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山口県議会議員(1999年~2009年4月)として県議会での質問です

分類

会期

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  • 2000年03月
  • 1999年12月
  • 1999年06月

2007年09月議会

[目次]

  • 1.行財政改革について
  • 2.産業政策について
  • 3.障害者の雇用促進について
  • 4.医療制度改革への対応について
  • 5.子育て支援・少子化対策について
  • 6.漁業振興について

1.行財政改革について

(1)財政健全化の取り組み

久保田 北海道夕張市は、財政再建策の一環として、市の美術館の所蔵品や使われていない市長公用車などをインターネットの一般競争入札で売却を進めています。財政破綻した町の懸命の努力がありますが、町を出て行く住民、市役所をやめる公務員、住民負担の増額、行政サービスの縮小など、地方自治体が財政破綻すると、どういうことになるのかを私たちに知らしめてくれます、と同時に、わが町は大丈夫なのか。心配だという声が高まっていると思います。
 現実に、県と県内の市と町の財政状況は悪化しており、県の平成17年度決算では、普通会計と公営事業会計に さらに、山口県土地開発公社、道路公社、住宅供給公社ならびに第三セクターを加えた平成18年3月31日現在の連結バランスシートでみますと、負債合計は約1兆5,323億円にのぼります。また、県内22の市と町の平成18年度普通会計決算見込みでは、財政の弾力性を示す公債費比率と経常収支比率が上昇するなど財政状況がさらに悪化しています。
 このような状況の中、今年6月に公布された「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」は、これまでのものと大きく変わり、普通会計から公営事業会計、一部事務組合・広域連合、地方公社・第三セクターなど地方自治体が関与する事業のすべての財政状況について把握しやすくし、悪化していれば、早期に財政健全化や財政再生への取り組みを具体化させるようになります。
 これにより平成19年度決算からは、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、そして、将来負担比率の4つの財政指標が公表され、平成20年度決算からは、財政健全化計画の策定の義務付けなど法律全体が施行されます。
 そこで、お尋ねです。新たな財政再建制度の開始に向けて、県と県内市町の対応については、18年度決算から財政運営を点検し、問題があれば必要な改善に早期に取り組むべきと考えますが、ご所見をお伺いします。
 また、本県が進めてきている財政改革は、この新たな制度に基づく危機感を高め改革を加速化させるために財政健全化に対応できるのか。さらなる行財政改革が必要ではないでしょうか、お尋ねします。

二井知事 行財政改革に関するお尋ねのうち、県における財政健全化の取組みについて、お答えします。
 県におきましては、県政集中改革を進めます中で、歳出の見直しはもちろんのこと、単年度の県債発行を公債費以下とする、プライマリーバランスに着目した財政運営に努め、県債残高が現状の1兆1千億円台を超えることがないよう、県債発行の抑制に取り組むなど、財政改革の徹底した取組みを進めてまいりました。
 その成果として、県財政は、その健全性を示す経常収支比率、硬直化の度合を表す実質公債費比率、また、財政力指数等の主要財政指標におきまして、17年度で見ましても全国的に見て良好な水準を維持しております。
 また、これらを踏まえ、今後の財政運営の見通しとして、県債残高が平成21年度末をピークに減少へ転ずる見込みであることも、公表いたしております。
 こうした中、この度創設された新たな財政再建制度におきましては、お示しがありましたように、従来の普通会計ベースによる他団体との比較だけではなく、公営企業や地方公社、第三セクター等の関係団体まで含めた連結ベースで、県全体の財政状況を明らかにし、連結実質赤字比率、将来負担比率等の新たな指標に基づく一定の基準に照らして、財政の健全性を判断することとされております。
 従いまして、私は、これら指標の具体的な算定方法が判明し次第、お尋ねがありましたように、平成18年度決算分から算定を行い、今後の財政運営に活用しながら、県全体の財政の健全化に向けて、行財政改革の更なる推進に努めてまいりたいと考えております。
 私は、地方分権が本格化する中、「自己決定・自己責任」の原則の下、自主的・主体的な行政運営を可能とするためには、持続可能な行財政基盤の構築が不可欠であると認識しております。このため、財政運営における指標の点検や目標の見直しを常に行いながら、財政の健全化に全力で取り組み、「住み良さ日本一の元気県」の実現にしっかりとつなげてまいる考えであります。

小田地域振興部長 財政健全化に関するお尋ねのうち、県内市町の対応についてお答えさせていただきます。
 各市町におきましては、厳しい財政状況の中、これまで、行財政改革に向けた集中改革プラン等に基づき、財政の健全化に取り組まれてきたところでありますが、今後は、財政健全化法も踏まえ、公営企業や第三セクター等も含めた、総合的な財政状況を的確に把握し、財政の早期健全化に取り組む必要があります。
 こうした中、お示しのありました、法に基づく4つの財政指標や早期健全化の基準などの詳細は、年内に示されることになっており、各市町においては、これを基に、平成18年度決算による試算を行い、財政運営上の課題等を改めて見直し、財政運営に反映していくことが重要と考えております。
 したがいまして、県といたしましては、引き続き、新たな財政再建制度について、国から情報収集を行いながら、各市町において、法を踏まえ、自主的・主体的な健全化の取組が早期に進むよう、適宜適切な助言に努めてまいります。

久保田(再質問) 本会議質問日、3日目になりまして、重なるテーマもありますが、共通して各議員が出されている問題意識としてあるかと思います。私たち地方議員としては国で行われている政策だけでは不十分だ、もっとそれを充実させなければいけないと言われているように、私は受け止めております。社会が少子高齢化、人口減少と社会の状況が変わるわけですから、制度も当然見直さなければならない。そして、国、地方自治体と全部が厳しい財政状況にあって、当然制度の見直しがあって必要ですが、生活に最も密着した年金医療福祉という社会保障のところがあまりに厳しい改正になるということは、私たちの暮らしが不安になり、安心できない状況になると思います。
 「国の動向を注視しながら、見守りながら本県の実情を踏まえて適切に対応する」という、よく使われるご答弁の基調ではございますが、大変大事な基調ではありますが、知事もかねがねおっしゃっている地方分権時代に、自立した地域づくりのためには、知事も、私たち県会議員も住民の立場に立った政策立案をしていかなければならないと思います。
 中央政府に対して地方政府という言葉もようやく地方自治体に対してもいわれるようになりました。私たち地方においては、日銀のような金融政策ということはもちろん無理ですが、ただ、よく考えて見れば、中小企業に対する金融制度をもっているので、今回私がいくつか提案させていただきましたように、もう少しオリジナリティが出せるのではないかと思います。そしてもう一点は税制です。国全体の税制ではなくて、条例で産業廃棄物税と森林税と2つの独自課税をやっておりますので、税制と金融政策を、地方政府という地方自治体の立場で、もう少し戦略化できるのではないでしょうか、国が出してきたメニューのみアレンジすればよいのではなくて、やはり我が県として上乗せしよう、横出ししよう、それがあって地方自治、地方分権時代の県政と思います。
 財源捻出においては、行財政改革のたゆまぬ前進をしていかななければなりません。先程、知事も指標の点検、目標の見直しを常にやっていくという力強いご決意を示されましたが、まさに何のための行財政改革かと、単に行政をスリム化するだけでなく、より豊かな県づくり、より無駄のない県政をしていかなければなりません。行財政改革の徹底というのは、豊かな県民の暮らし、安心できる県民の暮らしをつくっていくためだと考えます。厳しい行革があったとしても目指すところを忘れないように、そしてその手法として、今日もご提案しました民間活力の件、もう一つの手法が税制と金融政策を私たち地方においても、もう少し戦略化してもいいのではないかと考えるところでございます。それについて、知事の見解をお伺いしたいと思います。

二井知事 大変幅広い観点からのご質問がありましたから、私がどういうふうにお答えしたらお答えになるのか、ちょっと分からない点もありますが、基本的には県の在り方についてのご質問であったかというように思います。
 おっしゃいますように、国と地方は対等な関係にありますが、国の色々な統一的な制度の実施機関としての役割をもっておりますし、一方で財政的な面でもかなりの部分を国に依存しているというような状況にあります。従いまして、なかなか限界もありますが、久保田議員がおっしゃいますように、そういう中にあってもできるだけ県民のニーズを踏まえて独自性を発揮する知恵を出していくべきであると思います。
 私もこれまで、毎年度予算編成作業の中でも、大変財政状況は厳しいわけですが、選択と集中という視点に立ってできるだけの対応はしてきたつもりであります。
 その中で、例えば、金融と税制については、もっと戦略化する道があるのではないか、というような具体的なお話がありました。金融面でも時代の流れの中で、中小企業の制度融資が中心にはなっていますが、弾力的な対応もしてきましたし、税の面になりますと、これについては、やはり県としての行財政改革を進めながら、県民の皆様の理解を得た上で、新たな税制を考えなければならないという大変難しいものもあります。
 私は、基本的に、県づくりは「自立・協働・循環」という3つのキーワードのもとで進めておりますから、行政のみではなくて、県民の皆様、あるいは民間の企業・団体等においても自らができることはやっていくという視点、それから協働というのは、民間委託ができるものについては委託をしながら、行政がバックアップをするという意味での協働ということもありますので、行政と民間が良い循環をつくりながら県づくりを進めて行きたいと考えているところでございます。


(2)民間委託の推進

久保田 少子・高齢・人口減少の時代をむかえて、国・地方自治体ともに約800兆円にのぼる巨額の累積債務が重くのしかかる中、県の従来の仕事のやり方では、複雑化・多様化する県民ニーズに十分な対応をすることがむずかしくなってきています。一方で、民間の力は確実に伸びており、多様なNPO活動が広がり、公共的サービスへの参画意識を持った人々が増加してきています。
 こうした状況の中で、県が行っていた業務を民間に任せてみる、また民間とひとつの業務を協働してやってみることで、民間がもっている効率性や低コスト化の知恵を学ぶことが出来ると同時に、限られた経費でより多くの質の高いサービスを提供できることになります。民間には、新たなビジネスチャンスが開けますし、職員には、効率性やコスト意識が高まり、行政コストの適正化を進めることができるのではないでしょうか。この問題を、私はこれまでもたびたび取り上げてきており、イベントの企画、啓発パンフレットの作成、研修の実施、調査業務、定型的な業務など民間の専門性やノウハウを活用することでより効果的、効率的にできるのではないかと提案してきました。その後、県では、外部委託推進ガイドラインを策定し、取り組みを進めてこられていますが、まだまだ実績としては、事業量、金額ともに少なく、一般会計予算の約4%、312億円程度にとどまっており、さらに、契約先を県が決める随意契約が多く見られます。
 そもそも民間委託の推進は、行政改革推進プランにおいても主要な取り組み項目に位置づけられていますから、部局横断的な検討がなされ、全庁的取り組みとして積極的に促進されるべきものであります。そして、当然のことながら、全体的な進行管理、評価・検証をともなうべきと考えます。
 そこでお尋ねです。今年度は、県政集中改革の最終年度でもあり、これまでの民間委託の実績について、県民サービスの質の向上、雇用の拡大、地域活性化、行政のコスト縮減・人員スリム化・業務効率化の観点から「何が実現されたか」の評価と今後、解決すべき課題をお尋ねします。
 また、今後の取り組みとして、職員の給与や旅費の支払いなど内部庶務事務の県庁内での一元化を進める、いわゆる総務事務センターの設置に伴う民間委託や、文書、郵便物などの発送業務の民間委託などの検討が挙げられています。これらは、行政事務の効率化と障害者など雇用の拡大が期待されるだけに、早期実現が求められると考えますが、ご所見をお尋ねいたします。

三好総務部長 民間委託のうち、まず、これまでの実績についての評価と今後の課題についてのお尋ねであります。
 県としては、民間委託を含む外部委託の推進につきましては、これまでも「民間でできることは民間で」を基本に、毎年度の実施計画に基づく進行管理を行いつつ、全庁を挙げて取り組んできました。
 取組の実績としては、平成15年度から18年度において、255の業務・約38億円について新規委託あるいは委託内容の拡充を行うとともに、新たな手法として、176施設への指定管理者制度、2事業へのPFI事業の導入などを行ってきたところであります。
 これを効果の観点からみますと、県民サービスの質の向上の面では、委託施設における利用時間の延長、割引料金の設定、託児サービスの開始などが、また、行政コストの縮減・人員のスリム化・業務の効率化の面では、指定管理者制度の導入による年間約3億円のコストの縮減や道路巡視業務の委託等による約40名の定員削減などが、更には、雇用の拡大や地域活性化の面においては、NPOや民間事業者の受託による新たな雇用の創出などが、図られたところであります。これらのことから、外部委託推進の目的である「行政サービスの向上や行政運営の効率化」は概ね順調に推移してきたものと考えております。
 また、今後の課題についてでありますが、更なる外部委託を推進していく上では、県の事務事業の全体を把握し、個々の事業毎に、その目的や役割分担の明確化を図ることが必要であり、今後その手法について検討を進め、来年度以降、具体的な取組に着手したいと考えております。
 次に、内部庶務事務の一元化及び文書等の発送業務についてのお尋ねであります。
 まず、内部庶務事務については、現在、各部局の主管課で処理されている本庁職員の給与・旅費などの事務について、来年4月から庁内の一箇所に集中化することとしており、集中化後における外部委託の具体的な範囲や内容等については、今後更に検討を進めることとしております。
 また、文書発送等の文書収発業務の外部委託につきましては、経費節減効果や、民間が信書の送達事業を行うことについての法令上の課題もあることから、引き続き検討することとしております。
 県としましては、今後とも、これらの業務を含めた外部委託の推進に当たっては、お示しのありました行政事務の効率化や雇用拡大などの視点も含め、幅広い観点から取り組んでまいりたいと考えております。

久保田(再質問) 高知県は県庁業務のスリム化と県内の就労機会の拡大を狙って、知事部局の業務の約3割を外注する方針でテレワークの活用や、障害者の雇用などに取り組んでおり、色々な可能性がこの事業の中に組み込まれています。
 総務事務センターについて、平成17年の9月議会で私は静岡県の例を出して提案しましたが、その後2年経ってようやく形が見えてきたことを評価したいとは思いますが、静岡県では既に平成14年にスタートし、本庁2,300人の給与・旅費・非常勤職員の報酬の支給事務などを総務事務センターに一括して、大幅なコストの削減と事務の効率化が図られている。対象範囲もどんどん拡大され出先機関の事務にも広がっており、来年度は教育委員会の事務局、県立高校の総務事務も検討されているということであります。
 来年4月から一元化とのことですが、今後、どこに委託するかも検討中とのことでしたが、委託先の検討状況についてお尋ねします。
 また、文書・郵便物は引き続き検討とのことでしたが、他県では民間委託に取り組んでいると理解しています。本県における課題が何なのか改めて御説明をお願いします。

三好総務部長 二点のお尋ねにお答えします。
 他県に比較して取り組みの進度がどうかというお話がありましたが、内部庶務業務、それから文書収発業務につきましては19年度の「外部委託実施計画」で今後、そういう方向で取り組んでいくという方向性を掲げておりますので、着実に進めてまいりたいと思います。
 一つとして、文書収発業務で具体的にどういう課題があるかということであったと思いますが、現在、特定信書便事業の許可を得た県内事業者が少ないということもありまして、現行経費と委託経費を比較した経済的なメリットがどれほど出るかというところが、引き続き検討が必要な事項と考えております。
 もう一点、内部庶務事務につきましては、先程も御答弁いたしましたように、来年四月から庁内一箇所に集中することにしております。集中化後、外部委託にどの部分を出すかということについて、引き続き検討を進め、お尋ねの委託をどこにするかということまでは現時点では検討を進めておりません。

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2.産業政策について

(1)中小企業の成長育成について

久保田 県では、昨年度から「中小企業成長支援補助金」制度を創設し、重点育成4分野である「情報通信」「環境」「福祉・医療」「生活文化関連」における新規性・独自性、雇用見込み数などの要件を満たした企業に対して補助金を出しています。実績としては、18年度は6企業に対して約1,400万円、今年度は16社に対して3,000万円の補助金交付予定となっています。この事業は、国の中小企業経営革新支援事業として、平成12年度から17年度まで、56社に対して2億6,400万円あまりの補助金支出を行い、それを引き継いだものです。
 地域経済を支える中小企業への支援は大変重要であるだけに、これらの支援制度が、いかに実効性があるか、新規事業展開や独自技術の開発などから成長へと効果的な働きとなっているか、検証し制度のさらなる充実につなげていかなければなりません。
 そこで、お尋ねです。県は、この制度の評価として開発された新商品が売り上げ増に結びつくまでには、相当の時間を要するなどの問題があることを明らかにされていますが、その課題解決のために、どのように取り組むのかご所見をお伺いいたします。
 また、中小企業の成長育成においては、小規模企業への支援をより強化すべきと考えます。本県の全産業に占める中小企業の比率は99%で、そのうちの72%は小規模企業です。また、事業活動の廃業比率は、新たな事業を開始する比率より高くなっており、事業所数も従業者数も低下傾向が続いています。とくに小規模企業になると、新たな発展を目指して、新規事業に取り組みたくても、民間金融機関からの支援を十分に受けられず、研究開発の断念を余儀なくされたり、事業継続が困難になるケースも多くなります。
 そこで、小規模企業に対して、希望を与え新たな展開につなげる資金として、グラミン銀行方式の少額無担保融資、マイクロクレジットのような仕組みを検討されてはいかがでしょうか。このマイクロクレジットは、バングラディッシュで貧困撲滅の手段として開発されたものですが、金融サービスと借り手の教育・訓練を統合し、返済率90%の実績をもつ優れたシステムとして高く評価されています。昨年、ノーベル平和賞を受賞しており、すでに世界60カ国以上で採用されています。日本でも、日経アジア賞を受賞し、注目を集めています。
 本県では、今年度から小口資金の融資制度を創設されており評価するものですが、グラミン銀行方式を参考にされて、この制度をより充実させ小規模企業の成長育成を図られてはいかがか、ご所見をお伺いいたします。

和田商工労働部長 まず、産業政策に関しての2点のお尋ねにお答えをいたします。
 中小企業の成長支援に関連して、中小企業成長支援の検証とさらなる充実等についてのお尋ねであります。
 中小企業の成長育成を促進するため、県では、成長支援補助金制度による、試作品の製作や市場調査などの商品開発段階の支援から、販路開拓までの一連のきめ細かな支援を行ってきております。
 なかでも、御指摘のあった、開発商品を早期に売上に結びつけるためにも、県内外での商談会・展示会への中小企業の参加や、東京ビジネスセンターの活用を促すとともに、今年度から、商社OBで組織されるNPO法人の活用などを通じまして、県内外に向けた販路開拓の支援を強化したところであります。
 この結果、環境に配慮した土木技術を開発し受注拡大に結びつけた企業、全国展開や株式上場を果たした企業が生まれるなど、着実に成果も上がっております。
 今後とも、企業ニーズの把握に努め、企業を取り巻く経済環境の変化に対応して、絶えず制度の見直しを行いながら、きめ細かな支援策を講じてまいります。
 次に、グラミン銀行方式を参考にした、小規模企業支援小口資金の制度の充実についてであります。
 お示しのグラミン銀行の方式は、農村の貧困層、特に女性を対象に、生活の質の向上のために、教育や訓練を行いながら、数千円から数万円の無担保融資を行い、その代わりに、利用者5人からなるグループをつくらせ、それぞれが返済について相互に保証の責任を負う仕組み、このように承知をいたしております。
 このようにグラミン銀行の方式は、本来なら銀行からの融資を受けられない人々を対象とした、福祉対策の色濃い融資であり、このたび創設する「小規模企業支援小口資金」は、中小企業支援対策として企業経営の安定に資することを目的に、原則として無担保、保証人も不要とし、利用しやすい制度としたところであります。
 こうしたことから、グラミン銀行の方式を県の制度に取り入れることはなかなか難しいものと考えております。


(2)ビジネス支援サービス業の育成

久保田 今日、日本経済の7割はサービス産業によって支えられていますが、本県経済の弱点は、このサービス経済の伸びが鈍く、とりわけ、ビジネス支援サービス業の集積が全国に比べて大きく遅れていることです。そのため、県内企業のビジネス支援の需要を満たすために、県外企業が参入しており、県の推計によると、金額ベースでは、平成12年で約3,700億円に上っており、その内、広告・調査・情報サービスが54.6%を占めています。
 そもそも、ビジネス支援サービスとは、企業活動と密接にかかわり、その代替を行うサービスであり、企業活動を広く包括しています。具体的には、広告、調査・情報、会計・法務・財務、設計、デザイン、試験・検査、機械などのリース・レンタル、自動車や機械修理、労働者派遣、業務代行などの様々なサービスで、その範囲は極めて広く網羅しているといえます。
 それだけに、製造業を含む全ての産業にとって、その企業活動を支える産業であり、他の産業分野への波及効果も大きいとされています。さらに、近年では、企業における業務委託、アウトソーシング化の広がりから、今後さらにこの分野の拡大が見込まれていますし、高等教育を受けた若者の雇用の受け皿としても重要です。
 そこでお尋ねです。ビジネス支援サービス業の育成をより積極的に取り組む必要があると考えますが、ご所見をお伺いいたします。

和田商工労働部長 次に、産業政策についてのお尋ねのうち、ビジネス支援サービス業の支援についてであります。
 お示しのビジネス支援サービス業は、いわば産業がサービスを育て、サービスが産業を支える関係にありますことから、その振興・育成は、長期的に取り組むべきものであると考えております。このため、本県におきましては、バランスの取れた産業構造の構築、これを念頭に、ビジネス支援サービス関連企業をはじめ、裾野の広がりが期待できる県外企業の誘致に取り組みますとともに、県内のサービス業の創出・育成のため、融資、補助金、ファンド等による支援資金や、支援機関を通じてのその創業等、必要な指導・助言を行っております。また、こうした分野を目指すベンチャー企業等に事業拠点としてインキュベート施設を提供するなど、その育成振興に努めてきたところであります。
 特に、お示しの広告・デザイン、調査、情報サービスといったいわゆる知的ビジネス支援サービスは、本県中小企業の新商品開発等の面で不可欠な分野でありますことから、今年度、広告・デザイン等の活用とその必要性の啓発に向けたセミナーや相談会を開催いたしますとともに、関係業界団体の参加も得まして研究会を立ち上げ、現在、「新たな需要創出」、「県内事業者の競争力強化」の観点から、来年度に向けた、新たな方策について研究を進めているところであります。

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3.障害者の雇用促進について

久保田 本県では、一部大企業の熱心な取り組みによって法定雇用率の達成に成果をあげているものの、本県の全産業の約9割を占める中小企業では十分な進展がみられておりません。しかし、昨年、障害者自立支援法がスタートしてから、福祉から就労への流れを大きくしていこうとする動きが広がっており、障害者の就労ニーズと企業の雇用ニーズをマッチングさせる取り組みを進めていかなければなりません。
 障害者雇用は、事業者にとって、事業活動における生産性向上や職場環境の改善など具体的なメリットにつながるものと理解されてこそ、促進されるものと考えます。そのためには、模範となるビジネスモデルが必要です。
 東京都では、政策誘導によって、様々なビジネスモデルの掘り起こしを実現しています。一例として、東京都の障害者職域開拓支援事業では、事業者が、創業や異業種進出、業務拡大など新分野進出にあたって、障害者を新たに5人以上雇用すること、中小企業では3人以上の雇用をするモデルとなるような取り組みを行う事業に対して、事業の経費の一部を助成したり、専門家による経営支援を行っています。昨年度、選定されたモデル事業は6つですが、そのうちのひとつである株式会社ベンチャー・リンクは、社内の事務的付帯業務であるファイリング、データ入力、ダイレクトメール発送などを社内の障害者によるチームで一括処理し、障害者の職域拡大と社員の生産性向上を実現しています。
 私は、先日、東京都武蔵野市にある電気メーカーの特例子会社を視察しましたが、そこでは、データ入力や書類ファイルの修理作業など親会社の事務的業務の請け負いを中心に、知的障害の方々の様々な可能性を引き出しながら、生産性を確保できる業務を増やし、経営上も黒字化を実現されていました。
 本県でも、企業に対する普及啓発や協力要請にとどまらず、障害者雇用を拡大したビジネスプランへの支援制度を設けて、障害者雇用の促進を図るべきと考えますが、ご所見をお伺いします。

和田商工労働部長 次に、障害者雇用を拡大したビジネスプランへの支援制度に向けて、障害者雇用の促進を図ってはどうかとのお尋ねであります。
 例を示されまして、お示しの東京都の支援制度は、新分野進出等に伴い障害者を雇用する企業への助成を通じまして、障害者の職域と雇用の拡大を図るという新しい取組でありますが、昨年創設されたばかりであり、このモデル事業による波及効果等は現在のところ不明でございますことから、当面、その動向を見守ることとし、本県としては、引き続き、企業の理解と協力を求めるために、障害者を雇用する企業に対する低利制度融資の周知に努めますとともに、障害者と企業とが相互理解を深める場づくりや障害者を確実に就業につなげる取組を強化してまいります。

久保田(再質問) 総務事務センターは、来年4月から一元化ということを進められるという答弁でしたが、今後、どこに委託していかれるのか、そこも検討という答弁だったと思いますが、その際に、障害者雇用のところで東京都の事業も踏まえて裏側の資料に入れていますが、こういう形で障害者の就労の機会を作るということで、この総務事務センターの活用も検討すべきではないかと思います。
 部長は、これはまだ波及効果が分からないのでという答弁でしたが、何をもって波及効果と考えられるのか。
 このような事業は、どんどんチャレンジしていくことこそ価値があって、何をもって波及効果、それをどのように捉えて県はこういう事業をやろうとするのか、やらないのか。啓発とか企業にお願いということではないと思います。
 やはり私たちの社会は、資本主義経済の中で動いている。経済の仕組みの中にいかに合理性を持って入れていくかと。そういう非常にポイントではないかと。波及効果というのをこういう事業で何をもってされるのか、お尋ねします。

和田商工労働部長 東京都のモデル事業について、まず私の答弁で波及効果とは何かとのお尋ねでございます。
 やはりこの事業を実施することによりまして、障害者がどれほど雇用されたかということ、あるいはこのモデル事業を実施されてどのような課題等が得られたのか、これは企業、行政、障害者と、それぞれの課題があるかと思います。
 こういったものを検証する、その意味での波及効果と申し上げたところでございます。
 したがいまして、東京都と本県ではいろいろ大きな違いがございますけれども、こういった障害者の雇用の促進に効果があるようでございましたら、私どもも主体的に検討していきたいと考えております。

久保田(再々質問) 地域産業活性化基金の活用メニューをもっと広げてもいいのではないでしょうか。先ほど申し上げたような趣旨から、中小企業の活性化、地域産業の活性化の中に、障害者をより多く雇用する企業や、ワーク・ライフ・バランスを採用した企業をこの基金の活用ができる対象に入れていくといったことです。それから、マイクロクレジットの件でも、グラミン銀行方式と言いましたが、小口の金融サービスの提供だけではなくて、零細小規模に対しても経営支援をセットにする、中小企業で全体的に行われている手法をマイクロクレジットに対しても付けていくということが、厳しい環境に置かれている小規模事業者への支援に活用できるのではないかと提案をしているのです。農村政策と一緒にしてもらうと質問主旨がずれてしまいます。
 それについて、再度ご見解を。要はこの42億5千万円の創設をされた、このメニューに対して、本日提案した障害者のモデル事業、職域開拓への支援メニューとして入れたらどうでしょうか、あるいはワーク・ライフ・バランスを誘導する制度として生かしていくことはできないでしょうか。

和田商工労働部長 中小企業育成資金は、約42.5億で本年度基金を積んでおります。現在、この果実をもちまして、答弁もいたしておりますが、やはり企業の成長支援、あるいは商店街の活性化等に利用するということで、今のスキームは定めております。 御提言の、障害者を雇用する企業、あるいはワーク・ライフ・バランスに取り組む企業等への支援、これはやはり私どももこの基金とは別にいろいろな融資制度を設けておりますし、やはり、基本には国の制度の利活用を通じてそれを促進するということも大事でございます。
 従いまして、基金、そういう国の施策、県の融資等総合的な検討をする中で、いろいろ研究課題とさせていただきたいと思います。

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4.医療制度改革への対応について

久保田 昨年6月に成立した医療制度改革によって、医療を取り巻く環境は大きく変わってきており、とりわけ高齢者にとっては負担増など大きな影響が及ぶものとなっています。新たな改革の目指すところは、住民・患者の視点に立つこと、生活習慣病の予防を徹底すること、医療情報の開示を進めること、そして、病気の急性期から回復期さらに在宅医療に至る医療を地域ごとに切れ目なく確保することなどで、それによって、入院期間を短縮して、医療費の適正化を図ろうとするものです。この全体の方向性に異論を持つものではありませんが、本県の実情からして、国の医療制度改革への適切な対応がなされるのか危惧いたします。そこで、2点お尋ねいたします。

(1)地域医療の連携体制の確立

久保田 本県では、がん、心臓疾患、脳血管疾患の死亡率がもっとも高く、しかも全国の死亡率を上回っています。医療提供体制は、県内での地域格差が大きく、さらに、全国的課題でもありますが、地域や診療科による医師不足問題があり、対応が急がれています。このような状況の中、このたびの医療制度改正で、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の4疾病についての治療と予防、さらに、救急医療、災害時における医療、へき地医療、周産期医療及び小児医療の5つの事業の確保を盛り込んだ地域医療の連携体制を構築することが求められてきました。このため、現状の地域医療体制は再構築を余儀なくされ、現行の保健医療計画の見直し作業が進められているところです。
 そこで、お尋ねです。新たな医療計画においては、地域の一次医療を担う診療所から二次医療の中核病院、三次医療、高度医療を担う医療機関を、4つの疾病と5つの事業ごとに機能によって分けて、医療連携体制の具体的な方策を定めることが必要となりますが、本県の医療提供サービスの厳しい実情への認識とそれを踏まえた上で、新たにどのような医療連携体制が可能なのか、数値目標はどのような考え方で設定されるのかお尋ねいたします。

今村健康福祉部長 医療制度改革への対応について、まず、地域医療の連携体制の確立についてですが、お示しの新たな医療計画においては、良質で適切な医療を効率的に提供する体制を構築し、県民の医療に対する安心、信頼を確保するため、4疾病・5事業の医療連携体制を構築することとしており、現在、国の指針に基づき、鋭意、見直し作業を進めているところです。
 まず、医療提供サービスについては、医師や医療機関等の医療資源の偏在などにより、地域がん診療連携拠点病院の整備や休日・夜間の救急医療体制等について、二次医療圏域間での医療機能の格差があり、今回の見直しにおいて対応すべき重要な課題と認識しています。
 なお、より地域の実情を把握するために、医師会などの地域の医療関係者等と連携し、4疾病・5事業について医療機能の実態調査を行うこととしております。
 次に、新たな医療連携体制については、この実態調査の結果等を踏まえ、二次医療圏を基本に医療連携体制の構築を進めていくこととしておりますが、限られた医療資源を効率的に活用するため、医療機能が不足している医療圏の場合には、必要な機能を提供できる隣接の医療圏と連携し、より広域的な医療連携体制を構築していくこととしております。
 次に、数値目標の設定については、望ましい地域医療連携体制の実現を図るために、患者本位の切れ目ない医療サービスの提供を確保するとの基本的な考え方に立ちまして、急性期から維持期まで疾病ごとに検討していきたいと考えており、今後、「医療審議会」に諮った上で、設定することとしております。

久保田(再質問) 医療連携を進める中で、地域の健康福祉センターをもっと活用すべきではないでしょうか。
 健康福祉センターの専門職を十分に活用して、地元医師会との連携など、調整機能を担うべきではないかと思います。
 県内ではすでに医療連携体制づくりに取り組んでいる医師会もあるとお聞きしていますが、最前線の健康福祉センターの活用と地元の医療保健行政との連携が不可欠ではないかと思いますが、ご見解を伺います。

今村健康福祉部長 地域医療の連携体制について、地域の健康福祉センターの活用や地元の保健医療行政の活用についてのお尋ねと思いますが、今回の医療連携体制の構築においては、現在、地域の医療関係者の自主的な協議が進められておりますが、地域でその中心となる人材の発掘・育成、協議の場の設定などについては、健康福祉センターの役割が大変重要と考えております。そして、医師等もおりますその専門性を十分発揮してまいりたいと思いますし、地元の医療行政及び保健行政の活用は十分してまいりたいと思います。


(2)地域ケア体制の整備構想

久保田 医療制度改正によって療養病床の再編が行われますが、本県の療養病床は9,493床で、そのうち介護保険が適用される介護療養病床3,532床は、平成23年度末までに全て廃止されます。医療保険が適用される医療療養病床5,961床はその一部が廃止となります。
 国の目標では、医療の必要性の高いものは、医療療養病床で対応されますが、医療の必要性の低い者は、老人保健施設、特別養護老人ホーム、ケアハウス、グループホームなどを受け皿とすることが示されています。しかし、現状でも、特別養護老人ホームの待機者は約8,600人にのぼっており、複数施設への申し込みによる重複があるとは思いますが、入所は大変厳しくなっています。他の福祉施設も同様の状況です。
 また、療養病床から出される医療の必要性が低いとされる医療区分1でも、高齢夫婦や独居世帯の増加で家庭での受け入れ体制が整えられないことや、かかりつけ医の往診や訪問看護などの在宅介護を支える医療サービスの不十分さなどがあって、在宅に戻れる患者は極めて限られてくると思われます。県が昨年10月に実施したアンケートでも、医療療養病床も介護療養病床も、脳梗塞と脳出血などの脳血管疾患による入院が最も多く4割をしめており、多くの場合、経管栄養や点滴などの医療処置が行われています。そのため、これらの方々の大半は、療養病床にいることが望ましいとの考えが示されていますが、新しい制度では医療区分1となり、療養病床からの退院の対象とされます。
 では、療養病床から退院を勧告されたとして、在宅の受け入れもできず、施設入所もできなければ、どこへ行けばいいのでしょうか。行き場のなくなる方々が多くなるのではないかと不安の声が高まっており、高齢者の生活を支える医療、介護、住まいなど地域ケアの総合的な体制整備が急がれています。
 そこで、お尋ねです。療養病床をめぐる本県の現状と課題を踏まえて、地域ケア体制をどのように整備するのか。基本方針と全体像について検討状況をお伺いします。
 さらに、療養病床の新たな受け皿づくりを円滑に進めるためには、現在示されている国の支援措置で十分対応できることではなく、本県としても、たとえば、療養病床転換支援のための融資制度を設けるといった独自の支援措置が必要と考えますが、ご所見をお尋ねいたします。

今村健康福祉部長 次に、地域ケア体制整備構想についての2点のお尋ねですが、まず、基本方針と全体像につきましては、新たに策定する「地域ケア体制整備構想」において示すこととしておりますが、高齢化率が高く、高齢者単身世帯が多い本県の実情を踏まえ、高齢者を支える医療、介護、住まい等の総合的なケア体制の整備を進めることを基本として、介護保険施設等の受け皿の整備や在宅医療の充実、更には住宅施策との連携などを図っていく考えであります。
 現在、こうした考え方に立って、実態調査等により、医療機関の転換意向の把握や患者の実態の分析などに努めるとともに、平成23年度までの介護サービスの必要量とその確保方策について、推計等を行っているところです。
 今後、国において進められている新たな老人保健施設の医療提供体制等の検討結果も踏まえ、「高齢者保健福祉推進会議」等の意見を聞きながら、更に検討を進め、今年度中には策定したいと考えております。
 次に、転換支援措置についてですが、これまで全国知事会等を通じ、支援措置の充実を国に強く要望してきたところであり、転換先となる老人保健施設等の施設基準の緩和や、介護療養病床に係る転換助成金の交付などの措置が講じられてきているところです。
 県としての新たな支援措置についての御提案でありますが、現在、国においては、支援措置の一層の充実に向けて、新たな貸付制度や医療療養病床に係る転換助成交付金が検討されているところであり、県としては、こうした制度の活用状況を十分踏まえながら検討する必要があると考えております。

久保田(再質問) 療養病床の多い本県では、次の施設への転換が難しいところも多いと思います。国の支援策はもちろんですが、高齢先進県として山口型の支援の充実が必要と考えますが、如何でしょうか。

今村健康福祉部長 山口型の支援をというお話でございますが、現在、国の転換支援措置については、施設基準の緩和、施設改修の助成など、先程申しましたが、きめ細かいメニューが用意されております。
 さらには、繰り返しますが、新たに転換費用の貸付なども検討されております。
 一方、この、先程申し上げました措置については、最近になって全体の枠組みが、やっと示されたところで、まだ医療機関における活用についての検討は、必ずしも進んでおりません。
 そういう状況でございますので、今後、独自の支援措置については、国の支援措置の活用状況を十分踏まえた上で、検討する必要があると、現在のところ考えております。

久保田(要望) 住民にとって医療・福祉は生活の最も安心・安全にかかわるところなので、県の独自財源を導入して、いいシステムづくりに尽力していただきたいと思います。

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5.子育て支援・少子化対策について

久保田 国の調査では、共働きの世帯数が男性片働き世帯数を上回るとともに、女性は子どもができても働き続けた方がよいと考える人の割合が男女共に最も高くなっており、既婚者の男性でも、仕事・家庭・個人生活の両立を希望している人の割合が最も高く、特に子どもを持つ父親の育児へのかかわりを、本人及び配偶者も強く希望しています。しかし、現実には、子育て期の男性は長時間労働で帰宅はいつも深夜と言った状況にあるなど仕事中心になる場合が多く、長時間労働が心身の健康に影響を及ぼし、不慮の事故や病気、過労死などを招きかねません。これは、個人や家族にとって不幸であることはもちろん、社会的にも大変痛ましく見過ごす事のできない課題です。
 このような中、政府は、「仕事と家庭生活の両立」ワーク・ライフ・バランスを推進しようという動きを本格化させており、去る7月に男女共同参画会議に専門調査会を設置して、ワーク・ライフ・バランスの意義や重要性、取り組みの方向性を明らかにしています。本県でも、議案第3号に上程されている「子育ての文化の創造のための子育て支援・少子化対策の推進に関する条例」では、ワーク・ライフ・バランスとして、「職業生活と家庭生活との両立を支援する」ことが、基本的施策に位置付けられており、「事業者の責務」として、「職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために必要な雇用環境の整備に努めるとともに、県が実施する子育て支援・少子化対策に関する施策に協力する責務を有する」とされています。これは、現行のやまぐち子どもプラン21で挙げられている「子育てと就業等との両立支援」から一歩前進するものであり高く評価したいと思います。
 しかし、企業の実態調査では、企業の規模が大きくなるほど、職業生活と家庭生活との両立支援のための雇用環境の整備などに積極的になっているものの、全体的にはまだ十分進んでいるとはいえないのが現状です。そして、7割以上の企業が、今後取り組んでいく上で、助成金・奨励金や補助金、税制上の優遇措置などが必要としています。県内の全事業所は中小企業の比率が9割と高く、そのうち7割は小規模事業所であり、県の求める施策に協力する考えがあっても、資金繰りや人材確保の課題を抱える多くの中小企業にとって、経営上の難しさがあると言われています。したがって、条例制定をふまえて、子育て支援・少子化対策に重要なワーク・ライフ・バランスの実現にむけて、県として、事業者に対して、これまで以上の具体的な支援策が必要と考えますが、ご所見をお伺いします。

和田商工労働部長 次に、子育て支援・少子化対策に関連して、この度の条例制定を踏まえた、事業者に対して、これまで以上の具体的な支援策が必要ではないかとのお尋ねであります。
 いわゆるワーク・ライフ・バランスの実現には、特に、男女がともに子育てをしながら安心して働くことができる企業における雇用環境づくりが重要であります。
 これまでも、国におきまして、事業所内託児施設の設置・運営への助成や育児休業取得者が生じた企業への助成などの支援策が講じられますとともに、県においても、「事業主行動計画」の策定を努力義務とされております労働者数300人以下の企業に対する企業表彰やセミナー、アドバイザーの派遣による行動計画の策定支援、また、それに必要な低利融資制度を設けております。
 お示しの企業に対する助成金の経済的支援は、雇用の安定の観点から雇用保険を財源とした仕組となっております。
 基本的には、国の役割でありますことから、県としては、中小・零細企業において、その利活用が図られるよう、企業等のニーズに即した助成金制度の一層の充実、税制上の優遇措置の創設と併せ、国に対し、要望いたしますとともに、今後、関係者からのご意見をお聞きしながら、気運の醸成や普及啓発など、県で行える支援策についても検討を進めてまいります。

久保田(再質問) 子育て支援と少子化対策について、東京商工会議所が冊子としてまとめている東京都の支援策で見ると、当然、国の支援策はみんな踏まえているわけで、新たに中小企業のワーク・ライフ・バランス、両立支援への助成制度として、経費の一部の補助等、充実した制度設計がなされています。
 知事も、かねがね地域間格差、地域間競争が激しくなっていると、そういうことも言われていますが、まさに政策の競争でもあると思います。どこの町に住もうか、故郷に帰ろうかと考える時、都会の方がやはり制度が充実している、暮らしやすいということにならないように、やはり、政策できちんと示していただきたい。

和田商工労働部長 それから、東京都の支援について、ここにいろいろ資料をお示しいただきました。
 本県についても、やはり県の実情を踏まえて独自性を持った施策が必要だろうかと思います。そういった意味で、先ほども答弁いたしましたように、次世代育成計画等々に取り組む中小企業等に対しては、独自の融資制度を持っておりますし、アドバイザー等による指導等も行っております。
 今後も、こうした施策等を充実してしっかり対応いたしたいと考えております。 

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6.漁業振興について

(1)新規就業者の確保

久保田 漁業就業者は、昭和63年には1万5千478人でしたが、その後、今日まで約20年間、減少傾向が続き、平成17年には6,487人まで落ちこみ、約6割減少しています。しかも、高齢化が進み60歳以上が6割を占め、40歳未満は1割程度となっています。このような状況に対して、県では、平成10年から、新たに漁業に就こうとする人たちへの支援事業を行ってきており、実績として、これまで20人の若者が新たに漁業を始めています。
 しかし、一方で、せっかく、漁業を志し研修を受けてきたのに、途中で断念をする研修生も少なからずあり、これまで13人がリタイアしています。理由としては、本人はがんばる気持ちがあっても、家族が漁村の暮らしになじめない、指導者との相性が合わない、将来の生活不安などがあげられていますが、漁業に夢をもち、一歩踏み出した若者たちが一人でも多く、就業につながるような多面的な支援が必要ではないかと考えますが、ご所見をお伺いします。
 また、2年間の長期研修期間中の研修者に対して、2年間毎月15万円支給される研修支援費制度は、県が半分と残りの半分を地元の市町と漁協とされていますが、漁協合併の際の負担増などで漁協のなかには、支店での対応が大変厳しくなっている現状もあり、このため、漁業を始めようとしている若者が支援をうけられないといった事例もお聞きします。
 そこでお尋ねします。本県の厳しい漁業の現状を考えますと、漁業就業者の確保は重要であり、どのような状況にも対応できる新たな仕組みづくりが必要と考えますが、ご所見をお伺いします。

松永農林水産部長 漁業振興についてお答えをいたします。
 最初に、新規就業者の確保についての2点のお尋ねです。
 まず、支援対策についてですが、県では、平成10年から全国に先駆けて、就業者の募集から、研修・着業までの一貫した支援体制を整備するとともに、研修費の助成、着業時に必要な漁船のリースや住宅の確保など新規就業者に対する総合的な支援を行ってきたところです。
 また、昨年度は、漁業者等からの要望の強かった漁家子弟を研修の対象に加えたほか、本年度からは、対象年齢を従来の40才未満から50才未満へ広げるとともに、お示しのように、師匠との相性、漁村地域での生活に馴染めないなどの理由により、リタイアされた方もおられますことから、その改善策として、漁業士制度を活用した、地域全体で研修生を支える、新たな支援の仕組みもスタートさせたところであります。
 今後とも、関係市町や漁協と緊密な連携を図りながら、一人でも多くの新規就業者が円滑に着業できるよう、現場のニーズに即した多面的な支援に努めてまいります。
 次に、研修支援費の負担のしくみについてですが、新規就業者の確保・育成は、漁業生産のみならず、集落機能の維持、定住人口の確保など、地域全体の活性化にも資するものであり、市町や漁協などと連携した取組みが重要でありますことから、一定の地元負担は必要と考えており、引き続き、関係者のご理解とご協力を求め、制度の適切な運用に努めてまいりたいと考えております。


(2)水産資源の管理・回復

久保田 水産業の低下には、資源の減少や漁場での競合激化も大きく影響を及ぼしています。海の恵みは、私たちみんなのものであり、釣りを楽しむ人たちを含めた一般県民全てが水産資源への関心や理解をもつことが望まれますが、県では、重要資源の回復のための計画を策定して、平成14年度から対策事業を進めています。その実施状況と効果の検証をまずお尋ねいたします。
 資源の適正な管理について、漁業者は、未来の漁業のために魚を保護する工夫や努力が求められていますが、行政の取り組みが効果的に行われてこそ資源の持続的な利用につながるものと考えます。
 例えば、さし網、はえ縄、一本釣りなどによる沿岸漁業の重要な漁場においては、漁獲規模が圧倒的に大きい他県のまき網船団による無秩序な操業に対して、トラブル防止のために操業自粛海域も設けられています。しかし、自主規制では十分な効果がなく、違法操業や資源収奪の横行などが後をたちません。このため公的規制を求める声が高まっており、乱獲防止に対する国の規制強化とともに、県の監視体制のより一層の強化が求められていますが、ご所見をお伺いします。            

松永農林水産部長 次に、水産資源の管理・回復についての2点のお尋ねです。
 まず、資源回復対策についてですが、漁業の持続的発展を図るためには、資源の管理・回復を推進することが重要でありますことから、現在、県では、資源状態が悪化している魚種として、瀬戸内海においてサワラやアサリ等を対象に、また、日本海ではトラフグやアマダイ等を対象に、休漁期間の設定、小型魚の漁獲規制等の措置を盛り込んだ6つの資源回復計画を策定し、その推進に努めているところであります。
 また、効果の検証につきましては、国及び関係県が連携をいたしまして、モニタリング調査を行い、資源の動向を把握しているところであり、最初に計画をスタートさせたサワラでは、水揚げが増加傾向を示し、ヒラメやトラフグでは、水揚げに占める放流魚の割合が10%から30%を占めるなど、放流効果が着実に現れている魚種もございます。
 しかしながら、その他の魚種については、計画推進の途上でもあり、漁獲は横ばい又は低水準となっておりますことから、今後ともモニタリング調査を通じて検証いたしますとともに、これらの効果が早期に発現するよう、資源回復に取組む漁業者を積極的に指導・支援して参ります。
 次に、大中型まき網漁業に対する国の規制強化と県の監視体制の強化についてです。
 お示しのとおり、本県日本海の重要漁場では、他県の大中型まき網船団等と沿岸漁業との操業トラブルが発生していることから、県では、違法操業の取締りとともに、沿岸漁業者と大中型まき網漁業者等との協議を通じて、操業調整を図っているところです。
 こうした中、沿岸漁業関係者の要望を踏まえまして、県では、操業調整の実効性を高める必要があるとの観点から、本年7月に、萩市見島沖の八里ヶ瀬周辺における、大中型まき網漁業の違法操業に対する取締りの強化と自主規制の公的規制への移行について、地元萩市及び関係漁業者とともに、国へ要望を行ったところでございます。
 県としては、今後とも、大中型まき網等大規模漁業に対する国の規制強化を働きかけますとともに、水産庁、海上保安庁との緊密な連携のもとに、漁業者等からの情報を活用して、迅速かつ効果的な監視・取締体制の充実強化に努めて参ります。

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