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山口県議会議員(1999年~2009年4月)として県議会での質問です

分類

会期

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  • 2001年06月
  • 2001年03月
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  • 2000年09月
  • 2000年06月
  • 2000年03月
  • 1999年12月
  • 1999年06月

2005年09月議会

[目次]

  • 1.行財政改革の推進について
  • 2.地域福祉の推進について
  • 3.知的障害児施設山口県このみ園について
  • 4.自殺予防対策について
  • 5.自動車リサイクルについて
  • 6.グリーンツーリズムの推進について
  • 7.環境教育の推進について

1.行財政改革の推進について

(1)行政改革の取り組みについて

久保田  少子高齢化による人口減少社会を目前に控え、山口県では、地方分権や市町村合併の進展など様々な環境変化が起きています。それらに対応するために、「新たな山口県のかたち」を創り上げていかなければなりませんが、平成16年度から19年度までの4年間、「県政集中改革期」と位置づけ、行財政改革が推進されているところです。
 本県の行政改革は、昭和54年から断続的に取り組まれてきたところです。現行の計画は、平成12年4月からの地方分権一括法の施行によって、分権型社会への移行が本格的にスタートする中で策定されており、平成13年度から17年度までの5年間で、本年が最終年度となります。
 この現行の行政改革指針のサブテーマは「県民主役の元気な県政へのシステムづくり」とされていますが、皮肉なことに、スタートの年にあたる平成13年度には、将来の負担となる県債残高が、ついに1兆円を突破し、財政硬直化が一段と進む結果になってしまいました。
 現行の計画には、財政健全化への取り組みが位置づけられていたにもかかわらず、健全化が進むどころか悪化してしまいました。その理由はどこにあるのか、まずご説明をお願いします。
 現行計画では、目標の数値化がほとんどないので、評価しにくい状況ですが、最終年度にあたり、その成果と課題をお伺いするとともに、現在策定中の行政改革の取り組みでは、新たな視点は何か、数値目標はどのように設定するのか、お尋ねします。

二井知事  私からは、行財政改革の推進に関するお尋ねのうち、行政改革の取り組みについてお答えをいたします。
 その中で、まず、現行の行政改革指針における財政健全化への取り組みについてのお尋ねであります。
 御指摘でありましたように、県債残高は、この5年間増加が続いておりますが、これは、近年における景気の低迷等に伴い、国・地方を通じた税収不足が続く中で、国の地方財政対策により、財源不足に対応するための臨時財政対策債の発行などによるものであります。これらは、後年度の元利償還金として交付税措置があるものでありまして、当面の県債増発としては、やむを得ないものと受け止めております。
 その一方で、こうした特殊事情を除く、いわゆる通常債につきましては、公共事業における投資水準の見直し等を通じまして、発行の抑制を図ってまいりました結果、その残高が減少いたしております。
 しかしながら、県債残高の累増は、財政の硬直化要因となるものであります。財政の弾力性を回復するためには、借入金に依存した財政体質を早期に改善をしなければなりません。
 このためには、国と地方の構造改革を進め、地方公共団体の安定的な財政運営に必要な地方交付税、地方税などの一般財源の総額が確保されるように、国に対して強く求めていかなければならないというふうに思います。
 そして、同時に、本県におきましても、今後の行財政改革に当たりましても、県債残高が1兆1千億円台を超えることがないように、単年度の県債発行を公債費以下とするプライマリーバランスに着目した財政運営に取り組むなど、引き続き県債発行の抑制に努めていかなければならないと考えております。
 次に、現行の行政改革指針の下での成果や課題等についてのお尋ねであります。
 私は、これまで行政改革指針に沿って、「県民主役の元気な県政へのシステムづくり」を目指して、毎年度、進行管理をしながら、行政改革の取り組みを進めてまいりました。
 指針の計画期間であるこの5年間におきまして、パブリックコメントの推進や県民活動に関する推進体制の整備など県民参加の仕組みづくりをはじめ、市町村への権限移譲や民間委託など分権の推進、さらには政策評価システムの実施や電子県庁の推進など、行政運営の効率化と県民サービスの向上に、多くの成果を上げることができたというふうに思っております。
 しかし、一方で、市町村合併をはじめとする分権改革が本格化いたしますなど、県政を取り巻く環境が大きく変化する中で、これまでの成果を継承しながら、県政が抱える新たな政策課題に適切に対応できる行政運営や組織づくりが課題となっております。
 このため、本年度、新たに行政改革プランを策定することといたしております。このプランでは、分権時代において、広域自治体としての県の役割を適切に果たせる行政システムづくりや、厳しい行財政環境の中で簡素で効率的な組織体制の整備等を基本視点に掲げ、できる限りの数値化や工程表の策定を行うなど、進行管理を徹底をし、実効性を高めていきたいと考えております。
 今後とも、効率的な県政運営と県民サービスの向上のために、県民の視点に立って、わかりやすく、実効性のある行財政改革に全力で取り組んでまいります。

久保田(再質問) 現在、本県の持っている財政改革指針には、具体的な数値がない。各財政資質の向上ということであれば、財政力指数を全国平均まで上げる、経常収支比率をどこまで上げる、公債比率をどうするという目標数値を定めていくということも必要ではないか。
 財政改革について、住民にわかりやすい、具体的な数値目標を入れた計画作成が必要と考えるが、いかがか。
 県民の期待に応える県政を作る、新しい県の姿を創っていく上で、財政というものは、当然、避けて通れないものであり、また、自立した経営体への改革を進めるとのことであるので、財政健全化をきちんと数値化し、全庁一丸となって進めていただきたいと思う。

二井知事  私からは、行政改革プラン等の数値化の関係のご質問にお答えいたします。
 先ほど、ご答弁を申し上げましたように、今、財政構造的に言いますと、やはり、国の地方財政対策によって、県の財政も影響を受けるという度合いが引き続き多い状況にあります。
 しかしながら、そういう状況の中でも、県として、数値化ができるものは、できるだけ数値化をしていきたい。そして、県民の皆様にわかりやすく説明できるようにしたいということで、これからも、プラン策定については、努力をしていきたいと考えております。
 また、当然のことながら、住みよさ指標も近く発表いたしますが、これは県だけの力で、この目標を達成するということは困難なものもありますから、民間、あるいは市町村の協力を得ながら、目標達成のための努力を重ねていかなければならないと思っております。


(2)財政健全化の取り組みについて

久保田  山口県の財政状況について、生活費を年500万円必要とするサラリーマン世帯に例えた場合、給与収入は108万円しかないので、借金や貯金の切り崩し、親からの生活費支援などによって、家・土地を持ち、子どもへの仕送りもしており、貯金残高は45万円、借金残高は706万円にふくれあがっている大赤字の家計となります。
 これは、平成15年度の一般会計決算額をもとにしたものですが、大変厳しい財政状況は、16年度、17年度とさらに進んでいます。
 二井知事が就任された平成8年当時は、県の貯金である基金残高は586億円もありましたが、その後、減少の一途で、9年後の今年度末の基金残高は半減どころか、217億円まで減少となります。一方で、県の借金である県債残高は、平成8年には、まだ6,616億円でしたが、その後、増加の一途をたどり、今年度末には1兆1,471億円となります。
 経費削減効果と県の借金である県債の発行額を検証してみますと、平成10年から12年までの3年間、行政改革による経常経費節減や職員の削減などの削減効果額は、累計で156億円ですが、この間の県債の発行は約3,200億円にのぼります。平成13年から15年までの3年間、行政改革による削減効果は85億円ですが、県債発行は約3,000億円です。
 つまり、節約はしてきたものの、それではとてもたりず、借金を重ねてきたのです。これまでの行政改革の取り組みでは、財政健全化の道筋は作れなかったといえます。
 そこでお尋ねいたします。今後、新たに策定される行政改革プランによって、経費節減などの財政効果は、どの程度見込まれるのかお伺いします。
 また、昨年10月に策定された中期的な財政改革の指針によれば、県債残高は、現状の1兆1千億円台を超えることのないよう、その抑制を目指すとされていますが、財政健全化のあるべき姿は現状維持なのか、次世代への負担を重くし、政策の自由度を抑制させないためには、財政健全化をどの水準に定めるべきなのか、お尋ねいたします。

西村総務部長  私からは、行財政改革の推進に関連する3点、1点目は財政健全化の取り組み、2点目は民間委託の推進、3点目は未利用財産の活用、そして、環境教育の推進に関連する山口県立大学の推進について、以上4点について、お答えをさせていただきます。
 最初に、行財政改革の推進に関連する行政改革プランによる経費節減などの財政効果についてのお尋ねでございます。
 御案内のとおり、財政健全化につきましては、県政集中改革における財政改革として、お示しの行政改革プランに先駆け、将来的な財政見通しを踏まえた「中期的な財政改革の指針」に基づき、すでに、抜本的な取り組みを進めているところでございます。
 この中で、経費節減につきましては、内部経費の節減はもとより、選択と集中の視点に立った事業の優先順位や、PFIの導入、民間への業務委託等に取り組んでおります。
 さて、お尋ねの、新たな行政改革プランによる経費節減などの財政効果につきましては、現在策定中であり、具体的にその数値を見込むことは困難でありますが、プランの実施に当たりましては、当然のことながら、行政改革と財政改革が相まって、効果が高まるよう努めていきたいと考えております。
 次に、県債残高の抑制と財政健全化についてのお尋ねでございます。
 県債につきましては、世代間の負担の公平と財政負担の平準化という本来の機能を活用しながらも、将来の負担軽減を図り、財政の弾力性を増して、施策の自由度をより高めていく必要があります。
 このため、残高が現状の1兆1千億円台を超えないよう、その抑制を目指すこととし、単年度の県債発行を公債費以下とするプライマリーバランスにも着目した財政運営などの手法を導入しているところでございます。
 毎年度の予算編成等を通じ、こうした取組を積み重ね、持続可能な財政構造を確立するためには、財政健全化の水準として、弾力性を示し、施策選択の自由度を高める経常収支比率や、健全性を示し、次世代への負担を軽減する起債制限比率の各種財政指標のより改善を図ることが、目指すべき方向だと考えております。


(3)民間委託の推進について

久保田  「官」から「民」へ、民間でできることは民間でやるといった流れは、国・地方を問わず必要なことであり、行政の担うべき役割を重点化、効率化し、住民サービスの向上や新たな雇用の創出という観点からも、より積極的に民間委託を推進すべきと考えます。
 私は、平成14年9月議会と15年2月議会において、民間委託の実施にあたっては、委託の判断基準や委託先の選定方法などのガイドラインを策定し、公平性、透明性を持った制度の確立を急ぐべきことを求めました。
 その後、「ガイドライン」と「実施計画」が策定され、外部委託が進められていますが、昨年度の委託実績は58業務で約5億3千万円、今年度は59業務で約8億2千万円です。しかし、これらは新規事業やこれまでの委託事業の内容を拡充したものだけです。
 県全体の予算でみると、15年度一般会計の歳出決算額7,801億円のうち、市町村への委託を含めた外部委託は、352億円にすぎず、約4.5%です。16年度についてもほぼ同様の状況で、一般会計の決算予定額7,784億円のうち外部委託は332億円、約4.3%にすぎません。
 しかも、現在の外部委託には、民間委託ばかりではなく、市町村に委託されているものも含まれており、実態が見えにくい状況です。
 全体的な事務事業の見直しが行われたのか、県の業務のなかで民間委託されているものの全体像はどのようになっているか、県民にわかりやすい形での公表が必要ではないでしょうか、お尋ねします。
 また、16年度の外部委託の実績をみますと、58業務のうち40件が、入札がおこなわれず、随意契約となっており、随意契約をした理由の多くは、地方自治法令第167条の2の2号による「その性質または目的が競争入札に適しないとき」というきわめてあいまいな、言ってみれば何でもありの条項を使っています。さらに17年度から実施予定の59業務をみても、随意契約は36件となっています。このように外部委託しても、その約6割から7割が競争入札されないで契約されている委託の実態について、ご説明をお願いします。
 さらに、県の直営で行う場合と委託した場合とのコスト比較を行い、費用対効果はどうか、外部委託を実施することで総体として効率性が拡大するかどうか、短期的コスト削減効果だけでなく、中長期的視点からもどうか、また、県民へのサービス水準が落ちないか、といった外部委託による効果の検証と見直しはどのようにされているのか、具体的な事例でご説明をお願いします。
 さらに、お尋ねいたします。すでに全国的にみると、給与計算事務を民間委託している県が多くなっています。たとえば、静岡県では、各部局で処理していた旅費や報酬などの支払い事務などを一括処理するための「総務事務センター」を出納局に設置し、端末入力や伝表作成の定まった事務について、平成14年度から民間人材派遣会社へ委託を実施したところ、年間経費で県職員3人分の事務についておおむね50%の経費で事務処理を行うことが可能となり、人件費についてひとりあたり年間400万円のコスト削減となっています。平成15年度は総務事務センターに給与の支給事務を集中化し、外部委託を行ってさらにコスト削減を実現しています。
 本県でも、給与計算などは各課でやっていたものを各部局の主管課に集約させてはいるものの、他県の状況をみれば、さらに民間委託へともう一段、進めることができるのではないでしょうか。お尋ねいたします。

西村総務部長  次に、民間委託に関連する4点のお尋ねにお答えします。
 民間委託につきましては、官から民へという流れの中で、民間と行政の適切な役割分担の下で、行政サービスの向上や行政運営の効率化を図る上で、極めて重要な課題でございます。
 まず、1点目の外部委託の実態や公表についてでございます。
 全庁的な事務事業の見直しにつきましては、平成14年に策定した「外部委託推進ガイドライン」に沿って、全ての事業について、委託の可否を検討し、契約目的や内容等を点検しながら、外部委託の推進に取り組んでいるところです。
 お尋ねの全体像については、業務委託は多様でありますことから、一概にそれを把握し、公表はいたしておりませんが、平成15年度から17年度の3年間で、191件、30億6千万円の業務については、新たに実施・拡充しており、毎年度、その計画や実績を取りまとめ、契約の内容、額、契約の方法や相手方を公表しているところです。
 今後におきましても、さらに契約内容の点検等を進めますとともに、その公表につきましても、民間委託を推進し、県民への説明責任を果たす観点から、県民に分かりやすい公表の方法について検討してまいります。
 2点目に、契約の実態につきましては、申し上げるまでもございませんが、契約に当たっては、地方自治法等関係法令に照らし、厳正にチェックした上で執行しております。
 さて、お尋ねの随意契約の実態につきましては、プロポーザル方式によるもの、あるいは中小企業の診断業務や不動産鑑定業務など専門性の高いもの、そして障害者スポーツの支援などNPOとの協働事業等、様々な形態のものがあります。競争入札によらないものについても、契約の目的や内容等を踏まえ、適切に実施されていると認識しています。
 次に3点目の外部委託の効果の検証と見直しにつきましては、「外部委託推進ガイドライン」において、全庁的な取り組みとして、サービスの質やコストの妥当性など、その効果の検証を行うこととしております。例えば、東部・西部高等産業技術学校における介護サービスに係る職業訓練業務の外部委託、あるいは計量検定所における計量器の定期検査業務では、人員とコストの削減、あるいはより専門的、効率的な業務執行が可能となるなどの効果がでてきており、今後とも事務事業の点検、見直しを徹底し、適切かつ効果的な委託の推進に努めてまいります。
 最後の4点目、給与計算事務等の民間への委託につきましては、お示しのように既に数県で実施されております。こうした他県の取り組みも参考にしながら、一括処理することによる効果や業務への影響などを検証し、さらに効率的な業務の在り方について検討を行います。
 県といたしましては、本年度策定します新たな行政改革プランにおいて、指定管理者制度やPFIの活用など新たな手法にも積極的に取り組むなど、民間のノウハウを生かした効率的な行政運営に努めてまいりたいと考えております。

久保田(再質問) 全庁的な事務事業の見直しを数字にするのは難しいということであるが、それは統計のまとめ方を見直せばよい。事務事業の見直し・点検は、一から各課担当がやって予算編成されているということが確認されているわけだから、そうであるならば、県がやらなければならない事業と民間がやれる事業とが分かるよう公表してほしい。
 随意契約については、専門性等の理由からやむを得ないことを認めるが、例えば、県民フォーラムの企画運営は外郭団体に、環境学習拠点のレイアウト策定や社会人権教育は民間企業に、いずれも随意契約で委託されているが、NPOではだめなのか。
 外部委託ガイドラインを見るとNPO等県民活動団体に対する配慮事項があるが、外郭団体、民間企業に随意契約されていることについて、改めてご説明いただくとともに、県民への公表に、さらにそうしたことも加えていただきたい。

西村総務部長  部長県の事業、委託すべてについて、予算編成時やあるいは事後については、監査などにより、事前事後のチェックを行っております。
 一方で委託業務というのは、大変幅広い内容を持っております。従いまして、その目的・形態・委託効果等が多様でありますから、直ちに、コスト・効率あるいはサービスの内容等を一元的にして把握し、効果を検証して公表することは、いろいろな課題もあります。が、全体の把握あるいは公表の方法については、予算・決算の公開の原則も含めて、公表できることでございますので、その効果とか内容は一元的にはできませんが、対象そのものを公表することは検討していかなくてはならないと考えます。
 次にNPO等の配慮の問題です。民間委託については、当然私ども地方自治法の規則にのっとり、そのコストあるいは契約の妥当性等を検討しております。そこで随意契約にあたりましても、一つの競争性、コスト性を非常に尊重する意味でコンペ方式、プロポーザル方式等導入し、提案をいただき、その中で評価を加え、そしてコストとの関係をみていくということです。そういうコスト評価論の中でNPOの持つ役割なり、あるいは、協働が優位であれば、NPOの社会的役割を考慮してそういう具体的な評価評定のときに配慮していくべき問題だろうと思います。


(4)未利用財産の活用について

久保田  厳しい財政状況を改善するためには、節約だけでなく、収入を増やさなければなりませんが、県は、歳入確保対策のひとつとして、利用されていない土地や建物の処分を進めており、16年度は財産処分により5億円余りの収入となり、今年度も5億円が見込まれています。
 現在、入札対象の県有財産として選定されたものは69件ありますが、これらの中には、処分が決定されたものの入札が実施されず、あるいは、実施されたが不調に終わり、今年度、公募抽選になるものが8件あります。
 山口市の課長公舎敷地、宇部市のこのみ園職員住宅敷地、下関署旧火の山宿舎跡地など進入路が狭かったり、なかったり条件の悪いものもかなり多くあり、今後も購入予定者がでることは大変むずかしいのではないかと推察されます。
 しかし、これらは、利用されないままであっても、草刈などの維持管理コストが発生しており、収入を増やすどころか支出を増やしているわけであり、早急に対策を取る必要があると考えます。
 たとえば、一般への売却が困難であれば、地元の市や町に無償で提供し、市民グラウンドなどに利用してもらい、そのかわり維持管理費を負担してもらうといった方法はいかがでしょうか。これは、現在、宇部市の山口東京理科大の隣接用地において実施されている事例です。
 あるいは、山口市の消防学校跡地の事例では、建物については、NPO法人に使用許可を出しており、障害児支援事業が実施されています。グランドは臨時駐車場として民間に貸し出しています。
 これらの事例は、売却による収入は得られませんが、維持管理費用を削減できる上に、県民ニーズに合致した事業が行われることで、県の財産が有効に利用され、結果として、県民の満足度を高めることにもつながります。
 そこで、未利用財産として、入札対象に選定したものは、広く県民に情報提供して、周辺状況から入札物件とならないものについては、新たな利用方法を募集してはいかがか、お尋ねいたします。

西村総務部長  次に、売却が困難な未利用財産の活用についてお答えいたします。
 県におきましては、毎年度、県有財産の実態調査を行っております。将来にわたって行政財産としての利活が見込まれない財産については、地方自治法の普通財産扱いとして、原則として一般競争によりこれを売却処分を行っているところでございます。
 しかしながら、昨今の不動産の低迷に加え、御指摘のような進入路の困難な物件もあることなどから、売却につながらないケースもございます。
 このため、お示しのように、売却が困難な財産については、ご紹介にもありましたが、既に一部の物件については実施しておりますが、地元市町村あるいはNPO法人等による活用に提供することは、維持管理費の削減対策として有効な手段でございます。また、同時に県民ニーズも合致すると考えています。
 県といたしましては、県有財産の利用には、関係条例・規則に基づいて用途を指定するなど、あるいはその対価など、一定の制約はあるものの、御提言のありました未利用財産の新たな利用方法の募集につきましては、県のホームページや市町村広報等を通じて広く情報を提供するなど、積極的な取り組みを行ってまいります。

久保田(再質問) 市町村合併に伴い、出先機関の配置の見直しが進められると思うが、さらに支所等の未利用財産も出てくると考えられる。長い間放置しておくのではなく、すみやかにその活用に取り組んでいただきたいが、どのように対応されるのか計画を伺いたい。

西村総務部長  未利用財産の活用についてですが、地方自治法上、私ども行政財産あるいは予定公物としての物件の適正管理は行われます。普通財産としての財産管理については、処分することが原則であろうと思います。
 しかしながら、それに至らないときには、具体的には利活を考えていくというのが本来の財産管理の機能だと思いますので、ご説明を申し上げましたように、これを積極的に公表して、逆にこういう利用があるということの意見を踏まえながら、財産関連条例あるいは規則の一定の制約のもとで、使途制限あるいは単価の問題を検討しながら、取り組みを進めてまいります。

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2.地域福祉の推進について

(1)民家を活用した地域福祉拠点づくりについて

久保田  「誰もが、住み慣れた地域で、その人らしく安心して生活を送ることができる地域社会をつくる」これが地域福祉の推進とされますが、その実現のためにはどのような場が必要なのか。これまでの福祉施設だけではなく、地域の公共施設や民家なども活用して、地域密着型の総合的な福祉拠点が作れないでしょうか。
 富山県のNPO法人「このゆびとーまれ」は、民家活用型の地域福祉拠点づくりを全国に先駆けて立ち上げました。私は、高齢化が全国より10年早いスピードですすむ山口県でこそ、このような福祉拠点が地域に必要だと考え、県議会でたびたび提案をしてきましたが、昨年度、県は、独自で「総合・循環型福祉サービス推進モデル事業」として予算化し、秋穂町、旧菊川町、旧豊北町、旧日置町の4箇所で、民家などを改修して、NPO法人や社会福祉協議会、自治会などが運営主体となるモデル事業をスタートさせました。
 先般、モデル事業のひとつである下関市菊川町の「地域共生ホーム中村さんち家」を訪れ、高齢者ディサービスや児童の放課後預かりの実施状況を見せていただきました。
 昭和初期に建設された大きなお屋敷で、立派な日本庭園もあり、真夏の暑い昼下がりにお伺いしましたが、風がよく通り古い家らしい重厚なやすらぎを感じる場でした。
 ここは市の社会福祉協議会菊川支所が運営していますが、スタッフの方々の明るい笑顔と機敏な動きは、利用者に安心感をもたらし、高齢者の方々がゆったりした気持ちでいらっしゃるのがよくわかりました。
 隣の部屋では、夏休み中の子どもたちが、宿題をやったり本を読んだり、自由に過ごしていました。まるで自分の家にいるかのような姿でした。
 また、秋穂町のフリースペースなごみ和の家も訪問しました。ここは、NPO法人が運営しており、高齢者と障害者のミニディサービスや相談援助を予定されていましたが、現状では、引きこもりの人たちのフリースペースとしての利用が多いとのことでした。
 こちらも、民家を改修して作られたもので、道路沿いにあり、看板を見なければ、普通の住宅と見間違えそうです。
 この「総合・循環型福祉サービス推進モデル事業」は、山口県が独自に立ち上げた事業ですが、大変評判がよく、また、こういった場を自分たちの地域でもつくりたいとのお声をよく聞きます。
 今年度、新たに5箇所のモデル事業が予定されていますが、今後も、さらに支援を充実させ、地域福祉の推進のために、県内各地域に広げていくべきであり、そのためには、より積極的な支援体制が必要と考えます。
 そこでお尋ねです。民家などを活用した地域福祉拠点づくりのモデル事業をどのように評価されているのか、成果の検証を踏まえて、今後どのように取り組んでいくのかお伺いします。
 また、地域へ波及させていくためには、市や町の地域福祉計画への位置づけと積極的取り組みが必要と考えますが、どのような状況かお尋ねいたします。

片山健康福祉部長  まず、民家を活用した地域福祉の拠点づくりについてのお尋ねであります。
 お示しのとおり、本県では、多様な福祉サービスを身近な地域でより総合的に提供できるよう、地域住民の参加と協力を得ながら、民家等を活用した地域福祉の拠点づくりを進めているところでございます。
 昨年度からのモデル事業においては、利用者も徐々に増え、地域のニーズに即したサービスやボランティアの協力による運営の仕組みづくりなど、地域に根ざした取組が進められていると受け止めておりますが、一方では、安定的な運営基盤の確保や担い手の育成などが課題となっているところであります。
 このため、県社会福祉協議会に設置しております推進委員会において、既存制度の活用等具体的な対応策についての指導助言など、専門的な立場から支援を行うとともに、県においても、国制度の運用基準の弾力化の要望やスタッフの研修等への支援を行っているところでございます。
 今後はさらに、専門家による現地指導や事業化に向けた相談支援体制の強化、事業実施に当たっての市町村との連携など、積極的な支援に努め、山口県らしさを活かした「総合・循環型福祉サービス」として、県内各地に広げていきたいと考えております。
 また、地域福祉計画への位置付け等につきましては、現時点では市町村の取組に多少の差があるところですが、先に策定しました県の地域福祉支援計画で、「総合・循環型福祉コミュニティ」づくりを重点的に進めることとしており、今後、市町村における地域福祉計画への位置付けや具体的な取り組みが進められるよう、積極的に働きかけてまいります。

久保田(要望) 地域福祉の民間住宅については、今後の安定的な運営基盤が、あるいは担い手が課題ということですが、山口県は持家比率が高い、あるいは高齢化率が高い、高齢者の独居、あるいは夫婦世帯が大変増加しているという、そういう実態を考えますと、この民家活用型というのは、大変使える制度ではないかと思いますので、それらの課題を克服して、そのためには市や町、地域福祉計画が、市町村において位置付けられねばならないというふうに思いますので、指導の方、あるいはアドバイス、よろしくお願いしたいと思います。


(2)学校施設を活用した福祉サービスの提供について

久保田  今年の夏、宇部市内では、宇部養護学校と川上小学校で、 障害児のディサービスが、18日間、NPO法人によって実施されました。宇部養護学校では、すでに5年間の実績がありましたが、川上小学校は初めての実施でした。両会場で延べ640人にのぼる利用者、ボランティアたちが参加した大きな事業でした。私もボランティアスタッフとして企画運営に関わりましたが、この事業はとてもニーズが高いことをあらためて実感しました。
 40日間の長い夏休み期間、障害のある子どもたちは、思いっきり体を動かしたり、友達と出会ったり、新たな体験をしたりする機会が乏しく、家で母親と過ごすことが中心となりがちで、親も子もストレスがたまるといったお声が多くありました。ストレスからノイローゼになりわが子を手にかけてしまうといった悲劇も、毎年、全国どこかで発生しており、今年も夏休み中に広島県でありました。
 この夏休みディサービス事業では、学校施設を利用して、プールでの水遊びや音楽、芸術活動などが行われ、参加児童・生徒は、強制されることなく、ゆったりとそれぞれのプログラムを楽しむことができたのではないかと思います。
 これらの事例から、学校施設は、教職員や地域住民のボランティア参加を得やすく、施設整備も充実しているため、学齢障害児のディサービス事業の実施に適していることが明らかだと思います。
 これまで、学校施設の開放というと、スポーツや文化芸術活動などが中心だったかと思いますが、今後は学齢障害児のディサービス事業など地域福祉を進めるためにも、より積極的に学校施設の開放を進めていく必要があると考えます。
 とくに長期休暇中の障害児のディサービス事業に適していると思われますが、今後、実施箇所を増やしていくためには、教職員、とりわけ管理職員が、地域福祉に対して施設開放をすることに理解を深める必要であると考えますが、ご所見をお伺いします。

藤井教育長  まず、学校施設を活用した福祉サービスの提供についてであります。
 先に策定されました県の地域福祉支援計画におきましては、子育ての家庭への支援策のひとつとして、養護学校などの施設を利用した放課後活動の場づくりなど、学齢障害児とその家族に対する支援の充実に努めることとしております。
 このため、県教委といたしましては、現在、県立養護学校におきまして、夏休みなどを利用した障害児のディサービス事業について、学校教育に支障のない範囲内で施設を開放しているところであります。今後とも、管理職などに対しまして、学校施設が地域福祉の面でも有効に活用されるよう、施設開放の必要性に対する理解を深めてまいります。

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3.知的障害児施設山口県このみ園について

久保田  このみ園は、宇部市厚南の県立宇部養護学校に隣接しており、山口県立の唯一の知的障害児の入所施設です。昭和40年に建設され、すでに40年が経過し、施設の老朽化が目立ってきています。定員は110人ですが、現在は、男子36人、女子11人の合計47人が入所しています。敷地面積4万3千524平方メートルの広大な場所にあり、施設のより一層の有効活用が求められていると考えます。
 私は、これまでも県議会で、このみ園の使用されていない建物の有効活用や居住環境の改善、ショートスティ制度の改善などをたびたび取り上げてきたところです。
 今日、指定管理者制度が導入され、県や県の外郭団体などが管理していた公的施設の管理運営を民間が担うことができるようになり、本県でも文化や福祉施設など24の県立施設の指定管理者の募集が行われていますが、このみ園は、現状では、県立施設としての使命、役割があるとして残されています。そこで、利用者サイドにたって、県立施設このみ園のさらなる改善、改革を期待してお尋ねします。
 まず、ショートスティ事業ですが、このみ園のショートスティ事業は、平成14年度から本格的に実施され、延べ利用者は、14年度636人、15年度975人、16年度1,673人と、年々、利用者が増えてきており、ショートスティのニーズの高さがわかります。
 しかし、一方で、職員の対応のありかたや利用者とのコミュニケーションのとり方などの問題点も利用者からお聞きすることがあります。先日も、利用者の方々から苦言を頂いたので、園にお伺いし事情をお聞きたところです。
 障害のある異年齢の子どもたちが、日中や夜間を過ごす場ですから、職員の専門性や配置のあり方が大変重要です。このみ園では、法律で定められている基準以上の職員を配置しているとのことですから、子どもたちのケアは、専門性を持った職員により暖かく行われているものと考えますが、県としては、このみ園のショートスティ事業の実態把握が必要であり、利用者サイドにたったサービスの提供がなされているか、常に点検、見直しが求められていると考えますが、ご所見をお伺いいたします。
 次に、ディサービス事業についてお尋ねいたします。
 障害児のための放課後や土曜日のディサービスはニーズが高いにもかかわらず、宇部や山陽小野田市内で実施されている場所は数少なく、とくに重度で重複障害の子どもさんたちは、養護学校高等部卒業後、継続して安定的に利用できる福祉サービスは皆無といっていい状況です。
 したがって、ディサービスの「空き」を見つけては、つないでいくというやり方しかなく、それは、子どもの自立訓練や能力開発においても望ましいことではありません。
 そこで、お尋ねします。このみ園で障害児・障害者のディサービス事業を実施できないでしょうか。民間に十分な福祉サービスが提供されていない現状だからこそ、県の役割があると考えます。また、施設や敷地にもゆとりがあります。ご所見をお伺いします。

片山健康福祉部長  次に、このみ園に関する2点のお尋ねでございます。
 まず、ショートスティ事業についてですが、ショートスティは、在宅の障害のある人の日常生活を支援する上で、重要なサービスであり、このみ園においても、積極的に取り組んできたところであります。
 年々、利用者も増加してきており、県としては、適切な職員配置に努めるとともに、安心して利用いただけるよう、平素から、職員会議等を通じ、利用者の特性の把握や家族とのコミュニケーションの確保等に留意してきたところであります。
 今後は更に、このみ園に対する期待に応えられるよう、サービスの状況を常時点検するとともに、家族等との接し方を含めた福祉職員としての研修の充実や、処遇技術の更なる向上に向けたチームケアの推進などに取り組み、利用者サイドに立った管理運営に一層努めてまいります。
 次に、ディサービス事業についてですが、ディサービスやショートスティは、ともに障害のある人を一時的に施設に預かることにより、家族の負担等を軽減する役割を果たしており、市町村と連携しながら、充実を図ってきたところであります。
 このみ園におきましても、施設等の有効活用を図る観点から、現在実施しておりますショートスティの受入児童数を拡充し、日中活動の場の提供に更に努めることとしておりますが、お示しのディサービスの実施につきましては、現在国において検討されております自立支援のためのサービス体系の再編や、サービスの調整を行う地元市町村の意向を十分踏まえて、検討する必要があると考えております。

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4.自殺予防対策について

久保田  自殺が深刻化していることと、自殺は防げるということを共通認識にしてほしい」と呼びかけているのは、世界保健機関WHOの自殺予防の第一人者の精神科医の方です。1996年には、国連とWHOが自殺予防ガイドラインを作成し、発表をしています。
 日本では、自殺者数が、昨年3万2,325人にのぼり、7年連続で3万人を超えており、1日平均90人近い人が自ら命を絶つ状況です。国際的にみても、人口10万人あたりの自殺率は世界で10位となっており、先進国ではもっとも高い位置にあります。
 このような状況を受けて、厚生労働省は、2001年度に初めて約3億5千万円の自殺予防対策関連予算を計上し、国としての対策を本格的にスタートさせました。今年度は、8億5,500万円に増額し、実態調査や予防対策研究、民間団体支援など、うつ病対策となっています。国がかかげる目標では、2010年までに自殺者を約3割、2万2千人以下までに減らすこととしています。
 山口県では、ここ10年間のデータでみますと、死亡者数の2%から3%で、300人から400人前後となっており、昨年度は2.5%の392人で、全国の比率より若干低めではありますが、世代的には、65歳以上の高齢者が最も多く、次に50歳代となっています。高齢者の生きがいづくりや生涯現役社会づくりを積極的に進めている本県としては、残念な状況であり、その減少にむけての取り組みが求められます。
 自殺は心の弱い人に起こる特殊な問題とみるのではなく、誰にでも起こり得る悲劇であり、自殺者の9割以上はうつ病など何らかの心の病を抱えていると言われており、心の病をとりのぞくことで、自殺者の数は減らせるとされます。
 そこで、お尋ねします。本県では、これまで自殺予防にどのように取り組んできたのか、うつ病の早期発見、早期治療にとどまらず、個人の健康増進という視点で、住民が主体的に参加できる心の健康教育や気軽に利用できる悩み相談が必要と考えますが、今後の自殺予防対策をお伺いします。

片山健康福祉部長  次に、3点目のうつ病を中心とした自殺予防対策についてのお尋ねであります。
 お示しのように、自殺との関連が指摘されておりますうつ病などの心の病気は、だれでも罹る可能性がありますことから、誤解や偏見のない、正しい理解を深めることが重要であると考えております。
 このため、県では、従来から、山口県精神保健福祉協会等と連携して、県内各地域において、心の健康を考える各種イベント等を開催するとともに、昨年11月には、特に早期の対応が重要なうつ病の症状、予防法、自己チェック、相談先等を盛り込んだリーフレットを作成し、広く普及啓発を行ったところであります。
 また、心の健康に不安を持つ人のために、各健康福祉センターや精神保健福祉センターにおける相談に加え、平成15年6月から県立病院「静和荘」において24時間対応の「こころの救急電話相談」を開始するなど、相談体制の充実に努てきたところでございます。
 さらに、今年度から新たに、心の健康に不安を持つ人を地域で見守る「心の健康サポーター」を計画的に養成することとしており、このため、民生児童委員等を対象とした専門的な研修を実施いたします。
 今後、県といたしましては、現在、実施しております「健康やまぐち21計画」の見直しの中で、県民一人ひとりが心の健康づくりに取り組めるよう検討を行うとともに、引き続き、市町村や関係団体と連携し、うつ病対策を中心とした地域における心の健康対策を進めてまいります。

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5.自動車リサイクルについて

久保田  使用済自動車は、年間約400万台排出されますが、県内では、約8万6,000台と推計されます。使用済自動車は、金属回収や中古部品の観点から価値が高く、従来は解体業者や破砕業者が売買を通じて、重量ベースで80%程度はリサイクルされ、残りはシュレッダーダストと呼ばれる破砕残さとして埋め立て処分されていました。
 しかし、近年では、産業廃棄物処分場の逼迫によるシュレッダーダストの処分費の高騰や鉄スクラップ価格の低迷により、従来のリサイクル・処理システムがうまく機能しなくなってきたことから、費用を支払って使用済自動車を引き取ってもらう逆有償化の現象が生まれ、負担を嫌った業者などによる不法投棄や不適正処理が増加するようになりました。県内の使用済み自動車の不法投棄、野積みなどは、今年3月時点で473台となっています。
 このような状況から、安定したリサイクルシステムの構築が求められるとともに、フロン類の回収と破壊や、エアバック類の適正処理という新たな環境問題への対応も必要となり、本年1月から自動車リサイクル法が施行されることになりました。
 この法律は、自動車製造業者を中心とした関係者に適切な役割分担を義務づけることによって使用済自動車のリサイクル・適正処理を図るものです。すなわち、シュレッダーダスト、エアバック類、フロン類を引き取り、リサイクルを行う義務を負い、その費用は自動車所有者が負担をします。
 リサイクル料金は、今年1月以降新たに販売される自動車については新車購入時に、また使用過程にある自動車については、自動車リサイクル法後最初に受ける車検時、または、廃車時に、それぞれ支払うことになっています。
 法律が施行されて半年が経過し、運用が進むにつれ、問題点も明らかになってきました。たとえば、使用済自動車として解体に回るはずの廃車がオークションなど中古車市場や輸出に流れ転売されていることや、自動車所有者がリサイクル料金を負担せず、結果的にディラーなど引き取り業者がリサイクル料金を解体事業者に転嫁することなどが全国的に広がっていると報じられています。県内でも、同様の問題があるとの指摘も頂いています。このようなことが横行し、広がっていくならば、自動車リサイクルシステムが有名無実化しかねません。国も調査や対策に動き出しているところですが、本県の自動車リサイクルの実態はいかがか、県としての対応をお尋ねします。
 また、自動車リサイクル法の施行によって、本県の再生資源卸売業などリサイクル事業、環境産業への影響はいかがか、さらに、今後、産業廃棄物の減量やリサイクル率向上は、どの程度進むと見込まれるかお伺いします。

久保環境生活部長  自動車リサイクルについての3点のお尋ねでございます。
 1点目の自動車リサイクルの実態と本県としての対応についてでございます。
 自動車リサイクル法は、国内において自動車メーカー等が使用済の自動車の適正な処理とリサイクルによる資源の有効利用等を図ることを目的としておりまして、本県においても、法に基づき、引取業者880、フロン類の回収業者297、解体業者64、破砕業者17の登録や許可をしたところでありまして、今年1月から6月までの半年の間で14,815台がリサイクルされ、法施行以後は、新たな不法投棄等の違反も見受けられませんので、順調に推移しているものと思われます。
 なお、使用済自動車は、自動車リサイクル法及び道路運送車両法に基づき、電子マニフェストによる情報管理等により確実にリサイクルされる仕組となっておりますことから、中古車市場や輸出に流れることはないものと考えております。
 また、リサイクル料金を解体業者に転嫁することにつきましては、法において、引取業者は、自動車の所有者に対し、リサイクル料金を支払うことを告知する義務があり、県としてもその周知を図っているところでございます。実際に、そのリサイクル料金分が最終的に誰に転嫁されるかは、業者間の商取引の内容に関する事項でもありまして、自動車リサイクル法の適用を受けるものではございません。
 次に、2点目の法施行による本県のリサイクル事業、環境産業への影響についてでございます。
 従来から自動車リサイクル関連の事業を行っていた業者、65の業者でありますが、これは、法の施行により新たに厳しい施設基準が設けられましたが、ほとんどの業者、62の業者でございますが、新たな体制を整備し、その事業を継続・発展させているところでございます。
 また、山陽小野田市に西日本最大級の自動車リサイクル関連事業者が、美東町には一貫した自動車のリサイクルを行う事業者が進出するなど、本県の環境産業への育成につながっていると、そのように考えております。
 次に、3点目の産業廃棄物の減量やリサイクル率の向上についてでございます。
 法は、自動車メーカーに対し、リサイクル義務を課するとともに、具体的なリサイクル率の基準を設けておりまして、シュレッダーダストについては、最終目標の平成27年度以降は70%以上、また、エアバック類については、平成16年度から85%以上とされておりまして、その結果は、各自動車メーカーが、毎事業年度終了後3箇月以内に、公表するということになっております。
 今後、こうした基準や取組を通じまして、リサイクル率の向上が進むとともに、産業廃棄物の減量化が進むものと、そのように考えているところでございます。

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6.グリーンツーリズムの推進について

久保田  「やっぱしええね!緑の大地と青い海」都市と農山漁村をいのちで結ぶ新しい旅の始まり、これは、平成9年4月に山口県農林部が発行したグリーンツーリズムの入門書のタイトルです。
 グリーンツーリズムは、緑豊かな農山村で、その自然、文化、人々との交流を楽しむ滞在型の余暇活動です。農林業や農山村の魅力を活かし「田舎らしさ」を提供するものであり、農家レストラン、農家民宿、農産物の加工・直売など農家の特性を活かせる産業といえます。ドイツ、イギリス、フランス、オーストリアなどでは、早くから普及していますし、国内でも北海道や九州などで先進的事例が多く見受けられます。
 本県では、この2、3年になって、ようやくグリーンツーリズムの積極的な取り組みが始まりました。
 平成14年度からは、グリーンツーリズムの人材養成講座が開催され、延べ107人が交流インストラクターや交流エスコーター、コーディネーターとして養成されました。
 16年度には、グリーンツーリズムの推進計画が策定され、阿武町、長門地域の俵山地区、周防大島町の3箇所でモデル事業がスタートしました。
 私は、平成11年12月議会、15年9月議会でそれぞれ取り上げ、グリーンツーリズムへの積極的取り組みを求めてきたところですが、このようにモデル事業が動き出したことを高く評価するとともに、さらなる広がりを期待したいと思います。
 3箇所のモデル地域のこれまでの取り組みについては、今年7月に行われた山口県主催のグリーンツーリズムシンポジウムでお聞きする機会を得ました。
 阿武町は農家民宿、俵山は農家レストラン、周防大島町はみかんの援農ボランティア宿泊施設と、それぞれが地域特性を活かして目標にむかって取り組まれてきていますが、モデル事業としての支援は3年間なので、その後は自立した取り組みが求められることになります。
 そこでお尋ねいたします。これらモデル地域の取り組みをもとにして他の地域への展開は今後どのように進められるのか、ツーリズムスクールなどで育成された多くの人材はどのように活かされるのか、お尋ねいたします。
 また、本県の農林行政の指針である「やまぐち食と緑のプラン21」では、平成22年までに、朝市などの農林産物の直売交流や道の駅交流を充実・強化し、体験交流や滞在交流、観光資源と組み合わせた交流のネットワーク化などをすすめるとし、そのために、農山村の交流施設を現在の171箇所から200箇所に増やし、交流人口の拡大に努めるとしています。
 これは、グリーンツーリズムと共通するところであり、点在する交流施設や朝市、道の駅をネットワークして、近隣農家と連携した体験プログラムや滞在交流を加える新たなグリーンツーリズムのモデルが作れるのではないでしょうか。
 やまぐちグリーンツーリズムマップを見ますと、観光農園、農林漁業体験施設、農産物直売所、道の駅などが示されています。これら点在する施設をエリアやテーマでグリーンツーリズムとしてわかりやすくルート化をして、交流人口の拡大につなげるべきと考えますが、ご所見を伺います。

嶋岡農林部長  私からは、グリーンツーリズムの推進についての3点のお尋ねにお答えいたします。
 まず、モデル地域の取り組みの他地域への展開についてでありますが、各モデル地域においては、地域住民が主体となった組織を立ち上げ、それぞれの推進戦略計画に基づき、体験滞在プログラムや田舎料理のメニュー開発、農家民宿の試行等自発的な取り組みが進められているところであります。
 県では、今後、こうした取り組みの過程で得られる様々な推進手法を検証・整理し、シンポジウムやセミナー、相談窓口、出前講座等を通じ、他の地域に対して広く普及を図るとともに、地域の特性に応じた自主的な取り組みが進むよう必要な支援を行うなどにより、モデル地域の成果を他の地域へ展開してまいります。
 次に、ツーリズムスクールで育成された交流インストラクター等の人材につきましては、これまでも、「むらまち交流ステーション」や体験交流施設における自然体験や交流活動を実施する上での重要なスタッフ、あるいは、地域の交流イベントの仕掛け人等として活躍されているところであります。
 今後は、こうした活躍の場をさらに拡大するとともに、新たな人材育成のための講師などへの積極的な活用にも努めてまいります。
 最後に、点在する施設のエリアやテーマでのルート化についてであります。県といたしましては、今年度、農山村体験をテーマに、体験施設や体験内容を県内の4つのエリアごとに紹介する「農山村体験交流ガイドマップ」を作成・配布したところでございます。
 お示しのルート化につきましては、現在、モデル地域において、道の駅等交流拠点施設及び近隣農家等の受入体制の充実や施設間のネットワークの強化を図りながら、様々な体験・滞在プログラムの開発等に取り組まれているところであり、県といたしましては、まず、モデル地域のルート化の取り組みを支援することといたしております。
 今後とも、交流人口の拡大に向け、観光施策とも連携を図りながら、「グリーン・ツーリズムの郷づくり」を積極的に推進してまいります。

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7.環境教育の推進について

久保田  本県では環境先進県をめざし、環境産業の育成・支援、廃棄物対策、自然保護、環境教育、エコツーリズムなど積極的に取り組み、循環型社会づくりを進めているところですが、その推進に当たって鍵となるのは人材です。自治体、企業、市民など社会のあらゆる分野で環境問題の理解者、実践者が求められています。
 しかし、県が実施した平成16年度の環境教育・学習に関するアンケート調査結果によると、学校や地域社会において、環境教育・学習の推進にあたって、人材育成が進んでいないことがわかります。
 このアンケートは、県内すべての公立高等学校と県立中等教育学校に対して、昨年9月から10月にかけて実施されたものです。高等学校などでは、84%が教育課程において環境教育を実施していましたが、指導者は自分の学校の教員が圧倒的に多くなっています。そして、環境教育を進めるにあたっての課題として、教員の研修が多くあげられています。
 また、市町村に対するアンケートは、昨年12月から今年1月にかけて、県内すべての市町村48を対象に実施されましたが、環境学習については積極的に取り組むとした市町村は半数を占めていますが、課題としては、指導者がいないことが最も多くあげられています。
 国においては、平成15年に「環境の保全のための意欲の増進および環境教育の推進に関する法律」いわゆる「環境教育推進法」が制定されました。この法律は、学校、地域、職場、という三つの場面での環境教育の推進を規定しています。
 これを踏まえて、県は、「循環型社会づくりに向けて行動する人づくり」をめざして、本年3月に、「山口県環境学習基本方針」が策定しました。
 そこでお尋ねいたします。環境学習基本方針では、県の総合的支援として、人材育成が掲げられていますが、どのように取り組まれるのか、お伺いいたします。

久保環境生活部長  環境学習基本方針に基づく人材育成についてのお尋ねでございます。
 環境教育・学習の推進のためには、環境に関する専門家や地域の環境保全活動のリーダー等の人材を幅広く発掘・育成することが重要であるとそのように認識をしております。
 このため、県では、体験型の学習指導者の育成を図るとともに、「環境学習指導者バンク」制度を創設いたしまして、指導者の登録を行い、民間団体や学校等の環境学習の場へ派遣をし、また、県民の環境保全意識の増進と実践活動の促進を図ってきたところでございます。
 その結果、現在、151名の指導者がバンクに登録されておりまして、このバンク制度のより一層のPR等によりまして、その積極的な活用を図っていきたいとそのように考えているところでございます。
 また、本年3月に策定をいたしました「山口県環境学習基本方針」に基づきまして、お示しの「人材づくり」を含めた環境学習の推進を図るために、本年度、県民の主体的行動を支援する拠点について検討をし、来年度以降に整備するということにいたしております。
 また、研修会や交流会を通じた指導者等の人材育成及び指導者の活用を図るための情報発信や学校・大学・県内学習施設等とのネットワークづくりを推進するということにいたしております。
 今後とも、「循環型社会づくりに向けて行動する人づくり」を目指しまして、県民、NPO・民間団体、事業者、行政等とのパートナーシップのもとに、幅広い分野にわたる人材育成を進め、学校・地域等様々な場におきまして、環境学習や環境保全活動の一層の推進に取り組んでまいりたいと考えております。

久保田  また、県教委は、「環境教育推進計画」を策定し、各学校に「環境教育担当者」を置くよう努めるとされていますが、この環境教育担当者は、どのような人材が配置され、役割を担われるのかお尋ねいたします。

藤井教育長  次に、環境教育に関するお尋ねであります。
 県教委では、児童生徒が環境保全につきまして理解を深め、実践的に取り組むよう、本年の3月に、「環境教育推進計画」を策定したところであります。
 その推進に当たりましては、学校における教育活動全体を通して取り組むことが重要でありますことから、校内におきますコーディネーター役としての役割を担い、具体的な推進目標の設定や、年間計画の立案などを行う、環境教育担当者を各学校に置くように努めることとしております。
 この環境教育担当者につきましては、環境教育に関連の深い教科を担当する教員など、環境保全についての理解と関心をもつ、地域や学校の実情に応じた環境教育を積極的に推進することができる教員を充てることとしております。
 県教委といたしましては、今後とも、教員研修の充実やウェブページでの情報提供などによりまして担当者等の資質向上に努めながら、「推進計画」に基づく環境教育を積極的に推進してまいります。

久保田  さらに、環境分野の専門的人材の育成の観点から、山口県立大学での取り組みをお伺いいたします。
 県内大学の学部学科などで環境の名前がつくものとして、県立大学の生活科学部環境デザイン学科と生活環境学科がありますが、それ以外では、山口大学農学部生物資源環境科学学科だけです。今日の環境問題の解決には、社会経済システムの転換や環境負荷の低い持続可能な社会を築くことが求められており、環境政策、環境経済など社会科学的なアプローチが重要となっていますが、県内にはその分野の教育研究機関、学部学科がありません。
 地域貢献型の大学を目指す山口県立大学としては、時代が求め、社会が必要とする人材を養成することは重要な使命と考えますが、環境分野の専門家育成について、県立大学はどのように取り組まれるのか、お尋ねいたします。

西村総務部長  次に、環境分野の専門家育成に関する県立大学の取組についてのお尋ねでございます。
 ご案内のとおり、山口県立大学は、明年度、来年の4月1日からの独立行政法人化に向けて、現在、設置者である県と独立法人となります大学側が一体となり、諸準備に取り組んでいるところでございます。
 法人化後においては、県立大学の人的・学問的ストックなど、知的資源の有効利用による研究教育の一層の充実とともに、地域の期待に応える人材を育成することは、「地域貢献型大学」を目指す独立行政法人としての重要な役割の一つであるとされております。
 しかしながら、一方では、地方独立行政法人制度は、法人自らの責任で、財源的には一定の交付金化制度のもとで、自律的な運営を行うことが前提となっております。
 こうした取組を実現するための教育研究の内容や、学部・学科の組織のあり方については、経営の安定性や効率性の観点から、実現が可能かどうか、十分検討、立証を行わなければなりません。
 したがいまして、お示しの環境分野の専門家教育については、新たな教員の確保や相当の財源も必要となることから、慎重な検討を要する課題であると考えております。
 もとより、法人化後の大学運営のあり方につきましては、大学側の主体的な取組を十分尊重するとともに、外部有識者で構成する評価委員会等の意見も踏まえながら、検討を進めてまいります。

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