久保田 行政改革とは、最少の経費で最大の効果を出すことと言われますが、要するに、税金を一円でも無駄なく効率よく使うことであり、それによって生み出される財源で新しい行政需要への対応を図るものです。そこで、まず考えなければならないのは、行政の守備範囲です。行政がやるべき分野はどこまでか。行政職員による直接執行が必要な領域はどこまでか。言い換えれば、税金でやるのはどこまでか。どこから先が税金ではなく、利用する人から利用料金を頂いてやるのかということになります。
次に、コスト面が問題です。県民に対するサービスがほとんど同じで変わらないならば、コストの高いシステムから、よりコストの低いシステムに切り替え、新たな財源を生み出す必要があります。したがって、公共サービス全般について、その必要性などを検証し、必要のないものは廃止する、その実施を民間が担うことができるものについては、民間委託などを積極的に行う必要があります。行政と民間が多様な形で連携することによって、旧来型の非効率の代名詞とされる「お役所仕事」からの脱却を図り、新たな行政スタイルへと転換しなければなりません。このような観点から、2点お伺いします。
(1)無駄な事業の廃止と政策評価システムの見直し
久保田 昨年9月議会の私の行政改革についての質問に対して、「事務事業全体を把握し、個々の事業ごとに、その目的や役割分担を明確化することが必要であり、今後、その手法について検討を進める」とのご答弁でした。そして、ご答弁どおり、今年度に入って、事務事業の総点検を実施され、現在、結果の集計をされているとのことですが、まず、点検の手法をおたずねします。各所管課による自己点検・自己評価の後、人事課・財政課によるヒアリングがあるとされていますが、自己点検の限界を超えて、関係部局の意向にとらわれず、客観的な点検とする仕組みはあるのか。そして、県民の目線はあるのか。お伺いします。また、無駄な事業の洗い出しと廃止へのプロセスは、どのように進めるのかお尋ねします。
一方で、平成15年度から、行政マネジメントサイクルの一環として、施策評価と事業評価から施策改善につなげる政策評価システムが実施されており、今年度も、事務事業の総点検とは別に行われています。しかし、このシステムには、いくつか課題があると考えます。まず、事業評価するのは、施策・事業を立案した担当部局自らです。すなわち自己評価です。部局長で構成されたデザイン21実行委員会で総合評価があるとしても、自己評価の領域をでるものではありません。施策評価においては、県民満足度調査と数値目標達成度による評価に事業評価の結果を加えますが、事業に従事する職員数と人件費が明らかにされておらず、費用対効果の観点が不十分であること。県民満足度調査は、無作為抽出の3,000人で行われる県政世論調査だけであり、幅広く県民の参加ができないこと、数値目標となる指標が施策の成果を現すものとしてはわかりにくいこと、さらに、評価手順が複雑で、PDCAサイクル、すなわち企画立案、実施、評価、改善といった行政マネジメントサイクルの循環がわかりにくいこと、などです。政策評価は、予算編成と決算に連動してこそ行政改革の価値ある手法となると考えます。そこでお尋ねです。
今年度は、従来からの政策評価システムに加えて、事務事業の総点検を行っていますが、今後は、政策評価の仕組みを一本化して、多くの県民の意見が反映できる、県民にわかりやすく身近なものとなるシステムを加えて、その機能を十分発揮すべく再構築する必要があると考えます。ご所見をお伺いします。
三好総務部長 行政改革の推進についてのお尋ねのうち、まず事務事業の総点検についてであります。行政改革の推進については、これまでも「行政改革推進プラン」に基づき、組織のスリム化、効率化や外部委託等を進めてきたところですが、依然として厳しい財政環境の中、行財政運営の一層の効率化が求められていることから、県が現在実施している事務事業について、原点に立ち返って県の役割と責任を明確にしながら見直しを行うため、今年度、「事務事業の総点検」に取り組んでいるところです。
まず、この点検の手法についてでありますが、一般行政経費、施策的経費合わせて約1,300の事務事業を対象に、事業一つひとつについて、目的、内容、コスト等を基に、実施の必要性、実施すべき主体及び効率的、効果的な実施方法等について、様々な角度から点検するもので、その結果を事業の廃止をはじめ、更なる外部委託や市町への権限移譲などにつなげていきたいと考えております。
次に客観的な点検の仕組みについてであります。
点検に当たっては、国、県、市町各行政主体の担うべき役割を明示するとともに、事務事業の必要性や実施主体について、「時代や県民ニーズの変化に伴い、事業目的が妥当性を失っていないか」、「民間と競合していないか」、「効果が特定の地域に限定されていないか」などの共通的な視点を示すことにより、部局間で統一的な取組となるよう、また、内向きの検討にとどまることのないよう客観性の確保に努めているところです。
また、点検を通じて、廃止や縮小あるいは改善が適当とした事務事業については、明年度の予算編成過程や組織・定員の見直しの中でさらに精査し、可能なものから速やかに必要な対応をとって参りたいと考えております。
二井知事 私からは行政改革に関連するお尋ねのうち、政策評価システムの見直しについてお答えいたします。
政策評価システムは、平成15年に導入して以来、評価指標の充実、市町や民間等との役割分担の明確化など、評価方法の改善等を行いながら、施策の充実をはじめ、事業の縮小・廃止による歳出削減、職員の意識改革等を進めてきたところであります。
こうした中で、住み良さ日本一の元気県づくりを加速化するためには、現在策定中の「加速化プラン」に沿った施策・事業をしっかりと進行管理していくことが重要でありますことから、私は、この策定にあわせて、現行の政策評価システムを見直すことにより、施策の充実を図るとともに、その結果を県民の皆様へ公表する仕組みへと再構築することにいたしております。
具体的には、政策評価の対象を、加速化プランの素案に掲げる「21の戦略プロジェクト」と「96の重点事業」に絞りこみ、お示しの事務事業の総点検を通じて得られた、例えば、最適な事業主体や効率的・効果的な事業手法、総事業費と事業効果についての検証結果も生かしながら、重点的に評価を行うことにより、デザイン21の総仕上げに向けて、事業の加速化や進度調整等につなげてまいります。
また、評価指標を、重点事業に直接的に関連する「住み良さ・元気指標」とすることによりまして、事業の的確な達成状況を把握し、評価の精度を高めてまいりたいと考えております。
さらに、加速化プランの内容に即して、県民の皆様の意見を反映する県民満足度の調査項目を見直すことにより、評価全体の客観性をさらに高めますとともに、政策評価の結果の分かりやすい公表にも努めてまいります。
加速化プラン策定後におきましては、新たに、私をトップとする「推進本部」を設置し、政策評価の結果を点検し、重点事業の改善方向等を定めますとともに、その結果を次年度予算編成に的確に反映させていく考えであります。
私は、こうした考え方の下、政策評価システムの充実を図り、効果的な運用に努めながら、限られた財源の中にありましても、より効率的で効果の高い施策を積極的に進めることにより、住み良さ日本一の元気県づくりの加速化に取り組んでまいります。
久保田(再質問) 政策評価システムについては見直されるということで、期待をしたいと思います。どんな制度も6年も経てば制度疲労を起こす。もっと早く見直すべきだったのではないかと思いますが、ちょうど加速化プランの策定にそってということですので、期待をしたいと思いますが、ただ先ほど知事が県民に結果の公表をすると答弁されていましたが、現状でも結果公表はやっていらっしゃいます。結果公表でどのくらい県民の意見が届いていますか。結果公表では不十分です。
総務省のホームページを見ると、47都道府県全国の行政改革の状況や、政策評価システムについて全部出ております。ざっと見ますと山口県も頑張っているとは思うのですが、残念ながら、結果の公表にとどまっていて、県民と一緒に点検をする、点検における県民参画が欠けていると思います。例えば代表的なのは岐阜県です。県民と一緒にやる、県民の目線でやるのが総点検という考え方のもと、現場主義と対話重視で県民の皆様との意見交換を一年間のうちなんと2,593回、うち知事出席分70回、参加者4万7,976人、そして意見提案1万8,509、さらに電子メールや電話FAXで2,453件、合わせて2万962件、それから県職員からも自由に誰でもOKということで534件、平成17年の時点ですでにここまでやっています。18年には第三者機関として政策総点検フォローアップ委員会というのも設けています。神奈川県も外部点検の仕組みを作っており、NPOや市町村の職員を入れています。要は施策を作った側がいくら点検、点検といっても限界があります。その施策をうけて、事業が行われる現場でどう受け止められているか、どう評価されているか、それが本来の政策評価・事業評価だと思います。ですから結果公表にとどまらず、今度、作られる政策評価システムは、県民の目線、県民参加の点検の仕組みを是非お願いしたいと思います。ちなみに政府の行政支出総点検会議でも、国民の目にどういう施策が無駄とうつるか、そういった視点でやるとされていたと思います。是非政策評価システムを見直す今がチャンスだと思いますので、その考え方を導入していただいて、山口県の行財政改革が進むことを期待したいと思います。ご見解をお願いします。
二井知事 県民の政策参加の仕組みづくりについてのお尋ねだと思います。先ほど他県の先進事例も挙げられましたので、そういう所を参考にしながら、どのような成果をあげることができるのか検討していきたいと思います。
(2)市場化テストの導入
久保田 国は、行政改革推進の重要な手法として、地方自治体が担うべき事業を民間に委ねる取り組みについて、平成11年のPFI制度から始まって、指定管理者制度、地方独立行政法人制度と様々な制度を創設してきました。そして、平成18年、「競争の導入による公共サービスの改革に関する法律」が成立して、官民による競争入札・民間競争入札の手続きが規定され、いわゆる市場化テストが導入されました。
市場化テストは、公共サービスの質の維持向上と経費の削減を図る観点から、「官」と「民」が公正・中立・透明性のある条件のもと、競争入札を実施して、質と価格が総合的に優れた事業主体を選定する手法です。行政の守備範囲において、行政と民間が価格とサービスの質の面で競い合って、より優れた方を実施者としますから、行政の責任で行うが必ずしも行政職員の直接執行が必要でない領域となります。したがって、行政の守備範囲の外側に出して民間に任せる民営化とは異なるものです。
全国的な動きを見ますと、和歌山県が平成18年8月に全国のトップを切って庁舎管理をモデル事業として実施、その後、東京都の都立技術専門校業務や、北海道の農業試験場における農業技能業務などが続いています。さらに、導入を検討していた愛知県、岡山県、熊本県は、今年度から導入。さらに、横浜市、倉敷市など45団体にのぼっています。しかし、市場化テストといっても、実態としては様々な形態がとられています。千葉県我孫子市の事例は、「提案型公共サービス民営化制度」として、全事務事業を対象に企業、NPO、市民活動団体等から委託・民営化の提案を募集、愛媛県や佐賀県の「協働化テスト」は、全事務事業について、目的・内容などを調査し、その結果を基に住民満足度を高めるために最もふさわしい担い手は誰なのかなど広く住民と意見交換を行い、事業実施主体の多様化を図る市場化テストとなっています。
本県では、現在,策定中の新たな県政集中改革プランにおいて、行政改革の手法として,市場化テストモデルの導入を示されていますが、どのような方針で検討され、今後取り組んでいくのか。通常の民間委託事業の手法とどのように差別化されるのか、お尋ねします。
三好総務部長 次に、市場化テストモデルの導入についてであります。
お示しの市場化テストモデルは、法に基づく市場化テストそのものではありませんが、債権回収等の業務について、官民競争入札などの新たな手法を用いて行うアウトソーシングの一形態として、近年、他の自治体において導入が見られるところです。
本県においても、民間と行政との新しいパートナーシップを構築するための有効な手段として、積極的な導入を図ることとしております。
現在、県では、今年度行っている「事務事業の総点検」の取組や他県の事例を踏まえて、対象事業の範囲や民間提案の募集手法など、導入方法の検討を進めており、その結果については、今年度改定する「外部委託推進ガイドライン」に盛り込み、来年度から、民間提案の募集を行いたいと考えております。
また、市場化テストモデルについては、従来の行政から民間へ行う委託手法とは異なり、対象とする事業や運営方法等について、民間からの主体的な提案を基本として実施したいと考えております。
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(1)農商工連携による地域産業資源の活用
久保田 本年7月、「中小企業者と農林漁業者との連携による事業活動の促進に関する法律」略して、農商工等連携促進法が施行されました。これによって、地域経済の基盤である農林水産業と商業・工業などの産業間で連携を強化して、新商品開発や販路拡大等の取組みを後押ししようというものです。先月、鳥取、島根、広島、鹿児島の4つの県の7件14事業者が、第一回の中国地域の農商工等連携促進法による事業認定を受けました。それぞれの事業計画を見ると、それまでは埋もれていたり、捨てられていたものなど地域の資源が見事に有効活用されています。
たとえば、広島県の米の冷凍加工業者は、カキの加熱殺菌する技術を持つ水産業者と連携して、カキを利用した冷凍食品を開発、全国へ販路を広げる事業計画です。元々が地元の特産品であるカキですが、生カキが販売不振に陥っていることからの発案でした。また、島根県の菓子製造業者は、農業生産法人と連携して、規格外のブドウを枝付き干しブドウとして開発、輸入品が主流の干しブドウ市場に対して、国産の安心できるドライフルーツで参入、販路拡大を目指しています。規格外の品を活用して国産品アピールとブランド化で付加価値を高めた新しいビジネスモデルです。
本県でも、同様の事業展開はいくつもあるように思います。しかし、今回、本県の事業者からは、事業計画の申請はありませんでした。県は、その理由として、認定を受けるだけの熟度のある事業が見あたらなかったからとしています。しかし、幅広くビジネスプランを公募したら、思いもかけない事業が発掘できたかもしれませんし、今後は、そのような手法も必要ではないでしょうか。また、国の認定を受けるのが、かなりハードルが高いと考えるならば、国基準を少し緩和した県独自の要件を設定して、山口県版農商工連携事業の公募制度を創設し、すそ野を広げることから始められてはいかがでしょうか。
たとえば、大分県では、農商工連携に特化しているわけではありませんが、「ビジネスプラングランプリ」として、県内外から広くビジネスプランを公募し、新規性、将来性、成長性などを審査し、優秀な企業などに補助金総額2,000万円をだしています。この制度は平成15年度から実施されていますが、この間、多くの知的財産が生み出され、また、活用されていなかった特許の活用が図られたり、新事業の創造に大きく貢献していると評価されています。また、高度な新技術だけでなく、竹を活用した温泉冷却装置の開発といった事例もあり、地域固有の資源に根ざした知的財産が発掘できる仕組みも重要と考えます。
そこで、お尋ねです。農商工連携を促進するために、山口県独自の農商工連携事業を創設するとともに、農商工連携による地域産業資源活用の取組みをさらに拡大すべきと考えますが、ご所見をお伺いします。
佐本商工労働部長 地域経済の活性化について2点のお尋ねのうち、農商工連携による地域産業資源の活用についてであります。
まず、御提案の山口県独自の農商工連携事業の創設についてのお尋ねですが、農商工等連携促進法に基づく事業認定については、農林漁業者の法人化等一定の要件を具備する必要があり、現時点において本県での該当事例はありませんが、これまで、企業ニーズの把握に努めてきた中で、年度内にも認定される可能性の高い具体的な案件も出てきてまいりましたことから、事業熟度の向上のための支援を現在行っているところであります。
今後とも、法に基づく国の認定が受けられるような事例の創出に向け、やまぐち産業振興財団等のコーディネート機能を活用し、新たな事業の掘り起こしを強化することで対応してまいります。
次に、農商工連携による地域産業資源活用の取組拡大についてでありますが、昨年8月に策定した「山口県地域産業資源活用促進基本構想」に基づき、中小企業による幅広い取組を促進してきたところであり、これまでに、「萩の竹」を活用した高級家具の開発や、岩国市錦町の特産品である「こんにゃく」を活用した健康食品の開発など、9つの中小企業が、国の計画認定を受けたほか、車エビを活用した事例のように、やまぐち地域中小企業育成事業により支援しているものも19事例ございます。
また、地域産業資源の一層の活用を図るためには、農商工の連携した取組が重要であるとの観点から、昨年、食品産業団体、生産者団体等で構成する「山口県食品開発推進協議会」を設立し、産学公連携による新たな商品開発に、いち早く着手したところであります。
さらに、本年7月には、基本構想を改訂し、農林水産物を中心に70の地域産業資源を追加指定したほか、県内食品関連企業の販路拡大を図る「まるごと!やまぐち”食”の商談会」を開催するなど、関係機関や関係部局との連携も強化したところであります。
今後とも、国や市町、商工・農林水産関係団体等との密接な連携のもと、県内農商工事業者のニーズを踏まえて、地域産業資源の活用の拡大に、積極的に取り組んでまいります。
(2)中小企業の育成・支援
久保田 景気の停滞局面に入り、地域産業振興の重要性はより高まっており、中でも、地域住民に就労の場を提供し、地域経済と住民生活を支える中小企業の活性化は、県の重要な役割です。本県では、平成13年に策定した産業振興ビジョン21に基づき、中小企業の自助努力を支援することを基本として、創業・起業化・新事業展開促進と、人・モノ・金・技術・情報などの経営資源の確保の支援を中心にした中小企業振興策を実施してきました。また、知事のマニフェストでは、中小企業の成長育成支援が掲げられており、年間新規開業件数の向上として、毎年3,000事業所以上、今後4年間で1万2千事業所以上の開業を実現するとしています。しかし過去20年間、廃業率が開業率を上回った状況が続き、過去5年間の年平均開業2,843事業所からみると、厳しい数字だと思います。これまで以上の取組みが必要であり、社会変化に対応した施策展開を切れ目なく行うとともに、それらの検証を徹底し、政策改善につなげなければなりません。しかし、産業振興ビジョンや商工業の年次報告では、中小企業の育成・支援は的確に行われているのか、全体像が検証しにくいのが現状です。全国的には、埼玉県、茨城県、福島県、千葉県、京都府など中小企業振興や産業振興の基本的枠組みを定めた条例を作ったところでは、基本計画を策定、実施された施策の点検、評価と公表する仕組みが整えられています。たとえば、千葉県では、施策の実施状況について、中小企業から意見聴取することも定められています。本県では、独自の条例制定はしないとして、今日にいたっています。そこで、お尋ねです。今後、さらに厳しい経済状況が予測される中、中小企業の育成・支援施策を的確に行うためには、これまでの評価・検証と課題を明確にするとともに、平成22年で終わりとなる産業振興ビジョンの次なる指針策定に向けて、中小企業振興策のPDCA、行政マネジメントサイクルで総合的、体系的に点検、評価と公表する仕組みが必要と考えますが、ご所見をお伺いします。
佐本商工労働部長 次に、中小企業の育成・支援についてのお尋ねです。
これまで、中小企業の振興については、産業振興ビジョンに基づき、やまぐち産業振興財団を中心とした、総合的な支援体制のもと、中小企業の経営の安定を図るとともに、創業から、成長・発展に至るまで、きめ細かな、支援施策の実施に、努めてきたところであります。
これらの諸施策については、毎年、目標と実績を検証するとともに、経営環境の変化等の課題も踏まえながら、見直しを絶えず検討しているところであります。
ご指摘のように、こうした施策の評価、検証、課題を明確にすることは、重要であると考えておりますことから、本県では、政策評価システムにより、中小企業振興施策を含めた全ての施策について、実績や成果を点検、評価し、その改善結果を翌年度の予算編成等に反映させるとともに、その内容について公表しているところであります。
今後、「加速化プラン」の策定に合わせ、政策評価システムについては、見直しが検討されることとなりますので、その状況を踏まえ、中小企業振興施策の総合的、体系的な点検、評価と公表の仕組みづくりについて、検討してまいります。
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(1)療養病床の再編成
久保田 県がこのたび策定した地域ケア体制整備構想では、高齢者一人ひとりの状態に応じて適切な医療・介護サービスを提供する方策として、療養病床転換の目標数値が設定されています。すなわち、平成23年度までに10,050床ある現在の療養病床は、医療療養4,153床と回復期リハ680床をのぞく5,217床を介護施設などに転換して、現在、療養病床にいる医療の必要性の低い患者を移すことを目標としています。
この新たな施設への移行を求められる5,217床という数字の設定は、現状調査にもとづき推計されたものとされています。しかし、平成20年6月に実施された療養病床の転換についての意向調査では、医療療養病床への転換が66.5%、新たな介護療養型老人保健施設、いわゆる新型老健は21.1%、従来型老健施設は7%、未定は0.7%となっています。この意向どおりであれば、医療療養病床が6,336床となり、目標数値4,153床より2,000床あまりも増加することになります。一方で、新型老健への転換は、前回の調査より増加したものの2,007床で、従来型の老健などと合わせても3,000床にも及ばず、目標値5,217床に達しません。新型老健は、このたびの介護療養病床の廃止にともなって、新たな受け皿として創設されたものですが、現行の老健に医療機能を強化させて、24時間看護や医師の常時呼び出しの体制となっています。このため介護報酬の基本施設サービス費を引き上げて、医療療養型医療施設の診療報酬より引き下げる仕組みに設定されています。利用者負担で比較しても、新型老健は、廃止される介護療養病床より安く設定されています。しかし、この新型老健は、現在のところ、転換希望が少なく、介護療養病床にいる患者の受け皿としては十分ではありません。特別養護老人ホームやグループホームなど既存の介護福祉施設の新たな建設が頭打ちとなっている中、新型老健が想定されたようには伸びず、病院の医療療養病床だけが増えているのです。今後、介護報酬と診療報酬の改正が予定されていますから、転換意向がさらに変更される可能性もあるとは思いますが、このような現状を見ると、療養病床の再編成は、必要とされる医療・介護サービスが提供できるように進められるのか不安になります。
そこで、お尋ねです。まず、この意向調査結果をどのように分析し、評価されているのか、県としては、目標値の達成にむけて、今後、医療療養病床から新型老健などへの転換を行政指導されるのか。また、今後の介護保険事業の基本となる高齢者プランが、来年3月策定にむけて、現在、作業中ですが、特別養護老人ホームやグループホームなど介護保健施設などの利用見込み数の設定と新型老健の位置づけをどのようにされるのかお尋ねします。
今村健康福祉部長 地域ケア体制の整備についてのまず2点のお尋ねのうち、療養病床の再編成についてお答えいたします。
今回の医療機関の意向調査結果と「地域ケア体制整備構想」の目標値には乖離がありますが、この調査結果については、各医療機関において、入院患者の医療の必要性、診療報酬や介護報酬の水準等を総合的に考慮して判断したものと受け止めており、今後、報酬改定が予定されていることから、転換意向を変更される可能性もあると考えております。
また、今後、療養病床の転換に当たっては、医療機関の自主的な判断を尊重し、その意向に沿って対応することとしておりますので、構想の目標値をもって新型老健など介護施設等への転換を指導することは考えておりません。
次に、高齢者プランにおける介護保険施設等の利用見込みにつきましては、これまでの施設等の整備状況やサービス利用実績等を踏まえ、施設等の種類ごとに見込むこととしており、年内を目途に中間的な取りまとめを行ってまいります。
お尋ねの新型老健は、夜間の医療機能等を強化した老人保健施設の一類型として創設されたものであり、次期高齢者プランでは、療養病床からの転換の主たる受け皿として位置付けることとしており、その利用見込み数については、今回の意向調査結果等を踏まえて、設定していく考えです。
(2)地域見守り・支え合いの体制づくり
久保田 「困った時にお互いが支え合う地域づくり」、これは、昭和61年から山口県社会福祉協議会が中心となって取り組んできた「福祉の輪作り運動」のキャッチフレーズですが、今日、高齢化が一段と進み、ますます運動の役割が増しています。見守りを必要とする人は、平成17年の4万人から平成47年には、約1.3倍の5万3千人に増加が見込まれています。また、高齢化の進展は、認知症の増加ももたらしており、認知症による徘徊から行方不明となり捜索願が出されるケースも年間約70件ほどになっており、今年8月時点では、すでに昨年の水準を超えて増加しています。高齢者が地域で安心して暮らせるようにするためには、適切な医療・介護サービスの提供とともに、地域の見守りと支え合いの体制づくりが必要です。
県は、今年度の新規事業として、556万円投入して、高齢者が住み慣れた地域での生活を継続できるようにする体制作りモデル事業を2カ所で実施して、マニュアルやガイドラインの作成を来年3月までに行うとしています。
さらに、自治会レベルでの住民主体の小さな地域での支え合いネットワークやマップ作りなど1,150万円の予算もつけています。これらのモデル事業は、その地域で役割を果たすとは思いますが、高齢化の進む中山間地域が多い本県の実情からみたら、マニュアルやガイドラインと同様な組み立てができるとは限りません。一方で、脳トレーニングや筋肉トレーニングなど創意工夫されながら、地域住民とともに、すでに高齢者の健康づくりや見守り環境づくりを進めている施設もあります。各地域で、独自の見守りや支え合いの体制づくりがなされるべきであり、それらの活動促進への支援こそが求められていると考えます。
県は、すでに平成17年3月に地域福祉支援計画を策定して、平成22年度までに取り組むべき地域福祉体制を具体化させています。たとえば、福祉施設、公共施設、民家などを活用して地域密着型の福祉拠点を作り、専門家だけではなく、地域住民やNPOなどによって、高齢者、障害者、児童に対して総合的なサービスが提供される体制づくりを示しています。そして、県内各地に活動が広がってきており、さらなる地域定着にむけての施策が期待されるところです。
そこで、提案です。このような地域独自の取組みを促進するとともに、介護現場の慢性的な人手不足を補うべく、体操や脳活性化トレーニングなど健康作りの指導者や栄養指導者などの専門性のある人を、地域福祉サポーターとして登録し、希望する地域や施設に派遣するバンク制度を創設してはいかがでしょうか。ご所見をお伺いします。
また、深刻になっている認知症に対しても、地域の見守りや支え合いが必要です。だれもが認知症についての正しい知識をもって、認知症の人や家族を支える手だてを知っていれば、安心して暮らせるあたたかい町づくりにつながります。現在、認知症100万人キャラバンが行われており、全国で58万人が認知症サポーター養成講座を受けて認知症の応援者となっています。本県でも、今年3月時点で認知症サポーターは7,988人にのぼっています。認知症サポーターは、認知症の家族を支えるだけでなく、地域見守り活動に参加したり、銀行やスーパーなどの職場で本来業務とサポーターの役割を融合させて認知症の人に対応することも期待されます。そこで、認知症の地域支援体制を強化し、認知症サポーターの養成と活用をセットにして地域の見守りや支え合いの体制に位置づけていくべきと考えますが、ご所見をお伺いします。
今村健康福祉部長 次に、地域見守り・支え合いの体制づくりについてのお尋ねですが、県といたしましては、これまでも「福祉の輪づくり運動」や地域密着型の総合福祉拠点づくりなど、住民自らによる見守り・支え合いの取組を積極的に支援してきているところです。
こうした取組が更に効果的に展開されるよう、今年度新たに、高齢者向けの共同住宅を拠点として、保健師やIT等の知識・経験を有する団塊の世代等をシニアサポーターとして活用し、健康づくりと見守りのモデル事業を進めているところです。
今後、この成果を踏まえたマニュアルを作成し、普及を図るとともに、御提言の趣旨を踏まえ、各地域で養成されるシニアサポーターを登録し、市町や関係団体に情報提供するなど、その活用が進むよう支援してまいります。
次に、お尋ねの認知症サポーターについてですが、県といたしましては、市町や関係団体と連携し、これまでに、住民ボランティアを中心に約8千人を養成してきており、地域において認知症高齢者の見守り活動を進める上で重要な役割を果たしているところです。
こうした中、今年度新たに、周南圏域でのモデル事業において、商店街の店員等をサポーターとして養成するとともに、「認知症の人に優しい店」として「認知症生活支援マップ」に掲載し、家族や関係者に幅広くPRすることとしております。
今後、認知症サポーターが、地域や職場など様々な場面で役割を一層発揮できるよう、モデル事業の県内波及を進め、地域の実情に即した見守り・支え合い体制の充実に努めてまいります。
久保田(再質問) シニアサポーター、これは私が申し上げているのとは少し違っており、私が提示したのは環境生活部の例えば環境アドバイザー、あるいは教育委員会の学校サポートバンク、こうした専門性をちゃんとつけたサポーターを、きちんと養成された、あるいはもともと専門性を持った方々を登録していくという制度、近年、地域福祉は、むしろ「ご近所福祉」と言われるように、より小さなエリアでやっていこうというそういう状況になっているので、ますますこういった専門性のある方達のサポートをいかに地域で組み込んでいくかが重要になっていくかと思う。そういった意味で尋ねたので、ご見解を頂きたい。
今村健康福祉部長 まず、シニアサポーターの、専門性を持ったサポーターをきちんと活用するような取組が必要ではないかということですが、おっしゃるとおりだと思います。現在も専門性を持ったサポーターもたくさんおりますので、先ほど申し上げましたが、登録をきちんとして、情報をきちんと伝えていきたいと思っております。
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(1)病児保育の充実
久保田 病気の子どもの世話は、保護者の責任のもとにあるとはいえ、今日、働く母親の増加、核家族化の進展、高齢就労者の増加などによって、親や家族が自宅で病児の世話をできない場合が増えています。日本経済を支える就労人口の4割は女性であり、近年では、責任ある立場の女性も増加していますし、とくに教育、福祉、サービス業では女性労働が中心的役割を担っています。それだけに、子どもが病気だからといって、仕事を休めない、とくに忙しい時には休みづらい、職場の信頼を失う等、働く母親の大きな悩みとなっています。
このような社会的背景を受けて、国は、平成7年に創設した病児保育補助制度を大幅に見直し、今年度から子育て支援の一つとして充実させることとしています。
これを受けて、本県でも、18カ所の病院・診療所等で開設されている病児・病後児保育事業への支援の強化が期待されるところです。現状は、厳しい経営を余儀なくされているところがある一方で、十分なところもあり、公平さを欠いていると言わざるを得ません。19年度実績でみますと、年間利用実績が2,000人を超えている2カ所の施設が、年間700万円から800万円の赤字を出して運営をしている一方で、年間利用実績が4人しかないところに231万円の事業費が出されて、ひとりあたり、57万7,500円にのぼるところもあります。
さらに、今年度からは、国の交付金が補助金に変わり、1,000人以上の利用に対する加算措置は切り捨てられ、地方自治体での裁量とされています。本県では、1,000人以上の利用実績施設が6カ所ありますが、このままでは厳しい経営を余儀なくされることが想定されます。国の制度のあり方が問われるとともに、補助金の負担は、国、県、市町で三分の一ずつとなっており、国の基準をベースにして県と市町でその上に加算することが可能ですから、利用者の安心・安全の確保、質の向上と健全経営による病児保育事業が円滑に行われるように、県は市町と連携をして支援をすべきと考えますが、今後の病児保育の充実について、どのように取り組んでいくのかご所見をお伺いします。
今村健康福祉部長 次に、小児医療の充実についてのお尋ねのうち、まず、病児保育については、仕事と子育ての両立を進める上で重要でありますことから、県といたしましては、市町と連携し、積極的に取り組んできたところです。また、実施施設は、子育て家庭にとって、病気の子どもを安心して預けられる場としての役割を果たしてきております。
こうした中、国は、今年度の制度改正で、職員配置や補助単価の充実を図ったところですが、特に、利用実績に応じた加算がないことから、利用の多い施設では、運営上の課題となっております。
このため、先般、国に対し利用実績に応じた補助単価の設定や加算措置について要望してきたところであり、今後とも、必要に応じて働きかけてまいります。
また、病児保育に対する県単独による財政支援につきましては考えておりませんが、市町の取組が一層進むよう、地域バランスに配慮した施設の配置等について、積極的に指導・支援してまいります。
(2)ヒブワクチンの予防接種
久保田 ヒブとはあまり聞き慣れない名前だと思いますが、最近、ヒブ菌による髄膜炎が増加しており、5歳未満の人口10万人あたり少なくとも8.6人から8.9人、全国で年間600人も罹患していると推定されています。半数以上は、ゼロ歳から1歳の子どもに集中しており、15%から20%の子どもに聴覚障害やてんかんなどの後遺症が残り、5%の子どもが死亡しています。日本外来小児科学会は、20人にひとりが亡くなる恐ろしい病気として警告を発しています。本県では、正確な発生状況のデータがありませんが、先日も、宇部市内の小児科医が1歳4ヶ月の女の子の罹患を見つけたと伺っており、一定の発生があると推察されます。
世界保健機関WHOは、乳児への定期接種を推奨する声明を1998年にだしており、すでに、欧米、アジア、アフリカの国々130カ国以上で導入されており、そのうち100カ国以上で定期接種プログラムが組み込まれています。その効果は大変大きく、定期接種をしている国々では、ヒブ髄膜炎が過去の病気となりました。
一方で、日本は大変対応が遅れており、多くの国から消えた病気で日本の子どもたちが苦しんでいるのです。ようやく12月からヒブワクチンが市販される予定ですから、今後、ワクチン接種の希望者が増加する可能性がありますが、1回あたりの費用が約7,000円で4回の接種が必要です。それだけに、十分な情報提供とともに接種費用の助成が必要と考えます。すでに、鹿児島市や宮崎市では、補助金を出す任意接種を決定しています。ヒブ菌による髄膜炎は、恐ろしい病気ですが、ワクチン接種が有効ですから、本県でも、市町と連携のもと、実態把握して対応を急ぐべきと考えますが、ご所見をお伺いします。
今村健康福祉部長 最後に、ヒブワクチンの予防接種についてです。
インフルエンザ菌b型、いわゆるヒブによる髄膜炎は、致死率も高く重篤な後遺症を残すことから、特に、罹りやすい5歳未満児にとって、見過ごせない感染症と認識しております。
県内のヒブを含む細菌性髄膜炎については、感染症法に基づき、9つの医療機関から発生状況につき、定期的に報告を受けており、平成14年から18年にかけて、年間3から5人の発生報告がみられているところであります。
細菌性髄膜炎については、現在、「山口県小児科医会」が実態把握のための調査を開始していると伺っており、この結果も踏まえ、市町や医療機関と連携しながら、県民に対し、ヒブ感染症の危険性やワクチン接種の必要性等について、十分周知してまいりたいと思います。
久保田(再質問) 国による予防接種が行われるまで、山口県が市町とともに、支援をしていくというお考えはないでしょうか。御紹介しましたように、鹿児島市の背景には、鹿児島県が詳細な、今調査をされている、そして、小児科の医師たちもがんばってらっしゃいます。
そういう中で、行政も動いているわけですから、ぜひ県としても取り組んでいただきたいと思っております。
防げる病気で命を失わないことというのは、子供の権利条約でも謳われているところでございます。よろしくお願いしたいと思います。
今村健康福祉部長 それからもうひとつ、ヒブワクチンは、基本的には定期予防接種が対象になると思うけれど、国がそれを予防接種法に決めるまで県と市で補助してはどうかという、そういうご質問だと思いますけれど、それに関して、おっしゃるとおりヒブワクチンは、予防接種法に基づく定期接種の疾患と、私考えております。
これは、個人の発病又は重症化が防止することというのが、予防接種法のひとつの目的でございますので、予防接種法に基づく定期接種の対象疾病とすることが、適当と考えています。
まずは、国に定期予防接種の対象とすることを、強く要望していきたいと思います。
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(1)管理職の任用制度の見直し
久保田 大分県教育委員会では、教員採用選考試験の不正とともに、管理職任用における不正もあり、教育界全体への信頼を損ねる深刻な問題となりました。そして、多くの国民が、わが県は大丈夫かといった不安を抱いたと思います。
本県でも、平成2年に教員採用試験に関わって収賄事件が起きており、その後、教員採用制度を含めた人事管理体制の大幅な見直しが行われていますが、今回の大分県の事件を受けて、さらなる不正防止策の徹底が図られなければなりませんし、私たち議会は、それをしっかり監視しなければなりません。そこで、教育採用試験については午前中に議論されましたので、質問の重複をさけるために、私は、管理職の任用制度についてお尋ねします。
本県の教育管理職は、校長と教頭です。まず教頭試験を受けるためには、小中学校の場合、校長と所属の教育委員会教育長の推薦が必要です。県立学校も、複数の校長の推薦が必要です。仕組みの上では、情実がはいりやすいものとなっており、上司たる校長の推薦や後押しがなければ、管理職へのチャンスは全くないのです。教育委員会教育長の推薦と言っても、教育長が、教員の日常的な勤務実態を十分把握できる立場とは言えず、直属校長の意向が強くなるのは推察されます。全国的に見ると、推薦を不問にしているところも多くなっており、一定の年齢と経験によって、誰でも管理職試験を受けるチャンスを設けて、優秀な人材を積極的に登用しようと改革が進められつつあります。本県でも、推薦は廃止すべきではないでしょうか。
また、昨年6月の学校教育法の改正によって、今年4月から都道府県等の判断により、副校長や主幹教諭、指導教諭といった新しい職の設置が可能となりました。さっそく今年4月から、東京都、神奈川県、埼玉県など15の都府県で導入されており、本県でも、山口県教職員人材育成検討会議において、導入に向けて検討を進める必要があるとの報告が出され、すでに関係団体などを通じて実情調査をされているようです。しかし、学校教育の場は、企業組織と異なり、職位の階層が多いことはなじまないとも言われており、さらに、本県の教員の年齢構成は、若年層が少なく、40歳代からの中堅・ベテラン層が多いことからも、管理職ばかりが多くなり、児童生徒と向き合う教員が減少するのではないかといった懸念もあります。
人事の活性化は、教員のやる気につながることでもあり、絶えず見直しをかけて制度の信頼性を確保しなければなりません。優秀な管理職候補者を確実に確保するためには、管理職の任用制度の見直しとともに、管理職が担う職務や権限のあり方を見直し、より魅力ある職にしていく必要があると考えます。そして、新しい職を導入する場合には、学校の指導体制や組織運営体制の強化につながり、児童生徒と教職員の双方により良い効果をもたらすものでなければならないと考えます。
そこで、おたずねです。このたびの大分県の事件と学校教育法改正による新しい職の導入を受けて、本県の管理職任用制度のあり方を検証し、課題の分析や改善策の検討を行い、公平・公正で透明性ある制度を確立すべきと考えますが、ご所見をお伺いします。
また、校長に民間人を登用することについては、平成15年6月議会で、採用方法、研修のあり方、支援体制などの課題があるとして、様々な観点から検討するとのご答弁でしたが、その後の検討はいかがか、お尋ねします。
藤井教育長 学校教育問題の二点のお尋ねにお答えいたします。
まず、管理職の任用制度の見直しについてであります。
お示しのありましたように、大分県の事件を踏まえて、より公平・公正な管理職の任用制度が求められております。
本県の管理職の任用にあたりましては、推薦制度で行っておりまして、管理職に求められる幅広い資質能力に加え、平素の勤務状況や学校運営への参画状況などを考慮して、校長、市町教委から推薦をいただいております。
県教委といたしましては、推薦された者の中から、論文・面接等の選考試験の結果等を踏まえて、総合的評価に基づく人物重視の選考を厳正・公正に行いますとともに、問題用紙や解答例の持ち帰り、本人への試験成績の通知等にも取り組んでおります。
今後は、より公平・公正で透明性のある制度の確立を図るために、現在、この制度について教職員への周知や面接官に教育委員を加えることなどについて、検討を行っているところであります。
なお、副校長など新しい職の設置につきましては、学校の組織力の強化に有効であると考えられますことから、引き続き関係機関等との調整を行いながら検討を進めてまいります。
次に、民間人校長についてであります。
民間人校長の任用につきましては、長期の事前研修を行う必要がある等の課題もありますことから、これまで検討を行ってきたところであります。
本県におきましては、民間企業の経営感覚を学校運営に生かすことについて、将来の校長候補であります教頭を民間企業等に派遣する長期社会体験研修を実施しております。
これまでに104名の教頭がこの研修に参加して、その内、約6割の者が校長として学校運営に取り組んでおります。
県教委といたしましては、現在設置を検討しております副校長に民間人を任用すれば、事前研修についての課題も解決できることから、こうしたことも含めまして、民間人の活用について検討をすすめてまいります。
久保田(再質問) 管理職の任用制度について、推薦制については廃止の方向で検討はされるのですか。
この図を見ていただくとお分かりのように、厳正な審査面接等されているということですが、制度で見たら、やはり情実が入るのではないかと懸念があります。御回答御答弁よろしくお願いいたします
藤井教育長 管理職選考にあたっての推薦方式の廃止についてでありますけれども、推薦にあたりましては、教員の平素の勤務状況とか能力、適性、意欲等について、校長等が日々の教育活動の中で、十分に把握して、適正に推薦していると考えております。
一方、公募方式は、教員の自己推薦によるものでありまして、「意欲を重視する」という点では評価するとこがあると思います。
県教委といたしましては、能力と意欲を重視する、そういう管理職選考制度につきまして、現在の推薦方式を基本にしながら、検討していきたいと考えております。以上でございます。
(2)学力向上対策の強化
久保田 今年度の全国学力・学習状況調査結果では、残念ながら、本県は、小・中学校ともに、昨年度より平均正答率が下回っており、とくに、知識の活用に関する問題は、昨年度以上に正答率が低く、全国との比較でも、中学校の数学が僅差で上回っていた以外は、小・中学校の国語、小学校の算数とすべて下回っていました。全国順位でみますと、小学校の国語Aは38位、国語Bは40位、算数はABともに45位と低迷。中学校は、国語Aが20位、国語Bが31位、数学Aが25位、数学Bが22位となっています。これらは相対的な順位ですし、連続トップの秋田や福井、最下位の沖縄と、全体的に都道府県の順位は昨年と比べて大きな変動はなく、年にたった一回の学力調査の結果であり、何万人規模の平均点で比較することに一喜一憂するほどの意味があるとは言えません。しかし、学力の一部を示す一つの結果であることにまちがいはありませんし、大きな順位の変動が見られないということは、それだけに、構造的に形成されている要因があるとの指摘もなされています。したがって、今後の教育方針を検討する上での反省材料にする必要があります。
たとえば、上位の県では、少人数指導や家庭学習指導に力を入れていることや、学力低位層に焦点を当てた底上げ指導の充実などが挙げられており、参考にすべき点ではないでしょうか。本県では、現在、昨年の結果を受けて、思考力や判断力を高めるための県独自の学習支援プログラムが作成されているところです。
しかし、各市町教育委員会では、昨年度の結果を受けて、すでに授業改善、指導力アップなどが進められており、少人数指導や習熟度別指導に取組まれています。それだけに、新たな県独自の学習支援プログラム導入による授業改善をどのように組み込んでいくのか、教員の増員など支援体制はあるのか、ご所見をお伺いします。また、小学校では、算数や国語などで教科専任の教員を配置していくことも重要と考えます。現状では、定数で配置された教員の中から学校人事で専科教員が決定されて、算数や理科を中心に指導を行っています。そこで、専科教員として指導力向上を図る研修を充実させて、学力の課題を抱える学校に対して優先的に配置すべきと考えますが、ご所見をお伺いします。
藤井教育長 次に、学力向上対策についての2点のお尋ねであります。
まず、やまぐち学習支援プログラムによる授業改善についてであります。このプログラムは、全ての市町教委の参画を得て設置しました検証改善委員会の提言によるものでありまして、本年度、現場の小・中学校教員と一体となって開発をしております。
このプログラムは、児童生徒の活用する力を育成するために、授業計画の作成段階で参考となります指導のポイント、そして実際の授業で使用する問題、さらには単元、学期末、学年末等において、学習した内容の定着を確認する評価問題からなっておりまして、今後、順次各学校へ配信をしてまいります。
各学校の教員は、必要な時にインターネットから容易に取り出せますことから、授業計画を作成する段階で、随時、新しい問題等を取り込み、また、評価によって児童生徒の理解が十分でない場合には、自らの指導方法を見直して、授業改善を図ることができると考えております。
このように、本プログラムは、教員の日頃の授業の充実を支援するものでありますことから、県教委といたしましては、教員の増員は考えておりません。
次に、専科教員の研修の充実と配置についてであります。
特定の教科を教えたり少人数指導を行う専科教員は、学年を越えて幅広く対応することから、経験豊かで高い資質を有する教員を配置する場合が多いということになっております。 専科に特化した研修は行っておりませんが、やまぐち総合教育支援センターで実施している教科研修の内容の充実、また、やまぐち総合教育支援サイトによる優れた指導事例の提供、そして教科ごとの研究会への積極的な参加などにより、資質の向上を図ってまいります。
そうした中で、少人数指導教員等の配置につきましては、市町教委から、それぞれの学校の状況を聞きながら、配置先を決定しておりますが、今後とも、学力調査結果などを踏まえまして各学校の重点課題を把握し、適正な配置に努めてまいります。