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山口県議会議員(1999年~2009年4月)として県議会での質問です

分類

会期

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  • 2000年06月
  • 2000年03月
  • 1999年12月
  • 1999年06月

2003年12月議会

[目次]

  • 1.雇用対策について
  • 2.情報産業の育成・支援について
  • 3.外部委託の推進について
  • 4.里山再生と就労・定住促進について
  • 5.循環型社会形成の加速化について
  • 6.特別支援教育の充実について
  • 7.子育て支援について
  • 8.青少年の心のケアについて

1.雇用対策について

(1)若者の就職支援

久保田 来春高校卒業予定者のうち、就職希望者の10月末現在の就職内定状況は、山口労働局の発表によりますと、内定率54.3%で、過去最低だった昨年の同期をやや上回ったものの、過去2番目の低水準となっています。
 若者を取り巻く厳しい雇用環境を改善するため、教育現場、企業、行政が一体となった雇用の安定・県内定住のための対策に取り組んでいますが、若者の就職難は構造的であり、若者雇用を地域で支える新たな枠組みづくりが必要と考えます。ハローワークは、在学生、若者にとっては、行きにくい環境にあり、気軽に就職相談に行ける環境作りが求められていると考えますが、国は、来年度、若年者就職支援サービスのためのワンストップサービスセンターの設置を進めようとしています。先般、岩手県に視察に行ったところ、盛岡市内で若者が利用しやすい場所に、若者就職支援サービスセンター、ジョブカフェを今月オープンさせるとのことでした。
 本県でも、若者就職支援サービスの設置を来年度の政府予算に対する特別要望としていれられており、また、昨日のご答弁でも、知事は設置を表明されていますが、国の支援の有無にかかわらず、本県独自でも若者就職支援サービスセンターを若者が利用しやすい場所に開設し、きめ細かい就職相談や職業紹介に応じるワンストップサービスを提供すべきと考えます。
  そこで、いくつかの提案をいたします。運営においては、県と山口労働局が連携を密にして、求人情報の閲覧、職業あっせんなど従来ハローワークで提供してきたサービスをさらに充実させ、自分にあった職業を探し出すためのカウンセリングや進路相談、職場体験機会の提供など、力を入れていくべきと考えます。そして、来場者の情報交換の場となる交流スペースやパソコンスペースも設け、学生・生徒やフリーター、若年失業者、転職希望者が気軽に立ち寄れる雰囲気をつくることも必要と考えます。また、高校生の就職対策は、高校の校長をはじめとして、就職担当教員や就職指導専門員が役割を担ってきましたが、就職後3年以内の離職率はここ数年、40%から50%近くと高い水準で推移しており、職場定着率の向上や未就職者、フリーターへの対応も課題となっており、若者就職支援サービスセンターに求められる役割と考えます。その具体策としては、高校の就職担当者と連携が図れるシステムの構築が必要と考えますが、このような観点から若者就職支援サービスセンターの設置と活用による若者の就職支援についてお伺いいたします。

二井知事 私からは、若者の就職支援についてのお尋ねにお答えします。
 私は、本県産業の担い手となる人材の確保や県内定住の促進の観点から、若者の就職支援は、極めて重要な課題であると認識をいたしております。
 このため、昨年6月に、若者の雇用対策を重要な柱とする「山口県雇用促進計画」を策定をし、その重点プロジェクトである独自の「ワンストップ就職支援センター」を明年度、早期に設置することといたしたところであります。このセンターでは、相談から職業紹介に至るまでの一貫した支援を行う体制の整備に向けて、現在、鋭意、検討を進めております。そして、具体的には、同センターにハローワークを併設するなど、国の「若者自立・挑戦プラン」に基づく新たな事業を積極的に導入いたしますとともに、キャリアカウンセリングや能力開発などの分野においては、民間のノウハウも最大限に活用し、また、県独自で新たに職業紹介事業を実施するなど、きめ細かな支援に取り組むことといたしております。さらに、御提言のありました交流スペースなど、若者が利用しやすい施設づくりや高校の就職担当者との連携システムについても検討を進めていきたいと考えております。


(2)建設業等離職者対策

久保田 建設業は、日本の一大産業であり、平成12年までは就業者総数の約1割を占め、雇用の大きな受け皿となってきたといえます。しかし、今日、公共事業における建設投資の減少によって、建設業者の経営に深刻な影響がでてきており、県内の建設業許可業者数でみても、平成11年度末の8,505社をピークに年々,減少が続いており、平成14年度末では約650社減少し、7,857社となっています。企業倒産でみますと、平成13年では、建設業92件、全体の42.6%と最も多くなっています。それに伴い、建設業就業者は大幅に減少しており、平成7年と比べたら平成12年は14.3%にあたる13、100人もの減少となっています。今後も、建設業就業者の減少が予想されますことから、地域経済への影響が懸念され、対策が求められています。
  国土交通省では、建設業就業者のセーフテイネットとして、建設業就業者の円滑な労働移動を促進する一方で、建設企業の新分野などへの進出の支援による雇用確保・創出、優れた建設技能工などの確保・育成を図ることが進められています。また、岩手県では、構造改革特区において建設業者自らが有する技術を生かして、ほうれんそう団地やしいたけ団地を建設し、農家で技術習得研修を受け、生産販売する仕組みを構築しています。これによって、建設業者が安定した雇用を確保するとともに、地域農業においては、生産出荷量の増加によって市場競争力の強化が図れ、産地力の向上につながる事が期待されています。
 先般、報道されたところによりますと、国は、構造改革特区で認められている株式会社の農業参入を全国に広げる方針を固めました。具体的には農地が効率的に利用できるようにするために、企業の参入を認める地域を市町村が設定できるように制度改正に向けての法案提出の準備がなされています。本県でも、去る9月議会において、知事は、建設業など農業以外の企業による農業分野への進出について、説明会開催、アンケート調査、情報提供や相談・指導などに取り組む方針を明らかにされました。今後、これらの調査結果をもとに、国の制度改革の方向性にのり、建設業などから農業分野への参入を促し、離職者対策と地域農業の活性化を図る仕組みをつくり、モデル事業に着手してはいかがかお伺いいたします。

清弘農林部長 雇用対策と里山再生に関する2点のお尋ねのうち、まず、建設業等離職者対策についてであります。
 建設業の経営が厳しい状況にある中で、建設業等の農外企業が農業法人や特区の制度を活用して、地域との調和を図りながら、農業分野に参入することは、多彩な担い手を確保するとともに、地域農業に新たな活力を生み出す上で、有効な方法であると考えております。
 このため、先般、建設業や市町村等を対象に、農業への参入方法や特区制度等の周知を図る説明会を開催するとともに、参加者を対象にしたアンケート調査による具体的な意向は握を行ったところであります。
 その結果、参加した51企業のうち18企業が、「農業参入の意向がある」又は「今後参入を検討する」と回答するとともに、各種制度の情報提供や農業技術習得等への支援の希望が出されたところであります。
 また、参加市町村の中からも、特区制度の導入に関する意向が示されたところであります。
 こうした意向を踏まえ、今後におきましては、外郭団体の再編整備の中で、設置を予定しております、担い手支援のための総合的な相談窓口を通じて、参入を希望する農外企業に対し、農地・資金等の情報提供や相談・指導などの支援を行っていくこととしております。
 さらに、農外企業を対象とした、農業機械の操作や栽培技術等の研修の実施についても検討していく考えでございます。 また、現在、特区導入を検討している市町村に対しては、取組事例に係る情報を提供するなど、具体化に向けた取組みを支援することとしております。
 なお、お示しの、制度改革による一般の株式会社の農業参入につきましては、国において、平成16年末までに特区制度の実施状況等について検証を行った上で、方針が決定されることとなっており、今後の国の動向を注視しながら、地域の意向を踏まえ、的確に対応してまいる考えでございます。
 今後とも、このような取組みを通じて、地域に新たな就業・雇用の好循環を生み出し、地域農業の振興と農山村の活性化を図ってまいります。

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2.情報産業の育成・支援について

久保田 高度情報通信社会が進展する中、本県では、高速大容量の光ファイバーによる情報通信網「やまぐち情報スーパーネットワーク」を整備し、県民が等しくITの恩恵に浴するとともに、地域産業の活性化や電子自治体の実現に向けて、市町村への地域イントラネットの導入やケーブルテレビ網の整備など、それぞれの地域の特性に応じた取り組みを進めています。
 さらに、去る9月議会においては、電子自治体の推進のために、本県独自のデーターセンターを今年度から計画的に整備することを明らかにされました。データーセンターを設置する理由として、県と市町村が連携をして、行政手続きの電子化など電子自治体により提供される様々なサービスの相乗効果を高めること、情報システムや機器の重複投資を避けること、また、セキュリテイの観点からも、高度な管理・監視体制のもとで、安全で安定的なサービスを提供することができるなどとされています。
 全国的には、官民あわせますと、東京都、宮城県、岐阜県、福岡県などでデーターセンターが設置されていますが、特に福岡県の取り組みは注目すべきものです。光ファイバーを使った2.4ギガビットの高速大容量ネットワークは、民間企業などへ広く無料開放されており、最先端のインターネットデーターセンターが高速回線で接続されています。データーセンターは、民間企業などが利用できるようになっており、サーバーを新たに設置してコンテンツ配信やASPサービスを提供できる環境をつくり、最大3年間にわたって運用費用の補助制度も設けています。これによって、首都圏などに集中しがちなコンテンツやサービスの地元への集積を促進し、ブロードバンドサービスを県民が快適に利用できる環境整備を図っています。
 地方自治体が通信インフラの整備を行うことは、都市と地方との格差を是正し、むしろ都市から離れていることによる不利益を解消し、県民生活の向上や地域産業の活性化を目指すものと考えますが、それだけに、地方自治体間での競争も激しくなるものと思います。福岡県のIT戦略をみますと、情報産業の育成・支援に重点が置かれており、現行制度で比較した場合、福岡県の光ファイバーを使った高速大容量のネットワークを活用したインターネットデーターセンターを利用すれば、インターネットビジネスの立ち上げや展開において、大幅な業務の効率化やコスト削減を実現でき、山口県でインターネットビジネスを起こすより、はるかに有利になっていることがわかります。
 地域間競争に負けないために、本県においても、より積極的なIT戦略が必要と考え、山口市のNPYビルの中に設置を予定しているデーターセンターの民間活用を提案をいたします。データ―センターを、やまぐち情報スーパーネットワークと高速回線で接続されたインターネットデーターセンターとし、県内に事業所をもつ民間企業に低価格の利用料金で開放し、通信市場全体の活性化を図り、情報産業の集積や地域産業の情報化を促進させる試みをしてはいかがでしょうか。ご所見をお伺いいたします。

辻田地域振興部長 情報産業の育成・支援に関してデータセンターについてのご提案にお答えいたします。
 お示しのように、現在、県におきましては、電子自治体のサービスを効率的かつ安全・安定的に提供するために、市町村と連携いたしまして、NPYビルのスペースに電子自治体の「データセンター」を設置しようとしております。
 また一方、県としては、これまでも、データセンター機能を有する民間事業者に対しまして、「やまぐち情報スーパーネットワーク」を開放いたしまして、その育成に努めてきたところでございます。
 今後とも、「やまぐち情報スーパーネットワーク」につきましては、広く民間事業者による利活用を認めることとしておりますが、ご提案のように、県のデータセンターを、県内の民間企業にも利用可能なものにすることにつきましては、既存の施策との整合性、行政と民間との役割分担、県内企業の具体的ニーズ、さらには、新たな設置スペースの確保など様々な問題があることから、今後の研究課題とさせていただきたいと思います。

久保田(再質問) データセンターとは、単なる電子自治体の基盤以上の役割を求められる、すなわち安定したセキュアな情報基盤の共同運用、共同利用の環境を地域の産業に開放することにより、地域の情報通信関連ビジネスの集積や新しいサービスの創出を促し、地域経済活性化の契機となることが期待されている。
 地元中小企業の情報通信による競争力強化、市民の起業、地元NPOなどを支援する、新たな事業構造を創出されるための地域振興の道具が公共的に整備されるこのデータセンターであると、従って情報通信関連産業はインターネットと接続したデータセンターを核として機能するものと考えられるので、このようなデータセンター、インターネットと繋いだデータセンターは不可欠だと、是非、誘致育成をするべきだということをガイドラインで示されております。
 御答弁では様々な課題があることから今後の研究課題としたいとの御答弁でした。 いつまで、どのくらいの期間の研究をされるのかお伺いします。

二井知事 やまぐちスーパーネットワークと情報産業の育成との関係についてお答えいたします。
 先ほど御答弁を申し上げましたように、いろんな課題がございますことから研究課題とはいたしておりますが、福岡県との違いとしてもメリット・デメリットどういうものがあるのか、成り立ちも若干違うようですから、その辺も十分踏まえてできるだけ早く結論を出して対応していきたいと考えております。

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3.外部委託の推進について

久保田 行政の簡素で効率的な運営を進めるとともに、厳しい雇用情勢を踏まえて、ワークシェアリング、雇用の創出という観点からも、施設の管理運営業務や定型的・専門的な業務に留まらず、すべての事務事業を点検し、企業やNPOなど民間への業務委託をより一層推進する必要があると考えます。
 私は昨年9月県議会でも、この問題を取り上げましたが、知事は、民間と行政の適切な役割分担のもとで民間に業務委託を進めて行くことは、県民サービスの向上や行政運営の効率化を図る観点からも極めて重要であるとし、平成14年10月に外部委託推進ガイドラインを策定されました。ガイドラインでは、外部委託をするかどうかの判断の基準について、県自ら実施すべき必要性の検証として民間との役割分担、コスト比較、効率性、費用対効果の分析、サービスの質の確保とされています。また、委託の相手方を選定するにあたっては、競争性、透明性、公平性をもった入札などの契約手続きをとることとされています。
 今年度、このガイドラインにもとづき、耐震診断業務や県営住宅管理業務などが新たな委託業務となりました。また、従来からの委託業務の拡充をされたものとして、合計81業務、約22億2千万円の外部委託が実施されましたが、その内訳をみますと、緊急地域雇用創出特別基金を活用したものとして、就職情報の整理・データーベース化業務、文書整理業務、調査業務、など22業務で7億6千万円、613人の雇用創出とされていますが、そのほか59業務の内容をみますと、外部委託推進ガイドラインに示されている外部委託の判断基準に合致していないのではないかと思われる事業や直営で行った場合と委託した場合のコスト比較がなされず、慣例で安易に外部委託している事業、あるいは、外部委託の契約が不透明な事業などがいくつか見受けられます。
 そもそもガイドラインが作られたのは、行政の効率化、民間活力の増進、雇用の創出という観点から全庁的に外部委託を積極的、計画的に推進していくことが大変重要だからであり、その主旨に合致した運用がなされなければなりません。今後、外部委託の推進にあたって、ガイドラインが徹底される仕組みが必要と考えます。透明性、公平性が確保された適正な手続きによる業務委託が実施され、委託実施後、サービスの質やコストの妥当性など委託効果の検証や見直しを行うこと、県民にわかりやすく公表されること、これらを徹底するためには、現状の外部委託制度のガイドラインと実施計画だけではなく、総合的な進行管理が必要と考えますが、ご所見をお伺いいたします。

瀧井総務部長 外部委託の推進についてでありますが、厳しい社会経済情勢が続きます中、本県では、民間の力を活用した行財政運営の一層の効率化や、新たな雇用創出の観点から、外部委託推進の指針となりますガイドラインを、昨年10月にお示しをし、これに沿って、毎年度「外部委託実施計画」を策定することによりまして、事務・事業の外部委託に積極的に取り組んでいるところであります。
 こうしたガイドラインに基づきます外部委託の推進は、今回の行政改革における新たな取組でございまして、これを着実に進めて参りますためには、お示しの進行管理を含め、改善の努力を重ねていく必要があると考えております。
 このため、ガイドラインにおきましても、委託効果を随時検証し、必要に応じて委託内容や委託料の積算見直しを行いますなど、より効果的な委託の推進を図りますとともに、委託の実施に当たりましては、常に、競争性や透明性、公平性の確保に努めることといたしております。また、県の委託事業に係わります受注機会を拡大いたしますため、委託業務の発注予定情報をホームページで公表することも検討しております。
 今後、各種規制改革による行政サービスの民間開放が見込まれます中、業務の外部委託の一層の推進が求められるものと考えております。そのためにも、ガイドラインの趣旨の徹底を図り、委託可能な業務の掘り起こしを進めますとともに、実施計画の年度ごとの見直し・改定と実施状況の点検、委託した業務のサービスの質やコストの妥当性の検証、更には取組結果の県民への公表を行うなど、一連のマネジメントサイクルを確立することによりまして、総合的な進行管理に努めてまいります。

久保田(再質問) システムを作ってもその主旨が職員に徹底されなければ意味がない。現場での職員一人ひとりの意識、実行ということについて、今後どのように取り組んでいくのか伺う。

瀧井総務部長 ガイドラインの職員に対する周知ということについてでございますが、ガイドラインの目標達成のために職員に周知徹底を図ることは大切なことであります。そのために、これまでにも、いろいろなことを行ってきましたが、改めて各種会議、研修等を通じ周知を図りたいと思いますし、また、その他考えられることについても、取り組んでいきたいと思っております。
 ご指摘のことも踏まえまして、これからの改善に努めていきたいと考えております。

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4.里山再生と就労・定住促進について

久保田 本県は面積の7割を森林が占めており、立地的にみると、地形は15度未満の緩やかな山が多く、道路から300メートル以内のものが大半で、人里に近い森という意味の里山がほとんどです。歴史的にみますと、毛利氏の時代、森林の保全と産業育成が政策的に進められ、里山が山口の文化と経済力の源泉となりましたが、明治期以降、戦中、戦後復興期、高度経済成長期などを通じて、大規模な伐採によって森林が荒廃し、はげ山となりました。その後は、針葉樹を中心とした造林によって緑は回復したものの、農山村では過疎化や高齢化が進み、林業の担い手不足に見舞われ、森林管理は停滞してしまったのです。
 このような実態を改善するために、県は、平成10年に里山文化構想を作成し、里山のインストラクター、マイスター,応援団といった人たちを477人育成し、さらに里山活動を推進する仕組みや組織づくりなど里山の再生と里山文化の創造に向けて取り組みを進めてきました。今年度からは3年間の事業として、県民による里山再生活動推進事業を進めており、着実な取り組みを評価するものです。
 一方、県民活動においても、里山再生にむけて、様々な活動がでてきています。
 先日、里山を散策した際、古い民家の改築作業をしている青年に出会いました。民家の所有者のかたから地域のお役にたつのならばということで民家の提供を受け、1年から2年かけて自分で改築をし、完成後は、木工教室を開き里山活動の拠点としたいとのことでした。きらめき財団から県民活動支援として10万円を受けたとのことでしたが、最近では、大学生や年輩の方々の応援もできて、改築作業が里山での人々の豊かな交流となっています。
  また、里山再生のためにと土地が提供され、市民の手作りでログハウスが作られ、里山交流拠点ができている例もあります。このような事例から、里山再生のヒントがあるように思います。そこで提案ですが、官民両方の動きをつなげ、里山再生のスピードアップを図るために、里山にしばしば見受けられる放置された空き民家を活用し、観光・交流拠点や生活拠点を作れないでしょうか。たとえば、森林ボランテイアの里山活動拠点、里山の生活文化を学習するミュージアム、芸術家の滞在型活動拠点、農林業の体験や農村の暮らしを観光とつなげるグリーンツーリズムの宿泊拠点、Uターン、Iターンの若者の定住促進住宅や都市住民のセカンドハウスなどが考えられないでしょうか。
  まず空き民家の実態や所有者の意向把握のための調査を行い、このような里山事業への協力が得られる民家所有者との契約関係の整理、提供者登録リストの作成、里山での活動拠点を求めている人たちへの情報提供をする、また、補修やリフォームなどの支援制度をいれた里山民家再生事業の創設し、さらに、里山を舞台にし、森林資源を活用する里山起業家づくりとして、ビジネスプランの公募と事業支援をし、里山に就業機会を創出させるなど、交流・定住・就労が促進されるように支援策を総合化して、里山文化構想の実現を図るべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

清弘農林部長 次に、里山再生と就労・定住促進についてでございます。
 県といたしましては、これまで、「やまぐち里山文化構想」に基づき、幅広い県民の協働による、里山の再生と活用を目指す取組みを積極的に進めてきたところであり、その結果、現在、「NPO法人やまぐち里山人ネットワーク」を中心に、2千名を超える森林ボランティアの自主的な活動が県内各地において活発に展開されております。
 このような中で、都市住民が、自然の豊かな農山村に生活やボランティアの場を求める気運が一層高まっておりますことから、今後におきましては、これまでの取組みに加え、里山を生活の拠点や就業の場として捉えた多様な里山活動を推進していくことが重要であると考えております。
 このため、引き続き、各地域における里山活動の情報の提供やリーダー等の養成を通じ、交流の輪が一層拡大するように努めてまいります。
 さらに、NPO法人のネットワークを活用して、お示しのような、多様な活動拠点や定住促進のための空家情報等を収集し、広く情報発信するとともに、里山の資源を活用した工芸品づくり等の起業化を支援するための経営セミナーや、森林組合等への就業に必要な技術研修など、定住や就業にもつながる取組みを、市町村や関係団体等と連携しながら、総合的に推進してまいります。

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5.循環型社会形成の加速化について

久保田 大量生産・大量消費・大量廃棄型社会から、環境負荷を低減させた循環型社会への転換が急がれる中、資源有効利用、容器包装、家電、建設、食品、自動車などリサイクル関連法の制定とともに、循環型社会形成推進基本法が平成12年6月に制定され、法的整備は着実に進んできました。
 山口県においても、ごみゼロ社会づくりに向けた取り組みとして、ゼロエミッションプランやエコタウン事業などを積極的に推進していますが、廃棄物の排出状況は増加傾向にあり、更なる取り組み強化が求められています。このような中、山口県循環型社会形成推進条例(仮称)の策定作業が行われていますが、循環型社会形成をより加速化させるために2点、提案いたします。

(1)環境技術・環境経営の優遇策

久保田 ひとつは、環境技術の開発・普及を促進させるための誘導策を提案します。循環型社会の形成を加速化させるためには、環境産業の育成・支援が不可欠であり、県としても、それを重要施策としており、環境産業マルチパーク構想の推進や、グリーン購入法に基づき、山口県グリーン購入の推進方針を平成12年に策定し、環境物品などの率先的調達の推進や再生品の認定・普及に取り組んでいます。また、この条例案には、循環型社会の形成を推進する事業の承認や事業所の認定が位置づけられています。
  しかし、さらに実効性をあげるためには、たとえば、県発注の公共事業の入札制度などにおいて、環境技術や環境経営が評価され優先される仕組みが必要と考えます。環境技術の評価手法の課題はあるものの、その確立にむけての検討が必要な時期にきていると考えます。環境経営については、すでに国内外の客観的基準として、ISO14001やEA21が確立されていることからも評価が可能です。承認、認定といった官によるお墨付きという発想ではなく、循環型経済社会の実現にむけて、経済原理に基づく合理的な制度設計が求められており、環境技術や環境経営も評価する仕組みづくりを条例に盛りこんではいかがかとと考えます。ご所見をお伺いいたします。

松原環境生活部長 循環型社会形成の加速化についてであります。
 まず、環境技術や環境経営を評価する仕組みの条例への盛り込みについてでございます。
 ご提案の環境技術を評価する仕組みにつきましては、条例案骨子でお示しをしている「環境物品等の調達」に係る施策において、「環境物品等」の範囲に、公共工事における環境負荷の少ない工法等を盛り込む方向で、検討してまいりたいと考えております。
 また、お示しの環境経営を行っている事業者を評価する仕組みにつきましては、条例制定後、新たに策定する「循環型社会形成推進計画」や、「環境物品等の調達の推進に関する方針」等との整合を図りながら、関係部局と協議、検討してまいりたいと考えております。


(2)デポジット制度の研究

久保田 また、デポジット制度導入にむけての検討を提案いたします。デポジット制度は、一定の預かり金(デポジット)として販売価格に上乗せし、容器を返却すると預かり金を消費者に戻すという仕組みで、欧米では、缶やガラス瓶、ペットボトルなどに適用され、ごみ減量に効果をあげています。しかし、日本では、現在、全国規模のデポジット制度が確立されているものに、ビール瓶や清涼飲料瓶などのガラス瓶容器などがありますが、そのほかのガラス瓶や缶、乾電池などにも適用を求める声があがっているものの、実現していません。
  本来、国全体で法制化し対応すべきものであるため、地域での取り組みには多くの課題があると理解しています。しかし、国においては、中央環境審議会がとりまとめた循環型社会形成推進基本計画の基本方針案に提案されていたにもかかわらず、最終的には基本計画に盛り込まれなかったことからみても、国の対応を待っていては遅くなるばかりと思われます。東京都八丈町、栃木県宇都宮市、京都府など自治体レベルで地域限定のデポジット制度を実験している例もあることから、環境先進県を標榜する本県として、産・官・学・民の研究会を立ち上げ、地方分権時代にふさわしく、あるいは、道州制も視野にいれて、中国4県ぐらいをエリアにした山口県発のデポジット制度を提案し、将来的には国制度となるような取り組みをしてはいかがでしょうか。ご所見をお伺いいたします。

松原環境生活部長 次に、デポジット制度導入に向けた検討についてのお尋ねです。
 デポジット制度は、お示しのとおり、一般的に、製品本来の価格に預託金を上乗せ販売し、使用後の当該容器等が所定の場所に戻された際に、預託金を返却することによる、消費者からの回収を促進しようとする制度でありまして、わが国においては、ビールびん、一升びんについて、この制度が取り入れられております。
 また、離島や観光地などの一定のまとまりをもった区域内において、環境美化の観点から、ごみの散乱防止や市町村の収集ごみ量を減少させる等の手段として、地域デポジットの取組みが行われております。
 ご提案の山口県発のデポジット制度につきましては、対象地域、対象とする品目、預託金への処理料金付加の可否、また、事業実施に係る経費負担、リサイクル関連法等との関係など、検討すべき課題が多くありますことから、県といたしましては、こうした諸課題について、産学公で構成する山口ゼロエミッション21推進会議等におきまして研究してまいりたいと考えております。

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6.特別支援教育の充実について

久保田 近年、障害のある児童生徒の教育をめぐる情勢が大きく変化してきており、それに対応すべく国では、今後の特別支援教育のありかたについて専門家による検討会議を設置し、今年3月、最終報告がだされ、基本的方向と取り組みが公表されました。基本的方向として、障害の程度などに応じ特別の場で指導を行うこれまでの特殊教育から、障害のある児童生徒ひとりひとりの教育的ニーズに応じて適切な教育を行う特別支援教育への転換を図ることとされています。特別支援教育では、従来の特殊教育の対象だけでなく、LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)、高機能自閉症を含めて障害のある児童生徒の自立や社会参加に向けて必要な支援を行うものですが、県においては、今年度、いちはやく地域特別支援教育コーデイネーター10人を配置し、教育相談を中心に地域のコーデイネーターとして役割を与えています。
  しかし、このような新たな動きにもかかわらず、学校現場では様々な問題が起きています。1学期間中、特殊学級の担任がたびたび交代して児童が不安定になり学級運営が混乱した例、児童ひとりひとりの成長や特別のニーズに即した学習指導がなされない例などをお聞きしました。このような例がひとつでもあってはならないはずであり、このような事が起こらないようにするには、特別支援教育に係わる教員の資質の向上に、より一層努めなければならないし、学校運営の責任者である校長と教頭の理解と認識を深めることが重要です。今年3月に策定された山口県障害者いきいきプランにおいては、義務教育段階の教育の充実として、専門家チームなどの支援のもと、学校内における教育内容や指導体制などの改善に努めるとともに、保護者などの教育相談にも応じる体制の研究や、全教職員に対する特別支援教育に関する研修をより充実するとされていますが、実効性ある具体的施策が実施されなければなりません。
  そこで、お尋ね致します。本県の特別支援教育のより一層の充実のためには、管理職・教職員の研修プログラムの見直しを行い、より一層の資質向上を図るべきと考えます。さらに、特殊学級担当者の特殊教育教諭の免許取得も重要であり、現在、免許所有者は小学校で38.5%、中学校で25%といった状況に留まっており、免許取得の促進のための積極的な取り組みが必要と考えます。また、昨年度、山口市に設置されたやまぐち自閉症・発達障害支援センターとの連携強化も重要と考えますが、これらの課題への対応についてお伺いいたします。

藤井教育長 特別支援教育についてのお尋ねにお答えいたします。
 県教委といたしましては、これまで、障害児の教育に携わる教職員の資質の向上を図るため、小・中学校の管理職を対象とした研修や、担当教員のための専門研修等を実施いたしますとともに、特殊教育の教諭免許の取得につきましては、認定講習に本年度新たに聾学校教諭の免許取得のための講座を追加するなど、教職員の研修に取り組んでおります。
 お示しのありましたように、障害の重度・重複化や多様化が進む中で、今後、児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた、より適切な対応が求められております。
 このため、管理職や担当教員の専門研修につきましては、各学校において、今後、特別支援教育の校内体制づくりが円滑に進みますように、その研修内容等を見直しながら実施することとしております。
 また、地域における障害児の教育の中核となる教員を育成するために、来年度から大学等での長期派遣研修についても充実いたしますとともに、特殊教育の教諭免許取得者による教育を推進するために、認定講習への参加の促進を図ってまいります。
 次に、障害のある児童生徒の自立と社会参加に向けては、教育、医療、福祉等の連携による取組みが必要でありますことから、現在、萩地域で関係者が連携して教育相談とその支援の在り方について、研究を進めております。
 今後とも、これらの成果を踏まえながら、お示しのありました「やまぐち自閉症・発達障害支援センター」など、関係機関との連携を深めまして、障害のある児童生徒の自立と社会参加に向け、障害児の教育の充実に取り組んでまいります。

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7.子育て支援について

久保田 本県は、「子供を大切にする子育て先進県」をめざし、子育てを社会全体で支える施策の重点化・加速化を図るとして、15年度の重点施策として、子育て・少子化対策に取り組んできているところですが、県民ニーズに合致した総合的施策を来年度さらに充実させる必要があると考え、以下2点の質問をいたします。

(1)子育て親子交流の場づくり

久保田 核家族世帯やひとり親とこどもだけの世帯が増加する中、身近な地域で気軽に集える場があって、子育ての喜び、楽しさを語り、同じような不安や悩みを共有しあう仲間と出会えることはとても大切と考えます。宇部市では、市内の百貨店の協力を得て、市、県、NPO法人との連携のもと、子育てほっとサロンが一週間に3日運営されており、開設から2年間で、11月末までに約4800人という多くの利用者があり、利用者アンケートでは、悩みを話せてほっとした、子育て仲間ができた、雨の日に遊ばせるところができたなどの声が寄せられています。このようにニーズが高いので10月からは週4日の運営となっています。下松市でも同様の取り組みがスタートされ、山口市、豊浦町でも今年度、開設されています。
 このようにニーズに合致し、成果がでている施策は、今後より一層充実拡大させていくべきであり、設置にあたっては、多面的な効果も期待できる仕組みづくりが重要と考えます。たとえば、商店街の空き店舗や中心市街地にある空きビルの一画を活用して、子育て支援と商店街の活性化を図る、あるいは、民家を活用して高齢者障害者のデイサービスと共有した子育て広場とし、地域福祉の拠点化とするなど、国の補助制度を利用し、山口方式として子育て親子交流の場づくりの更なる充実を図るべきと考えます。ご所見をお伺いいたします。

二井知事 次に、子育て支援に関し、子育て親子の交流の場づくりについてお答えをいたします。
 近年、核家族化が進行する中で、子育てに悩む親が増えておりますことから、子育て中の親子が気軽に集い、打ち解けた雰囲気の中で、子育ての悩みについて相談し合う場づくりが必要であると考えております。
 このため、身近な地域での子育て支援策として、今年度から、空き店舗や公共施設を活用した「地域子育てにこにこ広場事業」を創設をしたところでありまして、これまで利用者から評価もいただき、商店街や地域の活性化にも寄与しております。
 今後とも、実施主体である市町村と連携をし、身近な子育て支援の場としての本事業の拡充に努めてまいります。
 また、こうした施設や人材等の地域資源を活用した子育て親子交流の場づくりにつきましては、現在、県としても、高齢者・障害者のデイサービスと児童クラブ等の子育て支援サービスを身近なところで総合的に受けられる拠点づくりなど、世代を超えた交流と支え合いを実現する山口県らしい仕組みについて、市町村や関係団体等とも連携をしながら、検討いたしているところであります。
 子育て親子の交流の場づくりにつきましては、地域社会全体で子育てを支援していく上からも重要でありますので、今後とも、その充実に努めてまいります。


(2)児童クラブの充実強化

久保田 日本の労働力の約4割は女性であり、山口県の就労者をみても、平成12年の国勢調査によると、43.4%と同様となっています。働く母親が増加しており、今後もこの傾向は続くと予測されることから、子育てと仕事の両立支援は重点施策であり、なかでも、児童クラブの充実強化は重要です。本県においては、平成15年5月現在、262の児童クラブが開設されており、県単独事業としても、小規模児童クラブへの支援をしており、年々、開設数が増加しています。しかし、それにもまして、働く母親の増加のスピードは速く、地域の児童クラブへ入会できない待機児童は解消されておりません。待機児童数は、全県で平成15年度75人となっており、大都市周辺と比べれば少ないといえますが、年度当初の申し込みの時点で、定員オーバーとなれば、空きがでるまで待機するわけにいかず、児童クラブを断念される例も多くみられます。
  したがって、今後も、児童クラブの開設数の増加を着実に図っていく必要があります。あわせて、質的向上を図る事が重要と考え、いくつかの提案をいたします。まず児童クラブ指導者を職業的に確立させ、安定的な身分保障をすること、児童クラブ指導者は教育者と保育者を兼ね備えた重要な役割が求められており、子供の安全確保はもとより、あたたかい家庭的雰囲気の醸成につとめられていますが、1年契約の不安定な非常勤ではなく、県による認定資格制度を確立し、児童クラブ指導者を専門家として安定的な雇用形態を確保すべきではないでしょうか。また、児童クラブの開設にあたっては、屋内だけでなく屋外の遊び場の確保、本、ビデオなどの教材の充実、障害児を受け入れるための施設改造費の補助、さらに、現在、取り組まれている生涯現役人材活用事業をより積極的に運用し、児童クラブの日常的な活動での支援をしてはいかがでしょうか。
  たとえば、絵本の読み聞かせや折り紙や工作など遊びの指導などで高齢者によるサポートがあれば、世代間の交流にもつながります。今年度は20クラブ、延べ人数768人がボランテイア指導されたこととなっていますが、これは全体数の1割にもみたないほんの一部のクラブにすぎません。高齢者によるボランテイア指導を受けたクラブでは、子供たちがとても喜んだとお聞きしています。児童クラブの量的拡大とともに、質的向上、ランクアップのための総合支援施策が必要と考えますが、ご所見をお伺いいたします。

石津健康福祉部長 子育て支援についてのお尋です。まず、児童クラブについてのお尋ねでございます。
 児童クラブの拡充につきましては、これまで「やまぐち子どもきららプラン21」に基づきまして、その設置促進に努めているところであり、今後とも、市町村との緊密な連携を図りながら、鋭意取り組んでまいります。
 また、児童クラブの指導員の処遇につきましては、実施主体であります市町村において、設置の実情に応じて対応がなされるものでありますことから、県としての認定資格制度については考えていないところですが、児童クラブの適切な運営が図られますよう、必要な助言、指導を行いますとともに、社会福祉研修所における専門的な研修等を通じまして、資質の向上に努めてまいります。
 さらに、児童クラブの活動内容の充実を図るため、高齢者をボランティア指導員として活用するこれまでの取組に加えまして、地域において様々な活動をされている方々の参加による世代間交流を促進いたしますとともに、遊び場の確保や教材の整備などの取組が一層図られるよう、市町村に対し、指導・助言してまいりたいと考えます。
 県としては、今後とも児童クラブの充実強化に向け、こうした指導・支援に総合的に取り組んでまいります。

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8.青少年の心のケアについて

(1)各種相談機関の連携強化等

久保田 ストレスの多い現代社会にあって、不登校、家庭内暴力、ひきこもり、PTSD(心的外傷後ストレス障害)など、思春期における心の問題が広がりを見せていますが、さらに、青少年による凶悪犯罪の多発は、それが深刻さを増していることを示していると思います。
 青少年が心身ともに健やかに成長するためには、家庭や学校が安心で安全であること、親も子供も、地域社会の中で孤立することなく、それぞれ豊かな人間関係の輪をもつことが基本になると考えますが、それらが十分に確保されていない現実を直視して、青少年の心のケア体制を充実させることが求められていると考えます。
 現在、学校では、生徒指導を中心とするスクールカウンセラーや心の教室相談員が配置されており、地域では市町村の保健センターや保健所、児童相談所、ふれあい教育センター、少年サポートセンターなどの関係相談機関があります。それぞれの相談機関において、たらい回しされることなく、適切な対応ができるように,各種相談機関がお互いに連携を強化するとともに、それぞれの担当者のレベルアップが重要です。さらに、専門機関に行く前に、身近な地域で気軽に相談ができるような地域づくりも必要と考えますが、ご所見をお伺いいたします。

松原環境生活部長 次に、青少年の心のケアについて各相談機関の連携強化等に関するお尋ねであります。
 お示しのとおり、近年、ひきこもり、不登校、家庭内暴力、青少年犯罪などが社会問題化している中で、青少年の心のケアが重要な課題となっております。
 このため、県としましては、青少年の抱える様々な問題に応じて、精神保健福祉センターや児童相談所、健康福祉センター等の相談機関及び学校、警察等の関係機関における相互の連携体制を構築し、心のケアに当たるとともに、各相談機関においてより緊密で質の高い相談対応ができますよう、担当者の研修や情報交換の場づくりに努めているところです。
 また、地域における取組としましては、「地域の子どもは地域で育てる」をスローガンに、青少年育成県民会議や市町村民会議を中心に、青少年に対する声かけ運動を実施するとともに、青少年の自然体験活動、ボランティア活動等への参加促進の取組を進めております。
 さらに、民間との協働による、子どもの悩みや思いを聞く専用電話、いわゆる「チャイルドライン」の開設や、専門的知識を有する「青少年育成アドバイザー」と連携しました、地域における支援ボランティアの開拓や育成等についても検討しているところであります。
 県としましては、今後とも、関係機関の一層の連携を図るとともに、身近な地域における相談・支援体制の充実に努め、家庭・学校・地域と一体となって、青少年の心のケアの問題に積極的に対応してまいります。


(2)精神保健福祉センターの充実

久保田 県の精神保健福祉センターは、昭和47年に県立病院静和荘に併設され、精神保健福祉に関する本県唯一の中核的専門指導機関として位置づけられ、重要な役割を担ってきました。今日、業務は拡充されてきており、その役割はますます重要なものとなっています。精神保健福祉センターにおける相談状況全体をみても、相談総数の増加とともに、これまでの統合失調症やそううつ病などの精神疾患から、多様な心の問題が増えており、とくに、12歳から19歳までの思春期相談の件数は、ここ数年、ひきこもりが急激に増加しています。平成13年度208件の思春期相談が14年度は370件となり、そのうちの約8割がひきこもりや不登校についての相談となっています。
 昨年5月にだされた県精神保健福祉審議会の意見では、精神保健福祉センターが、専門家や関係機関の組織化を行うこと、調整機能や振り分け機能をもつことを求めています。精神保健福祉センターは、静和荘の建て替えスケジュールに併せて、移転時期が検討されていますが、青少年の心のケアの充実強化についてその役割と今後のありかたについてお伺いいたします。

石津健康福祉部長 次に、青少年の心のケアに関して精神保健福祉センターについてのお尋ねでございます。
 精神保健福祉センターにおきましては、精神保健に関する中核的な機関として、これまで青少年を対象とした専門的なカウンセリングやグループワークの実施、さらには不登校の家族会の育成など、心の問題に対応してきたところです。
 こうした中、近年、社会の複雑化などによりまして、青少年のひきこもりなど、多様な心の問題へのより専門的な対応が求められてきたことから、昨年度、精神保健福祉審議会のご意見も踏まえ、今後重点的に取り組むべき課題等を盛り込んだ整備方針を策定し、お尋ねの青少年の心のケアにつきましても、専門機関としてその対応の強化を図ることとしたところであります。
 今後、この整備方針に基づき、さらにきめ細かく青少年の心のケアを行うことができるよう、複雑困難なケースへの適切な対応を図るためのケア会議の設置等による専門家の組織化、児童相談所等の相談機関との事例検討会議の開催などによりますコーディネート機能の強化、さらには市町村や健康福祉センター等への専門的な技術指導援助、精神保健関係者等に対する研修の充実などに努めてまいることとしております。

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