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山口県議会議員(1999年~2009年4月)として県議会での質問です

分類

会期

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  • 2000年06月
  • 2000年03月
  • 1999年12月
  • 1999年06月

2006年09月議会

[目次]

  • 1.行財政改革の更なる推進について
  • 2.療養病床再編に伴う医療・介護について
  • 3.認定こども園について
  • 4.民家活用による地域福祉拠点づくりについて
  • 5.農業・水産業の担い手対策について
  • 6.土砂災害対策について

1.行財政改革の更なる推進について

(1)財政健全化について

久保田 本県の財政状況は、借金である県債残高が1兆1千億円を超え、予算規模も平成12年の8466億円をピークに、それ以降6年連続のマイナス予算となり、今年度は7305億円まで縮小しています。しかも予算編成にあたっては、財源不足に陥ったため、貯金である基金から307億円を取り崩しました。その結果、基金残高は176億円と大幅に減少しています。そこでおたずねです。財源不足を補うための頼みの綱となっている基金ですが、昨年度決算額をふまえ、現状と財政健全化のための今後の活用について、まずお伺いします。
 本県の中長期的な財政改革の指針には、財政体質の弾力性の早期回復と持続可能な財政構造の確立が、改革の目標とされており、その主な視点のひとつは、県債残高の増加の抑制として、1兆1千億円台を上回らない水準での財政運営が示されています。
 そこで、この10年間の県債の動向をみますと、毎年、約1000億円の新たな県債を発行して借金を増やしてきましたが、返済は約600億円から1000億円前後となっています。
 今年度は、改革推進予算と位置づけ、改革の取り組みを一層強化すると明言され、県債の返済額である公債費、つまり借金の返済は1000億円、新たな借金である県債発行は910億円とされています。借金より返済金を多くしてプライマリーバランスの黒字を確保されたわけです。しかし、それでも今年度末の県債残高は、昨年度より121億円増加の1兆1567億円と見込まれています。
 そこで、お尋ねです。財政健全化に向けての取り組みとして、県債残高の増加を抑制し、1兆1千億円台を上回らない水準での財政運営と、プライマリーバランスの黒字の確保が掲げられていますが、このふたつの目標を主な視点とする根拠をご説明いただきたい、今後、新たな借金を全くせず、毎年100億円ずつ返済するならば、1兆1千億円の借金は、単純に計算すると、110年かけてゼロになりますが、財政硬直化の大きな原因となっている県債残高の抑制がこのようなペースでよいのか疑問に思います。持続可能な財政構造の確立とはどのような状況を指すのか、目指すべき財政の健全化の水準をお尋ねいたします。

二井知事 行財政改革に関するお尋ねのうち、財政健全化についての御質問にお答えします。
 まず、基金の現状と今後の活用についてであります。
 私は、これまで、年度間における財源の不均衡を調整する基金の機能を有効に活用しながら、中期的な視点に立って、円滑な財政運営に努めてまいりました。
 お尋ねの、昨年度決算を踏まえた基金残高につきましては、平成17年度一般会計決算剰余金の法定積立額、約23億円ですが、これに伴いまして、200億円程度まで回復の見込みであります。今後さらに、景気回復に伴う県税の増収や未利用財産の売却、また年間を通した一層の経費節減等により、基金積立の増額を図っていくことに致しております。
 明年度以降も、公債費が高い水準で推移するなど、厳しい財政状況が見込まれますが、私は、こうした取組みによって、基金残高の安定的な確保を図り、基金本来の機能を引き続いて、財政運営に活用してまいりたいと考えております。
 次に、県債残高の増嵩抑制についてであります。
 硬直化の進む財政体質を早期に回復するためには、県債について、世代間の負担の公平と財政負担の平準化という本来の機能も生かしながら、その残高を抑制していくことが必要であります。
 このためには、公債費以外の歳出を借入金に頼らずに賄う、すなわち、プライマリーバランスの黒字を確保した財政運営に努め、県債の新規発行を抑制して、県債残高を少なくともこれ以上、まずは、増やさないということが重要であると考えております。
 従いまして、私は、限られた財源の中、選択と集中の視点に立った施策の重点化制度の導入等により、歳出の抑制を図り、県債残高が現状の1兆1千億円台を超えないようにすることを、当面の目標としたものであります。
 次に、目指すべき財政健全化の水準についてであります。
 御承知のように、地方財政は、国の予算や地方財政計画に大きく左右されるものであり、お尋ねの目指すべき財政健全化の水準を具体的にお示しすることは、困難ではありますが、財政再建団体の判断基準となる実質収支比率や、地方債発行の制限の基準となる実質公債費比率が悪化しないように留意をしつつ、県民ニーズに的確に対応できる財政面での自由度を確保し、これを安定的に維持していくことが、「持続可能な財政構造の確立」であり、その実現こそが、財政健全化の水準として目指すべき方向であると当面は考えております。
 このため、私は、県政集中改革の推進は勿論、企業誘致や新産業の創出等を通じた税源の涵養など、自主財源の充実確保に向けた取組みを一層強化致しますとともに、国に対しましても、国と地方の構造改革を進め、地方公共団体の安定的な財政運営に必要な地方税、地方交付税等の一般財源の総額が確実に確保されるように、強く要請してまいりたいと考えております。


(2)行政サービスの経費削減と質の向上について

久保田 「お役所仕事」といえば、効率の悪い仕事の代名詞のように言われますが、こうした行政の仕事の仕方を抜本的に変革しようということで、このたび、「競争の導入による公共サービスの改革に関する法律」いわゆる「公共サービス改革法」が成立しました。市場化テスト法とも呼ばれ、行政が提供する公共サービスを民間にも開放し、最適な担い手を官民の競争入札で選ぼうとするもので、行政より民間事業者が優れていると判断された場合は、民間への業務の委託や移管を行う新しい手法です。
 すでに、国民年金保険料の徴収やハローワークの就職支援を行うキャリア交流プラザなど3分野8事業のモデル事業が実施されています。従来の「お役所仕事」に民間事業者を参入させることにより、サービス向上や事業の効率化を進めるとともに、民間事業者にとっては、新たなビジネスチャンスが生まれることにもなります。
 私は、行政が担っている業務を民間事業者やNPOなどに積極的に委託することで、民間の専門性やノウハウを活用して、行政サービスの向上や効率化を進めるべきであることをたびたび提案をしてきましたが、平成16年9月議会においては、市場化テストの取り組みの必要性を提案したところです。今年3月に策定した行政改革推進プランでは、今年度からの市場化テストの検討・実施が記載されたことを評価したいと思います。市場化テストは、その導入にあたって配慮すべきことがいくつかありますが、これまでのような単に外部の民間事業者に委託をするという断片的な運用ではなく、本格的な競争原理を導入することにより、行政経営全体の変革と地域経済の活性化につなげるべきと考えますが、本県では、今後、どのように進めていくのか、お尋ねいたします。

西村総務部長 市場化テストについて県は今後どのように進めていくのかとのお尋ねであります。
 市場化テストの導入は、地域における民間の活力を高めるとともに、住民サービスの向上や行政運営の効率化などに効果が期待できるものとされております。
 本年7月に施行された「公共サービス改革法」においては、民間にも一定の行政権限の行使を可能とするなどの特例を定めることにより、特定の業務について市場化テストを実施することが可能とされ、都道府県については、都道府県が実施できる対象事業は、納税証明書に関する業務のみが規定されたところであります。この取扱いについては、今年度中に方向を出したいは考えておりますが、市場化テストの対象となる業務が、納税証明書の交付の請求の受付及び引渡しという極めて限定されたものであることから、導入の必要性や民間の受け皿についての検証が必要であると考えております。
 また、国においては多くの公共サービスが市場化テストの対象とされているなかで、都道府県において更なる制度の活用を図るためには、まず、国において、行政権限の民間への付与や守秘義務の範囲等についての検討が行われ、都道府県の対象業務の拡大が図られることが必要であると考えておりますが、県としても、必要に応じて国に対し要望等も行っていきたいと考えています。
 なお、現行の制度によっても外部委託が可能と考えられる業務についても、地方公共団体が独自に条例等の手続きを定めることにより市場化テストと同様の手続きを導入することは可能とされていますが、このような事業については、一般的には、民間委託、指定管理者制度、PFI等既存のアウトソーシング手法の活用も可能であることから、対象事業手法の選択に当たっては、事業の内容や業務執行の効果・効率性等の観点から、総合的に判断していきたいと考えております。

久保田(再質問) 市場化テストについて、今年度から検討実施ということで評価しますが、ただ、国の指示を待つだけでなく、山口県として制度提案を行い、使いやすいようにやってみたらどうでしょうか。たとえば、エコツーリズムやグリーンツーリズムなど観光交流事業は民間が得意とする分野ではないでしょうか。子ども夢プロジェクトや若者出会い事業などは、予算をつけて事業コンセプトを明確にして公募されたものですが、多くの優れた企画がよせられ、その中から採択された事業だけに、事業効果の高い事業が実施されることになりました。このような事例を参考にして、山口県発市場化テストにチャレンジしてみてはいかがか、民間にとっては、新たなビジネスチャンスとなり、地域経済への波及が期待されます。また、官が負けるとも限らず、民間との競争によって、政策立案能力の高い強い自治体作りにもつながると思います。そのためには、まず庁内にプロジェクトチームを作ってモデル事業から着手されることを提案したい。見解をお伺いします。

西村総務部長 御説明にもありましたが、市場化テストの目的は、民間でできることは民間に委ねていくという基本的な考え方があります。その中で2つのパターンをとっています。一つは、官と民が競う「官民競争型」、それから、民間同士が競い合う「民間競争入札」、これをうまく利用して、官から民へ、あるいは民間のノウハウ・活力を積極的に導入していくことだとされています。そういうものを通じて、具体的な手法として、例にお示しの「子ども夢プロジェクト」、あるいは若者支援事業にも活用していくべきではないかというご提言でもございました。しかし、一方では、市場化テストを定着させるためには、例えば、行政権限の民間への移譲の問題、個人保護条例への問題、あるいは守秘義務の問題等多くの問題を含んでいます。したがいまして、これらの本格に当たっては、まず、国において、法律の整備、権限移譲の整備が必要であるとされているところです。しかし、地方公共団体の手続でこれができるとされています。同時にそのことは、民間委託、指定管理者制度、場合によっては、PFIとのからみでどう整理していくかということでございます。まずは業務の内容、県民サービスの向上、費用対効果等を総合的に検討して、現行制度の中で、どの手法でアウトソーシングするのが適切かということを検討していくことが今の現時点で最も重要な取組と考えます。そういう観点から新行革プランで位置づけているところでございます。したがいまして、そのような検討は現在続けますし、また実施しますが、市場化テストありきのプロジェクトチーム、あるいはモデル事業は現在のところ考えておりません。

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2.療養病床再編に伴う医療・介護について

久保田 国は、このたびの医療制度改革において、医療の必要のない長期入院患者いわゆる社会的入院の是正などを図るため、患者の状態に即した医療と介護の機能分担を推進して療養病床を再編成するとしました。すなわち、平成23年度末までの6年間に、介護保険適用の療養病床13万床は全廃、医療保険適用の療養病床25万床は15万床に削減すとしています。今後、療養病床は、医療の必要性の高い患者を受け入れるものに限定して医療保険で対応するとともに、医療の必要性の低い患者については、病院ではなく、在宅や居住系サービス、または、老人保健施設などに移ることが求められるようになります。しかし、現状においても、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などは満杯であり、特に特別養護老人ホームの入所申し込み者は、昨年3月末現在で、8451人となっている状況で、療養病床をだされた方々が、家庭や地域で十分サポートができるか、受け皿が十分か不安が広がっています。
 このような状況に対して、知事は、6月議会において、「地域において高齢者が安心して必要な医療や介護・福祉サービスを利用できるように適切に対応していく」と答弁されていますので、以下2点についてお尋ねいたします。

(1)病床転換について

久保田 療養病床とは、長期にわたり療養を必要とする患者を入院させるための病床として位置づけられており、密度の高い医学的管理や積極的なリハビリテーションを必要とするものが対象とされています。施設基準は、一般病床より病室も廊下も広く、機能訓練室や談話室、食堂、浴室などが備えられています。
 介護保険が適用となる介護療養型の医療施設は、山口県で4,193床あります。医療保険適用の療養病床は、6,371床です。
 そこでお尋ねです。このたびの見直しは、本県にも大きな影響をもたらすことになりますが、厚生労働省の試算では、本県はどのような状況になるのでしょうか、また、今回の病床転換は、医療と介護のこれまでのあり方を大きく変えるものであることから、単に数字合わせの病床転換ではなく、高齢化のスピードが速い高齢先進県として、医療と福祉のありかたの抜本的な見直しをする機会ととらえる必要があると考えます。そこで、健康福祉部において、医療と福祉の連携された専任チームを作り、患者の問題、病院・施設の問題、そこで働く人たちの問題などへの対応、県独自の支援制度の創設などの検討、相談機能や情報提供などをすべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

片山健康福祉部長 数点のお尋ねにお答えします。
 まず、療養病床再編に伴う医療・介護についてであります。
 このたびの医療制度改革では、お示しのとおり、患者の状態に即した医療と介護の機能分担を推進する観点から、療養病床の再編が行われることになりますが、病床転換についての2点のお尋ねです。
 まず再編に伴う本県の状況については、詳細な検討を行っていない現段階では、明確な数値をお示しすることは困難ですが、全国に38万床ある療養病床を15万床へ再編する国の方針を本県に当てはめた場合、県内の約1万6百床の療養病床のうち、約6千4百床が老人保健施設等へ転換されることとなります。
 次に、業務執行体制についてですが、療養病床の再編は、医療費適正化計画、医療計画、介護保険事業支援計画など多方面に影響を及ぼすことから、関係各課がこれまで以上に緊密に連携していくことが必要であります。
 今後、お示しの点も含め、横断的で効率的な業務執行体制について検討したいと考えております。

久保田(再質問) 先日、療養病床に長く入院されている女性のかたにお話しを伺いましたが、老人保健施設に移ってほしいと病院から言われている、しかし、移ろうと思っても、施設に空きがないので移れずにいる、自宅にも戻れないのでとても不安とのことでした。病院にとっては、移行計画を策定しようと思っても、情報がなさすぎるので見通しがたてられない、早く情報がほしい、今後の展望がほしい、県としての方針を知りたいとのことでした。療養病床再編について、県民、施設、病院に不安が走っており、先ほど 提案したように、医療と介護の挟間ができないように、横断的な政策検討のための専門チームを作り、ワンストップの情報提供や、ここに聞けば分かる、相談ができるというものをまず設置すべき。県の責務と考えます。先ほどのご答弁では検討したいとのことでしたが、具体的な見通しをもう少し説明いただきたい。

片山健康福祉部長 療養病床の今後の見通しについてでございますが、先ほども御答弁申し上げましたように、現在、療養病床の実態調査を実施しているところでございます。
 その結果や、今後の国の「指針」などを踏まえながら、来年度作成します「地域ケア整備構想」を作ることにしております。その前に色んな情報等を集めてやっていくことにしておりますが、だいたいのスケジュールを申しますと、この秋に今からやっております療養病床の関係調査を実施しまして、来年の夏から秋頃にかけて「地域ケア整備構想」の策定をしたいと考えております。


(2)認知症対策について

久保田 認知症とは、脳や体の病気によって、記憶力や判断力、計画力などが阻害されて普段の社会生活に支障をきたした状態のこととされており、現在、患者の数は、高齢化や診断技術の進歩などにより年々増加しています。厚生労働省の推計によりますと、65歳以上の高齢者人口に対する認知症高齢者の出現率は2005年には、6.7%でしたが、2020年には、8.4%、約289万人と予想されています。特に近年、増加しているアルツハイマー型認知症は、脳の神経細胞が変性・減少して、脳全体が小さくなってしまう原因不明の病気です。身体的障害はほとんどなく、認知症の症状のみが徐々に、しかも確実に進行していくという特徴があります。しかし、早期に病気を発見して適切な治療を始めれば症状を改善したり、病気の進行をある程度食い止めることができるとされています。そのためには、療養病床などで介護と医学的管理下で機能訓練などを行うことが大切とされています。実際に、療養病床には認知症の患者が相当数いらっしゃるといわれていますが、今回の介護型療養病床の全廃によって、このような患者の行き場が著しく脅かされることになるのではないかと不安が広がっています。現状においても、入所できる福祉施設は限定されているし、認知症対象のグループホームは県内で定員いっぱいの1462人が利用されているとお聞きしますが、現行の高齢者プランでは20年度までに316人の定員増にとどまっています。
 県は、これまで認知症予防対策に取り組んできましたが、今後の療養病床再編にあたっては、認知症患者の実態把握と退院を余儀なくさせられる認知症の方々の受け皿づくりが重要と考えますが、どのように取り組まれるのかお伺いたします。

片山健康福祉部長 次に、療養病床再編に伴う認知症対策についての2点のお尋ねです。
 まず、認知症患者の実態把握についてであります。
 県としては、療養病床の再編を円滑に行うため、現在、療養病床を持つ全ての医療機関について、入院患者の3分の1程度を対象として、患者の状態等に関する調査を実施しているところであり、その中で、認知症患者についても、医療・介護の必要性等の実態の把握に努めることとしております。
 次に、再編に伴う認知症患者の受け皿づくりについてですが、お示しのように、認知症の患者の中には、医学的管理と介護の組合せが必要となる場合もありますので、患者の実態に即したケアの仕組みづくりが重要な課題となると受け止めております。
 県としては、今後示される国の「地域ケア整備指針」を受けて、来年度、「地域ケア整備構想」を策定することとしており、認知症患者についても、医療・介護の両面で適切なケアが受けられるよう、医療・介護の必要度や特性を踏まえながら、必要な医療の提供体制や老人保健施設、グループホーム等の「受け皿」の整備を検討してまいります。

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3.認定こども園について

久保田 母親が仕事をしていれば保育園、専業主婦なら幼稚園、といった分類がこれまでの制度でした。そして、保育園は厚生労働省が所管をし、県や市町村では、児童福祉部局が担当、幼稚園は文部科学省が所管、県・市町村では教育部局が担当となっていました。
 しかし、今年6月、「就学前の子どもに関する教育、保育などの総合的な提供の推進に関する法律」いわゆる「認定子ども園」法が成立し、10月1日から施行されることによって、就学前の教育と保育と子育て支援が一体的に提供される施設が誕生します。その母体となる施設には、現在の幼稚園、保育所、国の認可基準を満たしていない認可外保育施設も対象とされています。
 認定こども園については、ゼロ歳児から就学前の子どもを対象にした施設であること、入園の条件に親が働いているかどうかは問われない施設です。さらに、保育と教育の一体的な提供や、子育て相談や親子の集いの場の提供など地域の子育て支援を行うこととされていますが、地方分権制度の主旨に沿って、都道府県がそれぞれ地域の実情に対応して認定基準を定め、条例制定することになっています。
 本県の就学前の子供たちの状況をみますと、今年7月現在の保育所利用者数は24,922人、就学前の子供の約3割にあたります。希望する保育所にはいれないなどの待機児童は、56人。認可外保育施設の利用は、今年6月現在で、145施設、2,326人。
 幼稚園児は、今年5月現在 18,027人。就学前のこどもの約2割にあたります。
 そのうち幼稚園の教育時間前後に園内で預かり保育を実施している私立幼稚園は、平日118カ所で、利用園児は1,591人に上っています。子育て支援センターの設置箇所は、昨年度、75カ所でした。このような現状に対して、親の側からは、パートやフリーランスで働く場合、保育園入園が難しい、幼稚園募集は10月頃ですが、保育園に4月入園の場合は、年明けの2月か3月にならないと入れるかどうかわからない、近くに子育て支援センターがない等さまざまな声をお聞きします。
 知事は、これまでのご答弁で、認定子ども園の認定基準について「国のガイドラインと本県の実情をふまえて、適切に対応したい」とされていますが、認定こども園の条例制定にむけて、就学前のこどもの教育・保育・子育て支援の本県の実情と課題をどのように認識されているのか、おたずねいたします。また、認定子ども園の認定によって、法律が掲げているように「就学前の子供に関する教育・保育・子育て支援の総合的な提供が推進」されるためには、施策の総合化、補助金の統合化が合わせて行われる必要があると考えますが、ご所見をお伺いします。

片山健康福祉部長 次に、認定こども園についてのお尋ねであります。
 まず、本県の就学前の子どもの教育・保育等の実情と課題についてであります。
 県としては、これまでも、市町や関係団体等との連携の下、待機児童の解消に向けた保育所の整備をはじめ、一時保育等の多様な保育サービスや幼稚園での預かり保育の拡充、地域子育て支援センターの全県にわたる整備など、幼稚園や保育所を拠点として、地域において子どもが健やかに育成される環境づくりに積極的に取り組んできたところです。
 こうした中、少子化の進行や子育てを巡る環境の変化等に伴い、就学前の子どもの教育や保育のニーズは益々多様化してきており、今後は、幼稚園や保育所が、こうしたニーズに柔軟に対応し、サービスの質を高めていくことや、地域において、それぞれの子育て支援機能を一層発揮することが重要であると考えております。
 次に、施策の総合化等についてのお尋ねですが、認定こども園制度は、国において、「現行の幼稚園や保育所の制度を一元化し、一律的な対応を求めるのではなく、利用者のための新たな選択肢を提供することが重要である。」との考え方に立って設計されたものであり、国の補助金等についても、これまでの仕組みがそのまま継続されることとなっております。
 したがいまして、お示しの施策の総合化等につきましては、本来、国において検討されるべきものと考えており、県といたしましては、この制度に適切に対応できるよう、関係部局が密接に連携し、本県の実情を踏まえた認定基準の設定や、関係者に対する情報提供、相談・助言などを行ってまいります。

久保田(再質問) 国が示している特例措置で、保育所では10人でも可能と示されているが、幼稚園の預かり保育の延長による保育所機能の付加、幼稚園の認可外保育、認可外保育施設に幼稚園機能をもたせるなど、特例措置を行うことが可能なのかどうか、市町の財政状況や地域の実情もあると思うが、どのように考えるのかお伺いします。

片山健康福祉部長 認定こども園の国の基準の緩和等につきましては、先ほど申し上げましたけど、今、山口県の実情等を踏まえて、関係団体等も含めまして、その基準についてこれから検討してまいりたいと考えております。
 その中にございました認可外保育施設のことについてでございます。いわゆる4つの型のうちの地方裁量型でございますけれど、この件につきましても、他の類型と同様に幼児教育、保育等のサービスの質が確保されるよう本県の実情を踏まえて、考えていきたいと思います。

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4.民家活用による地域福祉拠点づくりについて

久保田 「誰もが住みなれた地域でその人らしく安心して生活を送ることのできる地域社会をつくる」、これは、本県の地域福祉支援計画で掲げられている理念です。この理念を実現するためには、高齢化、核家族化が進む中、地域で増加している空き民家の活用が有効と考え、私は、これまでたびたび提案をしてきたところですが、平成16年度に山口県が独自に立ち上げた総合・循環型福祉サービス推進モデル事業は、すでに県内7箇所に広がり、高齢者、障害者、子どもが、身近な地域で、ディサービスや児童の預かりサービスなど多様な福祉サービスを気軽に受けることが出来る場として成果をあげており、高く評価したいと思います。
 昨年9月議会でも紹介しましたが、民家を活用した下関市菊川町の「地域共生ホーム中村さんち」、「山口市秋穂のフリースペース和の家」など利用者が増加し、地域密着の福祉拠点として定着してきています。宇部市でも、現在、空き店舗を改修して準備が進められているところです。
 行政では、空き民家についての正確なデータは把握されていないとのことですが、少子高齢化や核家族化の進展に伴い、独居高齢者は増加し、地域で空き民家は確実に増えており、自治会単位では実態が把握されていると思います。昨年の国勢調査の速報によりますと、65歳以上の独居高齢者数は66,300人となっており、本県は、全国的にみても持ち家比率が高いことから、今後、空き民家の増加が推察されると思います。さらに、福祉制度の改正による個人負担の増加や療養病床からの移行の増加などから、特別養護老人ホームや老人保健施設などへの入所がこれまで以上に難しくなると予想されることからも、民家を活用して地域福祉の場を身近に増やす必要があると考えます。
 たとえば、障害者自立支援法によって、グループホームの設置基準が緩和され、小規模な分散型が認められるようになったことや、介護保険制度の改正によって、小規模多機能サービス拠点の整備が促進されるようになったことなどからも、これまで以上に地域の民家を活用して地域福祉の拠点作りを積極的に進めていくべきと考えます。そのためには、市町と連携し、地域福祉へ提供を希望される民家などの募集・紹介のシステム化や財政支援の拡充が必要ではないでしょうか。3年間の実績を踏まえ、今後の新たな展開についてご所見をお伺いいたします。

片山健康福祉部長 最後に、民家を活用した地域福祉の拠点づくりについてのお尋ねであります。
 お示しのとおり、本県では、平成16年度から「総合・循環型福祉サービス推進モデル事業」を立ち上げ、多様な福祉サービスを身近な地域でより総合的に提供できるよう、地域住民の参加と協力を得ながら、民家等を活用した地域福祉の拠点づくりを進めてきたところでございます。
 これまでに事業を開始したモデル事業所では、安定的な運営財源や担い手の確保などの課題もありますが、地域のニーズに即した柔軟なサービスの提供やボランティアの協力による運営の仕組みづくりなど、地域に根ざした特徴ある取組が進められているところであります。
 また、モデル事業所の取組を参考に、自らの創意と工夫で民家を改修し、地域福祉の拠点づくりを進めていこうとする新たな取組も始まっております。
 県といたしましては、こうしたモデル事業の成果を踏まえ、「総合・循環型福祉サービス」を県内各地に広げていきたいと考えておりますが、今後の展開につきましては、モデル事業の成果や課題をさらに検証しながら、新たに創設された地域密着型サービスに係る国の交付金の活用など財政支援のあり方も含め、検討してまいります。
 また、空き民家の活用につきましては、定住対策や地域の活性化対策などの観点から、県としても、より多くの市町で「空き家バンク」の取組が実施されるよう取り組んでいくこととしており、地域福祉の拠点づくりに当たっても十分活用が図られるよう、市町や事業者に対して積極的に情報提供や助言を行ってまいります。

久保田(要望) 民家活用については、国の財政支援のあり方をみて検討していきたいということでありますけれども、山口発、山口型ということで分権社会の山口県の福祉の姿、これは、もともとは富山県のNPOの女性達が発案して、県の制度になり国の方でも動きが出たというものですが私は山口県版として充実させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

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5.農業・水産業の担い手対策について

(1)農業の担い手対策について

久保田  農業者は、近年では、毎年、約2,000人ずつ減少しています。平成2年は75,981人でしたが、平成17年には、47,446人になっており、そのうち65歳以上が約7割、女性は約6割を占めています。県では、法人組織や認定農業者の育成など多様な担い手作りに取り組んでいますが、新規に農業経営を始める農業者と農業法人などへ就業した人を合わせても、毎年、30人から40人程度にとどまっています。これらの数字を単純に計算してみますと、今後、この傾向が続くならば、約25年で農業の担い手がいなくなることになります。
 私は、平成16年9月議会において、農業について教育を受けた若者たちを多数輩出している農業大学校と農業関係高校の卒業生の農業就業支援をより積極的にすべきことを提案しました。県は、卒業後の新規就農の際の経済的負担の軽減策として、機械、施設のリース代の助成措置、運転資金の無利子融資などを講じられていますが、成果が十分反映されているとはいえない状況かと思います。 農業大学校は、卒業後の農業への就業は、卒業生30人のうち、15人程度とのこと。さらに県内に7校ある農業関係高校では毎年合計500人前後の卒業生が輩出されていますが、農業についたものは、過去10年ぐらいをみても、毎年1人か2人、平成14年は3人でしたが、それ以降はゼロです。農業教育に多額の税金が投入され、若者を育てているわけですから、教育と農業政策が連携して、若い力をもっと農業の担い手として確保すべきではないでしょうか。また、他方、農業の担い手のすそのを広げるためにも、農繁期など農作業が必要な時、応援にいけるシステムも必要ではないでしょうか。ご所見をお伺いします。

嶋岡農林水産部長 農業の担い手対策についての2点のお尋ねにお答えいたします。
 まず、農業大学校等の卒業生の就農支援についてです。
 近年の農業経営を取りまく環境の厳しさに加え、農業大学校の学生には、非農家出身も多いことなどから、卒業生の就農状況は、お示しのような状況にあります。
 このため、県といたしましては、平成17年度から、学生の自己経営の開始への支援に加え、就農の受け皿としての農業法人への就業をさらに増加させることを重点的に進めているところであり、農業法人への個別訪問や農業法人協会を通じた求人の掘り起こし、農業法人と学生との面談会の開催等による就農促進に取り組んできたところであります。
 この結果、卒業生の農業法人への就農が倍増し、自己経営も含めた就農率は、近年の3割程度から5割に上昇するなど、一定の成果が得られたものと考えていますが、今年度から新たに、農業法人のニーズにも対応できるよう、学生のマーケティング感覚を養うための実地研修等を開始したところでもあります。
 また、農業関係高校においては、農業関係団体等も参加した「農業教育振興懇談会」で情報交換を行うとともに、農業大学校との連携による先端技術の学習や先進農家での研修を活用し、農業大学校への進学を含め、生徒のニーズに応じた進路指導を行っております。
 県といたしましては、集落農業法人の育成の加速化や、農外企業の参入を促進することいたしており、今後とも引き続き、県教育委員会をはじめ、関係機関、団体との連携を一層強化し、若い方々が一人でも多く就農できるよう取り組んでまいります。
 次に、農作業における応援のシステムづくりについてのお尋ねです。
 県におきましては、平成13年度から県民主導の「食と緑の県民フォーラム」を設置し、農林水産業へのボランティア参加を促す普及啓発など「食と緑の県民運動」を積極的に推進してきたところです。
 この結果、今年度末には、趣旨に賛同する会員が、目標の1万人に達すると見込まれるなど、運動への県民の理解が進み、「学生耕作隊」による援農活動をはじめ、「大島みかんサポートクラブ」による収穫作業、民間企業による萩タマネギの収穫等の地域特性に応じた農業ボランティア活動が進展するなど、着実にその成果が上がってきております。
 こうした状況を踏まえ、この援農活動を県内各地に波及させるため、昨年度、やまぐち農林振興公社にインターネットを活用した「体験・援農支援システム」を整備し、ボランティア活動希望者と農業者との結び付きの場づくりを強化したところです。
 今後とも、引き続き、県民運動の充実を図りながら、農業の担い手を支える組織づくりやシステムづくりに取り組んでまいります。


(2)水産業の担い手対策について

久保田 漁業者は、近年では、毎年、約400人ずつ減少しています。平成15年には8,084人、60歳以上の占める割合は男性で60%と高くなっています。
 さらに、去る9月1日、県内46漁協の合併によって、組合員数、貯金量、販売取り扱い高などで全国最大規模を誇る「新生」山口県漁業協同組合が発足したところですが、合併前の平成16年度末には、組合員11,678人のうち正組合員6,023人でしたが、合併後の現在は、正組合員が5,767人に減少しています。新規に漁業を始めた30歳以下の若いかたは、近年、20人程度で推移しており、平成16年は21人、平成17年は26人が新規就業しました。今後も、この傾向が続くなら、漁業の担い手は、約25年でいなくなることになります。
 県では、本年3月、水産山口チャレンジ計画を改定し、「新生」山口県漁業協同組合を水産県山口の復活に向けたけん引役として位置づけたところですが、水産資源の枯渇、漁業者の高齢化や減少が進む中、漁業振興の要である漁業の担い手の育成について、より一層強化すべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

嶋岡農林水産部長 水産業の担い手対策についてのお尋ねにお答えいたします。
 県におきましては、水産業の担い手を確保・育成するため、平成10年度から全国に先駆けて、募集から研修・着業までの、一貫した支援制度を整備し、就業希望者に対する2年間の研修支援や、着業時に必要な漁船のリース事業等に対する助成を実施してきたところです。
 また、高校生を対象としたインターンシップの実施や、社会人等を対象とした体験学習を行う「漁業おもしろ塾」の開催など、水産業への理解と関心を醸成し、漁業へ誘導する取組も行ってきており、これらの取組の結果、これまでに研修支援を受けて漁業に着業された18名の方を含め、平成10年度以降、175名の新規就業者が誕生いたしております。
 しかしながら、依然として漁業者の減少・高齢化が進行しておりますことから、先般改定した「水産山口チャレンジ計画」においては、引き続き、「就業者対策」を重点プロジェクトに位置付け、これまでの取組に加え、漁村のリーダーである漁業士等を活用した就業者対策を、積極的に推進することとしています。
 県といたしましては、新たに発足しました、新生「山口県漁協」のスケールメリットも活かしつつ、漁業の担い手対策等を充実・強化することによって、本県水産業の再活性化に取り組んでまいります。

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6.土砂災害対策について

久保田 近年、短期間に集中的に大量の雨が降ることが多くなっており、土砂災害の発生が大変増えています。国土交通省の資料によりますと、今年9月1日現在、全国の土砂災害危険箇所数は、52万箇所以上にのぼっており、都道府県別にみると、1位が広島県、2位が島根県、3位が山口県、となっています。これらの県は、地形的に山の近くに人家が多く点在し、さらに脆弱な地質が広く分布しているためとされています。

そこで2点お尋ねいたします。

(1)危険箇所への対策について

久保田 本県では、土砂災害発生の危険性があり、人家などに被害を及ぼす恐れのある箇所を土砂災害危険箇所として、22,248箇所が抽出され、土砂災害危険箇所マップとして公表されています。これらの危険箇所では、いったん、土砂災害が発生すると、尊い人命や貴重な財産が失われる恐れがあるため、一定の期間ごとに調査を実施し、箇所を把握しているとされています。対策事業費は、17年度、82億5千万円、整備率は、土石流危険渓流13.5%、地すべり危険箇所は、20.6%、急傾斜地崩壊危険箇所で26.8%と低い状況にあります。今年度予算では、78億2千万円が計上され、約0.4%から0.5%の整備率アップが図られようとしています。
 県の財政状況が大変厳しいとはいえ、危険箇所が示されているわけですから、ハード対策事業のより一層の加速化が必要であり、また、ハード対策の遅れを補うべくソフト対策も重要と考えますが、十分な対策がとられているのかお尋ねいたします。

中村土木建築部長 土砂災害対策について、大きく2点のお尋ねにお答えいたします。
 まず、土砂災害危険箇所への対策についてですが、県におきましては、県民の尊い生命や財産を守るため、限られた予算のもと、コスト縮減にも配慮し、市町と連携しながら、高齢者施設などの災害時要援護者関連施設や過去に土砂災害が発生した地域など、緊急を要する箇所について優先的に、土砂災害対策工事を実施しているところです。
 しかしながら、本県は、地形的、地質的な特性からお示しのとおり多くの土砂災害危険箇所を有しており、全ての危険箇所を整備するには、膨大な経費と期間が必要となります。
 このため、県といたしましては、ハード対策に加えて、これまで「土砂災害危険箇所マップ」の配布やホームページでの公開を行ってきたところであり、今後、「土砂災害防止法」に基づき、土砂災害警戒区域等の指定を行い、市町と一体となって警戒避難体制を整備するなど、ソフト対策の充実を図り、総合的な土砂災害対策に取り組んでまいります。


(2)造成宅地の安全性確保対策について

久保田 新潟県中越地震などの大地震のとき、大規模な盛り土による造成地の崩壊によって住宅が流出するなどの被害がでたため、このたび宅地造成等規正法が改正されました。この法律は、宅地造成に伴いがけ崩れまたは、土砂の流出を生ずる恐れが著しい市街地または市街地になろうとする土地の区域内において、宅地造成に関する工事などについて災害の防止のため必要な規制を行うものです。特に、地震の時、危険とされる大規模に谷を埋めて盛り土したところは、全国に約1,000箇所あるとされており、国は早急な対策が必要として、10年間で半減を目標としています。それでは、本県では、どのぐらいあるのか、これまでの宅地造成の開発許可などから一定の推計が可能と考えますがいかがでしょうか、まずお尋ねいたします。
 県内の新興住宅地において、今年6月の集中豪雨によって、家の外壁や基礎、ブロック塀などに亀裂が入ったり、建具の開閉不良や柱の傾きなどが起きた事例があります。この事例の場合、国の補助事業対象としては、規模が小さく、個人で対応するには地盤全体のため規模が大きすぎること、開発業者は倒産しており開発責任の所在が不明となっていることなどから、この住宅地の方々は、なすすべもなくひたすら大雨が降らないこと、地震がないことを祈る日々です。
 このような事例は、県内に少なからずあると思われますが、このたびの宅地造成等規制法の改正を受けて、本県では、造成された宅地の安全性確保について、どのように取り組まれるのかお伺いいたします。

中村土木建築部長 次に造成宅地の安全性確保対策についての2点のお尋ねです。
 まず、地震時に危険な大規模谷埋め盛り土の箇所数についてですが、全国に約1,000箇所あると推定された箇所数は、国が、南関東のモデル地域で調査した結果から類推されたものであり、各県毎の数値は示されておりません。
 県におきましては、これまで、こうした調査は実施しておらず、開発許可等の設計図書の全ては保存されていないことから現時点での推計は困難でありますが、今回の宅地造成等規制法の改正に伴い、今後、国から示される「大規模盛土造成地の調査ガイドライン」に沿って、平成19年度から、実態把握に努めてまいります。
 次に、今回の法改正を受けて、造成された宅地の安全性確保にどのように取り組むかとのお尋ねですが、この度の法改正により、都道府県知事が指定した造成宅地防災区域内において、宅地所有者が行う一定の要件に該当する防災対策工事に対して、国の補助制度が創設されたところであります。
 県といたしましては、この制度の導入にあたっては、危険箇所数の把握や地元市町の負担割合等の課題もあることから、今後、この調査と併行して、市町と協議、検討してまいります。
 お示しの新興住宅地のような事例についての被災対策としては、県費補助制度として、市町が事業主体として実施する「がけ崩れ災害緊急対策事業」を設けているところです。
 しかしながら、資料でお示しの事例につきましては、宅地の売買契約上の問題もあると考えておりますことから、今後、県が主体となって、地元市や関係者と対策について協議してまいります。

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