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山口県議会議員(1999年~2009年4月)として県議会での質問です

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2008年03月議会

[目次]

  • 1.産業振興について
  • 2.地域医療の充実について
  • 3.食品廃棄物の再生利用について
  • 4.農業振興について
  • 5.食の安心・安全対策について

1.産業振興について

(1)知的クラスターの事業化

久保田 質問の第1は、産業振興についてです。
 県内経済は、全体として回復を続けているとされていますが、個人所得の低迷や中小企業の景況感からは、引き続き厳しいものがあり、県政として、さらに地域経済活性化にむけて産業振興に取り組まなければなりません。とくに、本県産業の特性を活かした高度技術産業の集積は、知事が先頭にたって推進しているところですが、昨今の厳しい経済環境の中、国内外の激しい競争に勝つためには、より一層の取り組み強化が求められていると考えます。そこで、2点お尋ねします。
 第1点、知的クラスターの事業化です
 本県では、文部科学省の「知的クラスター創成事業」を、平成16年から5カ年、毎年5億円の予算をもらって、産学公連携による次世代産業を作り出すプロジェクトとして推進してきました。プロジェクトの実施機関は、やまぐち産業振興財団が担い、中核となる研究開発は、山口大学、山口県産業技術センター、企業の研究員などが協働して行っています。
 先日、知的クラスターセンターにお伺いし、事業の進捗状況の説明を受けました。これまでの研究開発によって、LED(発光ダイオード)など光技術を基盤とする次世代医療機器の開発などが進められており、「やまぐち・うべ・メディカル・イノベーション・クラスター」が着実に形成されつつあります。一方で、医療機器だけでは、県内中小企業が参加するにはハードルが高いことから、機能性ヘルスフードの開発、あるいは、人間用医療機器より規制がゆるやかである動物用の医療機器開発、さらに水産業への応用などの研究が進められています。これらの中には、県内企業による事業化が進んでいるものも一部あり、一定の成果が見られます。しかし、3分野11テーマ43の製品などのうち9割はまだ研究開発の途中段階にあり、事業化に至っていません。事業化するまでには、まだ年月を要するものが多くあるとお聞きしました。
 しかし、平成20年度は、5年間のクラスター事業の最終年度にあたります。知的クラスター創成事業が終わることで、年間5億円という巨額の国からの補助金がなくなりますが、これまで築き上げてきた技術や育成された人材を崩壊させることなく、今後も、研究開発を継続し事業化につなげていく必要があると考えます。
 今後は、県の支援やほかの外部資金の調達など財政面と研究開発面の新たな仕組みが求められるとともに、研究開発の成果を県内中小企業による事業化や県内経済への波及効果の課題に応えていく時期にもなります。
 そこでお尋ねです。クラスター事業の最終年度にあたり、これまでの取り組みを総括するとともに、今後の継続発展をどのように進めるのか、ご所見をお伺いします。

二井知事 知的クラスター創成事業の事業化についてお答えします。
 県内における企業活動を活発化させ、所得の好循環や雇用の創出など、本県経済への波及効果を高めていくためには、本県が強みとしております新素材や省エネ、環境技術等の高度な技術を活かして、今後の成長が期待される新たな産業の創出や集積を図ることが極めて重要であります。
 このため、本県独自の取組として、独創的な研究開発力を持つ大学と、優れた技術力を有する県内企業等の協働のもと、次世代の医療機器産業の創出を目指す「知的クラスター創成事業」を、平成16年度から推進をしてまいりました。
 お示しのとおり、本事業は、新型白色LEDの開発を中核として、先進的な医療機器や農林水産業関連製品など幅広いテーマで研究開発が行われております。また、県独自の助成措置等も活用しながら、県内企業が研究開発成果をもとに、具体的な製品化に結びつけております。
 こうした取組に対しまして、昨年、国が行った進捗調査におきましては、全体として概ね順調に進展しているとの評価を得ているところであります。
 また、本事業の推進により、人材の育成や先端研究設備の整備が進み、プロジェクトマネジメント能力が向上するとともに、これまでの共同研究等を通じて大学と県内外の企業のネットワークが形成されるなど、地域の企業による自主的な参画が進展しており、県といたしましても、将来のクラスター形成につながる基盤づくりが進んできているものと考えております。
 とりわけ、昨年11月以降、複数の県内企業が連携して、本事業による研究の成果を県内で事業化する取組が進んでいるところであり、更に、こうした動きを加速してまいります。
 また、新年度は、産業技術センターに民間の人材を登用し、県内の技術シーズの掘り起こしから事業化に至るまでの一貫したプロジェクトマネジメントを行う体制を構築することといたしておりますことから、これらの体制も活用し、また、国等の外部競争資金をはじめ、昨年、やまぐち産業振興財団に造成した基金による補助金等を活用するなど、県内中小企業による事業化や県内経済への波及に向け、取組を強化していくことにしております。
 私は、知的クラスター創成事業の最終年度に当たり、今後とも、産学公連携による研究開発をより一層推進し、将来の市場形成や大きな雇用効果につながる本県独自の産業クラスターの形成に向けて、積極的に施策展開を図ってまいりたいと考えております。

久保田(再質問) ポスト知的クラスター創成事業、第二期知的クラスターについて、20年度中には方向性を示す必要があるが、経済産業省の産業クラスター計画につなげていくのか、あるいは別の方向性を検討するのか、今後の見通しについてお伺いします。

和田商工労働部長 まず、知的クラスター創成事業の次の段階に向けての取組でございます。当知的クラスター構想では、今、3分野11テーマ43の製品について、白色LEDを活用した製品化、あるいは医工連携により培われた技術等の製品化等を進めております。実は、この中には、研究、あるいは開発、事業化のステージを見ますと、ほぼ事業化に到達できるもの、まだ道半ばのものもあります。
 従いまして、県としては、来年度5年の最終年度を迎えるということになりますので、事業化に向けた産学公の取組をさらに加速させるために、中小企業をはじめとする県内中小企業等において、とにかく技術移転や製品化を是非実現したいと考えております。
 従いまして、新年度におきましても、先ほど知事が答弁をいたしました県施策に加えまして、お示しのありました経済産業省が所管をいたします産業クラスター計画、この計画にも本県の知的クラスターは位置づけをされておりますので、1つの形としては、知的クラスター創成事業で基礎的な研究を終えたその研究成果を、まさに競争資金等を導入して、また新たな事業化を図るという、これが産業クラスターの仕組みでございます。こういった制度も導入しながら、中小企業における製品化等につなげてまいりたいと思っております。


(2)環境産業マルチパーク構想の推進

久保田 第2点、環境産業マルチパーク構想の推進です
 環境・リサイクル産業の成長性は、環境省の試算では、年平均伸び率4.6%の成長産業であり、平成22年には47兆円を超えるとしています。さらに、政府は、「クールアース推進構想」と名付けて、低炭素社会に向けた技術革新エコイノベーションの実現を目指すために、太陽光発電、燃料電池、バイオマス燃料など約20の技術に集中投資し、予算も年間平均で6,600億円に増やすとしています。新エネルギー・省エネルギー、ゼロエミッションなどの環境産業や次世代環境技術は、循環型社会形成の基盤となるものであり、とくに本県では、基礎素材型産業群が持つ高い技術力や研究開発力を活かせる分野であり産業振興として重要です。
 県では、環境産業マルチパーク構想を、平成14年度に策定して、県全体を「地球環境と共生する環境産業の拠点」と位置づけ、施策を推進してきました。これまでの成果としては、地中熱利用の空調システムやセルロースファイバー利用など13件の新規事業が創出されています。さらに自動車リサイクルや木質バイオマス発電などの企業の新たな立地は10件になっています。また、廃棄物の減量化やリサイクルの取り組みとしては、平成16年度から18年度までの3カ年でエコファクトリーとして県が認定した事業所数が30となり、汚泥、がれき、廃ガラス、廃油、金属くずなど産業廃棄物の100%リサイクルが進んでいます。このような実績からすると、新規事業化件数15件、環境関連企業の立地件数15件の目標数値の達成は間近と思われます。
 そこでおたずねです。循環型社会の形成や地域経済の発展のために、この目標に安住することなく、リサイクルや環境技術の高度化を通じて次世代産業の創出、市場化支援、企業の立地誘導にさらなる取り組み強化が期待されるところですが、今後、環境産業マルチパーク構想の推進にどのように取り組むのかお尋ねします。

和田商工労働部長 環境産業マルチパーク構想の推進についてお答えをします。
 環境関連産業は、本県の産業が有する研究開発力や技術力を活かして、新たな事業化等が期待できる分野でありますので、平成14年度に環境産業マルチパーク構想を策定し、この分野における中小企業をはじめとする県内企業の新事業展開の促進や、関連企業の誘致などを進めてきたところであります。
 平成18年度からは、新規事業化件数や環境関連産業立地件数の数値目標を明確に設定して取り組んでおり、こうした中で、地中熱を利用した空調システムや古紙利用による住宅断熱工法の全国展開を図る企業が生まれてくるとともに、自動車リサイクルや木質バイオマス発電などの事業活動に取り組む企業の立地が進むなど、具体的な成果に結びついております。
 お示しの新エネルギー・省エネルギー、ゼロエミッションといった環境産業や次世代環境技術については、今後、大きな市場が形成されるものと見込まれますことから、新年度においては、関連企業の誘致を進めるため、昨年立ち上げた「高度技術産業集積推進本部」を中心に、重点三分野だけでなく、環境産業マルチパーク構想の推進に資する関連分野を対象として拡充強化を図った企業立地促進補助金等を活用し、企業誘致活動を展開してまいります。
 また、関連技術分野の中小企業の成長発展を期するため、引き続き、やまぐち産業振興財団を中心に、製品開発からその事業化、販路開拓に至るまでの一連の支援を行う「中小企業成長支援システム」や昨年、創設しました基金を活用しますとともに、これまでの成果を踏まえ、環境関連産業分野をはじめとする、地域に根ざした産業クラスターの形成を推進するため、産業技術センターに構築するプロジェクトマネジメントを行う体制も活用し、中小企業をはじめとする県内企業の事業化等を促進してまいります。
 今後とも、環境産業マルチパーク構想に基づき、本県の強みともなっている基礎素材型産業群が持つ高い技術力や研究開発力を最大限に活かし、産学公が連携して、環境関連産業の更なる集積を図れるよう、積極的に取り組んでまいります。

久保田(再質問) お配りした資料2をご覧いただくと、2010年における山口県の環境産業の集積・展開とあります。第2期も最終年度となり、今後、2010年に向けてこの展開を更に加速化して、地元の中小企業の参加に繋げていく必要があると考えます。20年度は第3期を視野に入れてどう進めるか、地元の中小企業が一緒にやっていける体制をどうつくっていくかが課題になると考えます。
 例えば、木質バイオマスを活用したペレットストーブの開発と利用のように、先端技術と暮らしをいかに繋いでいくか、それが新たな産業振興になり、地域中小企業の活性化にも繋がる仕組みが非常に重要であると考えますが、お尋ねします。

和田商工労働部長 次に、環境マルチ構想の次の段階でございます。
 ご承知のように、環境産業マルチパーク構想は、平成14年度に構想を策定し、最終年度22年度を目標といたしております。
 従いまして、県内の中小企業等については、相当、この構想については認知をされてきておりまして、様々な分野で事業化が進んできております。
 こうしたことで、お示しの技術を暮らし、あるいは住み良さに繋げる観点からも、こういったものを中小企業の成長に繋げるためにも、あらゆる支援施策を使って、積極的に支援をしてまいります。

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2.地域医療の充実について

(1)医師確保対策

久保田 質問の第2は、地域医療の充実について2点お尋ねです
 第1点、医師確保対策です。
 現在全国各地で医師確保問題が起きていますが、これは医師の偏在により、特定の地域や病院においては医師不足となっており、さらには、産科医、小児科医の不足が社会問題化していることによります。そして、勤務医不足が病院における医療の提供体制や経営を厳しいものにしています。どのような地域でも公平で平等な医療が受けられることを前提としてきた国の医療体制の根幹を揺るがす問題だけに、国による抜本的解決策が急がれるところです。しかし、国の対策を待っているだけでは事態は悪化するばかりで、全国的に積極的な取り組みをする自治体が広がっています。
 取り組み事例としては、ドクターバンク制度の設置、県職員としての採用、大学生・院生、臨床研修医への修学資金貸付けと返済免除制度、病院内保育所など女性医師の就業環境整備、臨床研修病院への支援、大学医学部への寄附講座設置などが挙げられます。それぞれの自治体は厳しい財政状況の中、予算配分をして力を入れているだけに、自治体間での競争にもなりつつあります。
 このような中、本県でも、医師不足により医療サービス提供に地域間で大きなバラつきがあることから、新年度事業では、他の自治体で取り組んでいるのとほぼ同様な制度を作り、医師確保対策を強化することとしています。
 しかし、全国の自治体で医師確保対策が強化され,企業誘致のようなサービス競争にもなっていることからも、山口県を選んでもらうためには、多様な助成制度を創設して待っているだけでは十分な効果を得ることは難しく、制度を効果的に活用できて、医学生や医師などの相談にきめ細かく親身に対応できるコンサルタント的な人材が必要ではないでしょうか。
 そして、地域医療の実情や保育園、学校、住まいなどの地域情報の提供といった定住促進施策と連携する総合的ワンストップサービスとそれをわかりやすく紹介する魅力的なホームページなどの情報発信も重要と考えます。
 また、患者の過度の専門医志向の是正の啓発活動や、各地の事情に応じて、病院をオープン化し開業医師を活用して行くことなどが進められるべきと考えますが、今後、医師確保対策にどのように取り組むのかお尋ねします。

今村健康福祉部長 地域医療の充実について2点のお尋ねにお答えいたします。
 県民の皆様に安心で良質な医療サービスを提供するためには、地域医療の担い手である医師や看護職員の確保が重要でありますことから、新年度では、この確保対策の拡充を図ってきたところです。
 まず、医師確保については、これまでの取組に加え、新たに即効性のある対策として、研修医研修資金貸付制度、ドクタープール事業等実施するほか、女性医師の就労環境の整備への支援などの対策を講じることとしております。
 県といたしましては、こうした対策を円滑に推進するため、新たにプロジェクトチームとなる「地域医療推進室」を設置し、山口大学医学部、医師会等の関係団体とも十分連携しながら、県外医師等に対する個別のきめ細かなリクルート活動等、医師確保に全力で取り組むこととしております。
 また、御提言のうち、まず、医師等からの相談につきましては、本県の地域医療の実情はもとより、保育所や学校等の様々な地域情報を「地域医療推進室」に集約し、対応することとしております。
 さらに、本県の就業促進のためには、まず本県医療への関心を高めることが重要でありますことから、山口大学医学部に委託し、医療機関の研究内容や診療の特色などの医療情報などを紹介するホームページを開設するとともに、本県出身及び山口大学卒業の県外医師等へのメールマガジンによる情報発信を行うこととしております。
 次に、患者の過度の専門医志向の是正や開業医の活用については、医師不足の要因の一つでもある病院勤務医の負担軽減につながることから、「かかりつけ医」を持つことの必要性について、医師会等と連携し、県民への普及啓発に努めることとしております。
 また、一部の地域において、小児科の開業医が地域の中核病院で夜間の診療を行っているところがあり、地域の実情に応じ、こうした取組を拡充させていきたいと考えております。
 医師確保は全国的に厳しい状況にあり、今後、的確な検証を加え、さらに必要な対策には弾力的に対応するなど、実効性ある医師確保対策に努めてまいります。

久保田(再質問) 医師が何人不足しているか、どれだけ充足させる計画か調べたところ、小児科・産科における医療機能の集約化・重点化の議論の中で、小児科医については、2次医療圏の連携強化病院において現行46人、目標64人、不足18人という数字が示されています。産科医については同様に現行35人、目標55人、不足20人と示されており、大変大きな数字だと思います。実効性があがるように、取組に力を入れていただきたいと思います。
 大阪府の市立病院では麻酔科医1人年収3千5百万円で募集、という報道がありましたが、施策の競争、サービス合戦の中に巻き込まれていくと、大変なこととなります。むしろ山口県の医療への取組をしっかり理解していただくための工夫が大事ではないかと思います。
 例えば、長野県のように好感が持てるわかりやすいホームページによる情報発信などの工夫をしていただきたいと思います。
 また、高知市医師会が高知市民病院や高知赤十字病院等と取り組んでいるオープンシステムによる医療連携体制などの仕組みの工夫も必要ではないでしょうか。保健医療計画の改定にあたっては、是非項目に加えて議論していただきたい、御所見をお伺いします。

今村健康福祉部長 地域医療についての再質でございます。
 地域医療は先程申し上げましたように、医師確保、特に勤務医の確保が最重要課題と考えておりまして、可能な限りの施策を来年度やっていく予定にしております。
 先程例示のありました情報発信は、たいへん大事だと思います。それから開業医の連携につきましては、やはり先程お示しのあった保健医療計画において、連携体制を書き込む予定にしております。
 こういういろんな工夫をしながら努力していきたいと思いますが、たいへん厳しい状況にありますので、答弁をもう一度繰り返させていただきますが、的確な検証を加えて、さらに必要な対策には弾力的に対応するという形で実効性のある医師確保に努めていきたいと思います。


(2)病院内保育所の充実

久保田 第2点、病院内保育所の充実です
 病院や診療所内の保育所は、看護師確保対策として始められた昔からの制度ですが、今日では、看護師だけでなく、医師や検査師など女性の医療従事者が増加していることから、仕事と育児の両立支援をすることで、女性の人材確保につなげる動きが広がっています。
 昨年4月時点で県内2,149の病院・診療所のうち病院内保育所は49施設あり約700人の児童が利用しています。民間病院と診療所に対しては、国の補助があり、公的病院に対しては、県が補助制度を設けています。新年度予算においても、県内31施設に対して7,700万円余りの予算が計上され、保育士の人件費の一部に対する補助が行われています。
 先日、宇部市内の病院内保育所3カ所を訪問し実情をお伺いしました。まず、言われたことは、病院経営が大変厳しいので、公的支援制度があって大変助かっているといった評価でした。保育内容をお伺いしたところ、幼児教育を重視する保護者が多いため、近隣の幼稚園と連携して、日中は、幼稚園に通園させていること、病院や診療所内の保育所でありながら、病児や病後児保育がないこと、また、夜勤への対応のためには、24時間体制も求められていることなどがわかりました。
 先月、徳山医師会病院が開園した院内保育園では、夜勤にも対応できるように24時間保育の日も設けられていますが、県内全体の病院内保育所では、24時間保育への対応は、まだ一部にとどまっており、病児保育は実施されていません。
 安全で良質な医療を確保するためには、医療現場で働いている人たちの就労環境が整備され、働きやすい病院づくりが重要です。そして、それが、女性医師を含む医療従事者の離職防止や再就職を促進して、人手不足の解消につながると考えられます。病院内保育所のさらなる充実のために県として支援が必要と考えますが、今後の取り組みについてご所見をお伺いします。

今村健康福祉部長 次に、病院内保育所の充実についてですが、病院内保育所は、看護職員等の医療従事者の離職防止と再就業の促進を目的に設置されるものであり、県といたしましては、これまで、その運営費の一部を助成するとともに、看護管理者等の研修会において、保育所の設置など、勤務環境の改善を要請してきたところです。
 こうした中、お示しの24時間保育など保育時間の延長、病児・病後児保育の実施や保育水準の向上に加え、小規模な保育所の開設などのニーズも多様化しており、県としてもその対応に努めているところです。
 まず、24時間保育については、さらに導入が進むよう、来年度から補助単価を引き上げることとしており、また、夜間の臨時的保育ニーズに対応する緊急一時保育への助成措置を創設してまいります。
 また、病児・病後児保育については、安静室の設置や専任の看護師の配置が必要でありますことから、その整備が進んでおりませんが、病院内保育所におけるニーズ把握に努め、必要に応じ、国に制度の拡充を要望するなど適切に対応してまいります。
 次に、保育水準の向上を図るため、保育士等の人件費に対する補助基準額の引上げ等を国に要望するとともに、近隣の保育所や幼稚園との交流・連携が進むよう、必要に応じて、関係者に対して助言等を行ってまいります。
 さらには、小規模な病院内保育所においても、保育児童が1人であっても運営費補助が受けられるよう、補助要件を拡充することとしております。
 今後とも、県といたしましては、看護職員等の医療従事者が安心して勤務が継続できるよう、これらの制度を周知するとともに、ニーズも十分に踏まえながら、病院内保育所の充実に向けた病院等の自主的な取組を支援していく考えです。

久保田(要望) 病院内保育所については、しっかり取組ますということなので、期待したいと思います。
 仕事と子育てとの両立、ワークライフバランスという観点からも、大切ですし、お聞きしたところでは、山大医学部もすでに女子学生が3割を超える状況が続いていますから、今後、女性医師の比率はますます高まり、こういったニーズはより高まると思います。
 さらなる取組強化をお願いしたいと思います。

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3.食品廃棄物の再生利用について

(1)堆肥化

久保田 質問の第3は、食品廃棄物の再生利用についてです
 わが国は、世界一の食料輸入国であり、食糧自給率はカロリーベースで39%、先進諸国の中で最低水準です。その一方で、世界一の食料廃棄国とも言われており、その量は食品産業の統計数値だけで年間1,200万トンに上ります。これは、大阪ドームの9杯分、国内での米の生産量を上回る規模であり、カロリーベースで食料供給量の四分の一に相当します。しかも、世界では、約12億人が貧困に苦しみ、十分な食料や栄養を確保できていません。
 このような状況を改善するため、政府は、食品リサイクル法を平成13年に制定し、食品関連事業者に食品廃棄物の発生抑制と再生利用を義務づけました。さらに、昨年12月には、法改正が行われて、リサイクル計画の認定見直しや国への報告義務などが加えられました。
 山口県では、平成17年度の一般廃棄物の排出量の実績は66万5千トンで、そのうち約67%の44万2千トンが焼却処理、約9.6%の6万4千トンが埋立てされており、リサイクルは18万2千トン、27.3%にすぎません。
 そこで、県は、循環型社会形成推進基本計画を策定し、平成18年度を初年度として、平成22年度までの廃棄物リサイクル率35%の目標を設定、ゴミ減量化やリサイクルに取り組んでいます。特に、一般廃棄物の約3割を占める食品廃棄物を資源化することが、ゴミの減量に貢献することから、県は17年度から資源循環プロジェクトを開始しました。これより家庭や学校給食、病院、飲食店、ホテル,スーパーマーケットなどから排出される生ゴミを堆肥化し農産物の生産に利用するシステムを作りました。また、ブタの餌となる飼料にリサイクルするシステムも動き出しています。このプロジェクトはモデル事業として、宇部市と岩国市で行われましたが、現在、県内全域で取り組が始められようとしています。
 全国的に見ても、食品リサイクル法が本格施行されたことから、食品廃棄物を堆肥化や飼料化して農業に利用するという動きが活発になっていますが、食品廃棄物の再生利用には、一定の品質と量が供給される入口と、堆肥や飼料を活用する出口の農業者など、両方がきちんと存在することが必要です。
 そこで,お尋ねです。食品廃棄物は一般廃棄物として、市町が独自の収集・運搬・処理システムをもっていますから、堆肥化や飼料化のリサイクルシステムを作るためには、市町との連携が鍵となります。さらに、食品リサイクル法によって再生利用と報告を義務づけられた多量排出事業者はもとより、中小規模の事業者の参加が必要と考えますが、どのように取り組むのかご所見をお伺いします。

伊藤環境生活部長 食品廃棄物の再生利用に関するお尋ねのうち、市町との連携や事業者の参加についてであります。
 県においては、循環型社会形成推進条例に基づき、県民や市町、事業者と連携し、循環型社会の形成に向け、廃棄物の減量化、再生利用等に積極的に取り組んでいるところであり、中でも、一般廃棄物の約3割を占めております食品廃棄物を循環資源として有効活用する取組は、極めて重要であると認識しております。
 このため、県では、食品廃棄物の堆肥化リサイクルに向けて、山口きらら博での実証試験を契機に取組を進め、平成17年度には、食品廃棄物を集めて堆肥とし、この堆肥で育った野菜などを利用する、循環システムである「フード&グリーンリサイクルシステム」を構築したところです。
 また、飼料化リサイクルにつきましても、宇部市の民間事業者が、県との共同により、食品廃棄物を養豚へ利用した場合の飼料効果を検証した後、平成18年度から事業を開始しており、本県における食品廃棄物のリサイクルの取組は、着実に進展しているものと考えております。
 今後の取組については、昨年12月に食品リサイクル法が改正され、食品関連事業者のリサイクル目標数値の引き上げ等が行われたことから、事業者の取組は促進されるものと考えておりますが、なお一層の取組を進めるため、まず、国の報告義務が課せられている年間100t以上を排出する多量排出事業者に対しては、国及び市町と連携して、事業者への訪問指導を行うとともに、新たに、リサイクル事業者と多量排出事業者が協議を行う場を設けることとしております。
 また、報告義務が課せられていない中小の食品関連事業者についても、市町と連携し、食品衛生協会、旅館組合等の関係団体の協力を得ながら、ごみ排出量や処理状況等を把握するとともに、地域や事業者に適したリサイクル手法等の講習会を開催するなどの取組により、食品廃棄物のリサイクルの促進を積極的に図ってまいります。

久保田(再質問) 県庁の出先機関や市役所などでも食品廃棄物リサイクルの取組が必要と思います。
 このようなリーディングプロジェクトは県自らが率先する必要があると思いますので、答弁にあった事業者や市町との協議会の中で、県としても積極的な取組を示すことが事業者や市町の取組への加速化になるのではないでしょうか。

伊藤環境生活部長 行政が率先して、食品廃棄物のリサイクルに取り組むべきではないかとの御質問です。
 県、市等の施設の食堂にも食品リサイクル法は当然適用されるわけですので、これらのリサイクルを率先して進めることは大変重要であり、お示しのとおり、現在、県庁や心の医療センター等で取り組んでいるところですが、今後ともその拡大、推進に努めてまいりたいと思います。

久保田 堆肥化については、きらら博覧会後に、県は、ほうれん草栽培によって堆肥化の実証試験を行い、技術的確立を図りました。家庭でも、簡易なコンポストなどによる堆肥化が増加しています。しかし、堆肥が活用されるためには、農業生産者との連携が必要です。生産された堆肥の受け皿になり、安心・安全な農産物の生産につながる循環型農業の中で推進が求められるところです。食品廃棄物を資源化したエコ堆肥を活用する農業の現状と今後の取組みについてお尋ねします。

松永農林水産部長 2項目、4点のご質問にお答えをいたします。
 まず、食品廃棄物の再生利用に関する2点のお尋ねであります。
 食品廃棄物を資源化したエコ堆肥の活用についてですけれども、食品廃棄物を使った堆肥を農業生産に活用するためには、成分や施用効果などを明らかにする必要がありますことから、これまで、環境生活部と連携をして、きらら博の生ごみの堆肥利用試験、農業大学校での生ごみ堆肥化技術の実証を行いますとともに、平成17年度には、実用化に向けてリサイクル事業者が製造している木質原料と食品廃棄物を混合した堆肥の成分分析や施用試験を実施するなど、その活用に努めてきているところでございます。
 この結果、この堆肥は、現在では、農業法人や生産部会の構成員を含めまして200戸以上の農業者に利用が拡大をしているところであり、今後とも、食品廃棄物を使った堆肥の成分や施用効果などを確認しながら、研修会やインターネットなどを通じて情報の発信をしていくなど、循環型農業における土づくり資材の一つとして、その活用を進めてまいります。


(2)飼料化(エコフィード)

久保田 また、飼料化についてお尋ねします。家畜飼料の国内自給率は25%ですが、最近では、アメリカのバイオエタノール向けトウモロコシの需要拡大などにより飼料価格が高騰していることから、輸入飼料依存から脱却して、国内飼料自給率を向上させることが課題となっています。このような状況から、食品廃棄物を飼料として再生利用するエコフィードに対する関心が高まっており、県内にある食品リサイクルセンターでも、畜産農家からの問い合わせが多くなっているとのことです。
 今後、エコフィードの需要の増加が予想されることから、安定的な供給と利用、品質の安定性の確保など需要と供給について情報の共有化が重要となります。さらに、地域のエコフィードの利用体制の確立によって、ブタのブランド化の検討など畜産振興につなげるべきと考えますが、ご所見をお伺いします。

松永農林水産部長 次に、食品廃棄物の飼料への活用、いわゆるエコフィードについてであります。
 エコフィードは、低コストで安定的な飼料資源として利用でき、畜産経営の安定につながりますことから、県では、平成17年度に畜産試験場におきまして、学校給食やコンビニエンス・ストアの食品廃棄物を利用した飼料を豚に給与し、発育や肉質への影響を調査・研究をいたしました。
 この結果、栄養性において市販の配合飼料と同等であり、豚の嗜好性も高いなど優れた特性を有するものの、脂肪成分を除去する必要がありましたことから、この点の改善を図り、宇部市の民間の事業者により製造をされております飼料が、平成18年4月から県内の畜産農家に供給されているところであります。
 こうした中で、輸入に依存をしている配合飼料の価格が急激に高騰し、畜産経営を圧迫している状況から、県としては、より一層エコフィードへの取組みを拡大するため、来年度から新たに、環境生活部とも連携をして、食品廃棄物の排出実態や畜産農家の受け入れ状況等の調査を行いますとともに、食品廃棄物排出事業者、エコフィード製造業者、畜産農家等による協議会を設置し、情報の共有化を図りながら、エコフィードの利用体制の確立に向けた取組みを推進をしてまいります。
 また、これに併せ、エコフィードを給与した畜産物の特性あるいは肉質の向上に関する検証を行いまして、ご提言のありました豚のブランド化の可能性についても検討してまいります。

久保田(再質問) リサイクルのシステムは、市場が確保されないと回りません。
 今日の資料の3P、「全国のエコフィードの主な取組事例について」を見て下さい。一番上にあります札幌飼料化リサイクルセンターに以前、視察に行きましたが、その際「学校給食や病院・ホテルの協力があるので、一日約50tはセンターに入ってくると、そして、すでに農家との連携もできているので、一日10t、1キロ15円ぐらいでの販売もできている。」ということをお伺いしました。
 市場が形成されて、リサイクルシステムが動いています。全国ではすでに多くのところが、エコフィードに着手をしております。
 ですから、「山口県の畜産農家だから、山口県で」と想定していても、より安いエコフィードの流通が始まれば、競争になります。
 本県としても、取組を加速化させていただきたいと思います。

松永農林水産部長 4点に再質問にお答えをいたします。
 まず、エコフィードについて、全国の取組に負けないような取組をしてくれ、決意を伺うということですが、お示しをいただいた、全国の先進事例も、参考にした取組をしっかりやってまいりたいというふうに思っております。
 なお、ご指摘のありました、いわゆる利用がしっかり確保されるということが、まさしくポイントになりますので、来年度、設置をいたします協議会におきましてですね、そうした利用計画等をしっかり協議をしながら、やっていきたいというふうに思っています。
 現状、エコフィードは養豚農家が4戸で80トン、また、養鶏農家が3戸で40トン利用されておりまして、そうした地域内循環は形成されつつあります。

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4.農業振興について

(1)有機農業の推進

久保田 第4の質問は、農業振興について2点おたずねします。
 第1点、有機農業の推進です。
 有機農業の推進に関する法律が、平成18年12月に成立し、国及び地方公共団体は有機農業推進の責務が示されました。これを受けて、県では、今年3月までに、山口県における有機農業を総合的、計画的に推進するための計画を策定することになっています。すでにパブリックコメントの集約も終えて計画策定の最終段階にあります。これまで本県では、平成13年から取り組んできた循環型農業において、化学肥料・化学農薬の使用量を30%低減するエコファーマーの認定や、50%以上低減するエコやまぐち農産物の認証を実施してきました。本年1月現在で、県知事認定のエコファーマーは2,061人、県内の販売農家数の約6.4%にあたります。一方で、国の定めた基準による有機JASマークの認証を受けた農業生産者は、3人にとどまっており、高菜、ヤーコン、ブドウの三品目だけです。有機農産物の基準は、化学肥料・化学農薬を全く使用しないこと、種の植え付け前2年以上、ただし多年生作物は3年以上ですが、この間、化学肥料・化学農薬を使用しない栽培を継続しなければなりません。さらに、遺伝子組み換えの種苗は使用してはなりません。また、農林水産大臣の認可を受けた有機登録認定機関は国内に60機関ありますが、山口県内にはありません。
 このように厳しい基準である上に、有機農業は、微生物などによる自然の持つ「循環」に依拠した農業であり、単に化学肥料や化学農薬を使わない農業ではありません。今後、本県で有機農業を推進していく上で、栽培技術の確立と普及が大きな課題となります。しかし、消費者の安全で良質な農産物に対する需要が高まっていることからも、農業者が有機農産物の生産、流通、販売に積極的に取り組むことができるように支援が必要であり、消費者が容易に有機農産物を入手できるような販売ルートの確立や情報提供が求められます。また、有機農業を実践していく現場は、基礎自治体である市町ですから、市町の取り組みへの支援が必要です。
 そこでお尋ねです。今後、有機農業をどのように推進し体制づくりをしていくのかお伺いします。

松永農林水産部長 次に、農業振興に関する2点のお尋ねです。
 まず、有機農業の推進についてでございます。
 本県では、平成13年5月に策定をしました「山口県循環型農業推進基本方針」に基づきまして、中国四国地方で最も多いエコファーマーの育成や県独自のエコやまぐち農産物の生産など、循環型農業の普及・拡大に努めているところであります。
 こうした中、有機農業の推進に関する法律が施行され、県の方針を明らかにすることが示されたことなどを踏まえまして、本年度、農業団体や消費者団体などの御意見を幅広くお聞きしながら、平成23年度の数値目標を掲げました「山口県有機農業推進計画」を3月末を目途に策定をすることとしております。
 今後におきましては、この推進計画に基づきまして、有機農業を循環型農業の先進的な取組として位置づけ、これまで蓄積された仕組みや技術などを活かしながら、市町、農業団体などと協働して、技術の確立・普及、農業者に対する支援などを積極的に推進していく考えであります。
 具体的には、まず、農林総合技術センターが主体となって、本県の気象条件や立地条件に適した独自の技術体系を確立するとともに、これらの技術体系を農林事務所を中心に現地で実証するなど、有機農業に係る技術の確立・普及に努めることとしております。
 また、栽培技術や各種制度などを習得する講座の開設、研修会やインターネットなどを活用した各種支援情報の提供に加えまして、販売協力店、やまぐち食彩店など本県独自の地産・地消の推進拠点を活用した試食会の開催、産地情報の提供、消費者や流通販売関係者の意向などを踏まえて販売先を確保していくなど、農業者に対する支援をきめ細かく実施していく考えであります。
 さらに、県域及び県内8地域に設置をしております関係機関、団体などで構成をいたします循環型農業推進協議会が主体となって、有機農業の普及・拡大を進めますとともに、計画期間中に5割の市町で有機農業の推進に関する計画が策定されるよう、市町の取組を積極的に支援してまいります。

久保田(再質問) 有機農業の推進についてですが、有機農業を循環型農業の先進的取組として、位置づけているとのことですが、ちょっとご注意頂きたいのは、先程、壇上で申し上げましたが、単に化学肥料や化学農薬を使わない農業ではない、微生物などの自然の持つ循環に依拠した農業であるということで、そこは整理されているとは思いますが、取組にあたっての配慮をしていただきたいと思いますし、また、県内に、実際の有機農業に取り組んでらっしゃる生産者、あるいは、研究をされている方たちがいらっしゃいますので、よく連携をして、有機農業の施策を進めていただきたいと思います。
 これは、ご見解をお伺いします。有機農産物の登録の認証・認定をする機関がないということは、有機農業推進に当たって、非常に影響があると思いますので、こういった認定機関の設置も必要ではないかと思いますので、お尋ねをしたいと思います。

松永農林水産部長 それから2点目が、有機農業を実践している方としっかり連携して進めるべきではないかというお話でございます。
 まず、この計画を策定するに当たりまして、循環型農業推進協議会でございますけれども、それが母体となって計画づくりを進めたわけでございますが、その協議会の中に、そうした実践者に入っていただいております。
 また、それ以外の団体の方についても、随時、協議をさせていただきながら、そのご意見を反映して、計画づくりを進めてまいりました。
 また、今後も技術開発等は当然のごとく連携をして、進めていきたいというふうに考えております。
 それから、3点目が有機JASの認証機関を設置すべきではないかということですが、お示しのように、県内には、現在、有機JASの認証機関はございませんけれども、有機農業推進法におきます有機農業では、有機JAS農産物の厳格な規定によらないで、有機農業の取組が可能となっております。
 本県では、化学肥料・化学農薬を使用しない「エコやまぐち農産物」も有機農業に該当いたしますことから、山口県知事の認定を受けたNPO法人「山口県有機農産物認証推進協会」での認定が可能であります。
 したがいまして、今後、エコやまぐち100の農産物認証を進めてまいりたいと考えております。


(2)耕地放棄地対策

久保田 第2点、耕作放棄地対策についてです。
 田植えの時期になっても、鮮やかな青田を見ることが少なくなり、秋の収穫時期には黄金色の稲穂に競うように、セイタカアワダチソウやススキが広がる風景を見慣れてきたように感じます。荒れた農地が増えているという印象を、多くの人が持っていることと思います。
 私が住んでいる宇部市では、昨年9月から12月にかけて農業委員会と農事組合自治会の協力によって、農地の利用状況の調査が行われました。その結果、農業振興地域における自己保全管理の水田や畑の約26%にあたる492ヘクタールが耕作放棄地と原野化していることが明らかになりました。つまり、農地の1/4が荒れているのです。
 農林業センサスによりますと、県内の耕作放棄地は5年間に14.3%増加して、平成17年度、3,853ヘクタールに及んでおり、これは農家の耕地面積全体の9.6%にあたります。農業就業者を同時期でみると、約1万人あまり18%も減少するとともに、高齢化が進行して、65歳以上が約70%に及んでいます。一方で、この間の新規就業者は、173人の増加にとどまっています。つまり、5年間で見ると、毎年2,000人が農業をやめて、新たに始められたのは30人前後といった状況です。
 このように耕作放棄地が増加した背景には、農家の減少、高齢化、病害虫の発生など農業を営む環境の悪化などがあります。しかし、耕作放棄地を再生し優良農地にすることは、食料の安定供給や、地域活力の向上につながることから、耕作放棄地を発生させない、増加させないための実効性ある対策が急がれます。
 県としては、集落営農の支援や中山間地域等直接支払い制度による農業振興はもとより、交付金を出して耕作放棄地の再活用の指導や企業・NPOなど多様な主体の農業参入の促進を進めていますが、まだまだ事態の改善の兆しが見えているとは言い難い現状です。
 そこでおたずねです。県は今年度事業で、実態把握と活用方法の検討を行うとともに、援農ボランティアや農業者などの組織する団体が行う活動を支援してきました。県の耕作放棄地対策のこれまでの成果と課題、今後の取り組みについてお伺いします。

松永農林水産部長 次に耕作放棄地対策についてです。
 耕作放棄地の発生防止と解消は、農業生産のみならず、農地の持つ多面的な機能の確保や環境・景観の保全を図る上から、極めて重要であると考えております。
 このため、県としては、これまで、各市町の農業振興地域整備計画に位置づけらました約45,000haの優良農地の適正な管理指導をはじめ、担い手への農地の利用集積等、各般の取組みを進めてきたところであります。
 その結果、特定農業法人等の担い手へ約7,000haの農地が利用集積されるとともに、中山間地域等直接支払制度及び農地・水・環境保全向上対策で約22,300haの農地の保全協定が交わされたほか、山口型放牧では約230haの農地が再生され、さらに、37の企業が農業参入をするなど、耕作放棄地の発生防止等に一定の成果が上がっておるものと考えております。
 しかしながら、お示しのとおり、担い手の減少・高齢化等によりまして、耕作放棄地の増加は依然として歯止めがかからない状況でありますことから、今年度、農業委員会系統組織と連携をして耕作放棄地の実態調査を実施をいたしますとともに、今月末を目途に耕作放棄地の分布状況の地図化を進めているところでございます。
 今後はこの調査結果をもとに、発生要因等を含めた現状分析を行いまして、地域の実情に即したきめ細かな対策を総合的かつ計画的に推進していくことが必要であると考えております。
 このため、昨年9月に設置をしました県、市町、農業委員会、JA等からなる「耕作放棄地対策検討協議会」におきまして、今後、国が示す耕作放棄地解消のガイドラインを踏まえた本県の基本方針を策定いたしますとともに、取組みの主体となります市町に対しましては、具体的かつ実効性の高い解消計画の策定を促し、市民農園への活用や景観作物の作付け、山口型放牧、企業の農業参入の促進など、耕作放棄地の解消等に向けた取組みが積極的に展開されるよう支援してまいります。
 県といたしましては、引き続き農地の再生と担い手への利用集積を対策の基本において、市町や農業関係団体等と密接に連携し、耕作放棄地の発生防止と解消に取組んでまいります。

久保田(再質問) 毎年2,000人近くの方が、農業をやめていかれ、新規就農は30人前後と低迷をする中で、山口県や日本の農業の課題は大きいわけで、耕作放棄地対策だけでは、もちろん十分ではありませんが、今後、分布状況を地図化することで、あらためて、その問題を私たちが共有化できるのではないかなと思っております。
 例えば一年、農業をしないとその耕作地は大変荒れて、もう使えなくなるということも言われておりますので、耕作できそうもなくなったら、早めに情報として教えてもらうことはできないでしょうか。
 早く情報が入ることで、いろいろな支援制度と、うまく繋げていく可能性がでると思います。
 相談体制の中で、もう少しそういったところも、拡げてもいいように思います。
 実際、地域でひまわりやコスモスを植えて、景観を美しくしようという取り組みをされている方々に伺うと、長い間、荒れていた農地に、花を植えることも大変とお聞きします。
 そういった意味で、早めに情報を得ることで対策も異なってくるのではないかと思いますので、それについてのご見解をお伺いしたいと思います。

松永農林水産部長 それから、耕作放棄地対策の関係でございますけれども、これにつきましては、今後、市町の解消計画を具体的に定めてまいります。
 そうした中で、ご指摘のありました、発生防止等も含めた対策等についても、地図情報を有効に活用するような仕組みを作り上げていきたいというふうに考えております。

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5.食の安心・安全対策について

(1)残留農薬検査体制の充実

久保田 質問の第5は、食の安心・安全対策についてです
 近年、食品を巡っては消費期限や産地の偽装、残留農薬など「食」の安心・安全が脅かされる事件が続いており、今回の中国製ギョウザによる食中毒の発生事件では、未だにその全貌が解明されていません。このため、輸入加工食品への不安や不信から買い控えが増えるとともに、生産地への関心が高まり地産地消への支持が広がっているとも言われています。
 このような事態を受けて、ようやく国の検疫制度の強化が行われることになりました。食料自給率が39%のわが国では、国民が食べるものの6割が輸入農水産物であり輸入食品ですから、国内に入る水際である検疫制度が非常に重要であるはずですが、実情は、輸入農水産物の約1割程度しか検査されていませんし、輸入加工食品は全く検査対象ではなかったのです。今回の事件を受けて、これまで検査対象とされていなかった輸入加工食品の検査が行われることになりました。とくに過去に問題を起こした事業者のものは全て検査対象とされます。
 県では、県内に流通する野菜・果物類、食品を毎年200検体202の農薬について残留農薬検査を行っています。先日、その検査を実施している環境保健研究センターを訪問しました。ちょうど、ほうれん草の残留農薬検査が行われていたところでしたが、細かく刻んで前処理し、順次、検査機器を使って検査を進めていきます。人の手で行われる細かな作業と精度の高い検査機器の両方がそろってこそ、専門的知識と経験が活かされ精確な検査分析ができることがわかりました。こちらの検査機器は、新しいもので平成15年度に導入したものですが、検査のスピードや精度をより一層高めるためには、計画的な機器の整備が必要です。また、環境保健センターの建物は、築40年と老朽化しており、県の残留農薬検査の中核的機関の体制として、人材育成、県民への情報提供や新たな課題に的確に対応できるように整備が必要と考えます。
 そこで、お尋ねです。民間でも、社団法人「やまぐち食の安心・安全研究センター」において、収穫や出荷前のサンプリングによる検査が行われていますが、今後の検査対象の拡大や食の安全への関心の高まりに対して、県の役割と残留農薬検査体制のさらなる充実について、どのように取り組むのかご所見をお尋ねします。

伊藤環境生活部長 次に、食の安心・安全対策に関するお尋ねの内、まず、残留農薬検査に係る県の役割とその体制の充実についてであります。
 県民の食の安全への関心が高まる中、食品に起因する健康被害を未然に防止し、安心・安全で豊かな食生活を確保する上で、食品検査の果たす役割は大変重要であります。
 このため、県では、食品衛生法に基づき、毎年「食品衛生監視指導計画」を定め、流通段階における農産物の残留農薬検査や輸入食品の添加物検査等を計画的に実施しております。
 また、この度の中国産冷凍ギョウザ事件など突発的な緊急事態にも迅速に対応するなど、食生活を取り巻く環境変化にも適宜適切に対応し、県民の食に対する不安の解消に努めているところでございます。
 こうした中で、輸入食品、とりわけ輸入農産物に対する県民の不安は依然として根強いことから、新年度には、輸入農産物の残留農薬検査の件数を増やすとともに、現在、国において、精度の高い検査方法の開発が進められている輸入加工食品についても、国と連携しながら、適切に対応してまいりたいと考えております。
 また、お示しの生産団体等による民間検査機関は、出荷前の農産物の残留農薬自主検査を実施しておりますが、これに対する県の支援等により、民間検査体制の充実が図られてきているところです。
 県としては、今後とも、行政と民間の適切な役割分担のもと、県民の食の安心・安全の確保に努めてまいります。
 次に、県の検査体制の充実につきましては、その中核を担う環境保健センターの検査職員の適正配置に努めるとともに、食を巡る新たな課題にも的確に対応するため、国や全国衛生化学技術協議会等が主催する研修会や実技講習会への参加による検査技術の研鑽等、一層の人材育成を図ってまいります。
 また、残留農薬の検査機器についても、計画的に配備を進めており、新年度におきましては、これまで使用してきた残留農薬180項目を検査できるガスクロマトグラフ質量分析計をより高性能なものに更新し、検査時間を大幅に短縮するなど検査の効率化を図り、速やかな検査結果の公表や食品の安全性に関する情報提供を積極的に行い、県民の食に対する不安の解消に努めてまいります。


(2)食の安心コミュニティ活動の推進

久保田 また、食の安心・安全を確保するためには、消費者が正しい知識を持つことが重要です。最近では、テレビ番組でも健康や食の安全に関する内容が目につくようになりましたが、私たちが日常生活の中で、身近に「食の安心・安全」に関する知識を得るためには、地域コミュニティ活動の中で取り組んでいくことが効果的と考えます。
 そこでお尋ねです。食品に関して勉強をされている食品表示ウォッチャー経験者などを活用して、コミュニティレベルの活動促進が、今年度、県内3箇所でモデル的に実施されましたが、この事業の成果を踏まえて、県が作成した食の安心・安全ハンドブックの活用や食育との連携によって、さらに取り組みを拡充すべきと考えますが、今後の取り組みをお伺いします。

伊藤環境生活部長 次に、食の安心コミュニティ活動の推進についてであります。
 お示しのとおり食の安心・安全を確保していくためには、消費者が食に関して正しい知識と理解を深めていくことが大変重要であります。
 このため、県では、消費者自らが、食品関係事業者と生産・加工現場での意見交換を行うことにより、相互理解と食の安心・安全に関する知識の取得を促進する「食の安心コミュニティ活動」を、本年度、県内3カ所でモデル的に実施しているところであります。
 具体的には、食品表示ウォッチャー経験者の方々がリーダーになり、意見交換会や研修会を自主的に企画運営され、これまで9回開催されております。この結果、事業者の食の安全確保に対する取組、賞味期限の設定方法あるいは地産・地消の大切さについて理解が深まるなど、正しい知識の普及啓発に成果をあげているところでございます。
 こうしたことから、新年度におきましては、より多くの県民が参加できるよう、この取組を県下全域で実施していくこととしており、消費者団体への呼びかけや市町広報紙への掲載、さらには、ホームページ等で周知を図るとともに、新年度改訂予定の食の安心・安全ハンドブックの活用や関係部局と連携した食育推進についても取り組むなど、消費者の食に関する正しい知識の普及に努めてまいります。

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