久保田 私は、先般、大きな交通事故現場に遭遇しました。パトカーのほか、救急車とドクターカー、消防のレスキュー隊が来て懸命な救助活動が行われ、けが人は無事救出され病院へ搬送されました。私は現場に立ち会って、いくつか疑問に思うことがあったため、その後、救急救命体制について関係機関で調査をいたしました。それを踏まえて、本日、質問をします。
山口県では、平成14年度の救急出動件数は53、935件、搬送人員は51、737人、いずれも前年比で約6%の増加となっています。一日では、平均147,8件、9,7分に1回の割合で救急隊が出動したことになります。これは、10年前と比べて、約5割の増加となっており、全国の増加率を上回るものであり、人口1万人あたりの出動件数では、全国第9位となっています。
また、心臓や呼吸が止まる心肺停止に陥った救急患者は、県内では毎年約1200人も発生しており、これらの方々の命を救うには、一刻も早く的確な手当てが必要です。
本県の救命率は、平成13年度は3,7%と、全国平均5,6%と比べて大変悪い状況でしたが、その後、徐々に向上し、15年度は、5,8%まできたところです。
救急車の現場到着までの所要時間は、山口県平均で6,5分、全国平均と同じです。救急隊から医療機関に搬送されるまでの所要時間は、平成14年度、25,4分、全国第10位と、健闘していると思いますが、心肺停止から一分ごとに救命率が10%ずつ落ちていくといわれるように、救命は時間との戦いであり、山口県は、高齢化が全国平均より約10年早いスピードで進んでいることや交通事故の増加からも、本県の救急救命体制のさらなる充実が必要と考え、以下3点お尋ねいたします。
(1)ドクターカーの導入促進
久保田 救急車に医師が同乗するシステム、通称ドクターカーは、県内では、宇部市消防本部と山口大学医学部付属病院の相互協力によって、平成15年8月から運用が開始されました。心肺停止などの重篤患者が発生した旨の119番通報があった時に、同病院の医師が宇部市消防本部の救急車に同乗し、救命処置を行うものです。
私は、先般、運用システムを視察しましたが、運用の成果は、当初の予想以上のものとなっており、心肺停止となった方が、みごと社会復帰した例もあるとのことです。
救命率、生存率をあげるためには、救急隊員の資質の向上はもちろんですが、医師がいかに早く患者に接することができるかがポイントになるといわれています。
そこで、ドクターカーによる救命率向上を宇部市民だけでなく、ひろく県民が共有できるようにすべきと考え、提案をいたします。
救命救急センターをもち、高度な救命医療を行う県立中央病院と岩国医療センターにおいても、地元の消防本部との連携によって、ドクターカーの導入を進める必要があると考えますが、ご所見をお伺いいたします。
また、宇部市でのドクターカー運用は、大学病院の協力によってなりたっており、宇部市も病院も特別予算はなく、現体制の中で行われているため、平日の9時から17時まで、宇部市内のみの出動となっています。
今後、運用時間の拡大や宇部市外への出動なども求められることから、県も、三次救急医療の充実として、ドクターカーの運用拡大にむけて支援してはいかがと思いますが、ご所見をお伺いいたします。
石津健康福祉部長 重篤な救急患者に救命処置を行い救命救急センターへ搬送するドクターカーの配置は、救命率の向上に寄与することから、救急医療の充実を図る上で望ましいことであると考えております。
お尋ねの救命救急センターをもつ県立中央病院と岩国医療センターへのドクターカーの導入につきましては、乗車する救急専門医の確保や養成、ドクターカーの出動対象地域が広範にわたることに対する効果的な搬送方法、医療機関と消防機関との調整などの検討すべき課題がありますことから、今後、有識者からなる県医療対策協議会の救急医療専門部会等の検討課題としたいと考えております。
また、宇部市のドクターカーの運用拡大につきましては、山口大学医学部附属病院における救急専門医や、宇部市消防本部における救急隊員の確保や養成、さらには、ドクターカーが対象とする区域の検討や、出動対象地域の拡大に伴う関係消防本部との管轄区域に係る調整などの課題がありますことから、今後、こうした課題について、関係市町村、消防本部、医療関係者等からなる地域医療対策協議会で協議を行ってまいりたいと考えております。
久保田(再質問) 救命救急センターのドクターカーの活用は重要である。本県では救急医療体制に地域格差がある。他県では1つの医療圏に複数の救命救急センターがある場所もある。
今後、部会で検討することとなっているが、先送りしないよう再度お尋ねする。
石津健康福祉部長 救急医療体制に関してでございますけれども、検討課題にするということは、どうして充実していくかという方向でございます。
(2)メディカルコントロール体制と救急救命士の増員
久保田 救急救命士制度が導入されたことで、救命率は格段に向上されており、救急救命士の必要性は疑う余地はありません。
救急救命士は、法改正によって、昨年4月からは、医師の個別指示なしで電気ショックを行えるようになり、今年7月からは医師の指示によって気道へのチューブ挿入が行えるようになります。さらに、平成18年4月を目途に、医師の具体的指示に基づき、救急救命士に薬剤投与、エピネフリンという心肺再開のための強心剤を認めることとされています。
このように救急救命士の処置範囲が拡大していく中で、救急救命士の知識・技能の向上や医師、救急病院との連携はこれまで以上に重要になっていることから、メディカルコントロール体制の構築が進められています。
そこで、医師の指示により、救急救命士が救命処置を行うメディカルコントロール体制における現状の課題と今後の取り組みについてお伺いします。
また、県内の69の救急隊には、救急救命士が201人配置されていますが、この数字は、消防庁が示している救急救命士の充足目標の97,1%にとどまっています。
救急は、市町村業務ですが、救急隊は、医療機関との連携によって、救急救命業務を完結させます。山口県の救急医療は、山口県保健医療計画にもとづいて、保健医療圏ごとに実施されていることからも、県と市町村は連携して、救急救命体制の充実に総合的に取り組んでいかなければなりません。
そこで、各救急隊に救急救命士が適正に配置されるとともに、充足目標100%以上をめざして増員していく必要があると考えますが、ご所見をお伺いします。
瀧井総務部長 まず、メディカルコントロール体制についてでありますが、心肺停止患者の救命率の向上を図ります上で、救急救命士の処置範囲の拡大は極めて有効であります。この拡大に当たりましては、救急救命士が医師から指示を受ける適正な管理体制、いわゆる、メディカルコントロール体制の整備が求められており、救急救命士の資質向上と医療と救急搬送の円滑な連携が課題であると考えております。
このため、本県におきましては、消防機関と医療機関からなります「山口県救急業務高度化推進協議会」及び県内の救命救急センターを中核といたします3つの「地域メディカルコントロール協議会」におきまして、医療機関と消防機関の連携のもとで、救急救命士が行った医療行為の事後検証や病院実習などの再教育に取り組んでいるところであります。
また、今年度から、医師と現場で実地教育を行います「ワークステーション教育」や気管挿管講習を開始することといたしており、気管挿管の実習等につきましても、その具体的な対応について、現在、検討を進めているところであります。今後とも、こうした協議会を中心といたしまして、メディカルコントロール体制の充実に努めてまいります。
次に、救急救命士の配置状況と増員についてのお尋ねでありますが、救急救命士につきましては、これまで、財団法人救急振興財団の養成所に派遣するなど、その養成と確保に努めてきたところであり、消防本部におけます有資格者は201名に達しております。
現在、県内69の救急隊のうち、46隊には常時、救急救命士が配置されている状況にございますが、今後、全ての隊において常時配置ができますよう、政令指定都市設置の養成機関への派遣や有資格者の採用にも積極的に取り組むなど、関係消防本部と連携を図りながら、救急救命士の確保に努めてまいります。
(3)二次救急医療体制の充実
久保田 二次救急医療病院は、手術や入院治療を必要とする重症救急患者を担当する身近な医療機関ですが、県内9つの医療圏で64病院あります。そのうち、43病院で、休日・夜間受け入れのための輪番制をとっていますが、地域間での実施体制のばらつきや、救急患者数の格差があり、年間24,000人近くを受け入れるところから、1000人に満たないところもあります。
救急患者の発生の実態からみると、夜間より昼間が多いことから、通常の診察時間帯での救急患者の受け入れも多くなっています。
しかも、通常の診療業務においても、患者数が多い、地域の中核的な総合病院が、救急患者も多く受け入れている実態があります。
行政からの支援としては、休日・夜間の当番となった病院に対して、一日73、690円が一律に支給されます。
そこで、お尋ねです。急増する救急患者への的確な対応をするためには、二次救急医療体制の充実はきわめて重要であることから、救急車・救急患者の受け入れ実績から、地域の中核的な病院を指定し、救急医療スタッフの充実や救急車とのホットライン開設などの支援をし、本県の二次救急医療体制の充実を図るべきと考えますが、ご所見をお伺いします。
石津健康福祉部長 救急医療体制の確保は、県民の方々が安心して暮らしていく上で重要でありますことから、県におきましては、いつでも、どこでも適切な救急医療が受けられることを目標に、地域の特性にあった効率的な救急医療体制の整備に努めてきているところであります。
こうした中、救急医療の中心的役割を果たす二次救急医療につきましては、365日、24時間体制で救急医療を提供できる医療機関の確保が必要でありますが、単独の医療機関でこの役割を担うには、救急病床や医師の確保に限界がありますことから、本県におきましては、これまで医療資源を効率的に活用できる病院群輪番制により、対応してきているところであります。
したがいまして、二次医療圏において特定の病院を中核的な救急病院として指定することは困難な状況でありますが、救急医療のさらなる向上のため、お示しの救急医療スタッフの充実や、救急車と病院との緊密な連携のための、より迅速な連絡方法等については、地域医療対策協議会等で検討を行い、医療圏ごとの特性にあった体制の整備を促進するとともに、救急医療関連事業の拡充について国に要請していきたいと考えております。
今後とも、医師会等関係団体や市町村との連携を強化し、救急医療体制の充実に取り組んでまいります。
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久保田 疲弊している地域経済を活性化させるためには、新事業の展開や新産業の創出が不可欠ですが、近年、企業ニーズと大学・公的研究機関などの技術シーズのマッチングによって、新事業を起こそうとする産学公連携推進の動きが各地で広がっています。
昨年、岩手県を視察した際、岩手大学を訪問し、産学公連携の積極的取り組みが人の交流を広げ、地域社会に活力を与えていることを学びました。
本県でも、平成14年11月に産学公連携のアクションプログラムを策定し、山口大学、山口県産業技術センター、経営者団体などと県、やまぐち産業振興財団によって構成されている産学公連携イノベーション創出委員会を中心として、共同研究、特許出願、技術移転、大学・高専発ベンチャー創出などに積極的に取り組んできています。
そこで3点お尋ねいたします。
(1)コーディネート機能の強化
久保田 産学公連携の推進において、コーディネーター・アドバイザーによるコーディネート機能は要になると考えます。
企業や大学などへの積極的な訪問をはじめとして、各組織における産学公連携に関する情報提供・情報交換、そして、企業ニーズや研究シーズの把握と適切なマッチングの実施、事業化プロジェクトの推進など、産学公連携の成果はコーディネート技術にすべてがかかっているともいえると思います。
そこで、コーディネート機能の強化について、今後よりいっそう積極的に取り組むべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
伊藤商工労働部長 県におきましては、昨年度から、やまぐち産業振興財団に「産学公連携コーディネータ」を8名配置し、企業ニーズと大学・高専等の技術シーズのマッチングを行っているところであります。
ちなみに、昨年度は、企業や大学等の訪問により、21件のコーディネートがなされるとともに、徳山高専を中心とした「ICタグ」の実用化に向けた産学公の研究会が立ち上がるなど、一定の成果が上がりつつあるところであります。
今後は、コーディネータ相互の連携強化や資質の向上を図るため、コーディネータ・アドバイザー会議の充実を図るとともに、全国レベルの交流会にも積極的に参加するなど、コーディネート機能の一層の強化に努めてまいります。
久保田(再質問) 岩手大学は、滝沢村、北上市そして他の市町村含めて県内7市と相互友好協定や大学への人事派遣、寄付講座を進めていて、かなり県庁がコーディネーターとなっていると伺っている。本県においても一生懸命取り組んでいると思うが、コーディネート力を県が発揮し、市町村の産学公の連携に、市町村の参加の促進していただくよう改めてお尋ねする。
伊藤商工労働部長 産学公コーディネーターは、財団・市町村・商工会議所等々ございますので、今後とも県が中心的役割を積極的に果たしていきたいと思っております。
(2)公設試験研究機関との連携強化
久保田 本県の公設試験研究機関は、産業技術センター、環境保健研究センター、農業試験場、畜産試験場、林業指導センター、水産研究センターと6機関あり、地域の産業、生産者などのニーズにあった効果的な技術支援や研究開発をすすめ、地域に密着した試験研究機関としての役割を果たすこととされ、産学公連携の推進にあたって、役割が期待されています。
実績として、産学公の共同研究テーマ数は、15年度において産業技術センターの22を筆頭にして合計59、各機関が保有する特許件数は15年度末時点で、31件、そのうちの12件は、民間企業による実用化が進められています。
しかし、各公設試験研究機関でだされている事業報告や研究報告を見ますと、社会的ニーズに合致した優れた研究成果が、研究発表にとどまり、産学公連携による事業化への流れになっていない例もみうけられます。
各機関において、産学公連携推進への体制づくりと相互の連携を強化し、研究成果や開発した特許の活用に積極的に取り組むべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
伊藤商工労働部長 まず、産学公連携の取組につきましては、これまで、産業技術センターにおいて「省エネルギー化を目指したエンジン部品の表面処理技術」や、農業試験場において「プラスチックのリサイクル技術を活用したイチゴの栽培装置」などの新技術、新製品が開発、商品化されてきたところであります。
また、各機関の連携につきましては、6つの機関で構成する「試験研究機関技術交流協議会」において、試験研究評価システムや、共通する研究課題に関する情報交換を行っているところであり、食品分野につきましては、「食品共同研究センター」を中心に研究開発を進めているところであります。
今後は、各機関の窓口となる企画情報室のコーディネート機能の一層の向上を図るとともに、各機関がそれぞれ保有する企業ニーズ等の情報の共有化を図り、食品以外の分野における研究開発の可能性についても、「技術交流協議会」において、検討していきたいと考えております。
さらに、「産学公技術交流会」に全ての機関が新たに参加するなどして、特許や研究成果の事業化を推進してまいります。
久保田(再質問) 公設研究機関との連携強化について、環境保健研究センターの調査研究報告において、「葦を原料とした活性炭の吸着特性と水処理実験」と「葦を用いた環境学習プログラムの作成」というたいへん優れた研究成果があり、是非企業化するか或いは環境NPO等での活用ができないかと考えたが、研究発表にとどまっており、大変残念に思いました。このような事例がいくつもまだまだあるのではないかと思う。そこで改めてお尋ねするが、各機関で導入している外部評価制度において、産学公連携の推進の取組をきちっと重要評価項目として位置付け意識を高めてもらいたいと思うので、お尋ねする。
伊藤商工労働部長 試験研究機関の研究成果を外部評価制度の対象として取り上げていけばどうかとのご意見でございますが、これにつきましては、関係部局と調整してまいります。
(3)市町村との連携強化
久保田 宇部小野田地区では、産学官連携協議会が開催されており、宇部市では、山口大学への職員派遣やメデイカルクリエイテイブセンターならびに中小企業事業化支援施設を設置し、産学公連携による新事業・新産業創出に積極的に取り組んできています。
地方分権や市町村合併が進展する中、経済活性化だけでなく、地域資源の発掘や有効活用といった地域社会の活性化の観点からも、産学公連携の取り組みは重要と考えますが、県内市町村全体では、かなり取り組みに温度差が見えます。
そこで、産学公連携の機運の醸成や地域での具体的な活用情報などの提供に、力を注ぐ必要があると考えますが、今後、市町村との連携強化をどのように進めるのか、ご所見をお伺いいたします。
伊藤商工労働部長 県におきましては、平成14年度から県内5地域で開催しております「産学公技術交流会」を市町村や商工会議所と共同で実施するなどして、情報提供や機運醸成に努めているところであり、こうした中、宇部市、下関市、周南市において、町村や地域の産業界が中心になった独自の交流会が発足しているところであります。
お示しのとおり、市町村における産学公連携の取組には温度差もありますことから、「産学公技術交流会」を引き続き共同で開催するとともに、県の「産学公連携情報ホームページ」等で先進的な取組を紹介するなど、情報提供や機運醸成に努め、市町村との連携を強化してまいります。
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(1)国際チャーター便の運行促進による国際化の推進
久保田 私は、本県がすすめている外資系企業誘致、国際観光、国際交流の3部門の事業との連携強化によって、国際チャーター便を運行し、山口宇部空港の国際化を推進してはいかがと考えます。
たとえば、企業立地推進室においては、15年度から外資系企業誘致推進事業がスタートし、東アジア地域、特に中国と韓国を対象に外資系企業の誘致に取り組んでおり、16年度はさらに拡充されています。今年度、中国山東省と韓国慶尚南道、釜山広域市を誘致対象地域としてしぼりこみ、対日投資説明会の開催や現地企業との個別折衝などが計画されています。
国際観光では、中国山東省などの観光客誘致の推進として、説明会、旅行エージェントの招聘などが予定されています。
国際交流においても、東アジア諸国などとの重点的な交流の推進として、中国山東省、韓国慶尚南道との相互交流が掲げられています。
これら企業誘致国際化戦略や国際観光、国際交流への取り組みを実施日程の調整や内容の共同化などを図り、チャーター便の運航につなげられないのでしょうか。
県政の基本指針であるやまぐち未来デザイン21では、国際チャーター便の運航促進を明示していますが、残念ながら、国際チャーター便の実績は、平成4年度に年間18回がピークで、それ以降は、減少していき、平成13年度でゼロまで落ち込み、平成14年度に少し増加して6回となりましたが、15年度は、たった1回のみでした。
近県の地方空港における国際チャーター便の利用促進は、福岡空港はもとより、出雲空港、岡山空港、松山空港、大分空港、佐賀空港などが積極的であり、また、平成18年には、北九州市が24時間利用の新空港を開設し、国際化路線を強化することが予想されます。
近隣自治体間の競争が激しくなっている中、現状のままでは、山口宇部空港の国際化は進まず、地域経済への波及効果は乏しく、将来の国際定期路線開設のためにも、国際チャーター便の運航実績を重ねていく必要があります。国際チャーター便の運航促進によって、山口宇部空港の国際化を推進すべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
二井知事 近年発展の著しい東アジア地域との経済・観光などの交流促進は、本県経済に大きな波及効果が期待されますことから、その交流の基盤となる国際航空路線の確保は重要な課題であります。
このため、これまで、動物・植物検疫飛行場として指定を受けますとともに、国際定期路線の開設を視野に入れた、国際チャーター便については、過去10年間で、韓国、中国を中心に70回の運航実績を重ねてきたところであります。
しかしながら、昨年度は、アジア地域におけるSARSや鳥インフルエンザの発生などによりまして、当初計画をされました4件が中止となったところであります。
県といたしましては、航空会社や旅行代理店とともに設置をいたしました「山口宇部空港チャーター便運航促進協議会」において、姉妹都市交流や企業研修、県人会、修学旅行等による国際チャーター便の利用を積極的に促進をしているところであります。今年度は、防府市から韓国への交流派遣が具体化されたところであります。
ご提案のあっりました県事業の調整によるチャーター便の運航については、受入側の事情や採算に見合う人員の確保など、調整を要する事項が多くありますことから、次年度以降の検討課題と考えております。
今後とも、山口宇部空港利用促進振興会との連携を強化し、できるだけ多くの国際線チャーター便の運航に努め、山口宇部空港の国際化を推進してまいりたいと考えております。
久保田(再質問) 山口宇部空港の問題ですけれど、今日お手元にお届けしました、左側の「世界に広がる山口宇部空港」、なんと素晴らしい言葉かと思いますが、山口宇部空港整備拡充期成会のパンフレットに大きく出ておりました。
この約200億円かけて、滑走路2500m化がなされて、10年間で70回のチャーター便という実績で、何とも寂しい限りだなというふうに思いました。
SARSとかいろんなことがあったにしても、他県の状況を見ますと、そういう、13年度、山口県が0になった時でも、岡山空港は92便、出雲空港では50便ですね。ですから、なんだかんだ出来ないんだということばっかりが、先になっていないでしょうか。
やるんだと、このパンフレットに掲げているように、何のために2500m化したかという、ひとつ、やはり、山口宇部空港を国際化しようという、そういう目標があったからだというふうに思っております。
最近の夏に向けて、各新聞を見ますと福岡空港から出発する特別便チャーター便の旅と大きく出て、その下に、九州各地発着の旅ということで随分いろんな空港、熊本空港発、あるいは、長崎空港、佐賀、大分とずっとありますが、まあ、全部は、ご紹介できなかったので、このように少しご紹介いたしましたが、これほど、熱心に九州各地の空港は取り組んでおります。
そこで、私の提案は来年度に向けての検討ということで、それは、やむを得ないと思っておりますが、是非、庁内で今年度中に特別プロジェクトを立ち上げていただいて、17年度は、必ず、国際チャーターを1便どころではない、今年度は、1便予定があるということでしたけど、是非、積極的にやっていただきたいと、この投資された山口宇部空港を最大限活用すると、北九州空港の問題が、朝、松原議員さんの方からも出されたように、本当にこのままでは、山口宇部空港は、十分機能を発揮できないというふうに思って懸念をしておりますので、改めてこのプロジェクトチームの編成について、お尋ねをいたします。
二井知事 他県の例をあげて御質問がありましたが、山口県の場合、なぜチャーター便が進まないのか、どうしたらうまくいくのか、十分検討していきたいと考えております。
先ほど御答弁の中で申し上げましたように、「山口宇部空港チャーター便運航促進協議会」というのがありますから、プロジェクトチームを改めて作らないといけないのかどうかということは、また、別途検討いたしますが、いずれにいたしましても、内部でそういう組織もありますから、十分検討していきたいと思います。
伊藤商工労働部長 山口宇部空港に関連して、庁内プロジェクトをということでございましたが、これにつきましても検討してまいりたいと考えております。
(2)県民活動団体による空港会館の利用
久保田 かつての旅客ターミナルビルである空港会館は、国際線専用ターミナルとして残されていますが、このように国際チャーター便が運行されない現状と、今後、運行されたとしても、急激に増加するとは考えにくいことからも、年間を通して、ほとんど利用されない状況が、残念ながら、当分は継続されると思われます。
そこで利用されない期間、騒音問題でご負担をかけている地域住民や県内各地で広がっているNPOなどの団体が会議やイベントなどで利用できるように空港会館の県民利用を制度化できないでしょうか。ご所見をお伺いいたします。
伊藤商工労働部長 空港会館は、チャーター便の運航業務など、本来業務に支障がない場合には、県民の皆様のイベントや集会、展示などの会場として、利用していただくことにしており、利用にあたっての基準や使用料、手続きなどを定めているところであります。
しかしながら、お示しのように、利用が進んでいないことから、今後、施設の仕様や設備、使用方法等をわかりやすく紹介するパンフレットやホームページなどを作成し、PRに努めてまいります。
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(1)大学・短期大学などへの現役合格率の向上
久保田 山口県教育委員会は、平成15年3月の公立高等学校卒業者の進学状況を調査し、今年3月に結果を公表しました。このような調査がなされたのは初めてのことです。
その調査結果によりますと、公立高等学校全日制67校全体で、希望する大学に現役合格できず、予備校に入学した生徒は1、277人にのぼり、とくに100人以上が予備校生となった高校は5つもあり、徳山高校、宇部高校、下関西高校、山口高校、豊浦高校となっています。これらの高校では、現役合格は5割から6割にとどまっており、4割の生徒が卒業後の進学は、予備校です。
また、過去の卒業生で予備校に通うなどして合格にいたった生徒は、15年3月時点で1、051人にのぼっています。
高等学校3年間の教育課程において、自分のめざす大学に合格できるかどうかは、本人の努力はもちろんですが、学習指導のありかたや進路指導のありかたも大変重要と考えます。
県教委は、一人ひとりを大切にする教育や、特色ある学校づくりを推進していますが、生徒が志望する大学や短大へ現役で合格できるように、教育プログラムを充実させることも必要なことではないでしょうか。
大学・短期大学などへの進学を希望する生徒が9割以上いる県立高校において、3年間では合格できず、高校卒業後1年間あるいはそれ以上の場合もあるかもしれませんが、予備校に通って志望校に合格するという状況が定着し、広がっていくのであれば、保護者にとっては、新たな経済的負担となりますし、生徒のチャレンジ精神や進路選択にも影を落とします。
知事ならびに教育長は、このような実態をどのように評価されているのか、また、大学・短期大学などへの現役合格率の向上にむけて、今後の対策をお伺いいたします。
二井知事 私は、高校生が自己の適性や興味・関心に基づき、目標を持って希望する大学に入学できることが望ましいと考えております。
従いまして、本県の高校生の現役合格率が低いというお示しにつきましては残念なことと思っております。その状況等については、教育委員会において調査・分析をし、対策を講じていただきたいと考えております。
私としては今後とも、教育委員会と連携をとりながら、生徒一人ひとりの夢の実現に向けて、できる限りの支援をしていきたいと考えております。
藤井教育長 生徒一人ひとりが、自己の適性や興味・関心に基づきまして、将来への夢をもって主体的に進路を選択し、進学や就職において希望する進路を実現することが重要であると考えております。
お尋ねの現役合格率につきましては、全国のデータがないため、比較はできませんが、生徒や保護者の希望に応じて、より現役での合格をめざすということから、各学校によって違いはありますものの、全体としては、課題であると受けとめております。
このため、県教委といたしましては、昨年度「高等学校卒業者進学状況調査」を実施いたしますとともに、各学校における進学指導の状況を把握し、その分析を行いまして、校長会や各種会議により、その取組みの強化を指示したところであります。
さらに、本年度は、各学校における進路指導体制がより一層強化されますように、管理職を対象とした研修会において、進路指導計画の改善・充実を指導いたしますとともに、進路指導担当者などを対象とした研修会を通して、教員の担当教科の専門性の向上や進路指導のスキルアップに努めてまいります。
また、新たに実施いたします、進学に関する意欲ある取組みを支援する「高校生進学チャレンジ支援強化事業」を積極的に推進いたしまして、その成果を県下の高校に広く普及してまいりたいと考えております。
県教委といたしましては、今後とも、現役合格率の状況、生徒・保護者のニーズ、各学校における取組状況を絶えず把握・分析しながら、生徒一人ひとりの夢の実現に向けて、きめ細かな進路指導の充実に積極的に取り組んでまいります。
久保田(再質問) 現役合格率の向上についてですが、約1か月前に写真週刊誌で大きく取り上げられました過疎化する県立高校、公立高校で蘇った県、沈んだ県ということで特集がありました。
残念ながら山口県は沈んだ県の一つとして大きく紹介をされていたわけでございます。
蘇った県としては群馬県、京都府ということになっておりますが、これらの学校ではかなりきめ細かな学習指導や進路指導といった取組みが着実に成果をあげているとのことでした。
先程、知事も残念なことと思うと、そして教育長も、やはり全体的課題であるというご認識をお示しいただいたわけですけれども、そしてさらに今後のお取組みを表明された。
そこで、これからは管理職、そして進路指導の先生方にいろいろとお取組みの強化が図られると思いますが、お尋ね申し上げますが、この取り組まれていくことを常に検証していかなければいけないと思います。プランを作ったらドゥーをやって、そして実際にチェックをしていくということをやっていかないといけないと思います。そういった意味では、そういういい循環になって取組みが進められていくのかお尋ねをいたします。取り組みます取り組みますということだけではなかなか十分ではないと思いますので、そのこともお尋ねいたします。
藤井教育長 現役合格率の向上についてのチェックでありますが、先程もお答えいたしましたように、それぞれ状況を絶えずチェック、点検、分析しながら進めていきたいと思いますし、マネージメントサイクルの定着を図るということですけれども、そういう姿勢で取り組んでまいります。
(2)司書教諭の配置と学校図書館の充実・活用
久保田 私は、先日、県立高校2校で、学校図書館の活用状況についてお伺いしました。両学校ともに、司書教諭がおかれたことで、学校図書館の活用が飛躍的にすすみ、生徒の図書貸し出し数が大幅に伸び、主体的・意欲的な学習活動が広がっていることがわかりました。
学校図書館法の改正によって、昨年度から12学級以上の学校において、司書教諭の発令が義務づけられたことで、今年度は、県内小・中学校、盲・聾・養護学校・県立高校615校のうち約三分の一にあたる222校に司書教諭がおかれました。しかし、生徒数の減少が進んでいる本県では、昨年度と比較して2校減少しており、司書教諭の配置が法的対象とならなかった学校のほうが圧倒的に多く、393校にのぼります。
昨年の9月県議会での私の質問に対して、教育長は、11学級以下の学校においても、司書教諭の資格を有する教員がいる学校においては、実情に応じて、活用が図られるように校内体制づくりに取り組むと答弁されていますが、具体的にどのように取り組まれているのか、司書教諭がおかれた学校とそうでない学校とで学校図書館の活用の格差は生じていないか、実態把握はされているのか、お伺いいたします。
また、訪問した学校図書館では、書棚に蔵書が不足しているところもありました。
本県の県立高等学校66校における昨年のひとりあたりの蔵書冊数を調べてみますと、鹿野高校がもっとも多く164冊、もっとも少ない高校は12冊です。生徒ひとりあたり図書購入費でみますと、もっとも高いのは、やはり鹿野高校で6、474円。もっとも低い高校で511円です。
県の図書関係予算の各学校への配分は、大規模校であれ、小規模校であれ、学校の規模にかかわらず公平に積算されており、学校の規模によって生徒の読書環境に格差が生じないように配慮されているにもかかわらずのこの実態です。原因分析と評価を求めるとともに、格差是正にむけての今後の対策をお伺いいたします。
藤井教育長 まず、11学級以下の学校における司書教諭の資格を有する教員の活用についてであります。本年度においては、有資格者のいる11学級以下の小・中学校170校中121校で、高等学校の15校中12校で、有資格者が図書館担当となっております。また、有資格者が図書館担当となっていない学校におきましても、図書館担当者と協力いたしまして学校図書館の充実に努めているところであります。
県教委といたしましては、引き続き有資格者の養成に努めながら、11学級以下の学校においても有資格者による学校図書館担当者の拡大を図ってまいります。
次に、学校図書館の活用に関する実態把握についてであります。
昨年度、司書教諭対象の研修会を開催いたしまして、意見交換を通じながら、司書教諭としての取組状況等の把握を行ったところですが、今後、司書教諭が置かれていない学校を含めまして、学校図書館の活用についての実態調査を行ってまいります。
次に、高等学校における生徒一人当たりの蔵書冊数と図書購入費についてでありますが、学校の創立年度による蔵書数の違い、生徒数の規模や大幅な減少、また、図書購入費の配分基準等から、学校ごとに差が生じております。
こうしたことから、今後、すべての県立学校におきまして、蔵書の点検を実施した上で、各教科での調べ学習等に必要な図書の計画的な整備を行い、学校図書館を活用した教育活動の充実に努めてまいります。
久保田(再質問) 次に、司書教諭の配置と学校図書館の充実・活用についてですが、教育長は、児童・生徒の心の教育に、より積極的に取り組まれると先城議員さんの御答弁の中にあったかと思いますが、心の教育の充実のために、是非、学校図書館を忘れないでいただきたい。インターネットの活用ももちろん結構でございますが、学校図書館の活用ということを私たちはもう一度考えてみる必要があるのではないか。良質な本と出会って、心静かに読書ができる環境、こういったものを学校教育の中で忘れてきてはいないでしょうか。私自身も振り返らなければいけないところでございますが、学校図書館というものが箱だけであったように記憶しております。私たち大人の責任で学校図書館をもっと豊かなものにしていくことで、子ども達の心が変わるのではないかと思います。
因みに、生徒数350人の学校の例で申し上げますと、司書教諭が配置されましたことで、それ以前、司書教諭が着任される前の図書貸し出し数が大幅に変わった。1年前には4人に1人が1冊を借りていた。つまり、84冊ぐらいしか貸し出し冊数がなかった。それが、司書教諭が配置された後、今年1月の1か月だけで、なんと316冊も貸し出しがあり、1年間で84冊、350人の学校で。それが、司書教諭の努力によって、こんなにも変わって、私もびっくりしました。図書館が生き生きと、いろいろな新しい本が、そして子どもたちが読んだらいいだろうなという本が手に取りやすい所に並べられています。やはり、そういった人の手が教育には必要だと思います。
ここでお尋ねをしたいと思います。蔵書の点検というたいへん大切な取組をいただくわけですけれども、何と言っても、校長、教頭、管理職の先生方の意識だと思います。県教委におかれては、いろいろな取組みを文書で出されたり、指導されるかもしれません。でも、学校現場は校長先生や教頭先生がどのように向き合っているか、先生が生徒にどうされているかで決まるといっても過言ではないと思います。そういった意味では、校長、教頭、管理職の認識を重視していただきたい。このあたりどのように指導されていくのかお伺いしたいと思います。
藤井教育長 学校図書館の充実についてでございますけれども、改善された取組み例を示していただきました。一つ、私からもこういう取組みがあるということを御紹介いたしますと、中学校の本年度35人以下学級を実施いたしました結果、中学校の図書館の活動が充実してきたという報告も受けております。そういうこともありますので、管理職の意識改革については、校長会や教頭会がございますので、それを通じて、改善された取組み例や効果等につきまして、研修あるいは指示していきたいと考えております。
(3)盲・聾・養護学校における専門性の向上
久保田 先般、障害児をもつ保護者の集まりに出席したところ、盲・聾・養護学校における専門性の向上を求める声が多く出されました。卒業後の社会参加や経済的自立のためには、今日の社会経済の変化や技術の進歩に対応した職業教育の充実が大変重要となっています。
その後、私は、2つの養護学校を訪問しました。そのひとつが、山口養護学校です。軽度の知的障害者を対象とした県下初で設置された産業科の実情を視察しました。校内には、本格的なリサイクル紙工芸の大型機械が設置され、フラワーポットの製作作業をはじめとして、陶芸や畑での野菜づくり、ビニールハウスでの園芸、また、ビルメンテナンス技術の作業実習と、多様なプログラムが実践されていました。
また、高等部においては、卒業後の生活のありかたを念頭に置きながら、社会生活へのスムーズな移行を計画的に行うための「個別移行支援計画」が作成され、きめ細かな指導と熱心な進路開拓に取り組まれていました。
そこで、お尋ねいたします。山口養護学校は、センター校の役割として、このすぐれた実践ノウハウを、県内盲・聾・養護学校に広く提供するとともに、各学校において、専門の外部講師、たとえば、福祉、農業・園芸、手工芸、コンピュータといった分野での多様な人材を活用した指導体制を構築し、職業教育や進路指導の充実を図るべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
また、やまぐち障害者いきいきプランには、今後、ほかの養護学校高等部にも、職業学科の設置を含め、職業教育の充実を検討するとされていますが、これまでの検討状況と今後の見通しをお伺いします。
藤井教育長 まず、職業教育や進路指導の充実についてであります。盲・聾・養護学校におきましては、障害の重度・重複化等に伴い、多様化します教育的ニーズに対応しながら、児童生徒一人一人が種々の困難を改善・克服して、自立し社会参加することができるように教育を進めております。
お示しのありました山口養護学校におきましては、平成14年、15年度両年度で国のモデル事業に取り組みまして、関係機関との連絡協議会を設置し、一人一人の支援計画を作成し、指導内容の改善・充実を図り、成果をあげているところであります。
県教委といたしましては、今後、このような山口養護学校における成果を踏まえまして、その他の各学校においても、それぞれの生徒の実情に即した個別の教育支援計画を作成して、職業教育や進路指導の充実を図るように努めてまいります。
次に、職業学科等の設置を含めた高等部における職業教育の充実についてでありますが、これまでも、校長会や進路担当者の会議等で作業学習の計画や内容、現場実習の在り方等につきまして検討し、改善を図りながら職業教育の充実に努めているところであります。
現在、中央教育審議会におきまして、今後の盲・聾・養護学校の在り方について検討しておりまして、県教委といたしましては、こうした国の動向を注視しながら、今後、本県の実情に即した特別支援教育ビジョンの策定を進めることとしております。その中で、職業学科等の在り方を含めまして、総合的に検討してまいりたいと考えております。
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久保田 使用済みの自動車は、年間400万台排出されていますが、金属類は資源価値が高いため、解体業者や破砕業者によって売買され、リサイクルや処理が行われています。しかし、一方で、最終処分費用の高騰や鉄スクラップ価格の低下・不安定さから、使用済み自動車の逆有償、つまり、処理費用を払って引き渡す状況が進んでおり、不法投棄や不適正処理される自動車が増えている実態があります。
放置された自動車は、ナンバープレートがはずされ、所有者を見つけることが困難な場合が多く、かといって、勝手に廃棄物と認定し処理することは難しく、運良く、所有者が見つかった場合でも、撤去に対する指導に強制力がなく、放置状態が野放しになりがちなのが現状です。
このため、全国的に、放置自動車の発生防止と、強制撤去や罰則を設けた条例や要綱を制定する自治体が増えてきています。内容としては、市の場合は、市が管理する土地に放置された自動車を対象として、所有者の判明しない放置自動車を廃物として認定する協議会を設置し、速やかに撤去できるようにすることが主となっています。
都道府県では、三重県、岡山県が13年度に制定し、鳥取県がこの6月県議会に上程予定、市町村では、すでに多くの自治体で制定されていますが、15年度以降では、罰金などの罰則を盛り込んだ条例を徳島県鳴門市や愛媛県宇和島市など、10自治体で施行しています。また平成13年度に制定された北九州市の条例は、撤去命令に従わない所有者に対しては、罰則規定として20万円以下の罰金に加えて、市広報などで氏名を公表することなどが定められています。
県内でも、すでに、防府市、小野田市、宇部市、周南市が制定しています。
私に寄せられた宇部市内の放置自動車の事例をご紹介します。1台の放置自動車が何年もそのままになっており、多分10年近くではないかと思われますが、その周辺はごみの山となり、自転車やテレビ、家庭ごみなどがうず高くなっていました。住民の手で、処理できるものは片付けられましたが、放置自動車はどうにもならず、ちょうど宇部有料道路の高架の下の道であり、国管理の土地でもあることから、県道路公社が対応することになりましたが、本県は放置自動車対策の条例をもっていませんので、自動車の所有者探しから処理までに苦慮され、結局、宇部市の放置自動車の発生の防止および適正な処理に関する条例に定められた処理方法を準用され、撤去・処理をされました。
現在、その場所は、二度とごみ捨て場にならないようにしたいと、住民の手によって、花壇作りが始められています。
私は、この問題を提起するにあたって、県が管理する土地における放置自動車について実態調査をお願いしました。その結果、道路、港湾、河川、高等学校などにおける放置自動車は、過去3年間に95台が撤去され、現在、84台が放置されている状況でした。
来年1月から全面施行される自動車リサイクル法では、従来のリサイクルシステムが機能不全に陥っていることから、不法投棄を防止する仕組みが強化されることとなっています。
しかし、自動車の廃棄処理費用がさらに高くなることから、放置自動車はかえって増加するのではないかといった懸念もあります。
県が管理する土地においては、そもそも管理者である部局が、自動車を放置させない、ごみ捨て場のメッカにさせないといった毅然とした対応が必要であり、放置自動車が発生した場合には、速やかに処理を進めることが求められていると思いますが、県として、放置自動車の発生防止と適正かつ速やかな処理について、現行の法令で十分対応できるのか、放置自動車対策の条例制定も含めて、ご所見をお伺いします。
松原環境生活部長 来年1月から自動車リサイクル法が全面施行されることになっておりますが、この法におきましては、自動車所有者は、新車購入時に、リサイクル料金を事前に支払うこととなり、1月時点で使用中の自動車につきましては、最初の車検時又は車検前に廃車する場合はその時点で、支払うこととなっております。
さらに、すべての自動車について、一台ごとに電子マニフェストにより把握・管理され、確実にリサイクルされる制度となっております。
したがいまして、自動車リサイクル法の施行により、放置自動車の発生防止が図られるものと考えておりまして、県としても、国との役割分担の下、密接な連携を図りながら、この法の万全な施行に努めてまいりたいと考えています。
また、県が管理する土地における放置自動車に対しましては、これまでも処理を行ってきたところでございまして、引き続き、現行法令等により、各管理者において、できるだけ速やかに撤去できるよう、適切に対応をしていくこととしております。
ご提案の条例の制定につきましては、これらの状況を見ながら、必要が生じれば検討してまいりたいと考えております。