久保田 死者40人の犠牲をだした新潟中越地震の発生から1ヶ月あまりたち、仮設住宅への入居が始まりましたが、豪雪地帯の被災地ではすでに本格的な冬をむかえ、復興が急がれています。
亡くなられた方々ならびにご遺族の皆様に心からお悔やみ申し上げますとともに、被災された皆様にお見舞い申し上げます。
近年の気候変動現象は、世界各地で自然災害を多発させており、国内においても今年は相次ぐ台風の襲来による甚大な被害がありました。そこで、新潟中越地震の状況も踏まえて、本県においても、防災対策の点検をすべきと考え3点お伺いいたします。
(1)災害情報体制の整備
久保田 災害発生時には、防災関係機関が迅速・的確に応急対策を講じる上で、災害情報の収集と伝達はもっとも重要なものです。また、県や防災機関が実施する広報は、被災地の混乱を防ぎ、住民の不安な気持ちを安定させる上でも重要です。また、行政や関係機関が情報収集するだけでなく、災害の状況や被災者の安否確認など住民などからの問い合わせも殺到します。
しかし、災害によって情報通信網が寸断され、情報通信機器に支障をきたしたりすることもまれではありません。
山口県では、地域防災計画において、災害情報体制の整備が定められています。大きく3項目に区分され、1つめ.情報通信体制の確保、2つめ.観測・予報施設の整備、3つめ.被災者などへの的確な情報伝達、とされており、ハード・ソフト両面の整備内容が多岐にわたって掲げられています。
たとえば、通信ルートの充実として、通信ケーブルなどの地中化の促進、無線を活用したバックアップ対策、デジタル化の促進などです。 通信網の拡充・整備としては、災害・救急医療情報システムの整備とされています。また、レーダー観測施設として、テレメーター、ロボット観測施設の整備推進を図るとされています。さらに被災者に提供する情報として、住民などからの問い合わせに対応できる体制を整備しておくとされています。
それぞれ必要な整備ですが、現状では、どこまで整備ができているのか、5年前の地域防災計画にも、災害情報体制の整備についてほとんど同様の内容が掲載されています。
そこでお尋ねいたします。現行の計画における災害情報体制の整備の現状と残されている課題は何か。災害情報体制は、土木、医療、防災など各部局にまたがる整備であるとはいえ、全体の整備状況の一元的な管理体制が必要ではないでしょうか。
二井知事 まず、現行の地域防災計画における整備の現状と課題についてですが、防災対策を迅速かつ的確に実施する上で、情報通信体制の確保は重要でありますことから、県といたしましてはこれまで、県と市町村、消防本部等との間を結ぶ衛星系と地上系の2系統の防災行政無線をはじめ、多様な情報通信体制の整備に努めますとともに、初動対応に備えた防災ヘリを導入をいたしたところであります。
また、住民への情報提供につきましては、市町村において一斉伝達が可能な同報系の防災行政無線等の整備が進められ、県におきましても、インターネットにより雨量や河川の水位・洪水予報等を直接県民に提供するシステムなどを整備してきております。
このように、情報伝達のための連絡体制の整備を図ってきたところでありますが、さらに情報伝達を確実なものにするためには、新たに民間メディアの積極的な活用や機器の非常用電源の確保、市町村防災行政無線等の更なる整備促進などを進めることが今後の課題であると認識をいたしております。
次に、一元的な管理体制についてであります。
気象情報や河川情報等からなる土木防災情報システムや災害・救急医療情報システムなどの災害情報は、それぞれ防災対策上、重要でありますことから、地域防災計画に位置づけておりますが、お示しのように、実効的な運用を図るため、今後、各々の整備状況を把握をし、相互の連携を図り、情報の共有化に努めていきたいと考えております。私としては、今回の中越地震等の状況も踏まえ、災害に強い情報通信体制の構築に向けて取り組んでまいります。
久保田 今年度、予算1千万円が計上されて、各種防災情報の一元的な収集・管理を行う総合的なシステムを構築するための基本計画が策定されることになっていますが、検討状況をお伺いいたします。
西村総務部長 県防災行政無線が、機器の老朽化、あるいはデジタル化や周波数移行等の通信環境の変化等により再編整備が必要となっております。また、県民へ防災情報をより迅速かつ的確に提供する必要もあります。こういうことからして、現在、ひとつには県下各地域で光ファイバーが張り巡らされており、しかもループ化が整備されたやまぐち情報スーパーネットワークの活用も含め、各種防災情報の一元化や画像・データの送信などを内容とする、総合かつ効果の高い防災情報ネットワークシステムの再構築について検討を進めております。今年度中に基本計画を策定し、事業の実施を進めていきたいと考えております。
久保田(再質問) 来年度予算で、地域防災力の向上を図るための予算を確保するとのことだが、災害情報体制の整備において特に重点的に整備を優先すべきところをどのように考えているのか所見を伺う。
二井知事 今年は度重なる台風もありましたし、また、中越地震等もありましたし、私どもはこれらの教訓を生かして、何を具体的にすべきか今指示をしております。したがいまして、今ただちに何を重点化するかということはお答えできませんが、来年度の予算編成作業の中でその辺をしっかりと対応していきたいと考えているところでございます。
久保田(再質問) 今後、地域防災計画の進行管理が県民にわかりやすい形できちんと整理をされていくのか所見を伺う。
西村総務部長 西村総務部長防災に関する整備指標、例えば、防災情報システムの整備の状況、あるいは自主防災組織の各市町村ごとの状況、あるいは、住民の避難場所ともなる県有施設の耐震化整備状況については、県民の安心安全の指標でもあることですから、積極的に公表してまいりたいと考えております。
さらに、ご指摘のありました地域防災計画の災害情報体制にかかる部分について、達成状況がわかるようにきちんと改訂というか、とらえるべきではないかというご指摘でございます。ご指摘の点も踏まえて現時点の整備状況や今後の整備方針がより明確となるよう地域防災計画の内容にも工夫を凝らしてまいりたいと考えております。
(2)自主防災組織の育成・強化
久保田 災害に対処し、地域社会の安全確保のためには、県、市町村、防災関係機関の活動だけではなく、消防団や地域住民による自主防災組織が一体となって総合的な防災体制を整備し、災害予防や応急活動を行うことが必要です。
本県の自主防災組織率は今年4月現在で42,8%となっており、全国の61,3%からみても低い状況にあります。「自分たちの地域は自分たちで守る」という考えのもとに、県として、地域住民による自主防災組織の結成を、市町村がよりいっそう積極的に取り組むための指導や支援を強化すべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
また、県の地域防災計画では、災害時におけるボランテイアを専門的知識・技術や特定の資格を有する者として専門ボランテイアとし、それ以外のものを一般ボランテイアと区分し、活動内容が示されています。たとえば、専門ボランティアとして、被災住宅の応急復旧には建築士や建築技術者など、土砂災害危険箇所の調査は斜面判定士、特殊車両操作は大型重機免許者としています。一般ボランティアは、救援物資の整理、仕分け、炊き出し、災害弱者などへの生活支援などとしています。そして、県ボランティアセンターは、災害時におけるボランティアの登録をあらかじめ行い、災害時の対応に備えることや、あらかじめ適当なブロックごとに、一般ボランティアの活動のコーディネートなどの支援拠点となる中核ボランティアセンターを定めるとされています。
一方で、地域住民による自主防災組織は、地域の公民館など地域コミュニティーが拠点となっていることが多いことから、ボランティアセンターの専門ボランティアや一般ボランティアとの情報の共有化や活動の連携などが円滑に効率的にできる体制の整備が必要と考えますが、ご所見をお伺いいたします。
西村総務部長 大規模な災害発生時には、地域で助け合う自主防災組織が大変重要なものとなりますことから、県はこれまでも自主防災組織の育成に努めてきております。議員もご指摘されましたが、組織率は、5年前の8.3%から、本年4月現在の42.8%まで着実に向上してきているところでございます。
しかしながら、依然として全国平均61.3%を下回っている状況にあることから、更なる組織率の向上と活動の活性を図るため、来年度から、特に各市町村ごとの組織状況等も踏まえて自治会連合会などとの連携を一層強化し、お示しにもありました「自分達の地域は自分達で守る」という考えのもと、例えば、組織率向上に繋がる住民自らが作成する防災マップの促進を図るなどして、組織率の向上に重点的に取り組んでいくことといたしております。
次に、災害ボランティアとの連携体制についてでございます。近年、NPOやボランティア団体などが、「防災思想の普及」、「リーダー育成」、「建物危険度判定」など防災に関する様々な活動に取り組んでおられます。
こうした災害ボランティア等と自主防災組織が連携を図っていくことは、地域防災力向上の観点から大変重要であります。
県といたしましては、今後、災害発生時においては、自主防災組織や専門的な知識や経験を持つ地域の消防団、NPO、災害ボランティアが情報を共有化し、連携して防災活動ができるような仕組みづくりについて、市町村とも連携しながら、検討していくことといたしております。
(3)避難所の設置・運営
久保田 新潟県では、ピーク時に10万人を超えた避難者数が、徐々に減少してきていますが、12月5日現在で、約3700人あまりが避難所で暮らし、約300人がテント生活をしているとのことです。新潟県は、避難所生活におけるプライバシーの保護や健康管理の問題などの解決にむけて、避難所をできる限り良好な生活環境に保つことや自立した生活を送るための支援を開始するなど被災住民の生活の安定を図るために取り組まれています。
震災直後から、連日、報道される避難所生活の様子を見るにつけ、緊急事態でやむをえないとはいえ、大変な生活環境に心が傷み、一日もはやく住居の確保と避難所の解消を願うばかりです。
山口県の地域防災計画では、避難所は、災害のため被害を受けるか、被害を受ける恐れがある者で避難しなければならない者を一時的に収容し、保護するために設置するもので、開設実施機関は市町村長であり、災害救助法適用時においては、市町村長が、知事の委任を受けて行うことになっています。
開設された避難所の管理・運営にあたっては、管理責任者を任命するとともに、円滑な管理運営を図る観点から連絡員を配置することになっており、県の役割は被災市町村から被災者の移送の要請があった場合、県内市町村や相互応援協定に基づいて近隣県へ問い合わせるなどして、移送先を決定し、体制整備することなどとなっています。
しかし、阪神・淡路大震災では、市町村主体の避難所運営は難しいということがわかり、地域住民が避難所運営にかかわることが避難所の円滑な運営のために必要であることも明らかになりました。
大規模災害発生時には、地域住民である避難者が、避難所を一定期間、臨時の生活拠点として利用することを前提にして、避難所が避難者にとって秩序のとれた生活拠点として機能するような運営・組織体制の確立が必要とされます。災害発生直後の業務から、長期化していく上で避難所での生活規則の確立、情報伝達、プライバシー保護、高齢者、障害者などの健康状態の把握など多岐にわたる業務が円滑に進められなければなりません。
新潟中越地震では、地震では助かったのに、お気の毒なことに、避難所生活で体調をくずされたり、亡くなられた方々がいらっしゃいました。
現行の県地域防災計画には、避難所の設置運営の基本的考え方が示されていますが、避難所の運営の仕組みについて、自主防災組織など地域住民との連携や行政関係機関の役割などをより明確化、具体化しておく必要あると考えます。そのためには、県として、市町村が避難所マニュアルを策定できるような基本指針の作成をしてはいかがかと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
西村総務部長 避難所の設置・運営は関係法令により、市町村において行われますが、県といたしましても、地域防災計画において、避難所における運営体制や、情報提供、生活環境の整備などを定め、運営する市町村に対し指導助言を行うことといたしております。
避難所においては、今回の新潟県中越地震において見られますように、高齢者や障害者等の災害弱者への対応は勿論でございますが、心のケアやエコノミークラス症候群等の保健・医療をはじめ、救援物資の配分、仮設トイレ、応急仮設住宅、安否情報、家畜やペット、プライバシー保護に関する問題など、多岐にわたって取り組むべき課題が発生しております。
このような課題の解決を図るためには、ご指摘にもありましたが、避難所の運営を行政だけではなく、ボランティアや自主防災組織等の協力により運営することが期待されております。
したがいまして、県としては、今後、市町村との連携や、近く国から示される高齢者等の支援に関するガイドライン等も踏まえ、庁内関係部局との十分な連携を図りながら、市町村が効果的な避難所運営マニュアルを策定するための基本指針の作成について検討していきたいと考えております。
県といたしましては、今後とも、避難所の設置・運営については、防災訓練での検証など、市町村への指導助言に努めるとともに、県といたましても、被災者の方々の避難生活を支えるための体制強化に取り組んでまいります。
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(1)学力の定着・向上のための授業評価システムの活用
久保田 先日、宇部市内の小学校で、文部科学省の研究委嘱事業、学力向上フロンティアスクールの研究発表が行われ、3年生から6年生までの算数の公開授業を参観しました。
わかりやすく工夫された教材を使って、多様な学習形態で少人数指導が行われていました。授業の最後には、授業がよくわかったかを確認する授業評価シートとして「振り返りカード」が使われ、児童による授業評価を生かした授業改善が進められていました。
授業評価は、学習の主体である児童・生徒自身が自らの学びに照らして授業を評価することで、教師が指導方法に生かし、授業改善を図るものです。
たとえば、小学校の算数の授業評価では、説明はわかったか、黒板の字は読みやすかったか、わからないところを質問しやすかったかなどが質問項目です。
私は、平成14年の6月県議会で授業評価システムの導入を提案したところ、市町村教育委員会と連携し、研究モデル校を設置し、調査研究をするとのご答弁でした。
15年3月、その調査研究報告が公表されました。それによりますと、授業評価システムに取り組んでの成果は、授業に対する教師の意識改革が図られたこと、指導方法の工夫改善が図られてきたことから、児童生徒の授業に対する満足度や期待度はおおむね良好、望ましい師弟関係が構築されつつあるとされています。
また、平成15年度の県内の小学校・中学校での授業評価の実施状況は、全小学校中80,2%の272校、中学校では、81,1%の146校、義務教育現場の授業改善にむけての意欲がよくわかります。
一方、県立高校においては、学校全体で取り組んでいるのは26%の17校にとどまっています。そこで、まずお尋ねいたします。県立高校における授業評価システムの活用の実態と評価をお伺いします。
授業評価システムは、子どもたちにとって単に楽しい人気のある授業にするためのものではありません。わかりやすい授業、一人一人の進み具合に応じた授業などより良い授業を行い、子どもたちの基礎学力の定着・向上を図るためのものです。
そこでおたずねいたします。県内で実際されている学力向上フロンティアスクールの成果とこのたびの調査報告をもとに、今後、学力定着・向上のために授業評価システムをよりいっそう有効に活用すべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
藤井教育長 まず、学力の定着・向上のための授業評価システムについてであります。
お示しのありましたように、児童生徒一人ひとりの状況を踏まえながら創意工夫した授業をすすめるためには、児童生徒による授業評価を積極的に行い、授業改善を図っていくことが重要であります。
まず、県立高等学校における授業評価システムの活用の実態と評価についてでありますが、生徒による授業評価について、学力向上フロンティアハイスクール等の研究校や学力の向上を課題とする検討協議会において研究を進めますとともに、校長会や教科研究会を通じて、各学校での取組みを働きかけております。
現在の実施校数は17校となっておりますが、これらの実施校においては、生徒の学習意欲が高まるなどの成果も見られるところであります。来年度からすべての県立高等学校で導入いたします学校評価とあわせまして、授業評価に取り組むよう進めてまいります。
次に、これからの授業評価システムの活用についてであります。
今後、これまでの小・中・高等学校の学力向上フロンティアスクールなどの研究校で進めてきました児童生徒による授業評価を生かした授業改善の取組みなどを、Webページの掲載などにより各学校に情報提供いたしますとともに、小・中学校においては、市町村教育委員会と連携しながら、各種会議等を通じて、各学校で取り組むよう働きかけてまいります。
また、児童・生徒の評価を踏まえまして、その理解や習熟の程度に応じた指導方法の工夫や教材の開発などによる授業改善をとおして、学力の定着・向上に積極的に取り組んでまいります。
久保田(要望) それから教育問題ですが、授業評価について、私もいくつかの高校で活用されていると、小学校は、そのように公開授業でやりまして、中学校、高校でお聞きする中でも3学期になってから、或いは2学期の今頃になって評価シートがまわって来たとかですね、そういうことをお聞きします。全部が全部ではないにしてもですね、やはり学期毎にやるとかですね、細かくこういうことをやらないと学年が終わる頃になって、授業改善の評価シートが来ても、もうあまり十分ではないんではないかと、その学年にいる生徒、児童生徒達はもう間に合わないということになりますので、非常にその利用の仕方、活用の仕方を現場の先生或いは管理職の先生達が本当に理解をするかどうかが大きな分かれ目になると思いますので、各種研修等でその活用についての更なる徹底をお願いしたいと思います。
(2)特別支援教育
久保田 障害児教育は、昨年とりまとめられた国の調査研究協力者会議の最終報告に基づき、障害の程度に応じ、特別の場で指導を行う「特殊教育」から、障害のある児童生徒ひとりひとりの教育ニーズに応じて、適切な教育的支援を行う「特別支援教育」への転換が図られようとしています。
県においては、小中学校に在籍する特別支援を必要とする児童生徒への支援方法や校内体制整備などについて、15年度・16年度において、光市と周南地域・萩地域において研究されてきました。
また、盲・聾・養護学校では、地域のセンター的役割を担うことが求められていることから、医師、言語聴覚士などの専門家からなるプロジェクトチームで、教員の専門性の向上や関係機関との連携体制などについても検討されているところです。
これらの研究成果や検討の状況についてお伺いするとともに、平成17年度までに策定をしなければならないビジョンにどのように反映されるのかお尋ねいたします。
また、長期的な視点で乳幼児期から学校卒業後までを通じて一貫して的確な教育的支援を行うために、個別の教育支援計画が作成されることとなっていますが、障害のある児童生徒のひとりひとりのニーズを正確に把握し、教育の視点から適切に対応していくためには、医療、福祉分野との連携が必要と考えます。
先日、保護者の方々の集まりで、小学校入学時の個別の教育支援計画の作成には、出産・新生児検診からの診断や幼児期の各種の検診結果などを踏まえたものであるべきとの指摘をいただきました。現状では、幼稚園、小学校、養護学校と教育機関を変わるたびに新たなものが作成され、誕生からの成長過程や療育・教育の過程がつながりにくいとのことでした。
そこでお尋ねいたします。個別の教育支援計画の作成にあたって、医療・福祉など関係機関との連携システムを構築すべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
藤井教育長 まず、周南地域等における研究の成果についてであります。各研究地域の全ての小・中学校に、特別支援教育コーディネーターと校内委員会を置きまして、軽度発達障害等について教員の共通理解を深めますとともに、保護者や関係機関との連携の強化を図って、障害の早期発見や的確な実態把握を行う中で、授業改善の工夫が全校的に進められております。
また、盲・聾・養護学校におきましても、関係機関連携協議会等を設けて、医師等の専門家による研修会等を実施し、障害や指導方法について具体的に研修するなど、専門性の向上に努めますとともに、小・中学校や医療、福祉等との連携により、児童生徒の支援についての研究を進めております。教育相談等の依頼も増加するなど、センター的機能が強化されてきております。
県教委といたしましては、今後、特別支援教育のビジョンを策定する中で、これらの成果等を反映して、特別支援教育の充実を図ってまいりたいと考えております。
次に、個別の教育支援計画の作成に当たっての医療、福祉等との関係機関の連携システムについてであります。
障害のある児童生徒の教育におきましては、医療、福祉等の関係機関と学校が連携して、乳幼児期から学校卒業後まで一貫して支援することが重要であります。
このため、本年度、盲・聾・養護学校に個別の教育支援計画策定委員会を設置いたしまして、現在、必要な情報の共有化を図り、一人ひとりの自立や社会参加に向けた適切な支援を行うための個別の教育支援計画の作成や、それに基づく関係機関との連携による支援につきまして検討を進めております。
県教委といたしましては、今後とも、関係機関との連携を図りながら、特別支援教育の充実に向けて積極的に取り組んでまいります。
久保田(再質問) 個別の教育支援計画について、盲・聾・養護学校等で検討委員会が設置されるということであるが、市町村の保健センター、教育委員会、保健行政等との連携のシステムが必要ではないか、再度お尋ねする。
藤井教育長 個別の教育支援計画についてのお尋ねでありますが、この作成に当たりましては、障害の早期発見と、それから的確な実態の把握が必要であり、お示しのありましたように、保健、医療、福祉等との関係機関が連携して支援を進めるためには、情報の共有化が大切でありますが、情報の入手の方法や情報管理等の課題もありますので、現在、取り組んでおります特別支援教育推進体制モデル事業の中で、検討を進めてまいります。
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久保田 本県は、20年ほど前までは全国有数の漁業県でしたが、近年は、水産資源の減少や漁価の低迷などにより漁業経営の悪化を引き起こし、担い手の減少や高齢化が一段と進み、漁業を取り巻く環境は大変厳しくなってきています。そのような状況の中、漁民の組織である漁協においても、きわめて厳しい経営状況に置かれており、平成14年6月の水産業協同組合法改正による漁協信用事業の規制強化への対応や、信漁連再建問題という課題に直面しています。
これらの課題を克服して、本県の水産業が持続的に発展をしていくためには、漁協、漁連、信漁連が団結して、強固な事業運営体制と経営基盤を持つ漁協組織を早期に確立することが必要となってきています。このため、漁協系統団体においては、平成14年6月の総会において、平成15年中に経営基盤の強固な一県一漁協を構築することが特別決議されました。しかし、その後の合併協議は難航し、合併参加予定56漁協中48漁協が、本年9月に合併仮契約書に調印したものの、10月の合併推進協議会においては、不参加漁協への働きかけが決議され、結局、合併期日の延期が決定されました。このことについて、県はどのような見解をもたれているのか、お伺いいたします。
先般、全国でもっとも早く平成14年4月、一県一漁協を実現された大分県へ調査に行きました。大分県の漁業も、本県同様に大変厳しい状況にあったため、経済競争力を備えた漁協への変革をなしとげなければならず、27の漁協、組合員数1万1千人あまりが、平成4年から段階的に合併を進めて、平成14年4月に大分県漁業協同組合が設立されました。そして、大分県漁連が同年10月、大分県信漁連が今年9月に漁協に包括承継されました。経営基盤の強化のため、欠損金の解消として、県は平成14年から23年まで5億2600万円あまりの支援をし、漁協は欠損金解消まで支店独立会計の継続や、増資・減資などの自助努力を行い、平成18年度に経営の一元化がはかられることとなっています。
大分県の漁協合併は、困難な課題を多く抱えながらも、関係者の地道な努力と県の支援によって、漁協のあるべき姿をえがき、その目標を達成できる組織・事業改革をおこない、組合員の負託に応えうる組織を着実に構築されました。今後は、資源管理、後継者育成などの水産業の新たな課題を担うに足る基盤を備えた「認定漁協」として明確化していくこととしています。
先日、県内の漁業者や漁協関係者らと意見交換の場をもったところ、一県一漁協合併問題の必要性は理解するものの、漁業者負担や合併後の組織体制などへの不安は大きく、現在約105億円とされている信漁連の負債に対する憤りも強く、10年来の信漁連再建問題の抜本的解決の必要性を強く訴えられました。
本県の一県一漁協合併問題は、公的資金が投入されるにあたっても、経営のプロをいれるなど経営体質の強化が必要であり、信漁連問題の解決がなされた上で、漁業者の声をしっかり受け止め、その立場にたった合併議論が基本となるべきと考えますが、県としては、今後、一県一漁協合併問題にどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
潮田水産部長 まず、不参加漁協への働きかけが決議され、合併期日が延期されたことに対する県の見解についてのお尋ねです。
お示しのとおり、県内漁協と系統団体においては、県内漁協の経営基盤の強化と信漁連問題の抜本的な解決を図ることを目的に、平成14年6月の系統の通常総会において、1県1漁協の早期実現を決議され、これまで、合併に向けた積極的な取り組みを進めて来られたところであります。
そうした中で、本年9月には、56漁協中48漁協が合併仮契約に調印され、その後、県に対して支援要望があったところですが、強固な経営基盤をもつ漁協の構築が不可欠でありますことから、更なる参加漁協の増加等数点の条件を付けたところです。
県としては、健全経営のできる1県1漁協を構築するためには、合併期日を当面延期してでも、できるだけ多くの漁協が参加することが望ましいと考えております。
次に、信漁連問題の解決がなされた上で、1県1漁協合併問題に取り組むべきではないか、とのお尋ねですが、信漁連においては、平成5年以来、県内漁協と系統団体が一体となり、その再建に取り組まれてきたところですが、信漁連自身による経営合理化の限界や、低金利下での県債運用益の確保が困難となった等の状況から、これまでと同様な手法では再建が極めて長期化するという事情を抱えております。
また、お示しのように、県内漁協の経営は極めて厳しい状況にある上、水産業協同組合法の改正による漁協信用事業の規制強化への緊急対応が求められております。
このため、県内漁協と系統団体においては、強固な経営基盤を持つ漁協の構築と、併せて、長年漁業者を苦しめてきた信漁連問題の抜本的解決を図るためには、漁協系統組織の基盤を構成する漁業者自らの負担が必要となるものの、1県1漁協の構築が最善の方策と判断されたところであり、また、水産庁や全国漁協系統も、そうした本県の取り組みに対して理解と協力の意向を示しております。
県としては、こうした状況を踏まえ、水産業を支える漁協や零細な漁業者を守るという立場から、引き続き、県内漁業関係者の意見を聞きながら、水産庁や全国漁協系統との協議を重ね、信漁連問題の抜本的解決を含めた、1県1漁協合併に取り組んでまいりたいと考えております。
久保田(再質問) 1県1漁協の合併問題についてですけれども、やはり強固な経営基盤の確立をしていく上では、経営のプロ、やはり財務、或いは法務、金融そうゆうものに詳しい経営のプロの力が必要なんではないかと思います。
また、大企業が経営困難に陥った時には、産業再生機構という仕組みがあって、再生請負人が派遣されて、そこの方たちと一緒にチームを組み、企業再建に向けての取り組みをやるわけです。新しく1県1漁協で経営基盤を強固にしていくという中で、信漁連問題も同時解決をはかるという大変困難なスタートを切るわけです。
経営再建とそれから成長へのシナリオを新たに実現していくという、これは本当に大変な作業だと思います。そう言った意味では、この経営のプロの活用について県としても指導、アドバイスそういったことが必要ではないかと思いますのでお尋ねをいたします。
潮田水産部長 1県1漁協の健全経営のための組織・事業改革を実施するためには、経営プロの登用が必要ではないか、という質問でございますが、1県1漁協の健全経営につきましては、漁業者の負託に応える経営体制が重要であると考えておりまして、現在、県内漁協系統において検討中の「経営健全化計画」では、強力なリーダーの早期選任、それから、全国漁協系統と県で構成する外部委員による定期的な実績検討会の開催、能力主義に基づく給与体系の導入と、計画を着実に実践していく体制を確保することとして検討しております。
経営のプロの問題については、この問題も重要なことから、こうした1県1漁協の経営健全化計画の中で、真剣に検討していきたいと考えております。
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(1)経営改善対策
久保田 山口県道路公社は、山口県が公社の基本金87億2千600万円の全額出資して、昭和46年11月に発足しました。事業内容は、3つの有料道路事業として、山口宇部有料道路、彦島有料道路、萩有料道路があり、それに加えて、有料駐車場事業を行っています。
有料道路の建設においては、建設路線の料金ははたして採算が取れるか、採算がとれるとして償還に何年かかるかが重要であり、個別採算主義が原則とされています。受益の範囲において、料金徴収期間、推定交通量などを考慮して、原価を償還し得るように定められ、路線の一本一本について個別に償還を計算し、償還が完了すれば無料開放されることとなります。しかし、路線によっては未償還金を残したまま料金徴収期間が満了していることも考えられます。
平成13年度の包括外部監査では、3本の有料道路について収支予算の見通しを明らかにしています。山口宇部有料道路について、現状の交通量実績と料金収入実績では、当初計画の達成は不可能な状況にあり、100億円以上の返済を実現するには、抜本的な検討が必要と指摘されています。
彦島有料道路については、30年間の料金徴収期間終了が来年9月に迫る中、県出資金26億円の返還財源についての検討が必要と指摘されています。
萩有料道路については、平成34年3月の料金徴収期間終了時には、4億1千万円あまりの余剰金となり、債務処理に支障なく無料開放が行える状況にあるとされています。
山口県道路公社全体の業務収入は、平成15年度約14億円、収支予算はおおむね42億円程度ですが、平成12年度には、11億7千100万円の補助金が県から支出されており、さらに、平成2年度からは、毎年、16億7千万円あまり県から借り入れしています。毎年、同額の返済がなされているとはいえ、この税金は、県財政からみれば寝かされていることになり、県民のために有効な政策に使われるべきものです。
このような県の支援があって、近年の経営状況は、若干、改善傾向にありますが、県財政が一段と厳しさを増す中、県の財政負担の軽減を図るべきであり、山口宇部有料道路の利用促進による採算性の確保や公社の業務内容の徹底的な見直しなど公社の経営改善対策のより一層の取り組みが求められますが、今後の具体的な取り組み内容とスケジュール、ならびにその効果をお伺いいたします。
藤本土木建築部長 県においては、公社の厳しい経営状況を踏まえ、公社と連携し、これまで借入金の繰上げ償還や県土地開発公社との事務局の統合など、公社の経営改善策に取り組んできたところです。
また、包括外部監査の結果を踏まえ、平成14年度に県と公社で構成するワーキンググループを設置し、様々な観点から経営改善策の検討を行い、維持管理内容の見直しや利用促進のPRのための企業訪問など、可能なものから順次実施してきたところです。
これらの取組みの結果、お示しの山口宇部有料道路については、平成14年度から収支が好転するなど、経営改善の効果が表れているところです。
今後の経営改善策の取組みにつきましては、引き続き、 これらの経営改善策に取り組むとともに、「県政集中改革」の基本方針に沿って、平成17年6月を目途に「改革工程表」を策定し、これに基づき、組織面やさらなる経営改善策等について検討し、平成17年11月に、公社改革の指針を策定する予定としています。
久保田(再質問) 公社改革の工程表を作るに当たって、是非、考えていただきたい。
県道路公社は、ここ数年は、一応、3億円なり5億円なりの当期利益をあげている。一方で、平成2年度から、毎年16億7千62万5百円を、無利子で県から借入をして、単年度で返済している。
この16億円というものから決別して、事業収入をあげ償還していくという切り替えをしていただかない限り公社改革は本物にならないのではないかと考えますので、再度、お尋ねする。
藤本土木建築部長 県道路公社への貸付金の軽減、減額についての再質問でございますが、貸付金の軽減につきましては、現下の厳しい県の財政状況に鑑みまして、その重要性は認識いたしております。
そのためにも、先程ご答弁申し上げましたように、県道路公社の経営改善について、なお一層、積極的に取り組んでいく必要があると考えています。
(2)山口宇部有料道路の料金値下げの実験
久保田 山口宇部有料道路は、山口市江崎から宇部市西岐波まで14キロメートルについて昭和50年から2車線で共用開始しました。平成13年、山陽自動車道の接続と山口南インターチェンジのフルインター化に伴い、現行2車線から高規格4車線へ拡幅されました。総事業費約132億円、普通車料金400円。料金徴収期間は、当初計画では昭和50年2月から平成17年2月までの30年間とされていましたが、4車線化に伴い、昭和62年1月から平成39年1月までの40年間に変更されました。
開設以来31年間の交通量の推移を見ますと、計画交通量を超えたのは昭和57年度と58年度の2回だけです。それ以外の29年間の実績は計画交通量の半分程度です。4車線化してからのこの4年間の計画交通量は、平成13年度14075台から少しずつ増加するものと計画されていますが、実際の交通量は、平成13年度で7955台で、14年度7608台、15年度7755台と半分程度に留まっているのが現状です。
山口宇部有料道路は、山口県道路公社でもっとも大きな有料道路事業だけに、このように計画交通量の半分程度しか実績がない状況であれば、公社経営への圧迫や料金徴収期間の満了時、多額の未償還金を残すことになります。交通量を増やすための取り組みが急がれています。
山陽自動車道では、本年10月1日から11月30日までの2ヶ月間、防府東インターチェンジと熊毛インターチェンジの間を、全車種、終日、高速道路料金を約半額とする社会実験が実施されました。現在、その結果が集約されているところですが、2割程度は増加したのではないかと推測されています。
地方の有料道路においても、近年、夜間無料化や全車種100円に値下げをするところがでてきています。
たとえば、長野県では、有料道路を迂回する大型車などに起因する周辺一般道路での交通安全や騒音などについて、地域住民から、沿道環境の改善を求める要望がだされたことから、平成14年度、長野県内4本の有料自動車道のすべてにおいて、夜間無料化が実施され、夜間無料化による周辺道路などの交通量、騒音の変化が検証されました。結果はすべてのところで実験開始後、全車種の合計交通量が2倍程度増加し、迂回道となっていた旧道の交通量は2割減少し、騒音も大幅に低下しました。
この結果を受けて、平成15年度は、3路線において終日全車種100円で実験したところ、同様の結果がでました。たとえば、松本トンネル有料道路では、6倍増加し、一方で松本市内の一般道路では、大型車の交通量が約45%に減少しています。
山口宇部有料道路では、平行する国道190号の渋滞がひどく、かねてより、地元からは道路拡幅の要望が出されてきましたが、その実現は難しい状況にあります。そこで、提案ですが、山口宇部有料道路の料金の値下げと交通量の増加のシュミレーションや採算性の再構築をするために、山口宇部有料道路においても、料金の値下げを期間限定で実施し交通量の増加と平行する国道190号の渋滞緩和も実現させる社会実験を検討してはいかがでしょうか。お尋ねいたします。
藤本土木建築部長 山口宇部有料道路の料金値下げ実験につきましては、周辺道路の整備が進み、従前に比べ、国道190号等の渋滞が緩和されていることから、値下げにより山口宇部有料道路への交通転換が図られるかどうか、さらにはその実施方法などの課題があり、今後、他県の状況も参考にしながら、社会実験について慎重に研究してまいります。
県としましては、現下の厳しい財政状況を踏まえ、今後とも県道路公社の経営改善に積極的に取り組んでまいります。