久保田 「官から民へ」、民間でできることは民間がやる、という民間との役割分担と連携・協働は、官主導の規制社会から脱皮し、活力ある経済社会を築くための重要テーマです。それは、行政の効率化・スリム化を促す行政改革であり、新たなビジネスチャンス・雇用の創出をもたらし地域経済の活性につながるものでもあります。このような観点から、3点お伺いいたします。
(1)指定管理者制度の導入について
久保田 昨年9月の地方自治法の一部改正によって、スポーツ施設、都市公園、文化施設、社会福祉施設など県民福祉を増進する目的で設置された公の施設の管理方法が、管理委託制度から指定管理者制度に移行されました。
今後は、民間事業者、NPO法人、ボランテイア団体なども含めて広く公募し、費用、企画などの提案内容から判断して、よりふさわしい施設管理者を決めていくことになります。民間の効果的・効率的な手法を「公の施設」にも活用することで、経費削減や利用者サービスの向上などが期待できるものと思います。
改正法施行から3年間の経過措置期間がありますが、全国的にみますと、すでに各地で動きだしており、たとえば、三重県では、今年10月に津市にある県総合文化センターで制度導入をスタートさせ、来年7月から指定管理者の募集・選定を行います。
県内では、山口市の菜香亭において、公募で選定された地元NPOが、今月の議会議決を受けた後、施設管理をスタートさせます。
本県では、公の施設として、58種類228施設がありますが、現在、外郭団体や市町村に委託されている施設は、セミナーパークや秋吉台国際芸術村など31種類105施設あります。
この制度は、従来の管理委託制度とは異なり、管理者の指定は自治法の契約には当たらず、「入札」は不要となりますし、管理に関する権限が委任され、「使用の許可」まで含めることができます。このため指定管理者の選定に際しては、幅広く公募を行うとともに、管理者の審査や選定を行う選定委員会には、外部の有識者などの参画を義務づけるなど、透明性・公平性の確保が重要です。
そこで、おたずねです。9月議会では、議案第8号で、指定管理者制度を導入するために県営住宅条例の一部改正が上程されており、本県として第一号の指定管理者制度の事例となりますが、今後、指定管理者の選定から管理開始まで具体的にどのように進めていくのかお伺いいたします。
さらに、今後、指定管理者制度を平成18年度に全面的に導入されるにあたって、本県としての基本的な考え方と具体的手順についてお伺いいたします。
藤本土木建築部長 ご案内のとおり、地方自治法の改正により、公の施設の管理について、指定管理者制度が導入されたところであり、県としましては、来年度から県営住宅の管理にこの制度を導入する予定としていますが、指定管理者の指定に当たっては、お示しのとおり、透明性・公平性の確保が重要であると考えております。
このため、県営住宅の指定管理者を公募することとし、公募に応じてきた申請者の中から最適な者を選定するに当たっては、選定委員会を設置したいと考えております。
選定委員会は、外部有識者や入居者の代表者などで構成することを予定しており、福祉、法律などの専門的な観点から、申請者から提出された事業計画の妥当性とその実行可能性について総合的に審査をお願いすることとしています。
県としましては、選定委員会の審査結果を十分踏まえ、県営住宅について最適な管理が行える者を選定し、県議会にお諮りした上で県営住宅の指定管理者として指定したいと考えております。
瀧井総務部長 まず、指定管理者制度を導入するに当たっての基本的な考え方等についてでありますが、指定管理者制度は、地方自治法の改正により、公の施設の管理についてこれまでの管理委託制度に代わるものとして、民間活力の活用によるサービスの向上と経費の節減を目的に新たに導入されたものであり、行政改革の取組を進める上でも、重要な課題であると認識をいたしております。
導入の基本的な考え方としては、引き続き、適正なサービスを確保することを基本に、制度の趣旨である民間の創意と活力を生かすため、広く門戸を開放し、公正かつ透明性のある選定手続により実施していくこととし、現在、直営施設も含め、個々の施設について導入のメリットや課題等を整理・検討しているところであります。
今後、これらの課題を整理した上で、各施設に共通したガイドラインを策定し、このガイドラインの中で、指定管理者制度の対象となる施設、選定の方法、指定の期間、指定に当たっての留意事項などを定めることとしており、お示しの公募等の在り方、選定委員会の設置方法等についても、位置づけていくこととしています。
現在既に管理委託している施設については、平成18年度までに導入することが必要であり、これから、ガイドラインの策定を急ぐとともに条例改正や選定等の手続を進め、制度の趣旨に沿った指定管理者制度が円滑に導入できるよう努めてまいりたいと考えております。
(2)PFI活用の基本方針について
久保田 PFIは、民間の資金や技術的・経営ノウハウを積極的に活用して、効率的で質の高い行政サービスを達成する手法です。わが国においても立法化され、すでに全国の自治体や国などにおいて160件あまりが計画・実施されています。
本県でも、知事がPFI手法の積極的導入を表明されており、今年度、下関地域総合武道館の整備についてPFIの導入可能性調査が始められました。
本県として、はじめてのPFIの導入可能性調査ですが、今回、その調査業務の委託先となる事業者選定にあたっては、指名型プロポーザル方式で実施されました。県外企業のみ15社を指名して募集をかけ、結果として、6社が応募し、そのなかから選定されました。
PFI法では、事業者の選定方法は、公募の方法によるとされており、一般競争入札が原則とされています。今回の事例は、PFIの導入可能性の調査と基本計画策定がセットされたもので、PFI事業の実施者選定ではないものの、県内事業者ははじめから蚊帳の外におかれ、実績と専門性を重視して、県外事業者だけの指名となりました。
本県の財政運営の厳しさが深刻さを増すなか、地域経済の活性化への期待とともに、PFI導入は積極的に検討すべきですが、各部局まかせでPFIを実施するのではなく、本県としてのPFI事業導入の基本方針が必要と考えます。そこで、お尋ねです。
PFI法にもとづく本県の基本的考え方、PFIの検討対象事業、PFI手法の検討体制と具体的手順についてお伺いするとともに、本県として具体的運用を定める基本方針を策定すべきではないかと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
西村総合政策局長 まず、PFI事業導入の基本的な考え方についてでございます。
PFIにつきましては、事業者選定方法や合理的なリスク管理の在り方など実施する上での課題があるものの、いわゆる民間の知恵やノウハウ、資金を活用し、効率的・効果的な行政運営を進めていく上で有効な手段であると認識しております。従いまして県としても今後の社会資本の整備やあるいはその運用にあたっての主要な手法の一つとして積極的な導入を図っていきたいと考えており、現在検討を重ねているところでございます。
次にPFIの検討対象事業でございますが、対象事業は、関係法令等による実施上の制約もありますが、事業コストの削減や、より質の高い公共サービスを提供する上で、導入効果が高いものから、個別的具体的な導入可能性調査を進めることといたしております。このような観点から、現在、お示しにもありましたが、下関地域における総合武道館の整備や県営住宅の建設について調査を進めているところでございます。
次に、PFI手法の検討体制と具体的な手法についてであります。
PFI手法の導入にあたっては、大変多岐にわたる事項の検討も必要でありますことから、現在、総合政策局において、国や他県の事例収集に努めるともに、民間からの提案などについて検討いたしております。具体的な実施に当っては、これらの検討資料を参考として関係部局と連携・協議しながら一定の見通しを立てて、それぞれの事業所管課において、可能性調査の実施等具体的手続きを進めていくことといたしております。
最後に具体的な運用の基本方針についてでございます。
現在実施しております2件の可能性調査や、国や他県の事例の収集、民間からの提案などにより、PFIの仕組みや事業手順、課題等のノウハウが得られることから、これを具体的な運用方針として取りまとめ、全庁的な推進に生かしていきたいと考えております。
久保田(再質問) PFIのガイドラインを作成し、明確化を図り、透明性を持たせるべきである。また庁内・行革の委員会等で検討を始めていただきたい。
西村総合政策局長 PFI事業について早期に検討して統一方針なり、あるいは実施手順等をさだめるべきではいかという最後のお話でございます。申し上げるまでもなくPFIはご承知のとおり設計・保険・あるいは建設を含め、大変多岐にわたるものでございます。今、そのへんのところを私ども構築しておりますので、できるだけ早い時期にですね、全庁的な基本方針はまとめていきたいと思います。
(3)市場化テストの検討について
久保田 市場化テストは、国や自治体など官が手がけている公共の仕事を、業務委託や民営化の形で民間に任せる手法のひとつですが、公募した民間の会社と官との間で、サービスの質や効率性を総合的に競う入札を実施し、官にすぐる民間事業者があれば、官の仕事を移します。優劣の判定は民間の有識者らで構成する第三者機関が行います。
これまでも、競争入札で公共の仕事を民間に移す手法として、PFIがありますが、PFIは、民間に委託することが前提となっており、河川法など法律で管理主体を国や自治体と規定している公共施設の場合、法を改正してまでPFIを実施するのは困難です。そのためPFIの業務委託範囲は、箱ものの整備・運営など一部に限定されています。
しかし、市場化テストでは、対象業務の範囲を一気に官業全般に広げようというもので、政府は、経済財政運営の基本方針「骨太の方針2004」に市場化テストを盛り込み、2006年度から実施する考えを示しています。
そこでお尋ねいたします。市場化テストは、今年度、民間からモデル事業を公募し、具体的な事業が選定され、18年度には本格的実施の予定とされておりますが、本県でも、新たな行政手法に積極的にチャレンジすべく、市場化テスト導入について検討を進めていく必要があるのではないかと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
瀧井総務部長 お示しのように、市場化テストは、公共サービスに関し、官と民が対等な立場で競争入札を行い、価格・質の両面で優れた側がそのサービスを提供する制度であります。国においては、行政サービスの民間開放を推進するための新たな制度として、平成17年度における試行的導入に向けて検討を進めることとしております。
この市場化テストについては、国においてもその検討が緒についたばかりであり、具体的な取組はこれから始められることとなっておりますが、県としても、民間の活力を高め、県民サービスの向上や行政運営の効率化を図ることは重要な課題であると考えており、この市場化テストにつきましても、国の検討状況を注視しながら、研究してまいりたいと考えております。
久保田(要望) 市場化テストについても、新しい行政手法なので国の動向を見ながらということであるが、地方分権の時代に県行政も積極的に独自の政策を行っていく必要があると思う。
PFI導入でも本県はかなり遅れをとっているので、国の動きが見えているものについては、県としても積極的に検討して、庁内検討会又は行革委員会等での検討を始めるべきではないかと思う。検討をよろしくお願いしたい。
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久保田 1.29、これは、ひとりの女性が一生の間に生む子供の数の平均、いわゆる合計特殊出生率の昨年度の数字です。また過去最低記録を更新し、少子化にまったく歯止めがかかっていないことが明らかになりました。子どもを生む生まないは、当事者である男女の選択であり、プライベートなことですが、核家族化、就業形態の多様化、地域社会の人間関係の希薄化などが進む中、安心して子どもを生み育てられる環境づくりは社会全体の問題として考えることが重要です。
政府は、経済的、社会的に深刻かつ多大な影響をもたらす急速な少子化の進展という事態に直面して、これまでの取り組みに加えてもう一段の少子化対策を進めるために、次世代育成支援対策推進法の制定および児童福祉法改正を行い、総合的、計画的な取り組みを強化しています
本県でも少子化が進んでおり、平成11年の合計特殊出生率は1.42だったのが、昨年度は1.36となりました。全国平均よりは若干高めですが、低落傾向に歯止めがかかっていません。
そこで、3点おたずねいたします。
(1)次世代育成支援行動計画の策定について
久保田 次世代育成支援対策推進法は、17年度から10年間の時限立法ですが、16年度中に国が定める指針に即して、市町村、都道府県、企業が具体的な行動計画を策定することとなっています。そこで、計画の策定にあたって、現行の児童環境づくり行動計画である「やまぐち子どもきららプラン21」の成果の検証を踏まえ、本県の課題をどのように把握し、計画への反映をするのかお伺いいたします。
二井知事 少子・高齢化や地方分権が進展いたします中、少子化対策は、「住み良さ日本一の県づくり」を進める上で、緊急に取り組むべき重要な課題であります。
このため、私は、これまでも、「やまぐち子どもきららプラン21」に基づき、保健・医療、福祉、労働、教育など幅広い分野にわたる子育て支援施策の着実な推進に努めてまいりました。
特に、乳幼児医療費や保育料の助成等の子育て家庭への経済的支援をはじめ、地域における子育て支援の拠点となる地域子育て支援センターの整備など、全国トップクラスの取組を進めますとともに、多様な保育サービスやファミリーサポートセンターなどの、プランに掲げる数値目標についても、概ね達成を図ってきたところであります。
しかしながら、結婚や家族に関する意識や就労形態など環境が変化をいたします中、少子化の進行に歯止めをかけるためには、更なる施策の充実を図っていかなければならないと考えております。
したがいまして、このたびの次世代育成支援行動計画につきましては、家庭の養育機能の低下を踏まえまして、子どもの健やかな成長を「地域社会で支援する取組」の推進をはじめ、先に実施をいたしました県民意識調査におきましてもニーズが高い「子育て家庭の負担感の軽減」や、共働き家庭の増加等に対応した「仕事と家庭の両立支援」に重点的に取り組んでいく必要があると考えております。
さらには、子どもの成育過程に対応した保健・医療等の「利用者の視点に立ったサービス」の提供や、深刻化する児童虐待等の問題を踏まえまして、「子どもの権利擁護」に向けた取組を強化していく必要があると考えております。
県といたしましては、今後、こうした課題を踏まえ、民間有識者や関係団体等で構成する「子どもきららプラン21推進協議会」など、県民の皆様や市町村の意見を聴きながら、子どもや家庭を社会全体で支える「やまぐち子育て文化の創造」を一層推進するため、「自立・協働・循環」をキーワードに、子育てにやさしい風土づくりや子育て支援体制の充実に向けて、今後取り組むべき施策を具体的に検討してまいります。
次世代育成支援行動計画は、今後の少子化対策推進の基本になるものでありますから、私は、この計画を山口県らしさを生かした実効性あるものとして策定し、少子化対策の一層の充実に努めてまいります。
(2)仕事と家庭の両立のための企業の協力について
久保田 次世代育成支援対策推進法では、男性を含めた働き方の見直しの具体的計画を301人以上の大企業に義務付けがなされ、300人以下の中小企業では努力義務とされています。
本県では、中小企業が、全事業所数の99.3%、従業者数で84.0%と、全国平均より高くなっています。また、中小企業の中でも小規模事業所の割合は全事業所の72.6%と高くなっていることから、行動計画策定の義務がある企業は80社程度で、約1万6000社の企業は努力義務だけです。
厚生労働省の調査資料によりますと、男女とも長時間労働者比率が高い地域ほど出生率も低く、子育て期にある30歳代の男性の就業時間はもっとも長く、2割以上が週に60時間以上となっています。また、男性の家事時間が短い国ほど出生率が低くなっています。さらに、育児休業制度を利用しなかった理由として、職場の雰囲気を理由として断念した人が最も多くなっており、子どものいる世帯いない世帯とともに、子育てしながら働きやすい職場環境の整備を求める声がもっとも多くなっています。
こういった現状からみても、働き方の見直しは重要ですが、厳しい競争のなかにある企業の協力を得るためには、現在、実際されているアドバイザーの訪問、セミナー・シンポジウムの開催、企業表彰にとどまらず、有効な支援策が必要と考えますが、ご所見をお伺いいたします。
伊藤商工労働部長 県におきましては、子育てのしやすい職場環境づくりを進めるため、育児等の家庭生活と職業生活の両立等を基本理念とする「働く女性のサポートプランやまぐち」を策定するとともに、同プランに沿って、勤労女性相談員による事業所訪問、職場環境づくりに積極的な企業の表彰や事業主・勤労者を対象としたシンポジウム・セミナーの開催等により、事業主の取組を促進しているところであります。
また、次世代育成支援対策推進法につきましては、同法において努力義務とされている300人以下の企業の計画の策定を支援する体制を整備しているところであります。
一方、国におきましては、同法に基づく事業主行動計画の策定や実施にあたって必要な情報提供や指導・助言等を行うとともに、育児休業取得促進奨励金、看護休暇制度導入奨励金、事業所内託児施設助成金など、きめ細かな支援策を講じているところであります。
県といたしましては、こうした国の支援策を積極的にPRするとともに、事業主行動計画の策定や実施状況等を見極めながら、新たな支援策の必要性を検討してまいりたいと考えております。
(3)地域における子育て支援について
久保田 宇部市内の井筒屋百貨店で実施されている「子育てほっとサロン」は、開設から3年目をむかえていますが、週4日の開設で利用者は、毎月150人から200人もあり、今年の猛暑の7月8月は合計で550人、もっとも多い日には、10時から4時の間に、36人も来られ、狭いサロン内で座るところもなかったとのことでした。最近では、とくにゼロ歳、1歳とまさに、乳児を抱えて来られる人が多くなっており、子育ての不安を語られたりもしているようです。先日、利用者からお聞きしたことは、ここに来るまでは、ずっとテレビを見せてひとりで家で子育てをしていた、そとに出て子育て仲間をつくることは無理と思っていたけれど、お誘いを受けて思い切って来て良かった、多分同じようなかたが結構いると思うとのことでした。
また、県内でも、児童虐待の発生が増加しており、虐待者の約6割が実母、約3割が実父です。今の20代の若い親たちは、少子化第一世代であり、家族の機能や夫婦のありかたが従来とは大きく異なってきており、地域からの孤立や夫の長時間労働による母子家庭化なども進んでおり、子育て負担感が増加しています。
厚生労働省の調査によりますと、育児中の不安については、共働き家庭の女性に比べて専業主婦のほうが、育児の負担感・不安感が高いことも明らかになっています。
このような状況のもと、本県では、今年度、子育てほっとサロンのような地域子育て集いの広場事業が、5市町7箇所で実施されています。
しかし、53市町村全体からみたら、まだあまりに少なすぎます。公共施設だけではなく、空き民家や商店街の空き店舗など既存施設を活用しながら、子育て中の親が身近な場につどい、子育ての悩みを気軽に話せる場づくりを加速させる必要があると考えますが、ご所見をお伺いいたします。
石津健康福祉部長 核家族化の進行など、子育て家庭を取り巻く環境が変化する中、子育てに悩む親が増えており、親の育児不安の解消を図るため、より身近な地域で、親子の交流の場づくりを進めることが重要であると考えております。
このため、県といたしましては、これまでも、子育て中の親子が気軽に集い、子育ての悩みを相談できる「地域子育てつどいの広場」の設置や、親子交流の拠点ともなる「地域子育て支援センター」の整備など、市町村の取組を支援しながら、様々な形態の場づくりを進めてきたところであります。
子どもや家庭を社会全体で支える「やまぐち子育て文化の創造」に向けましては、住民の主体的な活動を促進することが重要でありますことから、今後とも、身近な地域での交流の場づくりを一層推進することとし、商店街の空き店舗や民家などを活用しながら、「地域子育てつどいの広場」の設置の促進や、今年度新たに取り組むこととした、子どもや高齢者・障害者などが互いに交流できる拠点づくりなど、地域の実情を踏まえた多様な取組を積極的に進めてまいります。
県といたしましては、お示しの「地域子育てつどいの広場」をはじめとする、こうした交流の場づくりにつきましては、今年度中に策定します次世代育成支援行動計画に位置付け、新たな整備目標を設定し、市町村とともに、その拡充に向けて取り組んでまいります。
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久保田 久保田県内の農業就業者は、平成12年の国勢調査において、4万5000人で、県内の15歳以上の就業者全体の6%にあたります。前回調査の平成7年から比べると、22.4%にあたる1万3027人と大幅な減少となっています。一方で、新規就農支援センターのデータでは、新規就農者は、毎年、だいたい20人前後、平成3年度から15年度までの累計でも246人です。県が新規就農者の目標数値とする年間55人には、とてもおよんでいません。
今後、他産業からの農業参入や農業法人化が進められていくとしても、現在の農業従事者は、65歳以上が約6割を占めていることからも、今後、高齢化がさらに進み、農業を辞められるかたのほうが圧倒的に多く、農業の新たな担い手が現状のペースで推移すれば、山口県農業は、大変厳しい状況になるのではないかと不安になります。
そこで農業の担い手対策について、農業教育との連携強化の観点から3点お尋ねいたします。
(1)農業大学校の主導的役割について
久保田 「農家の子が農業を継ぐ、ではなく、農業大好き人間が農業を始める時代に」これは、県立農業大学校のパンフレットにかかれている言葉です。毎年農業大学校の入学生は、定員40人のところ、この10年間、30人あまりと定員割れとなっています。専業農家出身は1割程度、兼業農家が4割、非農家は5割です。卒業生の就農者は、平成7年には20人、平成12年には21人と、卒業生の約6割が農業についた年もありますが、平成15年度は7人で卒業生の2割、平均すると、だいたい毎年10人から16人程度となっています。
農業大学校の敷地総面積は、48.3ヘクタールと広大で、全国にある農業大学校のなかでも最大規模とのことですが、ガラス温室20棟、パイプハウス21棟、家畜91頭などに対して、職員22人と生徒60人あまりで、教育課程として農作業されています。
先日、お伺いした日は台風が接近しており、生徒、教員が一緒になって台風対策に追われていました。重機をたやすく動かす女生徒、ブドウを出荷用の袋に丁寧にいれる男子生徒など生き生きと働く若者たちの姿を頼もしく感じました。
創立70年を迎える歴史と伝統ある農業大学校は、この大規模な施設を運営するために事業費と職員給与費で年間約3億3千万円程度が必要とされ、現在の学生数で計算すると、一人当たりの経費は530万円前後となります。これは、山口県立大学がひとりあたり170万円となっているのと比較しても、はるかに大きな金額です。
農業大学校の教育方針は、「農業後継者および地域農業の振興に指導的役割を果たすことができる者を養成する」とされています。この方針に基づき、今日の農業をとりまく厳しい環境下に対応すべく、都会からのUターン者、定年者や転職希望者など新たな担い手候補者が、農業教育を受けられるように、社会人枠の設定による定員の見直しや全寮制度の見直しなど検討できないでしょうか。農業大学校のもっている人的・物的資源をより一層有効活用して、農業への人材輩出の主導的役割を担うべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
清弘農林部長 これまで、農業・農村を担う若い人材を育成する観点から、農作物や家畜を終日管理し、実践的な経営能力を修得させるため、全寮制による教育を行うとともに、社会人にも門戸を開放し、基礎的な技術を研修する「就農支援塾」を開催してきたところであります。
こうした中、Uターンによる就農希望者の増加に伴う、農業技術の修得などのニーズが多様化しており、また、国において農業研修教育の充実・強化に関するガイドラインの見直しが行われていることから、現在、農業大学校においても、将来のあり方について検討しているところであります。
この中で、学生の募集や、技術レベルに応じたカリキュラムの編成、講師陣をはじめとした指導体制など、幅広く議論しており、お示しの社会人枠の設定や全寮制の見直しについても、就農希望者のニーズや若者の意識変化などを考慮し、あるいは国のガイドラインの検討状況も見極めながら、農業者や関係機関の意見を踏まえ、総合的な観点から検討してまいります。
(2)農業関係高校卒業生の農業就業支援について
久保田 創立120年の山口農業高校を初めとして、宇部西、田布施、西市、日置、奈古、徳佐、大島と県内には県立の農業関係高校が7校1分校あり、毎年、合計で500人前後の卒業生が輩出されています。しかし、平成14年から16年の3ヵ年においての農業関係学科の卒業生の進路状況をみますと、農業関係への進学・就職はおよそ三分の一程度の150人前後です。そのなかで専業で農業に就いたものは、平成14年の3人だけで、以後はゼロです。過去10年の推移をみても、ほぼ同様で、毎年ひとりか二人程度です。それ以外のものは、農業以外への進学・就職をしています。ただし、先日、お伺いした山口農業高校では、卒業後、数年研修をかさねてから、本格的に就農する例もあるとのことでした。
そこでお尋ねです。
本県の農林業政策の指針である「やまぐち食と緑のプラン21」では、関係機関が一体となって、円滑な就農に必要な支援を行い、新規学卒就業者の確保につとめるとされていますが、現状を見る限り、これまでの取り組みでは十分な成果がでているとはいえません。教育現場と農業関係者が連携しての受け皿づくりや就農奨学金制度の創設などさらなる支援策が必要と考えますが、ご所見をお伺いいたします。
清弘農林部長 卒業後、円滑な就業を促進するためには、実践的な技術・経営能力の向上や、農業法人などの就業の受け皿づくりが重要であると考えております。
このため、就農意欲の高い生徒に対しては、引き続き農業関係高校と連携し、農業大学校での就農に向けた実践教育を行っていくこととしております。
さらに、就業の受け皿づくりとして、農業法人の積極的な育成や、経営強化のための支援を行うとともに、農業関係高校や、農業関係団体などで組織する「農業教育振興懇談会」を活用し、農業法人への就業のための情報交換を積極的に行ってまいります。
また、農業関係高校の生徒に対する支援については、県としては、卒業後の新規就農の際の経済的負担の軽減に視点をおいて、新規就農者が不安なく営農を開始できるよう、技術習得のための研修費や、機械・施設のリース代の助成措置、運転資金の無利子融資など、就農を促進するための支援策を講じているところであります。
今後とも、教育委員会との連携を一層強化し、新規学卒者が円滑に就農や就業できるよう積極的に取り組んでまいります。
藤井教育長 農業関係高校卒業生の農業就業支援についてであります。農業関係高校におきまして、食料生産、バイオテクノロジーなどの分野におきまして、実践的な知識・技術の習得や、農業大学校との連携による先端技術の学習、また、先進農家でのインターンシップなどによりまして、農業関係の担い手などとしての育成に取り組んでおります。
また、農業関係への就業にあたりましては、関係機関等との連携により、就業に関する各種の情報を収集して、生徒のニーズに応じ、進路相談などを行っているところであります。
今後とも、農林部や農業関係団体との連携強化を図りながら、生徒の希望を踏まえ、きめ細かな就業支援に努めてまいります。
(3)養護学校における農業実習の充実について
久保田 県内10校ある養護学校では、すべて農業実習が行われており、学校によって、形態や実習方法が異なっていますが、なかには、大変充実した施設整備と指導体制をもって、かなり本格的に農業が行われている学校もあります。
先般、訪問した山口養護学校がそのひとつだと思います。地元の農家のかたのご協力を得て、広い畑での野菜作りやビニールハウスでの花の栽培まで行われており、私がお伺いしたときには、校庭の隅に収穫されたたまねぎが山と積まれていました。
先般、出席した障害児を持つ保護者の方々の集まりでは、子どもが野菜や花を作る実習をとても楽しみにしているが、将来の仕事として、やれることはないだろうかといったご意見が出されていました。
障害児教育は、特別支援教育へと転換され、今後、児童生徒ひとりひとりに適した個別の教育支援計画が作成されて教育がすすめられていくことから、これまで以上に、教育プログラムの充実が求められていると考えます。
そこで、お尋ねです。
養護学校の農業実習を単に土とふれあう機会としての体験のひとつにとどめずに、職業教育として農業実習を充実させ、農業技術の取得によって職業選択のひとつとなる体制づくりを検討してはいかがでしょうか、ご所見をお伺いいたします。
藤井教育長 養護学校におきましては、将来の職業生活や社会自立を目指しまして、農業実習などの作業学習を実施しております。
農業実習の中では、野菜作り、花作り等の学習を通して、基礎的な知識や技能等を身に付け、さらに、農業関係への就労を希望する生徒につきましては、農業に関係する事業所等での体験的な学習にも取り組んでおります。
県教委といたしましては、今後、就職先や実習先等での生徒の取組み状況を把握しながら、農業実習の学習内容や方法等の充実に努めますとともに、本県の特別支援教育ビジョンを策定する中で、農業を含めまして、生徒一人ひとりの適性や実態に応じた、養護学校高等部における職業教育の進め方について、検討してまいります。
久保田(再質問) それから農業について、一つエピソードを御紹介したいと思います。先日の台風18号の被害にあった農家にお伺いしたところ、もう年をとってきたから、もう1年もう1年と自分に言い聞かせるようにしてこれまでやってきたけれども、今回の被害を受けて、融資を受けてまで続けていく体力も気力ももう失せているので、しかも子ども達も他の仕事についているし、もうやめようかという気持ちにもなりそうだと、そういうお声も伺いました。また、市街地の農家では、高齢で夫婦で農業をしていたけれども、御主人が亡くなって、もう一人ではとてもできないと、せめて農業実習体験の若者でも来てくれないか、というお声もありました。また、ハウス栽培されている農家では、御主人が倒れられてからもう有機農業はやめようかと思っていたけれども、その福祉施設から有機肥料をいつも配達してもらってたら、その福祉施設の障害をもってらっしゃる方が、土を入れるなら手伝いますよ、というふうに言ってくれたので、これでまた有機農業をやっていけると、ちょっとした手伝いがあることで、本当に農業が続けられるかどうかという、そういったところで苦しんでいらっしゃる方がいらっしゃるということを実感いたしました。まあそういった意味ではこの農業教育機関と農業との連携強化、そういった意味でも専門家間のプロジェクトチームそういったところでの検討をしていただく、そして有効な政策を作っていただきたいと、そのように思っております。これについても御答弁をお願いしたいと思っております。
清弘農林部長 今回の災害等により、いろんなかたちで被害を受けられた方もございますが、今回の災害等によって、農業を継続する意欲がなくならないようなかたちでもって、現在いろんなかたちで検討しておりますけれども、新規就農・就業も含めて農業団体、そしてまた農業関係高校、そしてまた農業大学校等を含めて、関係機関と連携しながら、農業が継続的に実施できるようあらゆる観点から検討してまいりたいと思います。
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久保田 山口県産業は、日本の工業化が本格化し、高度経済成長時代に入る昭和30年代前半から、コンビナート工業によって支えられてきました。周南、岩国などでの石油コンビナートの立地が全国的にも早く、世界的にも優れた施設整備がなされたため生産性が高く、県民所得は広島県や岡山県より高くなっていました。しかし、30年代後半に、広島県に抜かれ、続いて水島コンビナートが動き出し、岡山県にも追い越されてしまいました。
その後、日本の産業構造が転換していくなか、本県では、この半世紀にわたって、基礎素材型に偏った製造業中心の産業構造に大きな変化はなく、不動産、サービス、金融保険、卸小売など全国的に伸びた産業が、本県では伸びておらず、本県の産業構造が成長に適合しておらず、優れた就業の場を十分提供してきたとは言い難い状況にあります。
これは、15歳から24歳の多くの若者が進学や新規就職のため県外へ転出することにもつながっていると考えられます。
このようなことから平成13年に策定された産業振興ビジョン21では、本県の産業構造が、基礎素材型産業に特化しており、しかも成熟化が進んでいることから、新分野への展開や下請依存の強い中小企業の自立的な展開を促進し、産業構造の転換を図る必要があるとしました。
そして、情報通信、環境、福祉・医療、生活文化関連の四分野を重点育成分野と定め、これらの分野で新産業・新事業の創出が活発化している本県産業の将来像を描いています。
重点四分野関連産業は、ビジョン策定前の平成11年において、事業所数にして1万4千事業所、従業者数にして12万3千人であり、平成8年との比較では、わずかに増加しています。県内産業に占める割合では、事業所数と従業者数ともに約2割ですが、平成8年と比較して、その割合はわずかな上昇にとどまっています。
日本を含む世界の先進国においては、すでにサービス経済化が進んでおり、激しい国際競争にさらされています。サービス産業というのは、サービス業だけではなく、商業、金融保険、不動産、運輸通信、公務を含んでおり、就業者の伸びはそのほとんどをサービス業に負っています。
本県においても、全就業者の6割強がサービス産業に従事しており、そのうち四分の一以上はサービス業となっています。就業者数も上昇してきていますが、全国と比べると全産業に占める構成比は低くなっており、格差が拡大しています。サービス経済化時代は、知識社会でもあることから、それを担うべき専門的・技術的職業ニーズが高まっていないといえます。
そこで、サービス経済化の時代の波に乗り、成長分野の産業振興を重点化し、雇用の創出を図るべきとの考えから、2点お尋ねします。
(1)産業成長力と雇用力について
久保田 産業振興ビジョン策定後、重点4分野関連産業は、県内の産業構造において、産業成長力と雇用力の観点からどのような成果を出しているのか、また、今後の見通しと目標とすべき数値をお伺いいたします。
伊藤商工労働部長 まず、重点育成分野の取組の成果であります。
平成13年3月の産業振興ビジョン策定後の成果を見る統計資料といたしましては、工業統計調査等がありますが、これらは、従業者数、製造品出荷額等、秘匿数値、つまり伏せられた数値が多く、産業構造の観点から取組の成果を正確にお示しすることは困難であります。
しかしながら、具体的な事例といたしまして、例えば、「情報通信分野」では、外食産業の経営管理システムの事業化、「環境分野」では、ガラス瓶再資源化装置の事業化、「福祉・医療分野」では、高齢者緊急通報システムによる新サービスの提供、さらに「生活文化関連分野」では、24時間対応保育所の展開など、それぞれの分野において、新たな取組が活発化しているところであります。
次に、今後の見通しと目標数値についてであります。 まず、今後の見通しについてでありますが、重点育成分野は、市場としての成長が見込まれることから、企業の自立的な取組が拡大し、諸施策の着実な推進と相まって、中長期的には、本県の産業構造が変革していくものと考えております。
また、目標数値の設定は、実効ある施策展開を図るため、有効な方法ではありますが、重点育成分野の効果的な目標値の設定に当たりましては、統計数値等客観的データの把握にも限界もありますことから、今後の研究課題とさせていただきます。
(2)政策の重点化について
久保田 本県の産業構造の転換を図る上で、政策の選択と集中は不可欠であることから、重点4分野関連産業の育成への重点的政策集中を図り、雇用創出効果を高めるべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
伊藤商工労働部長 重点育成分野につきましては、やまぐち産業振興財団等関係支援機関と連携しながら、次世代医療機器の研究開発や事業化を図る「知的クラスター創成事業」や、次世代型環境産業の集積を目指す「環境産業マルチパーク構想」の実現、情報サービス産業の創出を促進するためのインキュベーション施設である「ITビジネスセンターやまぐち」の設置、さらには、コミュニティビジネス等多様な創業ニーズに応える「チャレンジビジネス育成支援事業」などに取り組んでいるところであります。
今後とも、雇用創出効果等を考慮しながら、重点育成分野における諸施策を積極的に推進してまいります。
久保田(再質問) 県は、今後、研究課題として、重点育成分野についての数値目標の把握をするということであるが、どのように進めていくのか、伺う。
伊藤商工労働部長 重点育成4分野の数値目標につきましては、今後、専門家の意見等もお伺いしながら、研究を精力的にさせていただきたいと思います。
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(1)スポーツ医・科学サポートプログラムについて
久保田 アテネオリンピックで日本選手団が史上最多のメダルを獲得したことは、選手個々の優れた能力と日夜のトレーニングがあることは言うまでもありませんが、特に注目されることは、スポーツ医・科学によるトップアスリート育成・強化体制の充実が良い結果をもたらしたとされています。スポーツ医・科学は、運動・スポーツ活動を生理学的、生体力学的、心理学的、栄養学的、病理学的な面からとらえ、研究する学問分野ですが、運動・スポーツの現場に応用することで、機能的能力の増進や競技力の向上を図るとともに、健康の保持増進や外傷・障害の予防、リハビリテーションに役立てるものです。
高度化・専門化する競技スポーツにおいて、従来の経験に基づく指導法に加え、スポーツ医・科学の研究成果を取り入れた計画的・科学的な練習やトレーニングが不可欠となっています。
本県においては、先の静岡国体での天皇杯最下位という残念な結果を踏まえ、平成23年開催予定の山口国体を視野にいれ、平成15年2月には、やまぐちトップアスリート育成プランを策定し、その重点プロジェクトとして、本年3月やまぐちスポーツ医・科学サポートプログラムが作成されたところです。
このプログラムの基本目標として、本県競技力の飛躍的な向上と県民の豊かなスポーツライフの実現を支援するものとして、スポーツ医・科学サポート体制の確立をめざすとされています。
そこで、提案です。山口国体をめざしてのトップアスリート育成にむけて、スポーツ医・科学サポートを推進するとともに、中学校の部活動や小学校のスポーツ少年団・スポーツクラブ活動への導入も同時に進めていくべきと考えます。
少子化で子どもの数自体が減少する中、サッカーや野球などのチーム競技がひとつの学校単位では成立しないところが出てきたりしていますが、子どもたちのスポーツ好きは低下しておらず、最近の10年間のデータでみますと、小中学生のスポーツ少年団加入率は、児童・生徒数の3割前後、中学校の運動部加入率はほぼ8割近く、高等学校の運動部も約4割と一貫しており、今年度も合計すると7万6812人の児童・生徒となっています。
しかし、今の子どもたちは、全国的にみても体力・運動能力が低下しており、山口県の児童生徒の平成15年度の新体力テストの結果をみますと、全国平均と比べて、すべての年齢層ではありませんが、「握力」「50メートル走」「たち幅跳び」「ボール投げ」「長座体前屈」が全国平均よりもかなり劣っています。しかも、これらは、さまざまなスポーツの土台となる「走る、跳ぶ、投げる」といった基本の運動であることから、この種目が全国平均より劣っていることは深刻に受け止めなければなりません。
また、子どもたちのスポーツ活動の現場では、炎天下のグラウンドで帽子なしで練習させたり、過度な練習で体を痛めたり、ケガの初期対応が不十分で一生の後遺症が残った事例も見聞きしています。
こういった状況を考えますと、山口国体でのランクアップだけではなく、山口県の子どもたちが、日常的スポーツ活動を通じて、心身ともに健やかに成長するために、スポーツ医・科学サポートプログラムを中学校の部活動や小学校のスポーツ少年団・スポーツクラブ活動へも導入し、スポーツ医・科学の研究成果をとりいれ、発達段階や環境に応じた運動指導をすべきと考えます。
たとえば、指導者研修に組み込んだり、情報提供や相談の窓口を設置するなどして、積極的に活用していくべきと考えます。ご所見をお伺いいたします。
また、スポーツ医・科学施設の整備についておたずねいたします。スポーツ医・科学サポートプログラムでは、光市の県スポーツ交流村の活用とともに、トレーニング指導にあたっての優秀なスタッフを備え、各種の相談窓口や研修・研究機能、情報提供などができる拠点施設の整備の必要性を掲げています。県財政が大変厳しい中、新たな施設整備はこれまで以上に慎重な検討がなされなければなりませんが、選手・指導者の育成だけでなく、幼児から高齢者までの生涯スポーツの振興や、スポーツ医・科学分野の広さは各種専門家などの雇用の創出にもつながるものとの観点から、PFI事業、指定管理者制度など新たな行政手法も踏まえて、積極的な検討をすべきと考えますが、今後、具体的にどのように取り組まれるのかお伺いいたします。
藤井教育長 まず、スポーツ医・科学サポートに関するお尋ねでありますが、お示しにありますように、スポーツ医・科学は、競技力の向上を図ると同時に、健康の保持増進や外傷・障害の予防などにも大変有効なものであります。
このため、県教委では、小・中・高等学校の学校体育担当者や運動部活動の指導者等に対しまして、研修会等を通じ、スポーツ医・科学に関する知識・技術の向上を図っており、また、スポーツ少年団本部におきましても、認定員の養成講習会等で、スポーツ医・科学に関する様々なカリキュラムを組み込んでおります。
また、昨年度策定いたしました「やまぐちスポーツ医・科学サポートプログラム」に基づきまして、今年度から、スポーツドクター、トレーナー等の専門スタッフによる総合的なサポート体制の整備に向けまして、スタッフの養成・確保等に着手したところでありまして、今後は、これらの専門スタッフを学校の運動部やスポーツ少年団等の指導者に対する研修講師としても、積極的に活用していくこととしております。
さらには、サポートプログラムの取組によって蓄積されますトレーニングのメニューづくりやメンタルケア、栄養指導等の成果を学校や地域のスポーツ活動にも積極的に波及させていくこととしております。
次に、スポーツ医・科学施設の整備についてでありますが、今後のスポーツ医・科学サポート体制の推進状況を見ながら、お示しのありました整備手法も踏まえまして、他のスポーツ施設の整備計画や既存施設の活用等も含めて、規模・機能等を検討してまいりたいと考えております。
(2)学校体育施設の地域開放の推進について
久保田 本県スポーツの課題は、日常的に利用できる施設の不足であると、競技団体やレクリエーション団体の6割が指摘しています。一方、県民がスポーツ活動を行う際に学校施設を利用する割合は大変低く、1割もありません。競技団体やレクリエーション団体の8割から9割が、県に対して、学校体育施設の開放を期待しています。これらのデータは、本県のスポーツ振興計画で明らかにされているものです。
スポーツ振興法では、学校体育施設を地域住民のスポーツ活動に開放することを努力義務としており、これに基づき、山口県立学校体育施設開放事業要綱が平成10年から施行されています。
しかし、16年5月1日現在の調査によりますと、たとえば屋外運動場をもつ公立の高等学校及び特殊教育諸学校85校のうち利用されているのは48校ですが、1校当たり月平均の利用件数は、2件程度となっています。体育館については、利用されている高等学校は58校ですが、1校あたり月平均の利用件数は、3件程度となっています。小中学校の校庭と体育館の開放率がおおむね8割から9割にのぼり、利用件数も高いことからすれば、これらの数字は低いものです。
そもそも、県立学校の体育施設が住民に開放されていることを知らない住民が多いのではないでしょうか。宇部・小野田地域の県立高等学校7校でみても、運動場の住民利用が年間通してまったくないところが3校、最も多く利用されているところで年間11日だけです。
スポーツ振興法の趣旨と県民ニーズからすれば、学校教育に支障をきたさない範囲で、学校体育施設をより積極的に地域へ開放し、県民が身近な施設で気軽に楽しくスポーツ参加ができる機会を増やすべきと考えます。また、利用しやすくするためには、登録・予約・利用手続きの簡素化や全県立高校がネットワークされている情報通信網を活用しての情報提供システムなどの制度作りが必要と考えますが、ご所見をお伺いいたします。
藤井教育長 地域の方々が日常生活の中でスポーツに親しむためには、身近な活動の場の確保が必要であります。そうした地域のニーズに応えるため、県教委では要綱を定めるなど、県立高校等の体育施設の開放を推進しているところであります。
高等学校の体育施設つきましては、運動部活動や公式試合等での使用が多いことや、定時制の授業などもありますことから、地域に開放できる機会が限られておりますが、地域の方々のニーズに応えるためには、お示しにありましたように、きめ細かな情報の提供や利用手続きの簡素化等の取組が必要であります。今後、市町村との連携を図りながら、各地域の実情を踏まえたより利用しやすいルールづくりを検討してまいります。