久保田 資源の乏しい我が国は、エネルギーの総供給の約8割を海外に、また約5割を石油に依存していますが、いつかは枯渇する有限の資源である石油に依存することは、エネルギー供給構造の脆弱性があり、中長期的な安定供給が懸念されます。
また、地球温暖化防止のための国際的合意である京都議定書により、我が国は2008年から2012年の二酸化炭素などの温室効果ガス排出量を1990年比6%削減することが国際的な責務とされており、石油、石炭といった化石燃料からの脱却が急がれています。
したがって、エネルギーの安定供給の確保を図る観点と、二酸化炭素など温室効果ガスの排出量削減など地球環境問題への対応を図る観点から、資源制約が少なく、環境特性の優れたクリーンなエネルギーである新エネルギーのより一層の導入促進が求められていると考えます。
新エネルギーは、太陽光、風力、太陽熱利用、温度差エネルギー、廃棄物、バイオマス、天然ガスコージェネレーション、燃料電池など多岐にわたっており、すでに現状では、技術的には十分利用可能な段階に達しつつあります。しかし、経済性の面においての制約があり、まだ十分に普及していない状況にあります。
このため国においては、電気事業者に新エネルギー等から得られる電気を一定以上利用することを義務づける、特別措置法が平成9年6月に施行されています。
これは、2010年時点の新エネルギー供給量を、90年の3倍近くに増やすという目標を掲げ、新エネルギーの普及促進策の強化や、技術開発や環境整備など積極的な導入促進を図るものです。とくに地域における導入支援策として、地方公共団体による地域レベルでの新エネルギー利用等への取組を積極的に促す事が必要とされています。
このように法的整備が進められる中、本県においても、新エネルギーの導入・推進をより積極的に行う必要があると考え、5点お伺いいたします。
(1)新エネルギー政策の計画的・総合的推進と条例制定
久保田 本県では、地域特性を生かした新エネルギーの導入を積極的に進めるために、新エネルギー導入ビジョンを商工労働部が平成12年3月に策定し、導入目標や導入方策等が掲げられています。また、山口県企業局においては、平成13年に、新エネルギー導入プランを策定し、新エネルギー発電の導入を進めているところです。さらに、環境生活部では、今年3月に省エネルギービジョンを策定し、エネルギー消費量の削減に取り組んでいます。
このように各部局で別々に、エネルギー政策が取り組まれていますが、本県としても、エネルギー自給率の向上や地球温暖化防止を図り、県民の健康で快適な生活を確保するために、環境負荷の少ない新エネルギーの開発や導入促進、省エネルギーの促進に関する施策を総合的、計画的に推進する条例が必要と考えます。さらには、エネルギー関連産業の振興により、地域経済の活性化に結びつけることも重要と考えますが。
伊藤商工労働部長 新エネルギーの導入、推進について、であります。
まず、新エネルギーや省エネルギーの促進に関する施策を計画的・総合的に推進するための条例についてであります。
お示しがありました三つのビジョン、プランのうち、新エネルギーと省エネルギーの二つのビジョンは、山口県環境基本条例に基づき策定されました「山口県環境基本計画-やまぐち環境創造プラン」の個別計画と位置付けられるものでありまして、庁内の関係部局等で連携や整合性をとりながら、新エネルギーや省エネルギー施策を計画的に推進しているところであります。
しかしながら、最近、新エネルギーの技術開発や関連法の整備が急速に進んでおり、これらの動向を注視する必要がありますことから、お示しの条例制定につきましては、研究課題とさせていただきたいと考えております。
次に、エネルギー関連産業の振興による地域経済の活性化についてであります。
エネルギー関連産業は、すそ野が広く、今後の成長が期待されており、こうした産業の育成・振興は、本県経済の活性化を図る上で、重要な課題であると認識しております。
このため、森林バイオマスを活用した電熱供給実証試験、副生水素の活用などの研究開発、事業者等が設置する風力発電、太陽光発電などの事業化を積極的に支援するとともに、国の技術開発動向にも注視しながら、エネルギー関連産業の育成、振興に取り組んでまいります。
久保田(再質問) 大北海道、岩手県、宮城県、大分県で条例を制定し、新エネルギー普及の取り組みが広がっている。
新エネルギーの活用は、エネルギーの地産地消、地域経済の振興、地域の安全保障等、21世紀にふさわしい課題と考えられるが、新エネルギーの分野において、先進県になろうという意欲を持っているか。
条例制定は県の総力を挙げて行うことであり、県民も事業者も意味を知ることとなり、大きな意味があると考えるが、知事の見解を伺う。
二井知事 新エネルギー政策についてでありますが、それぞれ各県、様々な地形、或いは地域の特性を持っておりまして、いろんな取り組みをいたしております。
そういう状況の中で、山口県も山口県の特性を活かしながら、先進的な取り組みができるものについては積極的に対応をしていきたいと考えております。
ただ、先程、部長答弁で申し上げましたように、新エネルギー対策については、国の方でも色々な動きが出てきておりますから、しばらくそのような状況を見ながら、条例については、どのような形で取り組むのが一番良いのか、しばらく研究をさせていただきたいと思います。
(2)バイオマスエネルギーの導入
久保田 森林バイオマスエネルギーの実証プラントが先般、運転開始されたところですが、本県の新エネ導入ビジョンでは、重点導入すべき新エネルギーとしては、森林バイオマスエネルギーは位置づけられていませんが、今後、実証試験の結果を踏まえて、どのような展開を期待し、方向づけをして行くのかお伺いいたします。また、下水汚泥や家畜糞尿、食品残さなど新たなバイオマスエネルギーの可能性も検討していってはいかがでしょうか。
伊藤商工労働部長 次に、森林バイオマスエネルギーの実証試験結果を踏まえ、どのような展開を期待し、方向づけをされていくのかということであります。
この度の森林バイオマスエネルギーの実証試験につきましては、間伐材等を活用して、電気と熱の同時供給システムの実用化を目指すもので、新エネルギー導入ビジョンに基づき、平成14年3月に策定しました「森林バイオマスエネルギープラン」の主要なプロジェクトとして推進しているものであります。
今後の方向としては、実証試験の成果を踏まえ、燃料の調達コストが割安となる中山間地域で、特に、電力・熱利用施設が立地する地域において、システムの整備を図っていきたいと考えております。
次に、下水汚泥や家畜糞尿、食品残さなどの新たなバイオマスエネルギーの可能性の検討についてでありますが、国においては、昨年7月に「バイオマス・ニッポン総合戦略」を策定し、その実現に向けた調査・研究等の取組が進められているところであります。
県としては、こうした動向を踏まえながら、本県における新たなバイオマスエネルギーの導入の可能性について、調査研究していきたいと考えております。
なお、新たなバイオマスの新エネルギー導入ビジョンへの位置付けについてであります。
バイオマスエネルギーは、本県が新エネルギー導入ビジョンを策定した後、新エネルギー特措法に基づき、平成14年に新エネルギーとして位置付けられたところであります。
県としても、バイオマスは、新エネルギーの主要な柱の一つであると認識しており、現行のビジョンの中での位置付けや、導入のための推進方策等について検討してまいります。
(3)燃料電池の導入
久保田 政府のミレニアムプロジェクトでは、2010年をめどに、燃料電池のインフラ整備と低価格を実現し、民間レベルの本格的な普及を目指すとしています。本県の燃料電池については、平成20年の目標数値は9万6000kwとされていますが、平成10年度の実績は200キロワット、それ以降の実績はゼロです。
燃料電池の原料となる水素ガスについては、国の構造改革特区に申請して、周南地域において官民による共同研究をしているところですが、究極のクリーンエネルギーと呼ばれる燃料電池について、平成20年の目標値達成に向けて、今後の展望と取り組みについて。
伊藤商工労働部長 次に、燃料電池に関連して、今後の展望と取組についてであります。
燃料電池は、多くの優れた特性を有しておりますことから、その利用と普及が期待されておりますが、現在のところ、信頼性や経済性の面から全国的にもその実用化の実績は少ない状況にあります。
このため、国におきましては、燃料電池の実用化に向けた技術開発等を加速するため、平成16年度予算の概算要求において、大幅な予算要求がなされております。
本県におきましても、お示しの周南地域のソーダ工場は、全国一の水素副生量を有し、この水素は、次世代クリーンエネルギーとされる燃料電池の燃料源として、大いに期待されております。
このため、今年度から、関係企業、周南市、県の研究機関等が連携して、「水素フロンティア山口推進事業」に取り組んでおり、本県としては、県としては、周南地域での調査・研究や国が行う技術開発の動向等を注視しながら、目標値の達成に向けて、燃料電池の導入を促進してまいります。
(4)地公営発電事業の役割
久保田 山口県企業局においては、平成13年に、新エネルギー導入プランがつくられ、平成14年度には、宇部市の丸山ダムに太陽光発電モデルプラントを設置しています。これは、筏にのせた太陽電池を、宇部丸山ダムの湖面に浮かべ、発生した電気を水質浄化装置に供給するものです。
企業局は、これまで水力発電による発電事業に取り組み、安定的な電力を供給してきましたが、電力自由化が進展する時代となって、公営企業による発電事業は、経済性の追求はもとより、環境負荷の低減など行政としての率先行動が求められています。採算も視野にいれた新エネルギー発電の導入を進め、実績を増やしていくための今後の具体的取り組みについて。
宮藤企業局長 企業局における新エネルギー発電に関するお尋ねにお答えをいたします。
公営企業にとりましては、採算性の確保が、継続的な事業運営のために最も重要なことであります。
こうした考え方に立ちまして、県企業局としましても、お示しのありました「新エネルギー導入プラン」において、環境負荷問題の解決に資するためのいろいろな対応を検討しておりまして、発電においても、新エネルギーの導入・拡大に取り組むこととしております。
具体的な取組としましては、太陽光発電のモデルプラントを本年3月、宇部丸山ダムの湖面上に設置し、平成18年度まで、新エネルギー・産業技術総合開発機構との共同研究を進めることとしております。また、これまで県下数地点で実施をいたしました風況シミュレーション調査結果を踏まえまして、去る6月から周南市鹿野の長野山で風況調査を実施しております。この調査結果によりましては、風力発電にも取り組んでみたいと考えております。
県企業局といたしましては、今後とも新エネルギー発電の動向を注視いたしまして、可能なものがあれば取組みを進めていく考えであります。
(5)市民共同発電の推進
久保田 市民共同発電所の設置が全国で広がっており、2003年度、すでに42基となっています。市民共同発電は、太陽光や風力といった自然エネルギーを活用しますが、所有形態がいくつかあります。ひとつは、市民が出資して会社を設立し,太陽光や風力などの発電所を建設・運営し、販売した電力収入を出資者に還元していく出資事業型です。あるいは、市民から少額の寄付金を集めて、地域のコミュニテイー施設への自然エネルギー設備の設置支援を行う寄付型、また、自治体と市民が協力した地域協働型もあり、地域通貨の活用によるユニークな方法で発電所の設置・運営を行う例もあります。
このように多様な形態の市民共同発電所が多数設置されるようになったことは、市民が環境保全や資源保護などの社会貢献を望んでいることを示すものであり、さらには、 市民が自分の使う電力を選ぶ事を可能にし、地域で発電したものを地域で消費するといったエネルギーの地産地消であり、エネルギー自治でもあり、ひいては、新たな雇用の創出、地域経済への波及効果など地域活性化にもつながるものと思います。本県のビジョンにおいても、県民、市民団体、市町村、エネルギー供給事業者と連携しながら、このような活動が促進されるよう検討を行っていくとされていますが、これまでにどのような検討を進められてきたのか、また、今後の見通しについて。
伊藤商工労働部長 次に、市民共同発電の活動の促進に関連いたしまして、その検討状況及び今後の見通しについてのお尋ねであります。
「市民共同発電」につきましては、これまで、市町村等を通じて、市民活動に対する国の支援制度の普及に努めてきたところでありますが、本県では、残念ながらその活動事例が見られないところであります。
しかしながら、NPO法人等による活動が環境分野をはじめ県民生活全般にわたって活発化する中で、今後、「市民共同発電」を指向する団体の活動が期待されますので、国の支援制度のPRや先進的な取組事例の紹介など、情報内容等の一層の充実を図るとともに、市町村や県民活動支援団体等と連携を強化し、「市民共同発電」の促進に取り組んでまいります。
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久保田 平成18年に山口県で開催する国民文化祭に向けて、先般、実行委員会が立ち上げられ、本格的な準備が始められたところですが、この機会に、本県の文化政策を総点検し、社会変化に対応した新たな文化政策を実施し、個性豊かな県民文化の創造とともに、新たな文化産業や観光産業を創出し、山口県の魅力と活力を向上させるべきと考えます。そこで、以下3点、お伺いいたします。
(1)文化振興体制の整備・条例制定について
久保田 私は、これまでも本会議や厚生委員会において、文化芸術の振興や子供たちの文化芸術活動への支援策の必要性などを度々訴えてきました。その後の政策の一定の前進を評価するものでありますが、ほとんどの県立文化施設は、建設当初、目標にかかげた利用率を大幅に下回っている実態は改善されていません。
物の豊かさから心の豊かさを求める時代にあって、文化の振興は、地域に新たな創造性と豊かな活力をもたらすものと思います。魅力的な文化施設の運営、多様な文化資源を活用して山口県からの文化の発信、文化創造に係わるアーテイストの支援など、社会経済状況の変化に対応し、本県の文化政策を根本から見直すとともに、文化産業、観光産業など関連産業の振興による雇用の創出、地域経済の活性化につなげるべきと考えます。
このため、昨年6月県議会において私は、地域特性をもった文化振興政策を総合的、計画的に推進するために条例制定することを提案しましたが、新たな文化振興ビジョンの策定作業のなかで検討するとのことでしたが、個性豊かな県民文化の創造のために文化振興体制の整備、条例制定について知事のご所見を。
二井知事 まず、文化振興体制の整備・条例の制定についてお答えをいたします。
私は、文化の振興が県政の最重要課題であるとの認識のもとで、「未来デザイン21」に基づきまして、総合的かつ計画的に諸施策を展開をいたしておりますが、県民の文化に寄せる期待の増大や文化行政を取り巻く環境変化に的確に対応するために、今後の文化振興の基本指針となる新たなビジョンにつきまして、策定懇話会等の意見も聴きながら、今年度末を目途に、その策定に鋭意取り組んでおります。
そこで、お尋ねのまず文化振興の推進体制についてでありますが、文化は、芸術から生活文化、街並みや自然環境、産業までとその対象となる範囲が広うございますので、各部局の連携のもと、総合的、計画的な文化行政を推進をする観点が必要であります。従いまして、まずは関係部局による「地域文化づくり推進委員会」を設けまして、庁内総合調整機能を充実強化することを始め、職員の文化意識の向上や文化的視点を導入した行政施策の推進などについて、現在策定中の新文化振興ビジョンに盛り込みまして、その体制整備を図っていくということにいたしております。
また、条例制定につきましては、平成18年の国民文化祭の開催が、県民の文化意識の高揚や文化活動の活性化をもたらし、地域文化活動が飛躍的に発展する新たな局面を迎えることが期待をされるために、その状況成果、課題を踏まえ制定することが望ましいと考えております。
従いまして、当面は、国民文化祭に向けた取組をはじめとする、新文化振興ビジョンの諸施策を推進することにより、本県の地域特性を活かした「個性と魅力ある県民文化の創造」に努めてまいりたいと考えております。
(2)県立博物館のありかたと明治維新館(仮称)との関係について
①県立博物館について
久保田 私は、今年の夏、久しぶりに県立博物館に行き、企画展である「なるほど・ザ・シャーク知られざるサメの世界」を観ました。 来館者はとても多く、企画展は大盛況でしたが、建物内の不便さには驚きました。入り口は深い階段をあがっての2階、エスカレーターはなく、車いすでは、荷物と兼用の大型エレベーターを動かしてもらうか、階段に設置されている車いす用階段昇降機に車いすごと乗せていただくしかありません。館内にやっとの思いではいっても、2階展示室は、段差をつけて3つに分かれて、小さな階段がそれぞれついており、車椅子移動するには、ふたたび階段昇降機にのらなければなりません。またトイレは2階から深い階段をおりていかなければならず、エレベーターも階段昇降機もありません。
建設当時は、斬新だったかもしれませんが、築36年が経過した今では、バリアだらけの施設になっています。
このような施設整備上の問題だけではなく、博物館の運営状況をみますと、入館者数は、平成8年度には約7万人あったものが、近年では、年間2万人から3万人程度で低迷しており、きらら博の年、企画展事業費を前年度より1600万円増額し、約4千万円とし、力をいれたにもかかわらず、入館者は増えず、前年度を下回る25,000人でした。14年度は、13年度をさらに下回る21,000人の入館者でした。
隣接の県立美術館が、きらら博に合わせて、モネ展を企画して入館者数を前年度から倍増させ、31万人を越えたのとは対照的です。
こうした県立博物館の実態を踏まえて、現状の課題とその解決方策、県立博物館の役割、必要性、今後の方針について、教育長にお伺いいたします。
藤井教育長 最初に文化振興に関する、博物館についてのお尋ねにお答えいたします。
県立博物館は、総合博物館でありまして、県民の生涯学習の推進を担う社会教育施設として、また、学校教育との連携によりまして、児童生徒の学習や体験活動の場としての役割を果たしてきているところでございます。
お示しのありましたように、これまでも各種バリアフリー化の対策を講じてまいりましたけれども、現在の博物館は築後36年が経過し、建物の構造上、十分なものとなっていない状況にありますが、今年度は、エレベーターの改修を行うこととしております。今後とも、よりきめ細やかな職員の対応等によりまして、利用者の利便を図っていきたいと考えております。
また、お示しのありましたように、ここ2~3年の入館者は減少傾向にありますが、今年度の「サメ展」は、特に、話題性や地域色のある企画構成に努め、また、新たに開設いたしました博物館ホームページをフルに活用するなど、広報活動の充実や、職員のホスピタリティーなどによりまして、1万5千人近い入館者を記録したところであります。本年度は3万人を越える入館者数を目標として、積極的に取り組んでおります。
今後とも、博物館は生涯学習社会の進展への対応、学習教育、学校教育の充実などを図るうえで重要でありますので、まず、博物館の企画展等の開催につきましては、県内の他の博物館等とも連携・調整を図りながら、テーマや内容につきまして、より県民ニーズの的確な把握に努め、より工夫をこらした、魅力あるものにいたしますとともに、収蔵資料や調査研究活動等の成果を生かした常設展示の充実にも努めてまいります。
また、学校との緊密な連携のもとで、総合的な学習の時間等の調べ学習などで、より一層活用されますように博物館の資料等の積極的な情報提供や、多様な講座等を開催しまして、郷土色豊かな、開かれた博物館づくりに取り組んでまいります。
②明治維新資料の移管
久保田 また、県は、現在、萩市に、明治維新をテーマにした多彩な交流機能を有する新しいタイプの歴史資料館として明治維新館(仮称)の建設を進めようとしていますが、県立博物館には、明治維新に関係する貴重な資料が展示,収蔵されており、これらについては、明治維新館に移されるのか、その対応について、知事にお伺いたします。
松原環境生活部長 県立博物館のあり方と明治維新館との関係につきまして、まず、県立博物館に展示・収蔵されております明治維新関係資料の取扱いについてのお尋ねにお答えします。
萩市に整備を予定しております明治維新館につきましては、昨年度策定いたしました基本計画の中で、明治維新を多面的に調査研究・展示・情報発信する歴史資料館として整備することといたしたところであります。
この基本計画において、維新館で展示・収蔵する資料につきましては、研究者や専門家などで構成する資料・情報収集委員会を設置し、資料の収集計画を立案の上、実物、写真、文献、図書等の資料を国内外から幅広く、体系的・計画的に収集するとともに、必要に応じてレプリカ等での対応を行うことといたしております。
このため、今年度から、県内をはじめ国内外の関係施設に展示・収蔵されている資料について調査を行うことといたしております。
この調査は一般的に相当期間を要するものとされておりますが、この調査結果がまとまった段階で、今後設置予定の資料・情報収集委員会において、資料の展示シナリオや展示手法等を総合的に勘案の上、明治維新館に展示・収蔵する資料の具体的な収集計画を決定することといたしておりますので、お尋ねの県立博物館の資料につきましても、その中で取扱いが決定されることになります。
③萩市立博物館と県立明治維新館の棲み分け
久保田 萩市においては、現在の郷土博物館を建て替え、新たな博物館の建設が進められており、維新との関わりを紹介する常設展テーマが計画されています。この萩市立博物館と県立明治維新館が同じ萩市にできることでの棲み分けはどのようにされるのでしょうか、知事にお伺いいたします。
松原環境生活部長 次に、萩市立博物館と明治維新館との棲み分けについてのお尋ねであります。
平成16年11月に開館予定の萩市立博物館は、「萩」をテーマに、歴史・人文系及び自然・理工系の分野を併せ持ちます総合博物館として整備されることとなっておりますが、その中で、萩と維新との関わりを紹介する「萩の人々と近代化の潮流」という展示コーナーが設けられると聞いております。
一方、明治維新館は、県内はもとより、明治維新にゆかりのある国内外の史跡、施設等を有機的にネットワーク化し、維新を多面的に調査研究・展示・情報発信する拠点となる歴史資料館として整備する計画といたしております。
このように、両施設の性格や対象とする時代・分野等には違いがありますが、両施設には一部関連する部分もありますことから、今後、明治維新館の整備計画を進める中で、萩市立博物館との連携を十分に図りながら、歴史の魅力あふれる萩市に明治維新館を整備、運営することによって、互いに相乗効果が得られるような方向で施設内容等の検討を行っていきたいと考えております。
(3)県立文化施設の有効活用について
久保田 知事部局が所管とする県立文化施設の活用について、私は、これまでにも何度か取り上げておりますが、それは、県民の芸術文化を振興するために巨額の税金を投じて作られた県立施設が、十分活用されていないのではないか、その目的、使命を十分果たしているのかといった問題意識からでした。
平成14年度のデータでみますと、シンフォニア岩国は、建設費138億円、年間維持管理費が約1億7千万円、平均利用率54,4%、秋吉台国際芸術村は、建設費67億円、年間維持管理費約1億3千万円、平均利用率24%、ルネッサながとは、建設費52億円、年間維持管理費約7千900万円、平均利用率60,9%となっています。
維持管理費については、3施設ともに、経営努力が重ねられており、おおむね減少傾向にありますが、利用率では、地元長門市が管理運営する「ルネッサながと」が健闘しているだけで、シンフォニア岩国はきらら博の年にも増加せず、むしろ前年度より減少しており、14年度はさらに減少といった状況にあります。秋吉台国際芸術村は、きらら博ではわずかに増えましたが、14年度は、きらら博以前より、さらに落ち込み、平成10年度の開館以来の最低記録となりました。
シンフォニア岩国と秋吉台国際芸術村については、山口県文化振興財団に委託・運営されていますが、より魅力ある文化施設とし利用率向上を図るためには、財団の自主企画力を向上させ、効果的・効率的な事業実施と主体的な経営努力を促す仕組みが整えられる必要があると考えますが、県立文化施設の実態について、知事は満足されているのか、私は、さらなる有効活用が必要と考えますが、ご所見をお伺いたします。
松原環境生活部長 次に、県立文化施設の有効活用についてのお尋ねであります。
県立文化施設は、出来る限り多くの県民の皆様に、優れた芸術作品の鑑賞や文化活動の場として利用していただくことが重要でありますことから、現在、シンフォニア岩国や秋吉台国際芸術村の管理運営を委託している山口県文化振興財団と一体となりまして、より効率的・効果的な財団経営や事業実施等を行い、さらに利用率の向上が図られるよう、その方策について多角的な検討を進めているところでございます。具体的な方策としては、まず、財団の自助努力によって財源の充実確保を図り、より主体的な経営が行われるよう、自主企画事業に対する補助制度や自主企画事業の実施方法等について見直しを行うこととしております。
また、職員の意識を改革いたしまして、より効果的な事業実施が図られますよう、施設の明確な目標の設定と、その目標達成に向けて実施する事業の効果等を評価検証する手法の検討を行っております。
さらに、NPO等との協働による事業実施や民間観光事業者等との連携や関連民間事業者による施設利用など、民間活力を生かした施設の利用促進等について検討を行っておるところであります。
今後、できる限り早く具体策を取りまとめまして、対策を講じることにより、多くの県民の皆様に幅広く利用していただき、より一層親しまれる県立文化施設となりますよう努めていきたいと考えております。
久保田(再質問) それから、文化振興についてでございますが、私も、本当に、都市と地方都市がこの文化において、ますます差がついているというふうに痛感をしております。でも山口県は、知事のご答弁にありましたように、県政の最重要課題として文化振興を位置づけていらっしゃると大変心強く思っております。
しかしながら、先ほどお示ししたように県立の文化施設が必ずしも十分機能していない。いったいどうしたらいいのかと、そのように思いまして、いろいろと調査をしていくなかで、東京都、石原知事になって文化行政が大きく変わったということをお聞きしておりましたので、ホームページ等でも見まして、実際、ご担当の方からもお話しを伺いました。それは、勿論、基本的に文化振興の条例をもっていて、その上で、官と民との役割をきちっと整理しながら、特に、民間の力を利用していくという、そのような改革を進めていらっしゃいました。東京都も文化振興財団的な財団に委託している施設がほとんどでございますが、財団の自主企画力、あるいは財政力、そういったものを強く求めている。そして、また、各館の館長を民間人にもっていく、そういった根本的な改革をしているということで大変興味深く思いました。
なかでも民間事業者との連携の例をご紹介いたしますが、東京都の江戸東京博物館、これは新聞等でも報道されておりましたが、ホテルと連携をしております。例えば、徳川将軍家の展示会に合わせて、ホテルと入場券とセットで売りだした宿泊プラン「将軍のあさげプラン」というんですね。将軍様の朝ご飯、タイの塩焼き、ヒラメや長芋、酢の物、入場券とセットで「1名様1泊2万5千円」、学芸員が付き添って皇居の散策というんですね。そういった非常に自由なパッケージもつくって大変好評だったと、そのようなご紹介もありました。
そういった意味で、この施設と県民との新たな関係づくり、それを模索していく必要があるというふうに思います。例えば、県民や企業などが事業計画や寄付金、賛助、協賛など様々な形で運営に関わる仕組みが必要ではないかなと思います。収益事業の拡大や効果的な事業実施、そういったものも検討してはいかがでしょうか。それから、財団自体の人事制度の見直し、あるいは、配置経営能力、企画能力、そういったものの向上も必要ではないかというふうに考えております。これらについてのご回答をお願いしたいと思っております。
それから、県立博物館、つまりシンフォニア岩国と秋吉台芸術村、これは文化振興財団、知事部局のほうにありますが、県立博物館や美術館、皆さんご承知とは思いますが、県教委、社会教育施設として、教育庁の傘下のもとにございますが、先ほどのご答弁で、県立博物館については、学校教育としての役割をということも強調されておりました。本当に、本来の設立の趣旨である社会教育的機能ということであるならば、改めて原点に帰っていただき、子どもたちがもっと利用する施設として、再生をしていただきたいと、現在、統計等で見ましても残念ながら、12年度では、企画展に小中高校生、12150人、13年度で、10,000人、14年度では7,600人ということで、十分な役割が果たせていないというふうに認識いたします。全県で、小中高・盲・聾・養、子どもたちの数は、約17万人いるという実態を考えましても、・・・
以上、多々申し上げましたが、このようなことで新たな評価制度、政策評価制度も活用しての県立文化施設の再生について、ご回答をお願いいたします。
二井知事 県立文化施設の有効活用についてのお尋ねでございます。 現在、検討を進めておりまする具体的な方策のなかには、NPOとの協働によりまする事業実施とか民間観光事業者等との連携によります施設利用、それから、関連する民間事業者との協働、等々、民間活力を生かしました施設利用等の促進についても検討を進めておりまして、これらをより具体的なものにして、今後の県立文化施設の利用率の向上に努めて参りたいと思います。
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(1)観光交流の課題と今後の戦略について
久保田 本県では、山口きらら博の効果やノウハウを生かして交流人口の拡大を図るため、観光交流機能の充実・強化を進めてきていますが、観光客動態調査結果をみますと、平成14年度の観光客数、2、286万人ですが、13年度は、きらら博の入場者約250万人を除いた観光客数 2、299万人であることから、14年度は、約13万人の減少にとどまっています。きらら博開催前の平成12年度と比較すると、163万人の増加となっています。この数字を見る限り、観光政策が健闘されているといえます。しかし、さらに分析してみますと、県内客は、光市・阿知須町の新規施設オープンにより、やや増加しているものの、県外客は、近畿以東からは増加していますが、近隣の中国・四国・九州からは減少しています。さらに宿泊客も減少しています。
きらら博は、本県が総力をあげて実施した一大イベントであり、一過性のものにしない、その資産を継承し、県勢発展につなげていくこととされました。
特に、観光振興の起爆剤として、本県観光の飛躍的な発展につなげる取組みを進めることとされていただけに、現状の観光客数では、この目的に到達しているとはいえず、きらら博後2年目となる今年度は重要であり、政策の真価が問われていると思いますが、県全体の観光交流の振興における課題と今後の戦略について、知事のご所見を。
伊藤商工労働部長 次に、観光交流の充実・強化についてのお尋ねのうち、まず、観光交流の課題と今後の戦略についてであります。
観光を取り巻く情勢は、長引く景気の低迷等により全国的な観光需要の伸び悩みや観光地間の競争の激化等により、一段と厳しさを増しており、観光地の一層の魅力や集客力のアップ、効果的な情報発信、広域的な観光ルートの開発、国際観光の推進などが重要な課題であると認識しております。
こうした課題に適切に対応するため、「山口きらら博」で得られた「地域ぐるみの取組」や「観光業界の横断的な取組」、さらには、「ホスピタリティの向上」等の資産を承継し、『全国に誇れる魅力ある観光地づくり』を進めることとしております。
このため、旅行代理店や交通事業者等と協働しながら、「県観光戦略会議」を設置し、地域の特色を生かした観光地づくりを支援するとともに、ホスピタリティの向上に向けて、実践に活用できるシステムの構築に努めているところであります。
また、『イメージアップと誘客を図る国内外への戦略的な情報発信』を進めるため、首都圏や九州圏、そして「のぞみ」の停車により利便性が増した中部圏を主なターゲットに、観光キャンペーンを展開することにしております。
さらに、国の「ビジット・ジャパン・キャンペーン」とも連携し、中国をはじめ東アジア等からの観光客誘致に取り組んでまいりたいと考えております。
(2)グリーンツーリズムの推進について
久保田 私は、これまでにも提案してきましたが本県の豊かな自然環境や農林漁業資源を活用した体験・滞在型観光を積極的に推進して、観光交流の充実・強化を図るべきと考えます。県の観光基本構想においても、新たな観光の展開として、グリーンツーリズム、ブルーツーリズム、エコツーリズム、滞在型旅行などの推進が掲げられています。
なかでも、グリーンツーリズムは、農山漁村において、その自然、文化、人々との交流を楽しむ新しいタイプの旅ですが、本県では、平成7年からモデル事業を実施しており、本県の農林業・農山村振興の基本構想での主要プロジェクトの位置づけています。平成9年には、グリーンツーリズムに取組むための入門書も作られています。
今年度は、やまぐちグリーンツーリズム推進戦略プランを策定するとともに、人材育成や情報発信などの交流推進の基礎づくり、むらづくり活動の支援など取り組まれているところです。このように長い年月、グリーンツーリズムの推進にむけて、着実に準備をしてこられたことを評価するものではありますが、そろそろ本格的実施の時期にきているのではないでしょうか。
しかし、現実に、グリーンツーリズムを始めようとする時、農業従事者の6割が女性、8割が高齢者という農村の実態からすれば、農家民宿、農家レストランなどグリーンツーリズムに関心をもったとしても、これまで農業生産中心でやってきたものを、補助や融資などの金融対策、経営プラン策定やマネージメント、集客のためのPRなどの多くの課題を考えると、グリーンツーリズムへ踏み出すことをためらうのではないでしょうか。
このようなハードルを越えて、グリーンツーリズムをやってみようと、農山村の人たちが思えるように、あるいは、都市住民や団体からもやってみたいと手があがるような魅力的な山口県版の誘導政策としての支援制度が必要ではないでしょうか。
他県の取り組みをみますと、岩手県では、グリーンツーリズム旅行者の受け入れのためのネットワークつくりの企画を公募し、事業実施を委託、岡山県は「農村型リゾート整備事業」の活用などグリーンツーリズムを実施するための誘導策としての支援制度がつくられています。本県でも、グリーンツーリズム実施のためのソフト・ハード両面からの支援策を検討すべきと考えますが。
清弘農林部長 グリーン・ツーリズムの推進についてのお尋ねであります。
グリーン・ツーリズムの推進は、農林業・農山村への理解促進や就業機会の創出など、農山村地域の活性化を図る上で、極めて重要でございます。
このため、県といたしましては、これまで道の駅や朝市等の交流施設の整備充実をはじめ、県下5路線でのルーラルフェスタの開催や、交流を担う人材の育成などに努めてきたところであります。
この結果、県内各地で日帰り型を中心とする多様な都市農村交流が展開され、交流人口の拡大や農産物等の売上げが増加するとともに、農家レストランや棚田オーナー制度、滞在型市民農園などの新たな取組みも生まれてきております。
こうした中で、今後、交流人口の一層の拡大を図るためには、これまでの日帰り型を中心とした交流に加えて体験・滞在型の交流を拡大していく必要があり、併せて、お示しの多様な人や団体が、グリーン・ツーリズムに取り組めるよう、支援体制の充実を図っていくことが重要であると考えております。
このため、地域の意向把握や県民の意識調査を踏まえ、滞在型交流を中心に具体的な展開方向を示す戦略プランを今年度策定いたし、グリーン・ツーリズムに対する県民理解の促進に一層努めるとともに、体験・滞在型交流の芽生えのある地域をモデル地域として育成することとしております。
また、これに併せ、グリーン・ツーリズムに取り組む方に対する農家民宿等の開業手続きや資金などの相談体制の充実・強化、現在実施しております山口ツーリズムスクールにおける経営ノウハウなどの研修の拡充、さらには既存施設の活用も含めた効果的な施設の整備などの支援体制の充実に努めてまいります。
(3)山口宇部空港の観光情報発信機能について
久保田 山口宇部空港は、本県の空の玄関口であり、年間利用者は、平成14年度で92万人となっており、今年度は100万人突破を目指しており、本県の観光情報の発信には大変重要なところです。
旧ターミナルビルで、現在の山口宇部空港会館、国際線ターミナルビルには、「おいでませ山口観光情報プラザ」があり、観光情報発信拠点となっています。私は、空港に行くたびに立ち寄ってみますが、いつ行っても誰も利用者がいない、ビデオ映像だけが、繰り返し、山口県観光のアナウンスをしています。 空港利用者の流れからみても、明らかにはずれており、当初から、利用者の見込みが懸念されていたこととは思いますが、それでもあえて、平成13年度、2100万円の費用をかけて設置したものであり、運営コストは年間90万円かかっています。
これまでの利用状況をどのように把握されているのか、この実態を容認し、改善は検討されないのか。
伊藤商工労働部長 次に、山口宇部空港の「おいでませ山口観光情報プラザ」の活用についてであります。同施設は、「山口きらら博」の開催に合わせ、県の観光PRを行うため、空港ターミナルビルに近接する立地条件を利用し、設置したものであります。
しかしながら、施設の設置場所が、新ターミナルと別棟であることや、利用者にとって場所が分かりにくいこと、また、県民へのPRが十分でないこと等の理由から、イベント等を含めた年間の利用者は、約1万人と承知しております。
今後、一層の利用促進を図るため、同観光情報プラザのホームページを開設するほか、空港利用者の動線の確保や誘導看板の設置などについて検討し、必要な改善を図ってまいります。
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(1)子供の体力づくり。
久保田 都市化、少子化、情報化などの進展による社会経済構造の変化は、人々のライフスタイルを大きく変えており、子供たちにとっては、日常的に外で遊ぶ機会や仲間の減少、歩いたり走ったりして体を動かす機会の減少、あるいは、深夜に及ぶ大人の現代生活などからの影響がでており、よく体を動かし、よく食べ、よく眠るという子供の成長に大切な基本的生活パターンを作りにくくなっています。
こうしたことが背景となって、子供たちの運動能力は低下しており、国の調査によって、全国的傾向であることが明らかになっています。本県においても、平成14年度の児童生徒の体力・運動能力調査の結果をみると、男子女子ともに、ほとんどの種目において、低下している状態です。
たとえば、小学校6年生の男子のソフトボール投げでは、昭和55年の34,6メートルが、この22年間の最高記録であり、平成14年度は、それを5,3メートルも下回る最低記録となりました。女子についても同様で、小学校6年、ソフトボール投げで昭和55年に最高記録20,3メートルがでていますが、平成14年度は、3,4メートルも下がり、最低記録となっています。このまま子供たちの体力低下が進めば、社会を支える力が弱まり、活力ある生活の維持が困難になると考えられます。
このような実態に対して、国も危機感をもち、子供の体力向上のための総合的な方策がとられていますが、特に、低年齢期に運動の生活化を図る事が重要であるとしています。
そこで、運動プログラムの開発とその実践のための運動場、遊び場といったフィールドづくりについての提案をしていと思います。
校庭に設置されている鉄棒、滑り台、棒のぼりなど現在ある遊具に跳び箱、平均台などを組み込み、フィールドアスレチックのようなコースづくりをしてはいかがでしょうか、一周まわることで基礎体力が作れるようなパターンコースを設置するとともに、学年や年齢ごと、能力ごとの楽しく体を動かすことができるプログラムをつくり、各自が目標設定したカードを持ち、体育の時間はもちろん、クラブ活動や休憩時間などに気軽に楽しく活用できるようなものが必要と考えます。
また、地域においては、スポーツ公園の整備だけでなく、身近な公園にも、ボランテイアなどによる指導者の配置日を作り、子供たちが休日や放課後に、ひとりでも気軽に行けて、仲間づくり、体力づくりができる仕組みが必要と考えますが。
藤井教育長 次に、教育問題に関する3点のお尋ねのうち、まず、子どもの体力づくりであります。
体力は、子どもたちの成長・発達を支え、「生きる力」の基礎となるものであります。
近年、子どもたちの体力・運動能力の低下が著しく、その対策が大きな課題となっております。
県教委では、これまで、各学校におきまして教科や体育的行事等を通じて、児童生徒の体力の向上を図ってきておりますが、特に、今年度から、外遊びや仲間遊びの習慣化を促進するために、新たに小学校低・中学年の児童を対象といたしまして「子どもいきいきエンジョイスポーツフェスティバル」の開催等の取組みも始めたところであります。
ご提言のありました、運動プログラムと実践フィールドづくりにつきましては、子どもたちの体力づくりにとって有効な手段であると考えておりますので、今後、市町村教育委員会と連携して、検討してまいります。
また、地域のボランティア等を活用した体力向上等の仕組みづくりにつきましては、各地域におきます主体的な取組みが必要でありますので、外遊び、仲間遊びの普及を図る中で、各市町村に働きかけていきたいと考えております。
(2)司書教諭・学校図書館の有効活用について
久保田 学校図書館法に基づく司書教諭の発令が、今年4月、12学級以上の学校で義務づけられ、全国で2万人、山口県で、224人とされています。これは、全学校数の36%であり、小規模校、中規模校が多い本県では、64%の学校においては、従来どおり、司書教諭の配置はされないといった実態です。 しかも、配置された司書教諭は、授業数が1週間に2時間から3時間軽減されただけで、専任ではないことから、実質的には仕事の増加となっており、図書館運営に専念できる環境が整備されたとはいえない状況です。
一方、教育現場では、新学習指導要領の実施によって、学校内での図書館の役割は、従来からの読書指導や資料整理にとどまらず、子供たちが自ら学び考えるために、総合的な学習や調べ学習などとなり、より一層高まっています。
しかし、現実には、学校図書館がどこにあるか、存在も知らない、どのような本があり、どのような活動をしているのか、利用方法はどうすればよいのかなどから、児童・生徒に知らせていかなければならないほどです。
たとえば、一人あたりの蔵書貸し出し状況をみますと、約9割の高等学校が、年間ゼロから5冊までであり、16冊以上を借りる学校はゼロとなっています。平日の一日の学校図書館利用人数でみましても、ゼロから10人が県立高校の約2割、11人から25人が約4割、26人から50人が約3割、51人以上の利用は1割でした。
このような学校図書館の実態を、県教委はどのように認識されているのか、教育において、学校図書館の位置づけ、役割をどのように考えられているのか。
法律で定められた学級数による司書教諭の配置基準を満たすことで良しとせずに、司書教諭の配置によって、児童生徒の読書習慣を身につけさせたり、調べ学習のための利用を学ぶといった本来の法律の趣旨をいかさなければなりません。
配置された司書教諭がより積極的に活動できる環境づくりとともに、司書教諭が配置されていない大多数の学校においても、その配置が検討できないのか。
藤井教育長 次に、司書教諭と学校図書館の有効活用についてであります。
まず、学校図書館の活用等についてでありますが、学校図書館は、調べ学習などを行う「学習情報センター」と、読書活動のための「読書センター」の二つの役割を持っております。利用状況からみますと、総合的な学習の時間における調べ学習や読書活動において、学校図書館のより一層の活用を図ることが必要であると考えております。
このため、今後さらに、図書委員会の活性化や、公立図書館等との連携による児童生徒のニーズに応じた蔵書の確保、蔵書のデータベース化の促進、ボランティア等との一層の連携など、各学校の状況に応じて、児童生徒の積極的な利用に向けた取組みを進めてまいります。
次に、司書教諭についてであります。お示しがありましたように、本年度、12学級以上の全ての小・中・高等学校等に司書教諭を置いたところであります。
県教委といたしましては、司書教諭は、学校図書館の企画運営と、調べ学習や読書指導において、校内の中心的な役割を担っておりますので、今後とも、各学校において司書教諭が積極的に活動できますように、教職員の協力体制や校務分掌の一層の工夫について指導いたします。また、11学級以下の学校におきましても、司書教諭の資格を有する教員がいる学校におきましては、実情に応じて、そうした教員の活用が図られますよう、校内体制づくりに取り組んでまいります。
(3)学校評議員制度の有効活用について
久保田 学校評議員制度は、地域住民が学校運営に幅広く意見を述べ、助言をし、校長の学校運営を支援するものとして、平成12年4月から導入されました。法的には、設置が義務づけられたものではないため、全国的には、平成十四年度の国の調査では、5割程度に留まっており、すでに類似した組織があり、学校評議員制度の設置の必要性なしとするところも少なからず見受けられますが、本県では、平成12年度からまず県立高校11校で設置され、その後、徐々に広がっていき、今年7月に県内の小中高、盲・聾・養護学校のすべての学校において設置されました。本県教育行政の積極的姿勢を高く評価するものです。しかし、制度の運用状況はいかがでしょうか。 設置の目的に十分かなった役割をはたしているのでしょうか。
15年7月の設置状況調査の結果をみますと、学校評議員から意見を聴くための会合を開催している学校は9割ですが、回数としては、年間1回から3回が最も多く、全体の約9割でした。また、全体会合は開かないが、個別に学校評議員から意見を聞いているという学校も約1割あります。学校評議員に求めた意見としては、生徒指導、家庭や地域との連携・協力のありかた、教育活動の状況、学校行事の状況、地域人材の活用などとなっています。
学校評議員制度は、評議員から意見を求める事項として、学校運営の基本方針や重要な活動に関する事項が想定されるものですが、具体的にどのような事項に関し意見を求めるかについては、校長自らが判断するものとされており、そのため、学校現場からは、学校評議員制度は設置したものの、どのように活用していいかわからない、どこまで意見として求めていっていいのかわからない、評議員となったけれど、何をするのかよくわからないといったとまどいの声をしばしばお聞きします。
学校評議員制度は設置しておけばいいのではなく、学校長がこの制度の設置趣旨をよく理解し、学校改革のために十分活用してこその制度です。
制度のより一層の効果的活用が必要と考えますが。
藤井教育長 次に、学校評議員の効果的な活用についてのお尋ねであります。
学校評議員制度は、校長が保護者や地域住民等の意向を把握し、学校運営に反映させることによりまして、地域に開かれた、あるいは特色ある学校づくりを推進する上で大きな役割を果たすものであります。
このため、県教委といたしましては、その積極的な設置と運用を指導してきたところであり、その結果、県内すべての学校に、現在、学校評議員が設置され、運用しています。その運用する中で、例えば「学校、地域や関係機関との連携」、あるいは「地域人材の活用」などの効果があったとの報告を受けております。
これから教育改革を具体的に進めていく中で、お示しのありましたように、学校評議員制度の趣旨を踏まえ、より一層効果的な活用を図ることが重要であります。
このため、県教委といたしましては、昨年度に引き続きまして、活用状況等を調査し、その結果も踏まえまして、今年度中に、特色ある取組み事例を含めた活用方策等をとりまとめ、市町村教委と連携しながら、各学校に対してその学校評議員制度の趣旨を改めて周知徹底し、学校教育の一層の活性化が図られるよう努めてまいります。以上でございます。
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久保田 宇部市、小野田市、楠町、山陽町の各地において、2市2町の合併を求める住民の会が設立され、2市2町の同時発議による直接請求を求めて、署名運動が各地で展開されました。2市2町すべてにおいて、法定署名数を大幅に越える署名が集められ、それぞれの9月議会に2市2町の合併協議会の設置を求める議案がだされました。 結果は、宇部市と楠町で可決されたものの、山陽町で否決、小野田市は、本日、否決となりました。 これで、また宇部市と楠町、小野田市と山陽町といった1市1町という小さな枠の合併にとどまることとなってしまいました。 合併特例法の期限である平成17年3月が、刻々と迫る中、住民の声は、議会にとどかず、住民主役の合併議論はここで幕をおろすことになるのでしょうか。
テクノポリス圏域の中核地域である2市2町が、このように分断されたままでは、県勢の発展にも影響を及ぼすものと考えます。知事は、この事態をどのように受け止められているのか、住民主役の合併が原則とされていることからすれば、知事は住民の声をしっかり受け止めて、中核都市づくりをかかげる本県のリーダーとして、2市2町の合併に向けて、さらなる努力をしていただきたいと思いますが。
二井知事 次に、宇部・小野田地域の合併についてのお尋ねであります。
お示しのありましたように、宇部・小野田地域におきましては、地元住民団体による広域合併に向けた取組が展開をされております中で、1市1町という小さな枠組みによる合併協議が進められております。
しかしながら、私は、当地域におきましては、中核都市づくりの観点から、宇部市、小野田市、楠町、山陽町の2市2町による枠組みで、広域合併が検討されることが、是非とも望ましいと考えておりますので、現状につきましては、極めて残念に思っております。1市1町にとどまらず、広域的な視点に立った取組を進められることを期待をいたしております。
申すまでもなく、宇部・小野田地域における中核都市づくりは、県勢振興の上からも、極めて重要な課題であり、これまでも広域合併に向けた取組が進展するように、地元の首長、議会関係者、住民等に対して、働きかけを行ってきたところでありますが、私は、広域合併を実現するためには、何よりも、首長がしっかりと地域の将来を見据えて今後の取組を展開していくことが極めて重要であると考えております。
もとより市町村合併は、地元において自主的・主体的に取り組まれるものであり、県としての関与にも限界はありますが、私としては、広域合併の早期実現に向けた取組が開始されるように、今後とも、働きかけていく考えであります。
具体的にどのような対応をするかについては、今後の諸情勢を見ながら、具体的に検討していきたいと考えております。