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山口県議会議員(1999年~2009年4月)として県議会での質問です

分類

会期

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  • 2000年06月
  • 2000年03月
  • 1999年12月
  • 1999年06月

2007年06月議会

[目次]

  • 1.地球温暖化対策の推進について
  • 2.救急救命体制の充実について
  • 3.合併市町のまちづくりについて
  • 4.観光・交流の推進について
  • 5.学校教育問題について

1.地球温暖化対策の推進について

久保田 記録的な暖冬、集中豪雨、猛暑といった異常気象が、国内のみならず世界各地で頻繁に起こるようになり、温暖化の影響がすでに現れていることが実感されます。日本では20世紀中に平均気温は約1度上昇していますが、21世紀中には、さらに2度から3度上昇、真夏日は50日から70日増加、降水量も17%から19%増加すると予想されています。山口県においても、3度上昇することで、現在の鹿児島県と同じ気温になりますし、海面が30センチ上昇すると、現在ある砂浜の約8割が失われ、1メートル上昇すると砂浜が完全に消失することが予測されています。
 地球温暖化は、日常生活や事業活動から排出される温室効果ガスが原因となることから、市民、事業者、行政といったすべての人が温室効果ガスの排出を削減するライフスタイルや社会システムの構築が急がれています。このため、国においては、京都議定書による温室効果ガス6%削減にむけて、「京都議定書目標達成計画」を策定し、本県では、昨年、「山口県地球温暖化対策地域推進計画」を策定しました。そこで、以下4点お尋ねします。

(1)温室効果ガス排出量の削減対策について

久保田 本県では、これまで「ストップ地球温暖化」の推進を掲げ、2010年度の温室効果ガス排出量を1990年度レベルの10%削減を目指して様々な取組みを行ってきましたが、2003年度には12%増加しており、国全体の増加率8,3%を上回る結果となってしまいました。特に排出量全体の97%は二酸化炭素が占めており、増加率も13%と大きくなっています。さらに、これまでの対策を引き続き現状どおり実施するとした場合、1990年度と比べ削減どころか5%の増加となると見込まれることから、本県の削減目標を1990年度レベルの10%から2%へと現実的な数値へと引き下げることも余儀なくされました。  
 そこで、お尋ねです。これまでの取組みがなぜ効果を生まなかったのか、その問題点・原因はどこにあるのか。温室効果ガス排出量を削減するためには、さらに踏み込んだ積極的な政策が必要と考えますが、ご所見をお伺いします。

伊藤環境生活部長 私からは、地球温暖化対策の推進に係るお尋ねのうち、温室効果ガス排出量の削減対策についてお答えします。
 まず、これまでの取組がなぜ効果を生まなかったのか、その問題点・原因についてですが、県といたしましては、これまで、「地球温暖化防止行動プログラム」や「地球温暖化対策地域推進計画」に基づき、関係機関等との連携のもと、温室効果ガス排出量の削減に向けた取組を積極的に推進してきたところであります。
 これらの取組を通じまして、地球温暖化問題に関する県民、事業者等、各主体の意識は相当高まってきており、実践活動においても取組の進展が見られております。
 こうした中、部門別に原因と問題点を整理してみますと、まず、排出量の大きなウェイトを占める産業部門では、大企業は自主行動計画に沿って、省エネ対策が着実に進められておりますが、生産の拡大等から排出量が増加しております。その削減には国の政策によるところが大きいわけですが、県としても地域推進計画に基づく重点プロジェクトの実施など企業と連携した一層の取組が必要であるというふうに考えております。
 民生部門では、事務所等におけるOA化の進展や、家庭におけるテレビやエアコンの台数の増加、また、運輸部門では、各世帯における自家用車保有台数等が増加していることから、排出量の削減に向けまして、県民の自主的・主体的な取組を推進するため、普及啓発活動の強化を図るとともに、各主体が一体となった具体的な実践活動をなお一層強化する必要があります。
 次に、さらに踏み込んだ積極的な政策についてのお尋ねであります。県といたしましては、本年3月に設置した「環境やまぐち推進会議」を中心に、普及啓発活動や実践活動のより一層の強化を図り、さらに、削減効果の大きい省エネルギーや太陽光・バイオマスなどの新エネルギーの導入の加速化を図っていくことが必要であると考えております。


(2)省エネルギー・新エネルギー導入の促進について

久保田 電気・空調・照明設備の省エネ性能の向上や建物の省エネ改修、太陽や風力などの新エネルギーの導入は、地球温暖化対策として、重要な取組みです。 
 本県では、省エネルギーと新エネルギーともにビジョンを作成して施策を推進していますが、より実効性をあげるためには、県の法的枠組みである条例を制定し担当部局を設置して、総合的、計画的に進める必要があると考えます。現状では、省エネルギーは環境生活部、新エネルギーは商工労働部が所管、森林バイオマスエネルギーは農林水産部で取り組まれ、新エネルギービジョンに数値目標はありません。
 このような縦割り行政の状況では、担当部局は地球温暖化対策としての総合的視点をもちにくく、実際に、この質問作成においても、それぞれの部局からお聞きして、ようやく全貌がわかるといった状況でした。地球温暖化対策としての本県の省エネルギー・新エネルギーの全体像をだれも把握されていない状況ではないでしょうか。平成15年9月議会で、私は、本県においても、条例を制定する必要があるのではないかと、他県の条例を紹介しながら提案したところ、知事は、国の状況を見ながら、どのような形で取り組むのが一番良いのか、しばらく研究させていただきたいとのご答弁でしたが、4年間を経過した今、どのような進展があったのかお聞かせください。また、今後の取り組みをお伺いします。

二井知事 私からは、地球温暖化対策の推進についてのお尋ねのうち、省エネルギーの推進と新エネルギーの導入促進に総合的、計画的に取り組むための条例化について、その後の進展と今後の取組についてというお尋ねにお答えをいたします。
 国におきましては、平成9年の京都議定書における温室効果ガスの削減数値目標の採択等を契機として、エネルギー関連法の整備が進み、平成15年10月には、「エネルギー基本計画の策定」等が行われてきたところであります。
 県といたしましては、こうした国の動向等を注視いたしますとともに、地球温暖化対策のみならず、産業振興や地域振興の観点にも立ちまして、これまで「新エネルギー導入ビジョン」に基づき新エネルギーの導入促進を図ってきたところであります。本県の風力発電や廃棄物発電等につきましては、一定の目標値を達成するなど、一定の成果をあげているところであります。
 また、現在、周南地域の副生水素を活用した、一般家庭における発電・給湯を行うモデル事業や、森林資源のバイオマスエネルギーとしての活用促進など、本県の地域特性や産業特性を活かした取組を積極的に推進をいたしております。
 こうした動きがあります中で、県におきましては、お示しがありましたように、昨年3月に策定いたしました「山口県地球温暖化対策地域推進計画」に、新エネルギーの導入促進と省エネルギー推進を中核的な取組として位置付けたところであります。国をはじめ、県、市・町、事業者、県民が自らの役割を認識し、これらを連携・協働して推進をしていくことにいたしておりまして、現時点におきましては、この推進計画の下で、新エネルギーの導入促進、省エネルギーの推進に総合的、計画的に取り組んでまいることにいたしております。
 しかしながら、御指摘の条例化や組織体制の見直し等につきましては、この度、6月1日に「21世紀環境立国戦略」が閣議決定されましたほか、6月7日のG8サミットにおいて、温室効果ガスの排出量の大幅な削減について合意されるなど、地球温暖化対策に係る国の新たな動きもありますことから、今後、幅広く検討していく必要があると認識をいたしているところであります。


(3)バイオマスエネルギーの導入促進について

久保田 国においては、昨年3月新たなバイオマス・ニッポン総合戦略が策定され、国産のバイオマス輸送用燃料の導入や未利用のバイオマスの利用促進などを決定しています。本県では、民間事業者によって、地域の木材を再資源化して利用するバイオマス発電所が稼働しています。県のプロジェクトとしては、森林バイオマスエネルギーによる電気と熱の同時供給システムの実用化モデル事業が進んでいるところです。しかし、本県の新エネルギービジョンではバイオマスエネルギーが数値目標を持って位置づけられていません。
 そこでお尋ねです。バイオマスエネルギーを本県では新エネルギーとしてどのように位置付け、地球温暖化対策として推進していくのか、また、下水汚泥、家畜糞尿、食品残さなど、そのほかのバイオマスエネルギーの可能性についての調査・研究の状況をお伺いします。

和田商工労働部長 地球温暖化対策の推進のうち、バイオマスエネルギーの導入促進についてのお尋ねにお答えをいたします。
 まず、新エネルギーとしての位置付けにつきましては、「新エネルギービジョン」において、バイオマスエネルギーは、持続的に再生可能なエネルギーであり、二酸化炭素を増加させないものとして、技術開発動向等に留意しながら、導入促進に努めていくこととしておりますけれども、お示しの数値目標の設定等につきましては、今後、国の新エネルギーの定義等の見直しや新エネルギー法の関係政令改正、こうした動向等を踏まえまして、検討してまいりたいと考えております。 次に、下水道汚泥、家畜糞尿、食品残さなどのその他のバイオマスエネルギーの可能性に係る調査・研究についてであります。平成18年度に、「木質バイオマス」、「廃食用油」、「メタンガス」等に関する県内事業者の取組状況について、実地調査を行い、課題の整理・検討を行っているところであります。
 また、県内企業の新エネルギー分野への参入を促進することを目的といたしまして、産業技術センターに産学公の連携による「新エネルギー研究会」を設置し、バイオマスエネルギーに関する実用的な情報交換等を行うとともに、産業技術センターにおいて、バイオマス・メタノール製造方法の研究開発など、先進的な取組を進めているところであります。


(4)経済的支援策について

久保田 地球温暖化対策について、一昨年、県が実施した県民アンケートの結果によりますと、県に期待する政策としては、環境教育の徹底による環境意識向上が70%で最も多く、ついで、省エネ・新エネ機器の購入への支援策が69%に上っていました。新エネ機器を設置できない理由としては、価格が高いが最も多くありました。事業者アンケートにおいても、県に望む政策として、同様に、資金面での支援が多くありました。本県では、中小企業、組合、個人を対象とした地球温暖化防止対策のための融資制度を作っています。しかし、利用実績は大変少なく、中小企業者に対する低公害車、太陽光・風力発電システムの導入経費への融資実績は、平成10年から17年度までの8年間でわずか1件のみです。昨年、この融資制度の拡充を図られ省エネルギー設備や燃料設備の転換などを対象としたものの、やはり実績ゼロといった状況です。個人への融資制度についても、この3年間は利用実績ゼロです。利用されない理由は何か。県民の声に答えるべく、制度の見直しを行い、温室効果ガス排出削減を促進するための経済的支援策に取り組むべきではないでしょうか。お尋ねします。

伊藤環境生活部長 次に、融資制度についてであります。
 まず、中小企業者向けには、温室効果ガス排出量の削減効果のある省エネ設備や太陽光発電システムの設置等の導入に対し、また、個人向けには低公害車の購入や太陽光発電システムの設置に対する融資を行っております。
 この利用につきましては、新エネ機器等の購入価格が高いことや、また一方、その導入に伴うメリット等が十分に浸透していないことなどから、実績が伸びていない状況にあると考えております。
 次に、融資制度の見直しを行い、経済的支援策を検討すべきとのお尋ねであります。融資制度につきましては、県民や事業者が利用できる選択肢の一つとして、現時点においては、必要であるというふうに考えており、利用促進が図られるよう、その導入のメリットをわかりやすくPRするなど、一層普及啓発に努めてまいります。
 また、新たな経済的支援策につきましては、本年6月1日に閣議決定された、「21世紀環境立国戦略」、これにも示されている国の京都議定書目標達成計画の今後の見直しを受け、本県の計画見直しに向けた検討を行う中で、お示しの融資制度も含め、様々な角度から検討していきたいというふうに思っております。

久保田(再質問) 意識啓発・普及啓発というキャンペーンも大事ですけれども、環境と経済をうまくマッチングさせていく、滋賀県の「太陽光発電設置促進滋賀モデル推進事業」や「省エネ・お得ポイント事業」のように、やはり経済原理の中に一定の誘導策を少し強化してく必要があるのではないかと思っております。それについてご見解をお伺いしたいと思います。

二井知事 具体的な例をあげられての地球温暖化対策についてのお尋ねでありますが、私も、今後、地球温暖化対策はきわめて重要だと考えておりますので、県としてやるべき具体的な政策についても、どういう分野で具体的な対策を講じていったらいいのか。いずれにしても充実をさせていかなければならないというふうに思っておりますので、十分、今後検討させていただきたいと思っております。

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2.救急救命体制の充実について

久保田 毎日、救急車のサイレンを聞かない日はないというのが私達の実感だと思いますが、本県の平成17年度の救急車出動件数は、63,501件、前年比で約4%の増加、一日あたりでみますと、平均174件、8.3分に1回の割合で救急隊が出ています。10年前と比べても、約5割の増加となっていますし、本県の増加率は全国の増加率を上回って延びています。人口1万人あたりの出動件数では、全国第8位です。年齢別に見ると、65歳以上の高齢者が32,814人ともっとも多く半数以上を占めており、高齢化率が、全国平均より10年早く進んでいる本県では、今後、さらに高齢者の搬送が増加していくことが予測されます。
 私たちは誰もが安心して暮らしていく上で、急病や事故などに遭遇した際、いつでも、どこでも症状に応じた適切な医療が受けられるように救急救命体制のより一層の整備・充実が求められますことから、以下2点についてお尋ねいたします。

(1)救急医療体制の整備・充実について

久保田 先般、宇部市において、救急救命の見事な連携の事例を目の当たりにしました。79歳の女性が、胸部に激痛が走り、病院に運ばれたところ、「急性大動脈解離」で大至急、手術をしなければ命を失うといった状況が確認され、高度救命救急センターに搬送され緊急手術をしました。8時間にわたって心臓を止めて行う最も困難な手術のひとつでしたが、高度な医療技術によって成功。10日ほどで退院となりました。この成功事例のポイントは、まず、二次救急医療を実施している病院の適切な判断と速やかな行動で、医師と看護師が同乗して三次救急医療、高度救命救急センターに転院されたことです。そして、救急車到着時には、すでに緊急手術の体制が整えられ、再検査の後、ただちに手術が実施されたことでした。症状の確定、手術の無事終了まで約12時間の出来事でした。
 私が住んでいる宇部市は、県内でも最も医師が多く、手術や入院治療を必要とする救急患者を24時間受け入れる二次救急病院ももっとも多くあります。なおかつ、県内唯一の山口大学附属病院高度救命救急センターがあります。今回の事例は医療環境が県内最高レベルにある宇部市だったから幸いしたと言えると思います。しかし、本来なら、県内どこでも適切な医療が受けられるように救急医療体制が整備されなければなりません。現状では、県内でかなりの地域格差が生じています。人口10万人あたりで従事している医師の数をみると、本県は224.1人となっており、広島県とほぼ同等ですが、県内においては、宇部・小野田医療圏が369.7人に対して、萩医療圏の164.5人と格差が大きく、2.2倍にもなります。大都市と地方都市との格差はもとよりですが、同じ山口県に住んでいても、人口格差がそのまま医師数の格差にもつながっている現状があります。また、輪番制を組んでいる二次救急病院においても、病院機能の格差があります。救急患者の実績をみても、年間約2万人の救急患者を受け入れているところから、200人前後のところまでの格差があります。救急患者は、輪番となっている病院ではなく、診療科が整っていて、専門医やスタッフ、診療機器が充実して、いつでも受け入れ可能な地域の中核的な総合病院に集中している実態があるとされています。そこで、お尋ねです。二次救急医療体制の現状把握と課題認識はいかがか、地域間格差や機能格差の是正が必要と考えますが、どのように取り組まれるのかお尋ねします。
 また、三次救急医療体制は、県内に救命救急センターとして4箇所、岩国医療センター、県立総合医療センター、山口大学附属病院、関門医療センターが設置されています。これらの病院では、二次救急医療機関では対応できない重篤な救急患者に対して、24時間体制で高度な救急医療が提供されています。しかし、柳井、周南、萩、長門の4つの医療圏合計人口約46万人には救命救急センターがありません。救命救急は一分一秒をあらそいますから、病院の距離が遠いことは非常にマイナスになります。これらの医療圏においても、救命救急センターを設置し、救急医療体制の充実に取り組むべきと考えますがお尋ねします。
 さらに、救命救急センターのうち、山口大学附属病院は、県内唯一の高度救命救急センターとなっています。患者数は年々増加しており、18年度は外来・入院あわせて年間約1,000人に及んでいます。しかし、高度救命救急センターは、国立大学法人化や医療制度改正などによって、これまで以上に経営環境が悪化しており、国からの補助もなく、患者受入数が増えれば増えるほど赤字になるといった状況に陥っています。このような実情では、地域医療への貢献を制約することになりかねません。高度救命救急センターは、心臓疾患や脳神経疾患の患者が約45%占めており、また、大規模災害や集団化学災害などへの対応といった点でも、地域の安全・安心を確保する重要な役割を担っており、県民にとってなくてはならないところであることから、より一層の充実を望むものです。そこで、県として、何らかの支援が必要と考えますが、ご所見をお伺いします。

今村健康福祉部長 救急医療体制の整備・充実について3点のお尋ねにお答えいたします。
 県民の皆様が、迅速で適切な救急医療が受けられるよう、県では、休日急患センター等による初期救急医療体制、重症患者を受け入れる二次救急医療体制、重篤な救急患者を受け入れる三次救急医療体制の整備・充実に努めてきたところです。
 お尋ねの二次救急医療体制につきましては、二次医療圏ごとの地域の実情に応じ、医療資源を効率的に活用できる「病院群輪番制」によって対応してきており、すべての医療圏において、「病院群輪番制」が実施されております。
 この二次救急医療体制については、お示しのように、医師不足等の理由により、一部、夜間診療体制が不十分な医療圏があることなどの課題もあり、また、医療圏により参加できる病院数に差があること、一つの医療圏内においても、病院の間で、診療科目、医療従事者数等に差があることや、医療機能の充実した中核的な病院に救急患者が集中する傾向があることなどの実態があるものと受け止めております。
 このため、県といたしましては、こうした課題や実態を十分に踏まえ、「病院群輪番制」病院の施設・設備整備に対する補助や近接する医療圏との輪番制の共同化の検討などにより、診療体制が不十分な医療圏の体制整備を支援するとともに、救急医療施設の医師等に対する専門的な研修への参加機会の確保等により、救急医療の質の向上に努めてまいります。
 今後とも、市町、医療機関、消防機関との連携を強化し、二次救急医療体制の更なる強化に取り組んでまいります。
 次に、三次救急医療体制についてですが、二次救急医療機関では対応できない重篤な患者に対し、24時間体制で高度な救急医療を提供するもので、「救命救急センター」がその役割を担っております。
 この救命救急センターは、専門的な救急医療に精通した医師等専任スタッフ、専用の集中管理室、高度な診療機器などの整備などが必要であり、本県では、都市構造や交通体系等を総合的に勘案し、現在、4病院に設置されており、おおむね県下全域をカバーしているものと考えております。
 また、お示しのように、センターまでの時間距離が長い医療圏やへき地・離島の三次救急医療体制については、患者の救急搬送が重要な役割を担っていると考えております。
 このため、県では、「広域災害・救急医療情報システム」により、二次救急医療機関から救命救急センターへの迅速な救急患者の搬送を支援するとともに、当面は、遠距離であっても迅速かつ高度な救急搬送の提供が可能な消防防災ヘリ「きらら」を活用した「ドクターヘリ的運用」の拡充により、必要な三次救急医療体制の確保に努めていく考えであり、お尋ねの今後の充実方策については、医療対策協議会等の意見を聞きながら、さらに検討してまいりたいと考えております。
 次に、高度救命救急センターについてでありますが、同センターが県下全域において果たされている役割について、充分認識しておりますが、その支援につきましては、お示しのように、地方財政再建促進特別措置法により補助金等の支出制限など大きな制約がある中で、高度救命救急センターとしての本来の役割を発揮するため、県としてどのような支援ができるか、今後、更に検討してまいりたいと考えております。

久保田(再質問) 救急医療体制の整備・充実ですが、施設整備あるいは研修の参加支援等されていることも存じていますが、それでも全然間に合わない。悪化する方が、問題の広がりの方が、早いのではないでしょうか。施策をよりスピーディーに、より的確に、つけていく必要があるのではないかと思います。二次救急医療体制の更なる強化・支援、そして輪番制のあり方のみなおしが、必要だと思う。
 三次救急医療では、遠距離であっても迅速に運ばれるシステムということで、一定の努力を認めるものですが、県保健医療計画によると、山口県は、がん・心臓疾患・脳血管疾患だけで死亡者全体の約57.9%を占めており、全てにおいて全国の死亡率を上回っています。それだけに地域医療あるいは救急医療の充実がより求められていると思います。さらに、この心疾患や脳血管疾患の死亡率は、同じ県内でも医療圏によってかなり差があります。救命救急センターがない地域、柳井・長門・萩医療圏では高くなっています。県民の命を守る、健康を守るという意味で、さらに細かい重厚な施策が必要だと考えます。因みに県政世論調査で県民の県政に望むもっとも大きい課題としては、安心した医療、これが数年続いていると認識しています。先般、石丸県議が提案されたドクターヘリ、これは大変重要であると思います。また、私が以前から申し上げているドクターカー、山口大学付属病院の高度救命救急センターと宇部市消防本部が連携して重篤患者の場合にはドクターが同乗してきてくれるという制度でありますが、今、県内では、宇部市と、この4月からは山口市がスタートしたということは高く評価したいと思います。ドクターカー、ドクターヘリ、本県の分散型都市構造ならではの、こういった機動力というものも活用する必要があると考えるので、再度ご見解をお伺いしたいと思います。

今村健康福祉部長 再質の二次救急医療、三次救急医療についてご答弁申し上げます。
 先程、答弁申し上げましたように、本県が分散型の都市構造をしておりますことから、二次・三次救急においての救急搬送の必要性というのは、特に重要であると考えております。
 その中で、先程も申し上げましたが、特に三次救急に対しては、医療対策協議会等の意見も踏まえて、お示しのありましたドクターカー等についても、これから協議をしていくつもりでございます。
 それから、二次救急に対しては、病院輪番制というのは、また、病院の医療資源を効率的に利用できるという意味ではある意味ではメリットがあります。そういう中で、先程もおっしゃいましたように、今、医療を取り巻く環境は大変厳しく、医師不足等、本当に緊急の課題がたくさんございます。そういう地域医療の確保の観点からも、そのようなものも総合的に勘案しながら、二次救急医療の充実についてもっと検討していきたいと思います。

久保田(要望) 高度救命救急については、地財法の制約があるということはもちろん存じ上げていますが、地財法があるからできないということではないと思います。どのような支援ができるかさらに検討していくということなので、現在、新たな保健医療計画を見直し中ですから、その中で具体的な支援策が作られることを期待しています。よろしくお願いします。


(2)市町の消防の広域化について

久保田 今日、消防業務は、複雑・多様化する災害や多発する交通事故などに対して救急出動が増加しているとともに、専門的知識・技術が求められる救急救命士制度への対応など、より高い水準の住民サービスの提供が求められています。また、厳しい財政状況下において、効果的・効率的な消防体制の整備を図ることが必要とされています。このような状況に対応するため、国においては、昨年、消防組織法を改正して、消防本部の規模を人口30万人をひとつの目標として、市町村の消防の広域化を推進してきました。都道府県は、市町村の消防の広域化の推進及び広域化後の消防の円滑な運営の確保に関する計画を19年度中に定めることとされています。
 本県では、消防本部が13ありますが、小規模消防本部が萩市、下松市、長門市、山陽小野田市、柳井地区、光地区、美祢地区の7本部存在しており、広域化が十分進んでいるとは言えない状況にあります。そこで、今年度、消防広域化推進計画策定のための検討委員会を設置し協議が進められていくことになっています。しかし、管轄区域が広域化することで消防車・救急車の現場到着時間が遅れることにならないか懸念されますし、日常生活圏や交通事情はもとより、県土の約7割が中山間地域であることや、臨海部に石油化学などコンビナートが存在することなど本県の実情からすると、広域化の検討において配慮すべき点が多くあるかと思いますが、今後どのような観点で計画策定をされて、消防の広域化を実施していくのかお伺いいたします。

三好総務部長 市町消防の広域化についてであります。
 近年、災害の大規模化や住民ニーズの多様化等により消防需要が増大する中で、小規模な消防本部については、職員数や財政規模が小さいため、大規模な火災等への対応に限界があることや、将来、人口の減少に伴う消防職員数の減少などにより消防力の低下も懸念されるところであります。
 こうしたことから、本県においても、消防力の強化による住民サービスの向上や、消防に関する行財政運営の効率化・基盤の強化を実現するため、消防の広域化が重要であると認識をしております。
 このため、昨年度、消防本部、市町、県の関係者からなる検討会を開催し、国の定める「市町村の消防の広域化に関する基本指針」も踏まえて、本県の目指すべき広域化の方向性を示す基本方針を取りまとめ、本年度は、この方針に基づき推進計画を策定することとしています。
 お尋ねの計画策定の観点ですが、消防力については、大規模災害時における初動体制の強化、本部機能の統合等の効率化による現場活動要員の増強、財政規模の拡大に伴う高度資機材の計画的な整備等を目指すこととしています。
 そのため、広域化後の消防本部の規模は、消防署の統廃合や消防職員の削減は行わないことを基本に、管轄人口30万人以上を一つの目標としながらも、お示しの日常生活圏や交通事情、また、本県の地理的条件等の地域の実情には十分な配慮を行うこととしています。
 今後、先般、設置した学識経験者、関係機関等で構成する推進計画策定委員会において、専門的な見地から検討を進めるとともに、関係市町の意見も十分踏まえて計画をとりまとめ、自主的な市町消防の広域化を推進してまいります。

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3.合併市町のまちづくりについて

久保田 平成11年4月以降に行われた市町村合併によって、それまで3,232だった市町村が18年4月には1,820になりました。本県でも、56の市町村から、村がなくなって22の市と町に再編され、地方分権の基盤づくりが進んできたといえます。
 県は、昨年10月と今年2月に合併市町におけるまちづくりへの取り組みについて行政へのアンケートとヒアリング調査を行いました。その結果によると、地域づくり・まちづくり、住民サービスの向上、行財政の効率化のどの分野においても、良い効果が現れているとされています。そして、今後取り組むべき課題としては、住民が主体となった新たな地域コミュニティの構築が必要としています。しかし、私がお聞きする声としては、地方交付税の減少もあって、合併の枠組みによっては広域化による財政負担増となり、かえって行財政基盤が圧迫されたといった声や、期待したほど住民サービスが充実したという実感がない、不便になったなどがあります。
 そこでまずお尋ねです。今後、合併市町全体の実態把握を行うにあたっては、行政だけではなく、住民や各種団体なども対象として多面的に定期的に把握していく必要があると考えますが、まずお尋ねします。
 また、合併前の旧町村部の大半は周辺部に位置しており、急激な過疎化、少子高齢化にともなって、産業の低迷や集落機能の低下などの課題を抱えていることから、地域コミュニティ対策や農林漁業の担い手対策などが急がれています。知事は、これらへの対策を進めるとされてきましたが、その進捗状況をお尋ねします。
 一方、都市部、中心市街地の状況では、当初期待された効果がどのような形で発揮されつつあるのでしょうか。役所においても、行政事務の効率化や行財政基盤が強化されるといった合併による積極的効果はでているのでしょうか。お尋ねします。
 さらに、先般策定された「山口県市町合併推進構想」の今後の取組みとして、構想で示されている市町の組み合わせに限定するのではなく、新たな組み合わせの可能性も含めて柔軟な取り組みが必要と考えますが、ご所見をお伺いいたします。

小田地域振興部長 合併市町のまちづくりと、それから戦略的な観光地づくり、そして山口宇部空港の3点についてお答えをさせていただきます。
 最初に、合併市町のまちづくりについての5点のお尋ねのうち、まず、合併市町の実態把握についてでございます。
 合併市町の実態把握につきましては、まずは、合併市町 が住民等の意見を聞きながら把握し、まちづくりに繋げていくということが基本でありますけれども、県といたしましては、調査項目の工夫等も行いながら、引き続き、ヒアリング調査等を実施し、その結果を、各市町に情報提供してまいりたいと思います。
 次に、周辺地域対策の進捗状況についてでございます。
 県では、合併市町の周辺地域の多くが中山間地域と重なりますことから、当地域につきましては、「中山間地域づくりビジョン」に基づいて対応することといたしております。
 お示しのコミュニティ対策につきましては、昨年度、8市町におきまして「中山間地域づくり指針」が策定された ところでございまして、本年度は、その指針に沿いまして、新たなコミュニティ組織づくりに主体的に取り組む地域の うちから、4つの地域を選定いたしまして、専門家の派遣 等を通じて、全県的なモデルとなるように支援をしてまいりたいと考えております。
 また、農林水産業の担い手対策につきましては、持続可 能な経営をめざす認定農業者や特定農業法人等が増加するなど、着実に成果が上がってきているものと考えております。
 次に合併後の中心市街地における合併効果についてであります。
 各市町におかれましては、新市町建設計画に基づき、中心市街地の活性化などの取組を進めておられますけれども、このような取組も、緒についたばかりでございますことから、先の調査では、市町から具体的な効果は示されておりません。
 中心市街地におきましては、商店街の停滞など、厳しい状況も聞いておりますが、県といたしましては、各市町において、新しいまちづくりに着実に取り組まれ、新市町建 設計画で目指している合併効果が早期に現れることを期待しております。
 また、行政事務の効率化や行財政基盤の強化についてでございますが、調査
 では、電算システムの統一による事務の効率化や上水道事業など業務の統合による経費の節減などのほか、事務事業の見直しや職員の定数管理の適正化などがあげられています。
 次に、「山口県市町合併推進構想」における市町の組合せについてでございますが、この構想は、新合併特例法に 基づき、日常生活圏の状況や行政上のつながりなどを総合 的に勘案し、想定されるさらなる合併市町の組合せを示したものであり、県としては、この構想に沿って、各地域において将来のあり方等が、広く議論され、新たな合併に向けた自主的・主体的な取組が行われることを期待しています。

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4.観光・交流の推進について

久保田 観光は、人々の交流を促進し地域活性化につながるものとして重要ですが、本県においては、2010年に3,000万人以上の観光客数を目標として、観光振興の施策が進められています。しかし、近年の観光客の動向を見ますと、この目標への到達の厳しさが感じられます。平成13年のきらら博の時は、過去最大の2,550万人となっているものの、その後は、200万人ほど減少して、2,300万人前後で推移してきました。18年度は、久々に2,500万人に到達し、前年度比6.2%147万6千人の増加となりましたが、その増加分の大部分が国民文化祭の来場者でした。
 県では、きらら博を本県の観光の飛躍的発展につなげるとされていましたが、その後の低迷状況に対して、私は、平成15年9月議会において、観光戦略の強化の必要性を求めたところですが、今回は以下2点お尋ねいたします。

(1)戦略的観光地づくりについて

久保田 魅力ある観光地づくりのためには、地域固有の伝統・文化・歴史・産業・自然などの観光資源を保全し、その魅力を高める効果的な活用が重要とされますが、本県では、昨年から観光振興行政は、地域づくりを横断的に行っている地域振興部において、「住んでよし、訪れてよし」の観光地作りが強化されていますが、まず、その取り組み状況をお尋ねします。19年度予算においては、「地旅づくりの推進」として、地域の生活文化や地場産業などを素材として、地域自らが企画する「ご当地ツアー」を掲げられていますが、具体的にどのように取り組むのかお尋ねいたします。
 また、来年度7月から9月にかけて本県の観光地をPRするJRグループのデスティネーションキャンペーンが実施されるのを受けて、今年度は、プレキャンペーンが行われます。本県としては、3回目、きらら博以来の大型キャンペーンになりますが、今回は、きらら博のような大型イベントがありません。どのような目玉の企画をするのでしょうか。
 先般、プレキャンペーンとして、新たな旅行商品の企画コンペが実施され、6社の旅行会社が決定し、1社あたり500万円、合計3,000万円の助成金が出されますが、来年の大型キャンペーンにどのように繋げていくのか。
 さらに、県内の受け入れ態勢の整備もすでに取り組んでいるとされていますが、取り組み状況をお伺いするとともに、戦略的な観光客誘致の具体的内容をお伺いします。

小田地域振興部長 次に、戦略的観光地づくりについての6点のお尋ねですが若干まとめさせて答弁させていただきたいと思います。
 観光地間の競争が激化する中、戦略的に観光客を誘致するため、本県では、多様化・専門化する観光ニーズに的確に対応した質の高い観光地づくりに取り組んでおります。
 そして、地域振興部が観光行政を所管することとなりました昨年度からは、市町や観光関係者、まちづくり団体等との連携を一層強化しますとともに、地域の主体的な観光地づくりを支援するとの視点に立ち、地域自らが、地域の魅力あふれる「ご当地ツアー」の企画・提案を行う「地旅づくり」の推進を打ち出したところでございまして、本年度は、シンポジウムによる普及啓発や「やまぐち観光交流塾」の開催、旅行商品づくりの専門家派遣による担い手の育成等に取り組んでおります。
 このような中、来年7月~9月にかけまして開催するデスティネーションキャンペーンは、本県観光の魅力を発信する絶好の機会でありますことから、現在、市町や地元観光関係者との協働により、全力をあげて取り組んでいるところでございます。
 今回のキャンペーンは、「地旅づくり」をはじめとする地域が主体となった取組の中から生まれた、多彩で個性的な観光素材と、全国に誇れる自然や歴史、あるいは食や温泉等を組み合わせることで、山口県ならではの新たな魅力を強くアピールし、多くの観光客をお迎えしたいと考えております。
 また、プレキャンペーンとして、各地域での観光素材の磨き上げや、集客イベントの検討等を行うとともに、観光ボランティアや旅館等の関係者を対象にしたホスピタリティ研修等により、おもてなしの一層の向上を図るなど、受入体制の整備に取り組んでおります。
 さらに、来年のキャンペーンにおいて、大きなマーケットである大都市圏からの誘客を促進するため、旅行会社とタイアップし、新たな観光素材等を取り入れながら、首都圏、中部圏、関西圏の各圏域向けに、それぞれの圏域の特性を踏まえた旅行商品を開発するなどの施策も展開しております。
 県といたしましては、今後とも、デスティネーションキャンペーンに全力で取り組み、一層の観光客誘致を図ってまいります。

久保田(再質問) 来年のデスティネーションキャンペーンでは、きらら博のような大型イベントがありませんが、「地旅づくり」の推進が目玉となるのか。また、デスティネーションキャンペーンへの対応は十分なのか、再度、お尋ねします。
 宮崎県では、一定規模以上のコンベンションやスポーツイベントに開催経費の一部を助成しています。観光交流も企業誘致と同じく都市間競争であると考えますと、より積極的な取り組みが必要です。

小田地域振興部長 デスティネーションキャンペーンに関連いたしまして、今までのキャンペーンの場合には、きらら博だとか去年の国文祭などの大型イベントがあったのだが、それがないのに今回何を目玉にするのか、そういうことだと思います。
 確かに、前回につきましては、今申し上げましたように博覧会といった大規模なイベントと一緒にその開催年に合わせて、キャンペーンを開催したというのが実態であります。
 そうしますと、キャンペーンがある時に常に大型イベントも一緒にやるべきなのかという問題があるわけですけれど、もうひとつの考え方としまして、今までの山口県にある、既存の素材、観光地もありますし、物産もありますし、食もありますし、いろいろなものがあるかと思いますけれども、ただ、イベントそれだけに頼るのではなしに、今から先に、どういうものを新しく生み出していくのか、といった視点も非常に大事なんだと思うんです。
 そういうなかで、先ほどもご説明申し上げましたけれども、昨年、観光行政につきまして地域振興部に移ったという中で、やはりもう一度、地域の持っている本当の特性、個性は何なのか、それをいかに磨き上げれば、それが新しい素材になって観光の魅力に繋がっていくのか、ということで「地旅づくり」ということをやっているわけでございますので、来年のキャンペーンに向けてはそれを出来る限り、ブラッシュアップ、いかに磨き上げていくことによって、一つの輝くものを作っていきたい。
 それと今までありました、全国に誇れる素材というのもあるわけでございますから、それを上手く組み合わせることによりまして、これを目玉にしていく、それによりまして山口県への誘客を促進していく、それを実現するためにはいろんな意味で、先ほど申し上げましたが、大規模都市圏、これが大きな観光のターゲットとなるわけでございますので、情報発信についても十分やっていくと、ということで、これを期に、来年のキャンペーンに向けて誘客ができるように頑張っていきたいと思っております。


(2)山口宇部空港の利用促進について

久保田 山口宇部空港は、東京線利用実績90万人台を確保してきましたが、昨年3月に北九州新空港が開港したことで、利用者18,000人の減少となっています。さらに、来年、JRグループが行うデスティネーションキャンペーンによって鉄道利用の増加が見込まれるだけに、山口宇部空港を利用する観光客の減少とならないように対策が必要と考えます。むしろこのキャンペーンと合流して、山口県唯一の空の玄関である山口宇部空港も、観光客の利用増加をめざして積極的な取り組みが必要ではないでしょうか。お尋ねします。
 また、ターミナルビルを管理し、山口宇部空港の活性化に重要な役割を担っている山口宇部空港ビル株式会社においては、このたび、二井知事が代表取締役社長を退任され、県の元商工労働部長の前田氏が就任されました。そこでお尋ねです。山口宇部空港ビル株式会社は、県の外郭団体として設立され、基本財産の30%にあたる9千600万円が出資されていますが、このたび知事が社長を退任されたことで、外郭団体としての位置づけはなくなるのでしょうか。今後、県の関与のありかたはどのようにされるのか、県政との連携による空港利用促進をお尋ねいたします。
 さらに、国際化の進展に伴い、本県でも国際観光を推進してきているところですが、山口宇部空港のチャーター便の活用による東アジア地域からの一層の観光客誘致を図るべきと考えます。県施策との連携はもとより、民間団体主催の国際会議やイベントなどの情報も把握できる体制作りを行い、山口宇部空港の活用を促進すべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
 また、空港の利用促進を図る上で、定時の離発着は必要不可欠の条件です。しかし、昨年度から離発着の遅れが増えており、定時から15分を超えての遅れは、17年度までは、出発便で16%から20%、到着便で4%から8%でしたが、新北九州空港が開港した18年度は、出発便で34%、到着便で11%と遅れが増加しています。新北九州空港と空域を共有していることから発生しているとも言われていますが、今後の改善の見とおしはいかがかお尋ねいたします。

小田地域振興部長 次に、山口宇部空港に関する4点のお尋ねでございます。まず、デスティネーションキャンペーンと合流した空港の観光客の利用増加についてであります。
 このキャンペーンは、来年の7月から9月にかけて集中的に実施するものであり、これにより首都圏における本県の認知度も高まるなどの効果が期待できますことから、こうしたことを踏まえ、空港を利用した旅行商品の開発や販売促進など、旅行会社等と連携した取組を検討してまいります。
 次に、山口宇部空港ビル株式会社への県の関与等についてであります。
 地方空港等の競争が激化する中、魅力ある空港づくりを進める上で、同社の役割が重要になっているということから、この度、専任の社長を置くことにより、経営体制の強化が図られたところでありまして、これを機に、いわゆる外郭団体の位置づけから外れたところでございます。
 今後は、事業や経営等に関する計画について、県への事前協議が不要となります。
 県といたしましては、今後とも、同社と連携を密にしながら、利用客の増大に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、チャーター便による海外からの観光客誘致についてでありますが、県といたしましては、これまで東アジアを中心に誘致を進めてきた経緯がございますので、今後も、こうした地域をターゲットとして、本県を拠点とした周遊観光をセールスポイントに、他の空港と連携したチャーター便の運航、こういったことにも取り組みまして、一層の誘客拡大に努めてまいりたいと考えております。
 また、お示しのありました国際会議等の情報につきましては、山口県国際総合センターや各市町の観光協会、さらには旅行関係団体等を活用して、その把握に一層努めてまいります。
 最後に、離発着遅延の改善見通しであります。これまで国に色々と要望してきた結果、現在、国では、航空自衛隊築城基地のレーダーを活用して、今年度中を目途に遅延を改善すべく準備を進めておられますけれども、県といたしましては、少しでも早期にこれが運用開始できますように、引き続き、要望しているところでございます。

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5.学校教育問題について

(1)問題行動対応マニュアルの活用について

久保田 昨年は、子どもたちのいじめ・自殺が続き、マスコミで大きく取り上げられ、国民の関心が高まるとともに、学校におけるいじめ問題への対応の不十分さ、教育委員会や文部科学省の取り組みが厳しく問われました。このような事態を受けて、国は、学校や教育委員会に指導の徹底を通知し、それに基づき、県では、新たに対応マニュアルを作成したところです。このマニュアルには、問題行動の未然防止が最優先されなければならないが、どのような予防を講じたとしても、絶対に起こらないという保障はないとの前提で、教職員一人一人が適切に対処できる力を身につけることが必要としています。そして、学級崩壊、生徒間の暴力、教師に対する暴力、いじめ、万引き、校内での盗難など22の事例別に対処方法が示されています。たとえば、いじめの事例では、いじめ発覚から解決、再発防止までの対応が具体的に解説されており、大変立派なマニュアルです。これを活用して、自分たちの学校の相談体制や危機管理体制全体を見直したり、日頃から緊密な連携が必要な関係機関との役割や機能を再確認するといったことにつなげていく必要があると考えます。しかし、現実には、私がお伺いしたいくつかの学校の教員は、このマニュアル自体を十分認識されていませんでした。マニュアルを作成し、各学校に1冊配布すれば、目的は達成されると言う事ではないと思います。そこで、お尋ねです。このマニュアルの活用方法はどのようにされるのか、また、マニュアルの中で日頃から緊密な連携が必要な関係機関として、PTAや同窓会は入れられていますが、学校評議員は入れられていません。学校評議員は、地域と学校をつなぐ大切な役割を担っており、緊密な連携が必要と思いますが、ご所見をお伺いします。

藤井教育長 まず、「問題行動等対応マニュアル」の活用についてであります。
 本年4月以来、市町教委の担当者や高等学校等の生徒指導主任による会議、校長会などにおきまして、活用方法や指導上のポイント等の周知を図りますとともに、様々な事案に係る通知文に、マニュアルの関連箇所を具体的に示すなどの工夫をし、積極的な活用を促しているところであります。
 お示しのありましたように、周知の徹底が十分でないことも見受けられますことから、県教委では、更に創意工夫を図りながら周知に努めますとともに、問題行動等の発生時のみならず、日頃の研修や事案収束後の事例検討会等におきましても効果的な活用がなされるように、一層の指導に努めてまいります。

久保田(再質問) マニュアルは学校に一冊ということではなく、希望する教員には配布をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

藤井教育長 まず、マニュアルの配布についてでありますけれども、マニュアルは、やはりいろいろな問題が生じた時にタイムリーに改正や修正する必要がありますので、インターネット等に載せまして、各学校で見れるように進めたいと考えていますし、さらに各学校での状況を聞きながら、活用しやすいように工夫してまいりたいと考えております。


(2)生徒の懲戒処分のありかたについて

久保田 タバコを吸う、暴力を振るう、万引きをするなどといった法律に触れる行為をした場合でも、停学にする学校としない学校、服装や生活態度でも停学にする学校など、学校によって、懲戒処分の基準が異なることをいくつかの事例で知りました。場合によっては、同じ学校でも校長が交代したら対応が異なったといった事例をお聞きしました。無期限の停学を受けたある生徒は、学校側の一方的な処分決定に納得できず、いつ学校に行けるようになるのか、心理的に不安定になったという事例もお聞きしました。
 県教委は、停学処分についてどのような基準を設けているのか、まずお伺いします。
 次に、懲戒処分の校内規定については、社会通念に照らして合理的かつ具体的な基準を設けるとともに、必要に応じて見直す事も重要と考えます。さらに、生徒・保護者に校内規定については周知徹底を図り、理解を促すとともに、懲戒処分を行うにあたって、真に教育的配慮をもって、公平に、慎重かつ的確に行われているか、当該の生徒から事情や意見をよく聞く機会をもち、その措置に納得したかどうかなどの確認が必要だと考えますが、ご所見をお伺いします。

藤井教育長 次に、学校評議員は、各学校が学校運営に関して保護者や地域住民の意向を把握して、反映するための重要な役割を担っております。お示しのように学校と緊密な連携が必要でありますことから、明確にするため、該当箇所に加筆するよう通知をいたします。
 次に、生徒に対する懲戒の在り方についてであります。
 まず、停学につきましては、学校教育法施行規則により、校長が行うこととなっておりますことから、停学の対象となる行為や停学期間等につきましては、学校ごとに定めております。
 従いまして、県教委では、そのような基準は定めておりませんが、停学は教育的配慮に基づいた適切なものであることが重要でありますことから、その在り方や留意事項等について、通知文やマニュアル、各種会議等におきまして、指導に努めているところであります。
 次に、処分に係る校内規定は、地域の実情や時代の進展等も考慮して、適宜見直しを図りながら適切に定めるとともに、懲戒処分の対象となる行為等につきましては、仮入学時や入学後のオリエンテーション、保護者会等におきまして、様々な機会を捉えて周知・徹底して、理解を求めることが重要であります。
 さらに、処分の運用に当たりましては、その経過や理由等につきまして、当該生徒や保護者の方々に十分説明して、思いや考え、不安等もしっかりと受け止めながら納得を得るとともに、学習支援や進路相談等のきめ細かなサポートにも努めるなど、教育的効果があがるように粘り強く指導することが大切であります。
 県教委といたしましては、今後とも、各学校に対しまして、懲戒処分の適切な運用がなされますように、指導の徹底を図ってまいります。


(3)体罰の根絶について

久保田 先般、マスコミ報道されたように、本県の県立高校の部活動指導者による体罰が発覚しました。この事案において、県教委に匿名の手紙と体罰を行っている映像のDVDが届けられたのは5月中旬とのことですが、十分の一減給三ヶ月の処分が決定されたのは、マスコミ報道を受けた後の先週の金曜日でした。この間、1ヶ月以上が要されており、また、マスコミ報道があってからの対応という形になってしまいましたが、その理由をまずお尋ねいたします。
 私のところにもマスコミ報道とほぼ同時期に同様の手紙が届き、体罰の場面の映像も見ましたが、体罰を受けている生徒の姿はとても痛々しいものでした。
 体罰擁護論者が、体罰は愛のムチである、教育の手段として体罰を加えることが一概に悪いとは言えない、体罰を加えるからにはよほどの悪い生徒だったに違いないなどと間違った考えが、今だに聞かれることがあります。教師による体罰は、子どもたちに恐怖心を与え、暴力によって問題解決を図る、自分の考えを通すといった気質を容認することになります。学校教育現場における体罰の根絶が急がれます。そこでお尋ねです。本県では、学校教育現場における体罰の根絶にどのように取り組まれるのか、また、体罰について、いじめ同様に、体罰発覚から再発防止までの対応はスピーディーに行われるべきと考えますが、県教委は、どのような指導をされ現場で取り組まれているのか。教育委員長ならびに教育長のご見解をお伺いします。

藤井教育長 次に、体罰についてのお尋ねであります。
 先週行いました県立学校教員の体罰事案に係る懲戒処分につきましては、昨年9月に体罰による懲戒処分を受けた者が、短い期間に再び体罰を行ったことは、学校教育に対する信頼を失墜させるものでありまして、誠に遺憾であります。
 今回の事案につきましては、5月中旬に県教委に匿名でDVDが送付されてきたことを受けまして、その内容が、部活指導としては適切ではなく、体罰に当たるのではないかということから、直ちに、当該校の校長に対し事実確認を行うとともに、指導方法の是正を指示したところであります。当該教員は、DVDに写っていたような指導については認めましたものの、それ以外の事実については、他の教員や生徒などからも確認することができませんでした。
 こうした中で、学校におきまして県高校総体を控えておりまして、詳細な聴き取りが生徒の動揺を招く恐れがあると判断いたしまして、生徒からの事実確認は、大会終了後の6月5日以降に行うこととしまして、この間、保護者会で謝罪と説明を行い、当該教員には、大会等の引率を止めさせたところであります。
 大会終了後の生徒からの個別の聴き取りの中で、新たに、平手で殴るという体罰があったことが判明し、当該教員もその事実を認めましたことから、この時期での処分に至ったものであります。
 次に、体罰の根絶に向けての取組についてのお尋ねであります。まずは、すべての教員が体罰を行ってはならないことをしっかりと認識することが重要でありますことから、すでに、すべての公立学校に生徒指導の観点を踏まえた教職員への指導の徹底に関して指示したところであります。今後、すべての県立学校につきましては、夏季休業に入るまでに、体罰の禁止などを踏まえた生徒指導や部活動指導についての校内研修を実施して、校長のリーダーシップの下で、全校を上げて体罰防止の取組を進めてまいります。
 また、多様化している児童生徒の状況に適切に対応できる教員の指導力の向上も重要でありますことから、生徒指導等に関する研修をさらに充実してまいります。
 また、体罰を行った教員の意識改革や指導力の改善、向上に向けた特別研修も、課題に応じて工夫をしながら実施してまいります。
 次に、発生から再発防止までの取組についてでありますが、こうした事案が発生した際には、児童生徒へのケア、当該教員の指導の状況や背景などの確認、児童生徒の心情などに配慮した事情聴取、また、児童生徒や保護者などへの説明や謝罪、さらに、当該教員の課題や学校の組織上の課題などを整理した後に、特別研修や再発防止策に取組むこととなります。
 こうした一連の取組につきましては、それぞれの事案によって事情や背景は異なりますが、今後とも、迅速に行うことができますように、これまで以上に、学校と密接に連携を図りながら進めてまいりたいと考えております。
 体罰についてのお尋ねにお答えします。
 体罰は、学校運営の基本を定めた学校教育法で明確に禁止された行為であり、私は、学校現場で体罰が行われることは絶対に許されることではなく、あってはならないと考えています。
 また、体罰が学校現場で発生した場合には、体罰を受けた子どもたちや保護者に対する適切なケアはもとより、迅速な事実確認と関係教職員に対する処置、体罰を行った教職員への研修や指導、体罰を許さない組織づくりなど、徹底した再発防止対策に速やかに取り組む必要があると考えています。
 県教委としては、これまでも体罰の根絶に向けて取り組んでまいりましたが、このたびの事案発生を踏まえ、「教職員一人ひとりに対する意識の徹底」と「体罰を許さない組織的な取組の強化」という観点に立ち、学校と教育委員会が一体となって、体罰の根絶に向けて、より一層の取組の強化を進めていく考えです。

久保田(再質問) セクハラ行為やビデオカメラの盗撮等のわいせつ事案はすべて免職になっていますが、体罰については、減給1ヶ月とか戒告であるが、処分についてはどのように考えているのでしょうか。

藤井教育長 それから、体罰の処分の在り方でありますけれども、教職員の懲戒処分につきましては、昨年の5月に、県の懲戒処分の指針を策定いたしまして、その中で、体罰を行った教職員の処分量も決めております。体罰の適用につきましては、その事案の状況によりまして、免職から戒告までの幅がございます。従いまして、事案の状況を踏まえまして、適切に今後とも運用してまいります。

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