災計画に位置付けられている2地区の、市施行の土地区画整理事業が掲げられており、このうち、宇部市小串地区は、平成10年度に事業が完了し、新南陽市富田西部第1地区は、進捗率が約20%となっているところです。
 また、今後の整備目標ですが、第2次5箇年計画においても引き続き、富田西部第1地区を位置付け、目標年次である平成17年度までに、概ね80%の事業進捗を見込んでいるところです。
 なお、防災に資する事業として、市町村等により、土地区画整理事業、住宅地区改良事業等が実施されておりますが、これらの事業により、県下の市街地約10%が整備されているところであります。
 今後とも、住民、権利者の都市防災に対する合意形成を進め、土地区画整理事業、市街地再開発事業等が推進されるよう、市町村に対し、指導・助言に努めてまいります。


(2)道路整備について

久保田  第2点、道路整備についてです。
 本県では、交流を広げる交通ネットワークの整備を着実に進めてきたことで、県内各地はもとより、九州や広島がより近くなったという実感があります。しかし、一方で、暮らしに身近な生活道路や都市道路には、消防車が進入できないほど狭いところが少なからずあります。住民の暮らしの安全性確保のためには、このような道路の改善・解消が求められると考えますが、地震防災緊急事業の新たな計画を策定するにあたって、県内市町村における実態把握とその解消を図るための整備目標はどのようにされているかお伺いいたします。
 また、現在、国において進められている「次期道路整備中長期計画」の策定にあわせて、本県では「新たな県の道路整備計画」の策定作業にはいっています。市町村合併や広域行政が進められつつある中、むしろ住民の暮らしに最も密着した地域コミュニテイーの自活・自立を支える道路整備が重要と考えますが、ご所見をお伺いいたします。

西本土木建築部長  次に、地震防災対策に関連した道路整備についてのお尋ねです。
 道路は、交通としての機能だけでなく、電気、ガス、水道等のライフラインの収容空間であり、火事、地震、災害等における避難路や延焼遮断帯として機能するなど、安全、安心な住民生活に欠くことのできない役割も担っております。
 このような道路の多様な役割から、住民の暮らしに密着した地域コミュニティの自活・自立を支える道路の整備も重要であると考えております。
 県におきましては、従前から「みんなが安全で快適に利用できる道路」や「良好な市街地を形成する道路」等を目標に道路整備を進めてきたところであり、今後とも、国や市町村との適切な役割分担のもと、県民の皆様の意見もお聞きしながら、暮らしに密着した道路整備を推進してまいります。

藤井総務部長  第2次地震防災緊急事業5箇年計画に関する5点のお尋ねの内、2点についてお答えします。
 平成17年度を目標年度といたしますこの計画につきましては、現在の整備状況を踏まえまして、庁内の関係部局、それから市町村と連携をとりまして、鋭意作業を進めているところであります。
 まず、消防車が進入することが困難な生活道路等の実態把握と整備目標についてのお尋ねでございますが、各消防本部からは、市街地におきまして、消防車から消防ホースを延長する方法等によりまして、消火活動を行うことが困難な区域はないとの報告を受けているところでございます。
 なお一層の消火活動の改善を図るため、今回の計画におきましては、消防活動用の道路として、3箇所の整備を図ることとしております。

久保田(要望)  ご答弁は、消防ホースの対応とのことでしたが、速やかな消火活動を行うためには、道路の改良も必要と考えます。できる限りの対応を検討すべきと思いますので、要望いたします。


(3)公的建造物について

久保田  第3点、公的建造物などについてです。
 自治体が所管する病院、学校、社会福祉施設などの公共施設は、災害発生時の応急救護所、避難所などとして重要な役割を担うこととなりますから、事前の予防措置として、国などが示す設計指針などをもとに、耐震性の強化を図っていかなければなりません。
 政府は95年12月に耐震改修促進法を施行し、庁舎や学校、病院など多数の人が利用する3階建て以上の施設を「特定建築物」と指定し、耐震改修を促していますが、どこの自治体も財政難のなかで、なかなか進んでいないのが実情です。本県の保有する「特定建築物」の現状と今後の対策をお伺いするとともに、平成12年度までの第1期の「地震防災緊急事業5ヵ年計画」での公的建造物の耐震補強の達成状況と策定中の新たな事業計画によって、地震防災上補強を要する公的建造物の改修などがどこまで進むことになるのかお伺いいたします。

西本土木建築部長  次に県の保有する「特定建築物」の現状と今後の対策についてのお尋ねです。
 県としては、公共施設の耐震化は重要な課題であり、特定建築物のみならず小規模であっても防災上重要な施設については、耐震化を進めることが必要であると考えております。
 このため、現行の耐震基準を満たさない、防災拠点施設、医療救護施設、避難場所となる総合庁舎や病院、学校など防災上重要な施設のうち、特に緊急を要する109棟の耐震診断を行ってきたところです。
 109棟の中には、特定建築物49棟が含まれておりますが、この49棟のうち改修が必要と判断したのは43棟であり、このうち18棟については、既に改修工事が完了し、3棟については工事を継続中であります。
 今後とも、県民の生命、身体、財産を保護するため、特定建築物を含めた県有施設の耐震改修を計画的に進めてまいります。

藤井総務部長  次に、公的建造物についてのお尋ねでありますが、先ず、第1期計画の達成状況は、5箇所の整備目標に対しまして、2箇所の整備を行ったところでございます。
 また、これまでに耐震診断を実施した11箇所の内、9箇所については、整備が必要とされたところでございますが、現時点での整備箇所は、5箇所でございます。未整備の箇所につきましては、現在、施設の今後の活用等も含めまして、その整備について検討をしているところでございます。
 以上でございます。

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